進行管理という職種名、あまり聞き慣れないかと思います。

私が携わったのは月刊情報誌とWEB掲載情報の制作進行管理です。

どんな仕事か一言で言うと、発売日から逆算して記事・広告の制作から印刷まで全てのスケジュールを決めて、それが実現できるよう調整・管理することです。

クリエイティブな現場には欠かせない役割ですが、一言では伝わりにくい内容ですね。

より具体的な仕事内容や進行管理求人でよくある募集内容・働き先の種類・おすすめ求人のポイント、気になる疑問について以下解説します 。

進行管理のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

月刊誌や週刊誌、全ての情報誌には発売日や配布日などが決められています。

これはその情報媒体の発刊を決定する企画段階で定められます。

そして、前述のようにここからが進行管理の仕事です。

発売日から逆算して各工程のスケジュールを設定します。

極端な例ですが後の方の工程から、印刷に10日間、制作作業に15日間、受注活動に15日間といった感じで締め切りを設定していきます。

こうして作ったスケジュールを関係部署に配布・通達します。

関係部署とは営業・制作・編集・外注先や印刷会社などです。

進行管理者は各部署でどういった仕事がどれくらいの時間をかけて行われているか把握していなければなりません。

また、広告や記事に関する表記規定というルールがあり、これに則った表記がなされているかのチェックも進行管理の仕事です。

こういった規定にも精通していなければなりません。

ですから私がいた現場では進行管理のことを「ハード」、制作担当などを「ソフト」と呼ぶこともありました。

幹と枝葉のような関係ですね。

全体を俯瞰する進行管理と個別専門的なクリエイターの協力の下、ひとつひとつの広告や記事が作られて、それらが集まって一冊の雑誌となります。

進行管理は会社でどういう役割を求められる?

会社が進行管理に求める役割は全関係者と円滑な関係を作って、媒体を滞りなく発行することです。

営業や制作など各部門には部門長やマネージャーがいます。

彼らはそれぞれの部署を統括していますが、他部署の仕事の進捗具合などは把握できません。

進行管理は全部門の仕事の進捗具合を把握しなければなりません。

遅れが発生すれば進行管理が他部署への調整などを行って、帳尻を合わせます。

進行管理にはどんな種類があるの?

出版・印刷・WEBなどの業界にニーズのある職業です。

ただ、私の勤めたところでは一つの媒体名に関わる出版・印刷・WEBは全て一人で担当していました。

自社名で媒体を発行するような企業ではそういった方式が多いようです。

どういう事業形態や職種が良いか決まっていますか?

私が経験した出版系の企業ばかりではなく、現在ではWEB上での記事や広告を専門的に扱っている企業も多くあります。

紙媒体がすぐに無くなることはないでしょうが、減少傾向にはあります。

将来性も含めて、自分の関わりたい媒体を扱っている企業や職種をじっくり検討されることをおすすめします。

進行管理でよくある募集内容とは?

制作進行の求人で検索してみたところ、現在はWEB媒体とTV・CMなどの進行管理が多く募集されているようです。

私の出版系での経験と現在の募集内容を合わせて、待遇面での詳細をご紹介します。

給与相場

私が務めていたところでは入社一年目の年収で400万程度でした。

現在の募集でもそれぐらいが相場のようです。

勤務時間や休日、残業

私の勤務したところは、進行管理の所属としては制作部署で、フレックスタイム制でした。

制作スタッフは昼間取材に出かけて夜に会社で広告を作成します。

制作スタッフが作った入稿物のチェックは進行管理の仕事ですので、やはり夜間に会社での勤務時間が長くなります。

特に締め切り前は徹夜もしばしばありました。

ただ、深夜手当や残業手当は支給されるのが通例です。

休日は週休2日で年末年始や夏季休暇もありました。

これらは印刷会社の休みにあわせて、スケジュール作成時に設定しました。

福利厚生

社会保険などは当然完備されていました。

特徴的なのはフレックスタイム制と服装が自由なこと。

それから「リロクラブ」という福利厚生サービスを使うことができました。

これは会社ごとに異なるでしょうから、求人広告や面接でよく確認したほうがよいでしょう。

勤務場所

私が勤めた場所は都市圏の自社ビル内にありました。

ワンフロアで月刊誌二誌の関係者が60名ほど働いていました。

清掃などは業者さんに委託してあって、従業員はそれぞれの職務に専念できる環境でした。

求められる人物像

大勢の関係者の仕事の進捗状況を把握して、関係部署との調整を行う仕事です。

社交的で向上心の旺盛な人に向いています。

以下、具体的に説明します。

コミュニケーション能力が高い人

進行管理は関係者に締め切りを守らせなければなりませんし、状況によっては印刷会社への入稿を遅らせてもらうなど、調整が必要になる場合もあります。

普段から言いたいことは言い合えるような人間関係を築いておけると、仕事がスムーズに進みます。

知的好奇心が旺盛な人

自身の仕事に直接関わる部分には深い知識を、他のスタッフが担当する仕事にもそれなりの知識を身につけなければなりませんので、好奇心や向上心の旺盛な人に向いています。

読み書きが好きな人

それから、国語力・文章力も必要です。

制作スタッフが作った原稿を専門の校正スタッフと共に、誤字脱字や表記ルールに触れていないかなど確認することも進行管理の仕事です。

規約は時代に合わせて随時更新されていきます。

それらを大体でも頭に入れておかないと、確認に時間がかかったりして周囲に迷惑をかけてしまいます。

必要な資格やスキル、経験

進行管理に資格は特別必要ありません。

ただ、ワード・エクセルは人並みに使えることは必須です。

DTPや写真加工のソフトを扱えると強みになります。

求人広告を見ると経験者のニーズは高いようです。

しかし経験者もそんなに多くない職業ですから、未経験でも熱意を持って臨めば面接に応じる企業は少なくないでしょう。

進行管理のおすすめ求人のポイント

自身で入りたい業界が決まっているのならそこに進むべきです。

ただ、基礎を一から習得したいと考えているのなら、実績のある大手出版社や広告代理店に応募してみることをお勧めします。

同じ職種の先輩もいるでしょうし、それだけの基盤ができているからです。

以下、理由を細かく説明します。

進行管理職の先輩がいる

未経験で入社して、じゃあ今日から進行管理担当してと言われても、何をすればいいのか分からないでしょう。

その点、いくつも媒体を持っている会社ならば、他の媒体の進行管理を担当する先輩がいるはずです。

一通りの仕事を覚えるまで半年程度はかかると覚悟して、真摯に教えを請いましょう。

未経験者歓迎と記載されている

未経験者を育てるノウハウがあるからこそ、募集の際にこういった表現を記載できるはずです。

面接時にどういった指導を受けられるのかなど、確認しておきましょう。

進行管理の雇用形態による違い

私は大手広告代理店の契約社員として勤めました。

ただ、契約社員といってもボーナスは普通の企業の正社員並みに支給されましたし、有給など福利厚生も充実していました。

正社員への登用制度もありましたが、そこはシビアな狭き門でした。

その会社では営業、制作も含めて、中途採用のスタッフは全て契約社員入社でした。

今もそういった制度の会社は少なくないでしょう。

求人広告に契約社員採用と記載されているから除外するのではなく、よく内容を精査した方がいいでしょう。

自分に合った進行管理の求人の選び方や注意点

当たり前ですが求人を選ぶにあたっては自分が何をしたいのかを考えなければなりません。

やりたい仕事、働いてみたい業界、習得したい技術など。

その中から優先事項を決めて、当てはまる求人広告に応募していきましょう。

【選び方①】雇用形態から探す

最初から正社員雇用であれば申し分ありませんが、そうでなくても悲観することはありません。

一口に契約社員といっても待遇はさまざまですし、努力すれば正社員に登用する制度はあるはずです。

【選び方②】職種から探す

進行管理と言えば一般的に制作進行管理を指します。

ただし、建設や工事に関しても進捗状況を管理する担当の職種があるようですが、そちらに関してはこの記事では触れていません。

【選び方③】会社の業態から考える

出版専業・広告専業・WEB専業の会社もあるでしょうし、総合的に全て扱う会社もあります。

業界の知識を深めたいなど目的意識があれば、その業界を選ぶといいでしょう。

何でも扱う会社に勤めると多忙でしょうが、それだけ身につくものは多くなります。

【選び方④】給与や雇用条件から考える

進行管理の仕事は特別高収入ではありません。

そのため、収入重視の方にはあまりおすすめできる仕事ではありません。

ただ、やはり名の知れた大きな会社の方が、給与や雇用条件は良い内容に整っているでしょう。

【選び方⑤】エリアから考える

進行管理の仕事は都市圏での求人がほとんどです。

大都市であるほど求人も多くなります。

地方都市にもローカル情報誌などの制作拠点はありますので、それなりの求人はあります。

【選び方⑥】好きなブランドから考える

社名・雑誌名・サイト名などもブランドと呼べるかと思います。

自分が好きなもの、興味のあることには情熱を注げるはずです。

求人広告を出している会社がどんな会社で、どんな媒体を扱っているかはしっかり確認しておきましょう。

注意点

実際のところ、「進行管理の仕事がしたいから募集している会社を探す」人も多いでしょう。

収入などよりやりがい重視、そういったスタンスで求人を選んだほうがいい結果に繋がるかと思います。

進行管理についてよくある疑問

進行管理の求人への応募から面接などに関して、私の経験に基づいてご説明します。

応募方法

一般的な履歴書と職務経歴書を用意できれば大丈夫です。

ただ、言葉を扱う仕事ですから誤字脱字は許されませんし、文章力も見られます。

仕事への熱意が伝わる書類を作りましょう。

面接で聞かれること

面接ではコミュニケーション能力を問われます。

あまり固くならずにリラックスして臨んだほうが好印象を与えられます。

ユーモアを交えた受け答えができれば面接官の印象にも残ります。

ただ、やはりここでも国語力は問われます。

正しい日本語での会話を心がけましょう。

未経験でもできるか

だれでも最初は未経験です。

それは負い目に感じることはありません。

むしろまっさらな状態で、御社のやり方をしっかり身につけられます、くらいのアピールはできますし、強みの一つくらいに考えても大丈夫です。

熱意と向上心があれば、未経験でもできます。

資格が必要か

資格は必要ありませんが、PCスキルは必要です。

前にも述べましたが、ワード・エクセルは必須です。

パワーポイントも使えたほうがいいでしょう。

私の場合は入社後にMACのクォークエクスプレスとフォトショップの扱いを覚えて、顧客に入稿してもらう際のフォーマットを作成したりしました。

DTP関連のソフトは入ってから頑張れば身につきますが、オフィス系のソフトについては、職務経歴書を綺麗に作れる程度には使えたほうが、スムーズに面接に進めるかと思います。

まとめ

ここまで制作進行管理の仕事や求人に関して、私の経験を元に記述してきましたがいかがだったでしょうか。

私の場合は特別に進行管理の仕事に惹かれて応募したというより、大手の会社名に惹かれての応募でした。

しかし面接に行った段階で、とても華やかで活気があって、みんなが活き活きと働いている職場に驚き、ぜひここで働きたいと思いました。

なんとか入社することができ、最初は右も左もわからず四苦八苦しましたが、真面目にコツコツ努めることで一人前になることができました。

仕事は奥深く、廻りはプロのライター、カメラマン、ディレクター・・・。

とても刺激的な環境でした。

何十年も勤めたわけではありませんが、この仕事での経験や得られた人間関係は、今も私の大切な財産と言っても過言ではありません。

これから進行管理の職に就こうと考える方に一番必要なのは、仕事に対する情熱です。

それを忘れずに持ち続けていれば実績も結果もついてきます。

この記事が進行管理の仕事を志す方々の一助になれば幸いです。