板前とはどのような仕事をしているのか?板前って、普通の料理人とは違うの?板前ってお寿司屋さんのカウンターでお寿司を握ってる人?など、意外と板前と聞いても明確な姿が想像できずピンときませんよね。

板前とは日本料理専門の料理人というのが正解で、外国で言えば洋食専門の料理人をシェフと言うのと同じです。

お寿司屋さんのカウンターでお寿司を握っている人も板前ですが、正確に言えば寿司職人です。

では、日本料理専門の料理人である板前はどんな仕事をしてるのか仕事内容についてご紹介します。

板前の大まかな仕事内容

板前の仕事は日本料理を作り、お客様に提供するまでが仕事です。

料理の提案、周りへの指示、接客、すべて板前の仕事になります。

板前と呼べるのは

  • 花板(板長や料理長)
  • 次板(副料理長や二番手のポジション)
  • 三番板前(三番手のポジション)
  • 椀方(お吸い物など汁物を担当する人)
  • 煮方(煮物を担当する人)

を板前といいます。

揚場、焼き方などはその下のポジションになるので、基本的には板前の仕事というのは花板、次板、三番板前、椀方、煮方の人達の仕事を指します。

正直に言いますと、私の勤めていたお店の場合は板場に二人しか居らず、上記のような料亭での仕事ではなかったため、全ての業務を行っていました。

今回は料亭の板前だけではなくそういった職場での仕事も含めてご紹介します。

板前の9個の業務

清掃

調理場の場合は帰りに清掃をします。

消毒などの作業も含め、店が終わった後に調理場を一斉に綺麗にします。

特に食品を扱う現場であり、生ものを扱う職業なので、衛生管理は徹底的に行います。

食材管理

冷蔵庫の中にあるものを確認する作業です。

同じものでも、仕入れが古いものを一番手前に置き、賞味期限切れなどを無くすための整理作業です。

古いものを”アニキ”と呼ぶ板前さんがいるので、冷蔵庫の管理の際にアニキと言われたら古いものということです。

道具の管理

板前の命ともいえる包丁の磨ぎ方や、衛生管理のためのまな板や調理器具の洗浄・消毒など、使用するものの管理をします。

包丁磨ぎは職場により行うタイミングは様々です。

調理器具の洗浄は終わるときだけではなく、使用する前も行うのが基本です。

野菜の仕込み

料理で使用する野菜の皮むきや下ごしらえなどを行います。

分業制の職場では主に見習いの人達の仕事ですが、料理人が少ない職場などでは手が空いた人や全員で取り掛かる場合など様々です。

食材の買い付け

魚介類などは市場での買い付けになります。

早朝に市場へ足を運び直接仕入れる場合と、専門の業者を通して仕入れる場合があります。

魚の下ごしらえ

調理する魚の下ごしらえをします。

うろこを取ったり、料理に合うおろし方をしたりと、その時々により方法は変わります。

焼き魚の切り身や煮つけようの魚、キスなどは天ぷら用として下ごしらえをします。

食材の発注

数日先の料理を見越して食材の発注を行います。

野菜や魚などは気候や天候により仕入れが難しい時期があったり、代替品を考えなくてはならないこともあります。

食材の発注は数を合わせるだけではなく、先を見越した状況判断が必要になります。

新人・後輩の教育

板前を育成しているお店では、新人教育というのも仕事のうちに入ります。

私が勤めていたお店は店主一人と私の二人だけの板場だったので新人教育をすることはありませんでしたが

人数が多いお店では仕事の内容だけではなく心構えや接客の仕方など、教えることがあります。

接客

板前となると、カウンター越しでお客様と接する場面が多いです。

大きな店では板前(花板、次板、三番板前)の人達がカウンター越しにおり、その他の人達は厨房での作業になります。

お客様と接するということは、板前にとって重要な仕事です。

板前の仕事先は?

料亭

板前の就職先で一番に思い浮かぶ場所といえば料亭です。

料亭といえばテレビの旅番組などで見る、四季折々のオリジナリティあふれる日本料理を提供してくれるお店です。

味だけではなく、見た目や盛り付けにもこだわりお店の色を出す料亭はまさに板前の中の板前の職場です。

料亭には主に数人の見習いや板前が在籍しており、板長を筆頭にそれぞれ分業しながら料理を作っていきます。

見習いの教育体制が整っているのも料亭の特徴です。

旅館

旅館や温泉宿の板場を切り盛りするのも板前の仕事です。

現在は和洋折衷が増えてきているので、ホテルなどの場合は料理人となります。

日本料理を主に提供している旅館では、板長を筆頭に数人~数十人の板前が仕事をしています。

旅館などの場合は決まったメニューを大量調理する形式の仕事になります。

決まったものを決まった時間内に作るという仕事なので、時間配分がわかりやすいのが特徴です。

個人経営店

個人でお店を営んでいる和食屋やお寿司屋さんなども求人の募集があります。

寿司職人となるとさらに専門的ですが、和食を扱うお店の場合も板前の求人となります。

ただし、食堂は別になります。

個人経営店の場合は小料理屋のような場所でお客さんからオーダーをいただいてから料理を作るという仕事なので

作る料理の種類や数は日によって異なります。

板前の仕事についてよくある疑問

板前の仕事について疑問に思うことがあると思います。

求人を見つけてから悩むこと、採用が決まってから悩むことなど、様々ありますよね。

未経験者の方が疑問に思うことをいくつかご紹介します。

休みはどれくらいあるの?

少なくても週1日の休みとなります。

就業先により定休日がある場合とシフト制で休む場合があります。

サービス業の部類なので基本的に土日祝日休みということがありません。

未経験でも入れるの?

未経験可の求人であれば基本的に応募することもでき、採用されることもあります。

未経験でも仕事に理解があり、やる気を感じられれば採用されます。

板前の場合は資格が要らない職業なので、本人のやる気と忍耐が備わっていれば板前を目指すことが出来ます。

面接で何を聞かれるの?

これはハッキリ言いますと、面接先の企業により異なるので一貫した質問はありません。

その店が求める人材や求める人物像はお店によって異なり、面接の形式も違います。

「料理が好きか」という仕事に関わる質問をされることもあれば、「休みの日は何をして過ごしてますか?」というような

プライベートに関わる質問をされることがあります。

一番はやる気があること、興味があること、目標があることを伝える必要があります。

一番ダメなのは嘘を伝えることです。

「嫌いな食べ物はありますか?」「アレルギーはありますか?」など聞かれた際に、採用してもらいたくてつい見栄を張ったり嘘をついたりという事は採用後の仕事に悪影響を及ぼします。

板前の仕事は長時間労働なので、一般的な企業で勤めるよりも職場の人達と関わる時間が長いです。

その為、一時の嘘などはいずれバレてしまいます。

素直に伝え、誠意を伝えることが大切です。

給料はどのくらい?

お給料は仕事をする地域、資格や経験の有無などでも大きく違います。

未経験者の場合は15万円前後と考えたほうがよさそうです。

地方などの最低賃金がまだ安い地域の場合は特に、お給料の良さを感じることは出来ないと思います。

板前という職人への道ですので、最初は見習いとして勉強しながらの仕事になるのであまり高くはありません。

しかし、長時間労働であるため、それに見合った賃金や福利厚生は会社により保証されます。

住み込みなどの場合は寮費や光熱費などを差し引くためさらに安くなる可能性があります。

一人前の板前になった場合や、板長を経験した人の場合では、お給料が月に30万円を超えることもあります。

包丁などの道具は自分で買うの?

就業先にて購入する場合と、用意されている場合があります。

板前になると自分の使い慣れた包丁を常に持ち歩いているので、一度自分のものになった包丁は一生使う気持ちで管理します。

基本的には職場で用意されている物を使う(または入社時に職場がその人専用のものを用意している)というパターンになります。

万が一、個人で購入を勧められれた場合は、ちゃんとしたものを買い揃えましょう。

持病があっても仕事できる?

病気の種類にもよりますが、厨房での仕事は大量が必要となるため、体に不安がある場合は避けたほうが良いでしょう。

また、重度の食品アレルギーを持っている場合も注意が必要です。

仕事での病気の発症などは職場だけではなくお客様へ迷惑がかかってしまいます。

どうしても板前になりたいという場合は、面接先の人と相談してみてください。

病歴の詐称は絶対にやめましょう。

将来お店を持ちたい事は伝えていいの?

自分のお店を持ちたいという目標はあるけど、今の職場でそのことを言っていいものなのか迷うことがありますよね。

実際、独立を応援しているお店は複数あり、初めから伝えておくことで円滑に事が進むケースもあります。

しかし、店の従業員として一生雇いたいというような会社へ就職した場合は話は別です。

人に抜けられては困る、長年勤めているなんでもわかる従業員を固定してずっと置いておきたいという店もあります。

自分が入社した会社が、どのような意図で自分を採用したのかを知っておく必要があります。

板前になるには何年かかる?

一人前の板前になるには10年~15年という長い年月を要します。

短くても5年といわれていますが、実際はその人の力量や就職先の采配により個人差があります。

自分でお店を持ちたい人でも、最低3年は別のお店で修行をしています。

1、2年程度でなれるものではなく、長い年月の修行を重ね、周りから認められた人達が一人前の板前となります。

労働時間はどれくらい?

就職先により異なりますが、私が勤めていた場所の例を挙げさせていただきます。

10時から仕事が始まり、仕込みの時間となります。

11時30分から店がオープンし、昼の時間帯の営業が始まります。

午後2時に一度昼の営業が終了します。

午後2時~午後5時までの3時間が休憩時間になります。

午後5時から夜の営業が始まります。

夜の営業中は合間を見て1時間休憩が入ります。

夜11時30分に閉店になります。

そこから後片付けが始まり、約30分~1時間は閉店後の作業になります。

こうしてみると、拘束時間は14時間前後で、休憩時間は4時間。

長い時間の勤務となるのでハードな仕事です。

これはあくまで一例ですので、就業先の求人情報で勤務時間を確認してください。

有利な資格はあるの?

板前は資格が無くてもできる職業ですが、有利になる資格といえば調理師免許や栄養士・管理栄養士といった食に関わる資格です。

これらの資格を取得するためには定められた実務経験と知識が必要のため、資格保有者は経験者として見られます。

調理師免許は高校で取得することができ、農業高校などの実業高校で調理師免許を取得できる学科へ進学することにより、卒業と同時に取得することが出来ます。

高校で取得した場合は専門学校へ行かずに資格保有者になるため、就職が早く、学費の面でも大幅に抑えることが出来ます。

高校を卒業した場合や中途から考えている場合は専門学校へ進学または、実務経験を2年以上積んで各都道府県が行っている試験を受けて取得することが出来ます。

高校などで調理師免許を取得する場合は、実技試験と筆記試験があり、実務試験では実際に自らカロリー計算をした献立をつくりパーティー料理などを発案、調理するという高度な試験を経験します。

また、在学中の調理実習では出汁の取り方や野菜の飾り切りなど、実際に板前がやっている技を授業で習い実践するため、普通課卒の生徒よりも早い段階で板前の道に近いことを習います。

もしもこの記事を見ているのが学生の方だった場合は、農業高校などの実業高校へ進学することをオススメします。

正直なところ、仕事で辛いのはどんなこと?

体力勝負の仕事であるため、立ちっぱなしや重いものを運ぶ作業の時は少し辛いです。

あとは休みが友達と合わないという事もあります。

プライベートの時間を確保したい方には少し辛いかもしれません。

まとめ

板前という職人の世界は、なかなか厳しい世界です。

長い年月をかけて修行した方々が板前と呼ばれる職人なのです。

実際、憧れだけでなれるものではなく、忍耐と努力が必要です。

板前を目指したい人は、心構えを持って挑みましょう。


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