2020年7月6日

今から20年程前までは、スキーは若者たちの間では人気のスポーツで、週末や年末年始ともなると、こぞってスキー場に出かけたものでしたが、それがスノーボードに取って代わりました。

最近ではスノーボードすらもやらない若者が増え、全国のスキー場はかつての盛況が嘘のように客足が減り続けています。

昨今、減少を続ける日本人客に代わって年々増加しているのが、外国人客です。

全国の主要なスキー場では外国人ボーダーやスキーヤーが溢れかえり、どこの国のスキー場かと見紛うばかりの光景です。

スキーが好きで得意な方には転職といえるような仕事がスキーインストラクターではないでしょうか。

今回はスキーインストラクターが向いている人の5個の特徴と必要なスキル・特徴について触れていきます。

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スキーインストラクターの仕事とはどんな仕事?

スキーのインストラクターの仕事は色々な方にスキーを教える仕事です。

一口にスキーを教えると言いましても、教わる人のレベルに応じて適切な指導をしなければなりません。

ですから、多種多様なお客様のニーズに対応出来るインストラクターはどこのスキー場でも引く手数多でしょう。

そういうエキスパートなスキーインストラクターになるには、少しでも多くの経験を積むことです。

スキーインストラクターの大まかな仕事内容

スキーインストラクターの大まかな仕事内容は、スキーレッスンを受ける方が希望するレッスン内容を把握し、レッスン時間内で可能な限りの技術指導を行うことです。

時間意識、コスト意識をしっかりと持ってレッスン受講生の方に最大限の技術指導をしなければいけません。

スキーインストラクターが向いている人の5つの特徴とは?

スキーが上手いこと

スキーインストラクターになるにあたって最も大事な部分です。

具体的には、SAJで言えば「準指導員」程度、SIAで言えば「ステージⅠ」程度の技術が必要です。

これは成人の個人レッスンレベルの指導についてですが、中学校や高校のスキー合宿や小さいお子様のグループレッスンなどは、スキー検定2級レベルでも大丈夫ですが、2級レベルの方はレッスン指導をしながら自身のレベル向上を同時に進めていかなければいけません。

「指導員」というよりは「助手」レベルですので、指導員に昇格する為には更なる自己研鑽が必要です。

折につけて、練習を積み重ね、時には自身もレッスンを受け、資格取得の為に努力しなければいけません。

また、資格取得したからといって、全てをマスター出来る訳はなく、定期的に研修なり、強化合宿に参加するなどのレベルアップの為の努力を続けていかねばなりません。

忍耐強い

レッスンを受講される方が上達するまで根気よく技術指導する忍耐力がある方は向いています。

レッスンを受ける方のレベルはもちろんですが、性格も様々です。

自己のレベルを省みず無茶な要望をする方も多いでしょう。

しかしながら、それを「無茶な要望に応えられません」と拒絶してしまえば、そこから先に何も進みませんし、角も立ってしまいます。

無茶な要望だとは理解しながらも、何とかその要望に近づけていき、ある程度、レッスンを受ける人を納得させるレベルまでに到達できるかはインストラクターの腕の見せ所でしょう。

人が好き

レッスンを受ける方は老若男女様々です。

どんな方ともフレンドリーに接することが出来る方は向いています。

小さいお子様相手の場合は、スキーを指導するというよりは子守に近いことをやる場合もあります。

親御さんが託児所代わりにお子様にスキーレッスンを受けさせるケースが最近増えています。

そういう場合でも余程のことがなければ、スキースクールは申し込みを受けますので、インストラクターはベビーシッターさんのように着替えを手伝ったり、お手洗いに同行したりなどの面倒を見なければなりません。

また、体育会系的に上下関係を大事にする人も向いているといえます。

向上心を持っていること

スキーインストラクターになる為にはある程度の技術や知識の習得が必須ですが、スキーの世界では常に技術や知識は変化していきます。

その変化を受け入れ、新たな技術や知識を体得する為に惜しまず努力出来る人は向いています。

ですから、経験年数が長い人が必ずしも良いインストラクターとは限りません。

経験がまだ短く、技術が乏しくてもやる気と熱意があれば、新人でもベテラン並みの評価を受ける場合も多々あります。

また、最近は主なスキー場では外国人スキーヤーが増えてきました。

それに伴い外国人からのレッスン希望も増加し、スキーの技術だけではなく、語学力も求められるようになりました。

今後は英語や中国語などの語学力がある人の需要は益々高まります。

体を動かす仕事が好きな人

スキーインストラクターの仕事場所は当然のことながら、ゲレンデです。

屋外で体を動かす仕事で体力的にはかなりの重労働です。

ですから、体力がなければ始まりませんので、基礎体力が人並み以上にある必要があります。

年齢と共に体力は落ちていきますが、体力を一定以上保つ為の運動が必要です。

その努力を苦に思わない方はスキーインストラクターの仕事に向いています。

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スキーインストラクターに向いていない人の5つの特徴とは?

人の上達に興味がない人

いくら自分がスキーの上級者であっても、レッスンを受ける受講生の上達にあまり関心が持てないようでは、向いているとは言えません。

インストラクターとしては当然、時間通りにレッスンを終了すれば給料が発生しますが、そのレッスン時間をどのようにこなしたかで受講生の上達具合が変わってきます。

自身の技術をいくら見せつけたところで、すぐに受講生は体得出来ません。

それどころか、やる気を失ってしまうかもしれません。

受講生が少し手を伸ばせば手が届くレベルの滑りを絶えず心掛けることが大事です。

安定した職を望んでいる方

スキーインストラクターは冬のシーズンの間だけの仕事で、しかも定期的にレッスンが発生するとは言えませんので、安定的に収入が確保出来ません。

レッスンがない時間は技術向上の為の時間に割けるメリットがありますが、毎月決まった収入が必要な方には向いているとは言えません。

昨今は、レッスンを受ける人が少なくなってきていますので、当然のことながらインストラクターの手取り収入も減ってきています。

収入を第一に考えている方はリフト係やホテルスタッフ、レストランなどの勤務のほうが安定収入に繋がります。

自分のスキー技術の上達にだけ興味のある方

あくまで主体はレッスンを受ける受講生の方のはずですが、受講生そっちのけでご自身の技術を見せびらかすことに夢中になったり、ご自身の技術向上にしか興味を持てないような自分本意の方は、いくらスキー技術が高い人でもスキーインストラクターに向いていません。

むしろ、スキー技術が多少劣っても受講生の上達の為に熱心になれる人のほうが余程、向いています。

汗をかいて無我夢中でやる必死なレッスンこそ、受講生の心に響くでしょう。

共同生活が苦手な人

スキーインストラクターの宿舎はだいたいどこのスクールでも恵まれているとは言えず、最低でも2〜3人、多い時で5〜6人程度で宿泊することになります。

個室などは全く期待出来ません。

大人数で生活しますから、お互いに協力したり譲り合ったりしながら生活していかねばならないのですが、そういう環境に馴染めず溶け込めない方はこの仕事には不向きです。

健康面に問題のある方

心身共に健康でなければ、気温が低いスキー場での生活や仕事を続けていくことは難しいです。

ましてや、ご自身ではなく、受講生の体調面を気遣う側の立場ですから尚更のことです。

志が確かでも、体調面でどこかに問題を抱えているならば、まずはその問題を解決しなければなりません。

体力仕事の比重は高いですが、人相手の仕事でもあるため、精神的なストレスも溜まりやすいです。

ストレス解消の為、タバコやお酒を好むインストラクターは多いですが、タバコはスポーツをやる人には百害あって一利なしですし、お酒も多少嗜む程度くらいなら問題ありませんが、飲み過ぎは控えるべきです。

スキーインストラクターの仕事をするために必要なスキルや適性とは?

スキー検定の有資格者

SAJの正指導員や準指導員、SIAのステージⅠからステージⅢの資格を持っていれば無条件でスキーインストラクターになる資格はあります。

上記の資格を取得すると、会費や研修などでの出費が発生しますが、もし興味があり、資格が取れる環境にあるようでしたら是非に資格取得をお勧めします。

有資格者は給料面でも優遇されますし、仕事量も安定します。

バッチ検定合格者

SAJの2級以上、SIAのゴールド以上のバッチ検定合格者はスキーインストラクターの補助的な業務につけます。

成人の方の個人レッスンは無理でも、中学生や高校生のスキー合宿やキッズレッスンなどのインストラクターに就くことは可能です。

また、上記の指導員資格の取得の為にはまずバッチ検定の合格を義務づけているので、指導員資格を希望の方でまだバッチ検定をお持ちでない方にはバッチ検定を取得して下さい。

スキー経験が豊富

指導員の資格やスキー検定のバッチ所持者ではなくても、毎シーズン欠かすことなくスキーを続けている方は、スキースクールによっては臨時のスキーインストラクターに採用される可能性があります。

特に2月のピークシーズンはどこのスキースクールも人手が足りないので、採用基準(資格の有る無し)を満たさなくても採用率が高くなる傾向があります。

採用後に、ベテランインストラクターによるレクチャーやデモンストレーションがあるので、ある程度はインストラクターのイロハを学ぶことが出来ます。

雪国の出身の方

雪国県ではほとんどの人が小中学校で、スキー授業の経験があるかと思います。

大人になってスキーはやらなくなっても幼少期の頃の経験はかなり身に付いているものなので、ある程度滑りこめば感触を思い出すものです。

冬季オリンピック選手の大半が雪国出身のことからも、スキーインストラクターになる上でもかなりのアドバンテージになることは容易にお分かり頂けることでしょう。

スポーツ経験が豊富

スキーはもちろんのこと、年間を通して様々なスポーツを経験されている方は体力があることから、適正があると言えるでしょう。

スキーレッスン、特に中・高生のスキー合宿ですと、技術よりも体力勝負の側面があるので、日頃からスポーツをされている方はかなりの特性があると言えます。

引率力がある

スキーインストラクターの方に多いのが、退職された教員の方です。

指導力や引率力に秀でており、特に中学高校のスキー合宿で能力を遺憾なく発揮されます。

卓越した引率力や指導力をお持ちの教員の方は即戦力と言えるでしょう。

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これからスキーインストラクターの仕事をはじめるには、どうしたらいい?

スキーインストラクターの仕事を始めるには?

スキーインストラクターの仕事を始めたい方は、ネットの求人サイトでまずは調べるといいでしょう。

ご自身が赴任希望のスキー場の求人をいくつか見つけ出し、比較検討されるといいでしょう。

最近は時給制のところが増えていますが、日当制のほうが手取りが多く貰えます。

交通費や車両持ち込みの際の費用援助、宿泊費や食事代なども注意深くチェックしてください。

スクールによって条件がかなり違ってきます。

資格は必要?

上の方でも触れましたが、SIAの指導員や準指導員の資格やSAJのステージⅠ以上の資格があればスキーインストラクターの仕事に就くことが出来ます。

SIAの1級や2級、SAJのゴールドのバッチ検定が上記の指導員資格に続きます。

SAJかSIAかはご自身の適正を判断し、合いそうな方の資格を取得するといいでしょう。

SIAもSAJも資格を取得するとそれぞれの組織の会員となり、年会費などの費用負担が発生します。

まとめ

スキーインストラクターに向いている人の特徴や適性について触れてみました。

最近はどこのスキースクールも深刻な人手不足です。

正に猫の手でも借りたい状況です。

スキーインストラクターになるには資格が必要だということはもうおわかりいただけたかと思いますが、資格がなくても興味があって、熱意や情熱がある方なら是非やられてみて下さい。

必ずや道は開けるでしょう。

技術や資格は後からついてきます。

まずは一歩を踏み出してみて下さい。

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