不動産鑑定士の仕事をしていると転職の話題が良く出てきます。

実際に比較的条件の良い転職希望者の募集の話は良く耳にしますが、不動産鑑定士の資格を取得していれば誰もが簡単に転職できるという訳ではありません。

不動産鑑定士の仕事で転職を成功させるためにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

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まずは「不動産鑑定士」の仕事例をチェック

不動産鑑定士の仕事で転職する人は多い?

厚生労働省による平成30年雇用動向調査結果によると、転職入職率は10.0%となっており、年齢別では30歳前半頃まで高く、その後は60歳前後まで低くなり、定年退職を迎える時期に再び高くなる傾向を示しています。

「転職入職率」とは、常用労働者数に対する転職入職者数の割合のことであり、「転職入職者」とは、調査期間中に事業所が新たに採用した者(入職者)のうち入職前1年前に就業経験がある者のことをいいます。

10.0%を高い数値と思われる方が多いかもしれませんが、期間を定めず雇われている又は1か月以上の期間を定めて雇われている者を対象としているためだと思われます。

ちなみに主たる家計支持者となることが多い男性の年齢別転職入職率をみてみると、20~30歳前後で10%程度、40~50歳前後で5%程度となっています。

不動産鑑定業に限定した転職入職率などの統計が出ている訳ではありませんが、不動産鑑定士の仕事で転職は多く行われ、珍しいことではありません。

感覚的には不動産鑑定士の10%を遥かに上回る人が転職を経験していると思います。

これは不動産鑑定士の資格制度や仕事の性質に大きく起因していると考えられます。

不動産鑑定士の資格を取得するためには実務修習が必要であり、民間の鑑定業者に就職をして実務修習を行うのが一般的です。

多くの人が実務修習を終えて不動産鑑定士の資格を取得したときに、自分自身のキャリアを見つめ直し、やりたいと思う仕事ができる職場へ転職しようとするためです。

不動産鑑定士の仕事で、転職を成功させるためにやるべき5個のこと

不動産鑑定士として転職を成功させるためには何をすべきなのでしょうか。

ここではやるべき5個のことを挙げてみたいと思います。

明確な目標設定

最初に自分自身がどのような仕事をしたいのか、どれくらいの年収が欲しいのか、どのようなキャリアを築きたいのかといった転職によって実現したい目標を明確にしましょう。

目標は明確であればあるほど、それを実現するために必要なことが明確になってきます。

この目標は転職を成功させるために何が必要なのかを考えるために設定するものですから、自分自身の能力、転職を希望する業界、職種の状況によって柔軟に修正して構いません。

妥協できない条件の明確化

転職を成功させるためには目標設定を明確にするということを上記で述べました。

全ての目標を達成できる職場へ転職できれば良いのですが、実際にそのような職場へ転職できる人はごく僅かであり、何らかの妥協をせざるを得ないケースは多々あります。

転職をより良い状況へ進むためのステップと考えるのであれば、妥協できる条件と妥協できない条件を明確にしておくことが大切です。

仕事の内容、会社の社風、年収など妥協できない条件を明確にすることは転職について真摯に取り組んでいるということですから、その姿勢は採用する側にも伝わることでしょう

情報収集

転職によって達成したい目標、条件が明確になったら必要になるのが情報です。

自分が設定した目標を実現可能なものとするには、どのような会社、どのような仕事を選ぶ必要があるのか、そのような会社の人材募集の有無や仕事の内容、職場の雰囲気、年収など収集すべき情報は多岐に渡ります。

これらの情報をインターネットの情報サイトや転職エージェントから情報収集するのが広く行われている方法ですが、不動産鑑定士の転職については仕事の関係者から情報を得るということも良くあります。

ただし、情報の収集の仕方や尋ねる相手先によっては、転職活動を行っているという話が広がってしまうこともありますので、周囲に知られたくない場合には慎重に行わなければなりません。

客観的な自己分析

情報収集を行うとともに転職に備えて客観的な視点から自己分析を行うようにしましょう。

自分自身のことを客観的に捉えることはなかなか難しいことですが、自分の実力、得意分野、苦手分野、長所、短所などを把握することで、転職を成功させるためには何が必要なのかが分かるようになってきます。

厳しいことをいうようですが、自分の能力に対して高望みすることは転職の失敗につながる可能性が高くなりますし、例え転職できても求められたことに応えられず苦しい立場になることもあります。

また、転職の成功とは転職することではなく、転職によって自己成長、自己実現を果たすことですから、転職して充実した仕事を行うためにはどのような業務に従事するかは勿論ですが、会社の社風や職場の雰囲気が自分に合っていることも重要です。

このような自分に合った会社選びを考える際にも客観的な自己分析の結果が役に立ちます。

職務経歴書や面接の事前準備

転職に際しては履歴書のほかに職務経歴書を提出することが一般的に行われます。

職務経歴書は履歴書で表現することができない不動産鑑定士としての能力をアピールするためのツールとなりますから、その内容については十分に吟味して作成しなければなりません。

また、職務経歴書の記載内容と平仄を取って面接で話す内容についても考え、練習をしておくことが大切です。

どれだけ自分に自信と能力があっても、それを言葉で淀みなく表現するためには事前準備をしておくに越したことはありません。

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転職するにあたっての必要な心構え

希望する条件の明示

不動産鑑定士を募集する会社は、不動産鑑定士という資格保持者に不動産に関する高度な知識や能力を期待しています。

しかし、不動産鑑定士として鑑定評価業務に従事して様々な案件を担当して欲しいと思っているのか、不動産鑑定士としての知識、経験を活かして不動産投資の分野で活躍してほしいと思っているのかなど会社によって求めるものには多少の違いがあります。

このためステップアップを転職によって求める不動産鑑定士は希望する業務などの条件を明確に伝える必要があります。

希望する条件を伝えることを躊躇する方がいますが、転職によって自己実現を達成するためにはこれらを明示していくという心構えを持つことが大切です。

転職を延期という選択も残すこと

転職活動を行った結果、希望する転職先から内定を得ることが出来なかったり、納得のできる転職先が見つからなかったりということがあるかもしれません。

転職の成功は転職希望者の能力による部分のほかに、業界の景気、転職のタイミングによっても左右されます。

このため転職することを決めたとしても状況によっては、転職に必要な知識と経験を深めるためや市況の改善を待つために転職を延期して現在の職場に留まり時機を伺うという選択肢を残すことが良い場合があります。

現在の職場に大きな不満が無い場合には、無理をしてまで希望を満たさない職場へ転職を行うよりは、知識や経験を蓄えながらチャンスを待つという心構えをしておくこともお勧めです。

堅実なステップアップ

転職によって自己実現欲求を満たしたいという気持ちがモチベーションになることは間違いありませんが、実力が伴わなければなりません。

もし、自身が希望する職種で活躍するだけの実力が足らないということであれば、実力をつけるための転職を検討するという柔軟さを持つことも大切です。

転職には退職が伴うこと

当然ですが転職をするためには現在の職場を退職する必要があります。

不動産鑑定士であれば、自分の資格で行う業務を持っている可能性が高く、会社を退社したい意向を伝えたからといってすぐに退社できるという状況ではないことが多いでしょう。

そうなると退社の意向を伝えてから暫くは残務処理を行わなければならないということもあります。

また、人手不足の昨今では退職の意向を伝えると引き留めに合うことも十分に考えられます。

そのような状況のなかで円満退社とまではいかなくてもトラブルは最小限に抑えるという心構えで退職までの業務を進めていくことが大切です。

不動産鑑定の業界は狭いので退職した後でも何らかの形で仕事の関係が生じることがあり、場合によっては転職先に影響を及ぼすことが無いとも言い切れません。

現在の職場と転職先の職場に対して誠実な対応を心掛けるようにしましょう。

不動産鑑定士の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

理論的思考を養う

不動産鑑定士の仕事には判断を必要とする局面があります。

この判断について、「不動産鑑定士による判断」という言葉だけで済ませてしまう不動産鑑定士も少なからず存在しますが、その判断の根拠を理論的に説明できる不動産鑑定士が優秀な人材として求められています。

理論的思考を養い、判断の根拠を表現する作業を続けることで自ずと理論的な話をする力も身に付いてきます。

転職活動で自身の能力を分かり易く理論的に説明することができるということは、転職市場における自身の市場価値を高めることになるでしょう。

専門的な知識と経験

不動産鑑定士として専門的な知識と経験を身に着けることは必須ですが、転職によって年収を上げるという点においては一工夫必要です。

一般的に不動産鑑定士に関連した業務で高い年収が得られるのは金融や投資に関連した業務となりますので、不動産鑑定士の知識とそれらの知識を融合させて重点的に身に着けることが、これらの業界への転職で有利に働くことになります。

転職希望先の業界で役に立つ資格、知識を証明することのできる資格を取得しておくことも転職に有利に働くことでしょう。

英語スキルを高める

年収を上げるという点では高収入が期待できる外資系企業へ転職するのもひとつの方法です。

不動産投資や金融の分野の外資系企業では、不動産鑑定士の募集を行うことがあります。

全ての外資系企業でビジネス英語での会話レベルが必須ということはありませんが、高い英語スキルを持った不動産鑑定士は貴重な人材として転職市場では高く評価されています。

しかし、厳しい成果主義のため英語だけでなく、不動産鑑定士としての能力も高いものを求められますので本業での十分な実力を身に着けておくことも大切です。

日々の研鑽

不動産鑑定士は不動産の価格に関する専門家です。

専門家である以上、不動産鑑定士個人の知識、経験が転職市場における重要な要素となることは間違いありません。

職場によっては、不動産鑑定士の転職市場における価値を高めてくれるような知識や経験が得ることが難しく、そのような知識や経験を得たいと思って転職しようとしても、採用する側で求める人材は即戦力ということが往々にしてあります。

不動産鑑定士の転職で良くある失敗は、不動産鑑定士であることだけを転職のアピールポイントにして転職活動に臨んでいることに起因しています。

不動産鑑定士であることはスタートラインに立っただけに過ぎず、不動産鑑定士として何ができるのか、何を知っているのかが重要なのであり、年収はその能力に対する報酬だとも言えます。

このため不動産鑑定士として転職を成功させ、年収を上げるためには、高度な知識や経験を身に着けるため専門誌などを読んだり、セミナーに参加したりするなどして転職市場における自身の価値を高めるための自己研鑽が必要です。

良好な人間関係の構築

不動産鑑定士の仕事を通じて、職場の上司、同僚を始め、他の会社の不動産鑑定士の方々、鑑定評価等の業務を依頼してくるクライアントの方々、ヒアリング先など、様々な業界、分野の方々と接する機会があります。

不動産の鑑定評価に関する業界は狭く、人物像や仕事に関する評判などは思った以上に広がり易い環境にあります。

そのような中で良い評判が広がっていればヘッドハンティングや口利きなどによって好条件での転職の話が舞い込んでくることがあるのです。

まとめ

国内企業、外資系企業など多くの会社で不動産鑑定士の募集が行われていますが、好条件の会社に転職し、良い仕事を続けるためには実力が伴うことが大切です。

不動産鑑定士の仕事は、自分の能力を高めることによって転職によるステップアップを実現しやすい環境にありますから、やりがいがある仕事だと言えるでしょう。

不動産鑑定士で転職を検討されている方にとって今回の記事が参考になりましたら幸いです。

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