マーチャンダイザーの役割とは?この仕事の良い面・悪い面についてもご紹介します!
みなさん、「マーチャンダイザー」という職業をご存知ですか?
略して「MD」と呼ばれることが多いのですが、なかなか聞きなれないという方も多いかもしれませんね。
しかしこの「マーチャンダイザー」、実はみなさんにとって身近な存在だったりもします。
みなさんが百貨店やデパートに行くと、思わず「これ欲しい!」と思うような商品がたくさん置いてあったりしませんか?
その思わず欲しいと思うような商品を選び出し、仕入れるのがマーチャンダイザーの仕事なのです。
今回はそんなマーチャンダイザーの仕事内容や、向き不向きについて解説します!
目次
閉じるマーチャンダイザーってどんな仕事?
マーチャンダイザーとは、簡潔にいうと「仕入れ販売係」のこと。
とある企業で一定の範囲の商品を選定し、仕入れ、販売する人のことです。
百貨店やデパートなどはこのマーチャンダイザーという職種を設けていることが多いです。
マーチャンダイザーの仕事内容とは?
よくバイヤーと勘違いされることが多いのですが、マーチャンダイザーの行う業務はバイヤーよりも広範囲。
マーチャンダイザーの決定の元、バイヤーが動くといっても過言ではありません。
この項目では、マーチャンダイザーが行う業務について具体的に解説していきたいと思います。
販売商品の選定
マーチャンダイザーの主な業務は、お店で販売する商品を選定すること。
毎月決められた売り上げ予算を達成するにはどのような商品を販売したら良いかを考え、売り上げを作るための商品を選びます。
既存の商品から選ぶこともあれば、自ら商品を開発することも。
商品開発については後の項目で詳しく説明します。
市場調査
販売する商品を選ぶためにまず必要なのが、市場調査です。
経済がどのように動いているか、市場の人気はどのようなものか、競合店はどのようなラインナップにするかなどを徹底的に調査します。
それと同時に、自分のお店の客層や来店人数も調査。
その上で販売するターゲット層を決め、販売したら売れそうな商品を選ぶのです。
商品開発
小売店の中には、自社ブランドを販売するお店もありますよね。
いわゆるプライベートブランド、通称「PB」と言われるものです。
そのPB商品の開発をするのもマーチャンダイザーの仕事。
上記で述べたように市場調査を行った上で、他者と被らないような魅力的な商品を開発します。
販売計画の立案・管理
販売する商品を選定したら、それらの商品を販売計画を立てるのもマーチャンダイザーの仕事。
どの商品をどのタイミングでどのくらい売るかについて考えます。
目標は、仕入れた商品の在庫が足りなくなったり、残ったりしないこと。
全てきれいに売り切れるような計画を立てることが必要です。
生産管理
商品を開発する場合、生産のスケジュールや工程の管理も行います。
商品が出来上がり販売が始まったら、在庫を切らさないように追加生産をかけるのも仕事のひとつ。
また、商品の売れ行きが悪い場合、生産量を減らすこともあります。
生産もととの密な連絡と信頼関係、また先を読む力が重要です。
販売促進活動
商品の売れ行きや予算を元に、マーチャンダイザーが自らプロモーション活動を行うことも。
販促の方法は小売店により異なりますが、催事会場を作ったりイベントを行ったりすることが多いです。
マーチャンダイザーの仕事はどんな人に向いている?
多くの業務をこなさなくてはならないマーチャンダイザー。
上記の「仕事内容」をお読みいただけば、その大変さもお分りいただけたのではないかと思います。
そんな大変なマーチャンダイザーは、どのような人が向いているのでしょうか。
向いていると思われる人の特徴をいくつか挙げたいと思います。
分析力がある人
売れる商品を選定するためには、まず市場の動きを見なければなりません。
市場がどういう風に動いていて、今後はどういった流れが来るか。
その流れにどういう商品を投入したら売れるのか。
これらを細かく分析し、答えを導く力がある人は向いていると言えます。
先読みする力がある人
上記の分析力にも似たものがありますが、状況を把握した上で今後どのような流れが起こるか先読みする力がある人は向いていると言えます。
在庫を多く残さないように生産を止めたり、逆に追加生産をかけたりするのも、先読みする力が必要。
仕事をこなしていく上での慣れで養われる部分もありますが、市場の動向が読める人は向いているでしょう。
トレンドに敏感な人
商品選定は、基本的には市場分析を元に行われます。
しかし、それだけではうまくいかないということも。
そんな時、単純に「次はこれが流行りそう!」とトレンドに敏感である人が莫大な売り上げを作ることもあります。
したがって、トレンドに敏感な人は向いていると言えるでしょう。
数字に強い人
マーチャンダイザーは、たくさんの数字を扱います。
商品価格、仕入れ価格、商品原価、市場規模、予算など、毎日数字とにらめっこといっても過言ではありません。
ちょっとした計算や数字を扱うことが得意という人は、マーチャンダイザーに向いている可能性が高いです。
コミュニケーション能力がある人
商品開発を行うにしても、商品の選定を行うにしても、マーチャンダイザーは日々多くのメーカーさんと関わります。
したがって、コミュニケーション能力はマスト。
メーカーや生産会社との何気ないやりとりからヒット商品が生まれることもありますし、売り上げを作るきっかけになるような情報を得ることもあります。
最低限のやりとりだけでなく、必要以上のコミュニケーション能力があるとなお良いでしょう。
逆にマーチャンダイザーの仕事に向いていない人の特徴は?
では、どのような人はマーチャンダイザーに向いていないのでしょうか。
上記の裏返しにもなりますが、主な項目を下記にまとめます。
考えることが苦手な人
マーチャンダイジングは、しっかりとした市場調査、分析の元で行われます。
したがって、調査結果や何らかの情報から仮説を考えたり、分析したりすることが苦手な人は向いていません。
ある程度の直感力も必要ではありますが、全く考えずに行動するというのは考えもの。
きちんと考えて、仮説を立てた上で行動できない人は避けたほうが良いでしょう。
数字が苦手な人
上記でも述べましたが、マーチャンダイザーは常に多くの数字を扱います。
また、原価率を出したりロットを元に販売計画数を計算したりと、数学の要素もたくさん。
数字や数学に苦手意識がある人、計算が苦手という人は向いていないかもしれません。
コミュニケーションを取るのが苦手な人
マーチャンダイザーには、高いコミュニケーション能力が求められます。
楽しく会話ができることはもちろんですが、常に多くの人と関わるマーチャンダイザーは目の前にいる人がどこの企業の誰であるかも把握しておくことが必要です。
したがって、人の顔を名前を覚えるのが苦手であったり、コミュニケーションを取るのが苦手という人は向いていないと言えるでしょう。
マーチャンダイザーのやりがいとは?
たくさんの業務をこなさなくてはならないマーチャンダイザーですが、その分やりがいや達成感も強い仕事です。
この項目では、マーチャンダイザーが感じるやりがいについて紹介したいと思います。
高い売り上げを作ること
マーチャンダイジングの目標は、売り上げを作ること。
売り上げを作るために、売れそうな商品を選んだり開発したりするわけです。
したがって、高い売り上げを作れた時は、やりがいを感じます。
ヒット商品を開発すること
商品開発も行うマーチャンダイザー。
市場分析を元にヒットするような商品を作ることに強いやりがいを感じます。
実際にヒットした時の達成感は計り知れないもの。
これはなんとなくイメージしやすいですよね。
仕入れた商品を売り切ること
売り場の状況に合わせて、在庫を残さないように商品の生産を管理するのも仕事のひとつ。
売れ行きを読み、在庫ゼロで販売を終えた時はやりがいを感じます。
生産を抑えて売り切った時よりも、生産を追加して売り切った時の方がより強い達成感があります。
マーチャンダイザーの面白いポイントとは?
ここまでお読みいただくと、マーチャンダイザーはなかなか大変な仕事に感じてしまうかもしれません。
また、上記ではやりがいを紹介しましたが、逆にハードルが高く感じてしまったという方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこでこの項目では、マーチャンダイザーという仕事の面白みについてご紹介します。
市場の分析を元に、自ら仮説を組み立てること
何かについて分析したり考えたりすることが好きな人は、何となくイメージがつくかもしれません。
複数の結果を元に、自由な発想で「こういうものが売れるのでは」「こういうトレンドがくるのでは」と仮説を立てるのはなかなか面白いもの。
それを会議で発表し賛同が得られたり、仮説通り商品がヒットすればなおさら面白く感じます。
売り場の状況などを元に、結果を先読みすること
こちらも上記の仮説を立てることに似ていますが、今ある状況だけを元に未来を予測するというのも面白みがあります。
予想が外れて大量の在庫を残してしまった時は落ち込むこともありますが、自分の予想通りに在庫が動いた時などは気分爽快です。
商品を開発すること
分析結果から生み出した仮説も自身のクリエイティブと言えますが、さらに商品というクリエイティブを生み出すのもマーチャンダイザーならではの仕事。
アパレルであれば色や形・素材はどうするか、食品であれば味付けやパッケージ、商品名はどうするかなど、ありとあらゆることが自分の仮説を元に決められていくのは、非常に面白みがあります。
マーチャンダイザーの仕事に活かせる経験
様々な業務を行うマーチャンダイザーですから、活かせる経験も多くあります。
今回は代表的なものをいくつかご紹介いたします。
マーケティング経験
商品を選定・開発するのに欠かせないのが、市場調査。
つまりはマーケティングです。
ジャンル問わずマーケティングの経験は、マーチャンダイザーの仕事にも存分に活かすことができます。
商品の生産管理経験
商品を生産する工場などに勤務した経験があり、生産から納品までの工程を知っている人や、その生産や物流を管理していた経験がある人などは、その経験をマーチャンダイザーとしても活かせる可能性が高いです。
営業経験
営業として商品売買の最前列に立っていた人は、市場の流れやトレンドに敏感だったりしますよね。
また、日々コミュニケーションを取っているため、コミュニケーション能力にも優れていることと思います。
いずれもマーチャンダイザーには必要不可欠な能力ですので、営業経験はマーチャンダイザーとしても活かすことができます。
その後のキャリアについて
この仕事についた後のキャリアアップの道は?
マーチャンダイザーとしてもキャリアアップは、昇給や昇進がメイン。
また、担当する商材が増えることがキャリアアップです。
キャリアアップを求めて他の商材を扱う企業に転職する人も多くいます。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
再三述べてきましたが、マーチャンダイザーの業務内容は多岐に渡ります。
マーチャンダイザーを経験することで様々な業務を経験することができるので、他の仕事にも応用可能です。
市場の分析や仮説の組み立てができるということはマーケティングができるということですし、商品開発に携わってきたのであれば商品企画として働くことも可能。
商品の生産管理に携わった経験があれば、品質確認の業務を行うこともできます。
マーチャンダイザーを経験した後のキャリアは選択肢がたくさんあると言えるでしょう。
まとめ
以上、マーチャンダイザーという仕事内容についてご理解いただけたでしょうか?
何となく知っていたという方も、より働き方のイメージが膨らんだのではないでしょうか。
マーチャンダイザーは、本当に様々な業務を扱うマルチな仕事。
オールラウンドプレイヤーといっても過言ではありません。
決して楽な仕事ではありませんが、その分やりがいや達成感も強いもの。
マーチャンダイザーを目指している方や、マーチャンダイザーに興味がある方、ぜひこの記事を参考にマーチャンダイザーを目指してみてくださいね。
実際にマーチャンダイザーの求人を探すときは、こちらの記事を参考に!