2021年1月12日

人材派遣会社で働くにはどうすればいいと思いますか?

人材派遣ってなんとなくイメージはできるものの、具体的に何をしているかわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は人材派遣で勉強しておくべき事や、詳しい業務内容、必要なスキルについてお話しさせていただきます。

人材派遣会社に就職・転職をお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

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人材派遣会社ってどんな仕事をしているの?

一言で言うと、求職者と企業のマッチング業務が主です。

マッチングとは、求職者の希望条件と企業側の求める人物像をできる限りマッチさせ、就業へ繋げる作業です。

また、新規開拓営業=人材を求めている企業数を増やすことや、その企業とリレーション構築=企業の担当者と信頼関係を構築するのも仕事の一つです。

その他にも、自分自身がマッチングさせたスタッフが継続的に勤務しやすいように、フォローをしなければなりません。

職場の悩みや問題ごとを聞いてあげたり、時にはプライベートな悩みも聞き、一人で悩み病んでいかないようコミュニケーションを取る必要があります。

そのために、スタッフの職場へ顔を見に行ったり、スタッフの職場の責任者と話をして勤務態度など問題がないかどうかヒアリングするなど、細やかなサポートを行います。

人材派遣会社にはどんな職種があるの?

人材派遣会社の規模によって分担する業務内容が異なるため一概には言えませんが、会社によっては細分化して業務配分するパターンもあれば、担当者統一制としている会社もあります。

今回は、細分化している業務とはどんな職種に振り分けられるのか、お伝えします。

営業業務

主にクライアント様に対して人材ニーズのヒアリングをし、ある程度の融通が効くように関係性を構築する必要があります。

また、多くの派遣会社がある中でいち早く情報をもらうことができれば、その分人選する時間を他の派遣会社より多くとることができます。

どこよりも真っ先に自分に人材オーダーが入るように、情報のキャッチアップをできるのかが何よりも大事です。

信頼関係を構築できれば、多少の不手際やミスも大目にみてくれたりします。

この関係構築が得意な人は、売り上げを伸ばしやすくなります。

人材派遣営業の仕事内容は、こちらの記事を参考に!

コーディネーター業務

コーディネーターは、求職者へ実際にお仕事のご提案をする業務です。

そのため、求職者が求める条件をしっかりとヒアリングすることも業務の一つです。

一番ベストなのは、求職者の求める条件全てにマッチする企業があることですが、ほとんど無いケースでしょう。

実際には、何かしら求職者側に妥協して頂かなければいけないポイントが出てきます。

もちろん同様に、企業側が求める人物像を100%マッチさせることも難しいです。

そのため、企業側にも妥協頂く箇所を洗い出し、営業へ伝えるという役割もあります。

そして求職者からすると、コーディネーターは一番最初に相談をする人となります。

求職者の気持ちに寄り添いつつ、実現できること・できないことを明確に伝え、納得してもらうように話をしなければなりません。

俗にいうクロージングです。

ミスマッチングをしないよう、求職者へ業務内容や企業の特色などできる限り詳しい情報を、良い内容も悪い内容も伝えるようにしなければなりません。

同じく、企業側へもミスマッチしていると判断されないように、求職者の良い情報も悪い情報も営業に共有する必要があります。

コーディネーターの仕事は、求職者と企業側、¥双方のニーズを把握しなければ成り立ちません。

本当の意味で中立な立場になることが重要です。

人材派遣コーディネーターの仕事内容は、こちらの記事を参考に!

登録受付業務

複数の求人媒体からエントリーされた方に対して、電話での必要事項の説明と、個人情報の登録をするために来社頂けるようお伝えします。

毎日決められた時間に登録会を実施するので、登録に来た方へ記入してほしい書類の説明を行い、本人確認書類のコピーや記載書類に不備がないかの確認を行います。

派遣会社によっては、性格診断テストやパソコンのタイピングスピードを図るテストを実施する会社もあります。

一通りの書類記入が終われば、コーディネーターへと引き継ぎ、登録受付は終了です。

媒体選定・管理業務

どの求人媒体にどんな内容を掲載すると求職者が多く問い合わせをしてくれるのかを考えるのが仕事です。

掲載する時期や、掲載内容などを考えます。

各媒体業者から見積もりやプランの紹介を受け、適切な媒体選定を行います。

また、求人媒体を掲載するということは求人広告費が発生しますので、費やした求人広告に対してどれぐらいの反響があり人材の確保ができたのかということを割り出し、一番効率の良かった求人媒体を探し出します。

このように、効果測定をした上で数字の蓄積や求人費の管理を行うことも必要です。

この管理をしなければ無駄に広告を費やしてしまう可能性があるため、非常に重要な役割となります。

事務業務

派遣スタッフやクライアント企業と直接関わることはありませんが、事務は人材派遣会社にとって無くてはならない業務です。

人事や総務といった他業界の企業にもある業務はもちろんですが、登録しているスタッフの勤怠・給与管理業務は正確に行う必要があり、ミスをしてしまうと派遣スタッフからの信頼にも関わります。

派遣スタッフの勤怠はタイムシートやシステムで管理を行います。

実態と相違のないようにシステムへの入力を行い、確認をします。

派遣スタッフの人数が多い会社では入力数も多いため、入力の正確さ・スピードどちらも求められる業務です。

人材派遣会社で働くために、勉強しておくべきことは?

人材派遣会社で働くために、勉強しておいて損のないことは幾つかあります。

個人情報を毎日取り扱う職業でもあるので、普通のお仕事より個人情報の取り扱いについては厳しく指導徹底される会社が多いと思います。

その他にも必ず覚えなければいけないことがあるため、事前に勉強すると役立つことをお伝えします。

労働者派遣法について知る

派遣法は、派遣会社で働く上で必ず必要となる知識です。

派遣する社員には雇用契約書を作成しなければなりません。

雇用期間は最低何日以上となるのか、派遣抵触日とは?など、思っている以上に覚えることが多々あります。

派遣法を理解した上で派遣営業をしなければ、企業との商談も派遣スタッフとのコミュニケーションも非常にリスクがあります。

遵守しなければ会社に損害を及ぼす可能性も大いにあります。

派遣会社で働く前に勉強していて、決して損になることはない知識と言えるでしょう。

労働基準法について知る

近年労働環境の見直しが多くあります。

週にどれぐらいの勤務時間が法律内なのか、変形労働制とはどういう制度かなどは、雇用形態に関係なく働く人全員に該当する基準になります。

特に派遣会社は雇用を創出することになるため、この労働基準法は熟知しておかなければ労働基準局の監査が入ることも考えられます。

また派遣会社で仕事をしなくても、自分自身の雇用が守られているかどうか判断することもできるようになるため、学ぶこと自体に非常に意味があるのではないでしょうか。

保険の仕組みを知る

派遣会社は派遣スタッフを雇用することになるため、社会保険や雇用保険、福利厚生関係の手続きや加入条件を、派遣スタッフさんに説明する機会が多々あります。

年末調整についても、「何故、年末調整をしなければいけないのか」という説明も必要ですし、パートタイムにも保険関係が適応される場合、適応されない場合など細かく要件があります。

これらは派遣会社で働くと必ず、説明できるようにならなければなりません。

そしてこれは、営業職・コーディネーター職・登録受付など、全て職種で必要とされる知識です。

早く覚えておくと、業務スタートした際にできる業務の幅が広がるでしょう。

人材派遣会社で働くために必要なスキルは?

人材派遣会社で働く上で、必要な資格などはありません。

しかし座学の部分ではなく、テクニックを必要とするケースは多々あります。

では、どんなテクニックとスキルが必要なのかお伝えします。

パソコンの基本操作

人材派遣会社では、パソコンを使用することが多々あります。

特にメールの送受信、契約書の作成、請求書の作成、見積書の作成など、毎日のようにパソコンを使用することになります。

ExcelやWordができた方が良いのも勿論ですが、入力スピードも非常に重要です。

タイピング入力ができる人とできない人では、作業にかかる時間に明らかな違いがあります。

そして、入力スピードは練習次第では格段に早くすることが可能です。

無料でタイピング練習できるソフトもあるので、1日10分でも毎日練習すると1ヶ月後には相当早く打てるようになるものです。

入力スピードに自信がない方は、練習しておくと良いでしょう。

ビジネスマナー

言葉遣いや名刺交換といったようなビジネススキルはもちろんですが、派遣会社で勤務する上で、私が一番大事にしなければいけないと感じたビジネスマナーとは、「当たり前のことを当たり前にする力」です。

例えば、体調不良でお休みする際はLINEやショートメッセージではなく、必ず電話連絡をする。

いつまでに回答すると伝えた以上は、最大限その期日までに回答するようにし、期日が延びそうであれば当初に約束した期日までにその旨を伝えるなど、当たり前のことを徹底しなければ派遣スタッフに注意できません。

近年は便利になり、LINE連絡で済ませる方が多い傾向があります。

しかし、重要なことは電話で伝えなければいけないことや、約束を守る行為を徹底してもらわないと、派遣会社の人間はタスクに追われてしまいます。

しかし、注意する側(派遣会社側)が率先して当たり前のことを徹底しておかなければ、説得力がありません。

こうした謂わば常識の部分は、体現すべき立場にいることを念頭に行動しなければ、派遣スタッフからの信用は得られません。

コミュニケーション

派遣会社の仕事は、対面でのコミュニケーションも多数ありますが、同じぐらいの比率で、電話でコミュニケーションを図る場面があります。

顔が見えない状況での会話は、思っている以上に真っ直ぐ伝わらない可能性も大いにあります。

声のテンションや言い回し方などから変化を読み取る力と、引き出すコミュニケーション能力が必要とされます。

人に何か伝えること・話を聞くことが得意な方は優位でしょう。

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人材派遣会社に就職するには?

冒頭にもお伝えした通り、派遣会社によっては一貫して全ての業務を行うパターンと分業制のパターンがあります。

まずはどちらに魅力を感じるかで、企業選びは大きく変わります。

分業制にしている企業は比較的、大手の派遣会社が多いです。

中小企業となると一貫して業務を行うパターンが多いため、自分自身のキャリアステップと照らし合わせて考えると良いでしょう。

未経験からの就職

未経験からでも積極的に採用してくれる派遣会社は多いです。

しかし、思っている以上にタスク管理とスケジュール管理が必要であり、人を扱う仕事の為、ストレス耐性の有無は面接で吟味される傾向にあります。

また最初は、新規の営業を経験する可能性も高いため、飛び込み及びテレアポがあることは覚悟しておきましょう。

他業界からの転職

他業界からの転職の際は、なぜ派遣会社で勤務したいと思ったのかという志望理由が明確であることと、現実的に派遣会社の仕事を捉えることができているかということが重要です。

「雇用創出をし社会貢献をしたい」という理由だけでは、理想論にしか聞こえません。

理想+現実を織り交ぜながら、過去の経験をどのように活かすことができるかということを説明すると、非常に好印象でしょう。

人材派遣会社で働いた後のキャリアは?

人に関わり続ける仕事が人材派遣会社の仕事になります。

だからこそ、人に関わる仕事へ転職することもできますし、人材派遣会社でマネジメント職に就くことも可能です。

採用関連に携わる転職

毎日様々な人と会い、会話をし、採用活動における注意点を理解しているなど、採用という部分ではプロフェッショナルに近くなります。

だからこそ、人事や採用関連での転職を目指すことができます。

コンサルタント業務

採用コンサルタント、経営コンサルタントなど、人を説得し、向くべき方向に話を進めていく仕事もできるようになります。

特に、採用に苦戦している企業への指導やコンサルは経験に直結しているため、比較的簡単にできるようになります。

人材派遣会社の転職事情

比較的、転職組が多い上に転職していく人も多い業界です。

人の為に何かをすることが苦にならない方だと、人材業界に長く貢献し相応の役職をもらいバリバリ勤務している方もいます。

どちらにしても、派遣会社の仕事を3年ほど経験し対応能力を身につけておけばとても大きい価値になるでしょう。

人材派遣会社の仕事に興味がある方へ

私個人としては、人材派遣会社の仕事は非常に飽きのない仕事だと思っています。

しかし、辛い又はしんどいことが8割の仕事だとも思います。

誰かに感謝されたい、お礼を言われ続けようとすると、相応の働きや行動をしなければ、感謝どころかお叱りを受けることだってあります。

しかし、2割の嬉しさや楽しさがあるからこそ、8割の辛くしんどいことにも耐えることができるのだと思います。

人材派遣会社の商品は物ではなく人です。

感情があるため、自分の思い通りにいかないことがほとんどです。

しかし、人だからこそ、お礼も感謝もされます。

想像以上に大変な仕事だと自分自身に刻み込んでから、是非チャレンジしてみてください。

本気で派遣スタッフのことを考えることが、自分の成長に繋がっていきます。

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