システムを構築するSEの仕事は没頭すると時間が過ぎるのを忘れるほど楽しく、やりがいを感じられるものです。

それなのに、ふと辞めたくなってしまう瞬間はあるものです。

これからその理由と乗り越え方を検討し、少しでもお役に立てていただければと思います。

SEの大まかな仕事内容

SEとはシステムをプログラム言語を用いて構築できるよう、お客様から聞き取りを行ったり、要件や動作を考える仕事です。

インターネット上で配布されているアプリケーションや金融機関の基幹システム、家電製品や自動車の制御に至るまで、SEが開発したシステムが動いています。

しかし開発期間は限られており、その中で少しでも品質の高いシステムを構築しなくてはならないため、長時間労働になりがちです。

システムエンジニアの仕事内容は、こちらの記事を参考に!

SEを辞めたい3個の理由とその乗り越え方

人材が不足しがちなSEですが、離職者が多い業界でもあります。

SEを辞めたくなる様々な理由をいくつか取り上げたいと思います。

体調を崩したり、心の病気になった

SEが毎日定時に帰るというのは難しく、特にプロジェクトが佳境に入ると納期との睨み合いになります。

そのため、徐々に自身の心や体の変化に鈍感になり、気が付けば重大な病気が進行していたり、不規則な生活から突然倒れてしまう方もいらっしゃいます。

また、自分を追い込んだり、周囲から厳しい視線を向けられ、心のバランスを崩して離職せざるを得ない方も残念ながらいらっしゃいます。

その乗り越え方

定時で帰れるような案件に入ることができればワークライフバランスを取りやすくなりますが、とても無理な状況の方が多いものです。

是非、常に自分の体調が最優先という気持を強く持ち、体調不良を未然に防止して下さい。

バランスの良い食事や睡眠時間をできるだけ確保し、トイレに立つときも少し余分に歩くなどして体の調子を整えましょう。

顧客や上司は不可能と思えることを当然のように要求して来ますが、仕事への使命感はほどほどに、出来る範囲で引き受けましょう。

要求されるであろうことは前もって調査をしておくなどし、相手の満足度を下げずに自分の負担も減らす方向に知恵を絞ってみてください。

家庭と両立できない

長時間労働になりがちなSEは、独身者や離婚経験者が珍しくない職種です。

子どもが幼いうちは家庭での時間をゆっくり取りたいと思ったとしても、長時間労働をしてこそ一人前という考えの上司や経営者は今も少なくありません。

その乗り越え方

家庭と仕事の両立が難しい企業には、子どものいる女性社員がほとんどいないという特徴がありますので、就職の段階で情報収集をしておきたいものです。

企業側も社員の意向に沿う残業の少ない自社開発や保守作業などに回してあげたいと思っても、なかなか難しいという事情があります。

残業の少ないSEの仕事を探すのであれば、社内SEの募集を探してみると比較的残業の少ない作業に当たる確率が高まるかもしれません。

自分には能力が足りない気がする

このような思いに囚われているのであれば、毎日が苦しいこととお察しします。

特に若手の頃は、大きな失敗をしたり、仕事の締め切りに間に合わなかったり、取引先や同僚から否定的に扱われたりした時は自分の能力を疑ってしまうことがあるかも知れません。

自分にSEとしての能力が足りないということを受け入れることは辛いことであり、思わず辞めたいと思ってしまうのも無理はありません。

その乗り越え方

自分の能力不足を疑うときは、何が足りなかったのか考えて自己啓発を行うのも有効ですが、視点を切り替えてみることもお勧めします。

うまく行かないのは、現在のプロジェクトの内容やメンバーが合わないだけなのかもしれません。

これまで案件や上司に恵まれなかったせいで、肝心なことを覚える機会がなかっただけかも知れません。

もし上司や同僚に否定的なことを言われたとしてもすぐ鵜呑みにはせず、会社にちゃんとした評価基準があるのかや、否定的なことを口にする人物の軽率さを冷静に観察して下さい。

全てを周囲の環境のせいにすると進歩できませんが、同じような能力のSEでも、自分を責め過ぎる人と、適度な反省で済ませる人とではストレス耐性が異なるのを目の当たりにして来ました。

足りない部分がはっきりしているのであれば、努力をするのも良いでしょうし、得意分野を活かせる案件を探しても良いでしょう。

本当に辞めるべき?チェックポイント

検討を重ねた結果SEを辞める決意を固めたとしても、その後の生活を考えると不安ですね。

辞める踏ん切りをつけるためのチェックポイントは何でしょうか。

他に興味のある職種がある

SEを辞めたいと思ったとき、それ以外の気になる職種が思い浮かんでいるいる方は、是非その仕事について調べてみてください。

忙しくてなかなか時間が取れないという方は、インターネットで仕事内容や労働環境の情報収集を行うと簡単です。

それ以外にも通勤時や買い物の際に無料求人誌を眺めたり、ハローワークに行って他職種の給料の相場や勤務時間を見てみると、転職後の暮らしをイメージしやすくなります。

現在の労働条件が悪い

請負や年俸制で報酬を得られている方が残業時間を含めた時給を算出してみると非常に安価になってしまったり、正社員でも有給休暇がろくに取得できなかったりはしていないでしょうか。

会社員であれば上司に働きかけ、労働環境の改善を目指すべきですが、このような労力をかけても効果を出すのは簡単ではありません。

その場合、環境が改善されるのを待つよりも、他の会社に移ったり、独立開業したり、あるいは需要のある職種に変更した方が早いのではないでしょうか。

心身の具合が思わしくない

激務から心身に不調をきたしてしまったという方は、まずは休職を考えるべきです。

そして労働時間や残業を重視した生活を模索してはいかがでしょうか。

企業によっては退職をせず、異動だけで済むかも知れません。

もし所属する企業で変化が期待できないのであれば、ストレスの原因から遠ざかることを第一に転職も視野に入れてみてください。

そこまで深刻な状況ではなくても、座りっぱなしが合わないという方には、体を動かす仕事の方が健康的な生活を送れる可能性があります。

転居する先に求人が少ない

何らかの都合で転居を行う場合、転居先にSEの求人がほとんどないということがあります。

また、地域によって主要な産業も異なりますので、SEの求人があっても未経験分野の案件ばかりということもあり得ます。

転居前の人脈を活かして自宅で以前の仕事を続けられる方も限られているでしょうし、いずれかの企業に就職するとしても、業務知識も、新しい言語やツールも覚え直すことになってしまいます。

もしSEという職種に強い未練がないのであれば、求人の多い職種で未経験者歓迎の仕事を探す方が労力は少なく、その地域に順応するのも早いでしょう。

SEを辞めてしまった人は、どんな仕事に転職している?

SEは、どんな仕事に転職すれば少しでも楽に仕事をすることができるのでしょうか。

筆者がこれまで見た中では、SEの経験をそのまま活かせるような職種を選んでいる方も、そうではなく隔たりのある職種を選んでいる方もいました。

システムアドミニストレータ

システムアドミニストレータは、ユーザー側に立って開発側のSE等と打ち合わせを行ったり、PC設定やサーバ管理などの役割を担う仕事です。

SEの経験をそのまま活かすことのできるため、転職に際しても有利ですし、就業後の負担感も少なくて済みます。

また、小規模な企業のシステムアドミニストレータは他の職種と兼務している場合も多く、新しい分野の仕事に取り組むこともできます。

パソコンインストラクター

若いころから、またはSEになってからPC操作の小技に親しんでいた方であれば、誰かに教えられるくらいのテクニックをお持ちなのではないでしょうか。

パソコンインストラクターになれば、それまでの蓄積を誰かに伝え、役立ててもらうことができます。

また、SEという実務経験があること自体も、生徒からの信頼を得る助けとなるでしょう。

ヘルプデスク

ヘルプデスクはPC操作や、各企業が開発した独自システムに関する問い合わせを受ける仕事です。

自身がシステム開発を行う側にいたSEに取っては、トラブルの状況を聞いただけで、原因まで何となく想像がつくという利点があります。

非正規雇用であることも多いですが、SEに比べて残業時間は少なくて済む傾向があり、一般事務よりも賃金が高めですので、転職先としては考えやすい仕事です。

事務職

既に持っているExcel、Wordのスキルに加え、簿記や英語など需要のある知識があれば事務職への転職が有利になります。

事務職と言っても一般事務の他に営業事務、経理事務、労務事務、貿易事務、英文事務など様々な種類があり、それぞれに知識と経験が必要です。

事務と名の付く職種には、作業の正確性や、不特定多数を相手とするコミュニケーション能力が求められます。

その他

筆者が見た中では、その他にも営業職、英語講師、技術翻訳、借金の取り立て屋に至るまで、様々な職種に転向されている元SEがいらっしゃるようでした。

生計を立てるという点では転職は慎重に考えるべきですが、一回しか転職できないという決まりがあるわけでもありませんので、あまり思いつめる必要はないのではないでしょうか。

辞めるときの注意点、その後スムーズに就職、転職する方法とは?

退職だけであれば決断次第で行うことが出来ますが、その後スムーズに転職するためには、退職を切り出す前の準備が大切です。

退職が頭をよぎったら、決意は胸に秘め、転職市場の状況を調べたり、人脈を作ったり、資格を取得したりと事前準備を行いましょう。

円満に退職する

周囲に迷惑をかけず退職するのがマナーということもありますが、転職活動をする中では、以前働いていた企業に退職理由や素行の問い合わせが入ることがあります。

退職する際のコミュニケーションはできるだけ大切にしましょう。

全ての企業がそうしているわけではありませんので、幅広い転職活動を行えば過度に心配しなくても大丈夫です。

将来に繋がる理由で退職する

他にやりたいことが見つかった等の明確な理由で退職した方が、転職の際に高い好感度を得ることが出来ます。

また、転職の際に就業していなかった時期が長ければその理由を尋ねられますので、語学研修や職業訓練を受けていた等の説明ができるよう、事前に段取りを行いましょう。

体調不良で退職された方は、過度な労働が原因だったが生活を立て直し、既に健康を取り戻したという説明ができると転職先の不安を軽減できるのではないでしょうか。

次の仕事を決めてから退職する

退職前に転職先が決まっていれば、これほど心強いことはありません。

退職する前に次の仕事に役立ちそうな経験を蓄積しておいたり、焦点を絞って学習を進めておいたりと、余裕のある転職を行うことができます。

SEの経験が活かせる仕事に転職する

新しい仕事において楽に成功するコツは、全く未知の世界に挑戦するのではなく、多少なりとも過去の経験と関連のある仕事を選ぶことです。

最初こそ総合的な能力ではその道の先達に及ばないかもしれませんが、腕に覚えのある分野では一目置かれる存在となることができるでしょう。

もちろん、周囲が感心してくれている間に足りない部分を身につける努力は必要になります。

コミュニケーション能力がないと思わせない

筆者は転職活動の際、会ったこともない就職相談員から電話口で、「SEをされていたのなら静かな場所で黙々とPCに向かうのが好きでしょうから」とデータエントリーの仕事を薦められ、困難を感じた経験があります。

異なる職種では求められるコミュニケーション能力の質も変わってくるものですが、IT系経験者というだけで最初は色眼鏡で見られることがあるということを念頭に、普段から多様な方と接する経験を大切にしておきたいものです。

まとめ

「辞める」という言葉には後ろ向きなイメージもありますが、その代わりに何かを始めるということも意味しています。

転職に苦労はつきものですが、決断して良かったという結果に繋がりますよう、陰ながら応援しております。



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