商社と聞くと大学新卒生が就職したい会社上位に必ずどこかしらの会社の名前があがる人気の業種です。

商社と言われてイメージするのは、三井物産や三菱商事、丸紅や伊藤忠などの大手商社ですが、日本には他にも中小の商社が存在しています。

商社の営業パーソンと聞くと世界を舞台に飛び回り、色々な国の人と仕事をしているイメージがあるかもしれません。

もちろん、商社の営業パーソンで海外に携わる仕事をすると世界を飛び回る機会はありますし、分野によっては国内を重点的に営業するケースもあります。

今回は、憧れを抱く人が多い商社にスポットをあてて商社の営業パーソンの仕事内容や向いている人などについて紹介していきます。

商社の種類

商社と一言で言っても、商社には大きく分けて2つのタイプがあります。

一つは「総合商社」でもう一つは「専門商社」です。

では、総合商社と専門商社では何が違うのでしょうか?

今から総合商社と専門商社の違いについて説明していきます。

総合商社

総合商社は、一つのものに特化せず、様々な事業に投資をしたり、トレーディングをしたりしています。

例えば、総合商社が取り扱うのは、不動産だけに限らず、エネルギー関連、航空機関連、食物関連、機械関連、自動車関連、バイオ関連、ケミカル関連、インフラ関連など思いつくほとんどの事業に何かしら携わっています。

三井物産や丸紅などは総合商社の代表的な会社でどちらの会社も事業は多岐に渡ります。

専門商社

専門商社は、反対に全てとは言いませんが売り上げの半分以上は何か一つの事業に特化しています。

総合商社が浅く広くに対して、専門商社は狭く深くになります。

日本の企業ではJFE商事や兼松などが専門商社の位置付けになり、どちらの会社も鉱物や建設関連に特化した商社です。

商社の営業とはどんな仕事?

商社の営業パーソンの仕事は簡単に言うと「買いたい人」と「売りたい人」をつなげる役割や成長が見込める産業をいち早く見つけ出し、積極的に投資活動を行うことです。

商社は、なんでも屋です。

扱う商品も多岐に渡りますが、自分たちでは生産や製造をしていません。

在庫も持っていないため、オリジナルブランドを保有しているわけではありません。

例えば、日本酒を海外に売りたい酒造メーカーがいます。

海外には日本酒を買いたいバイヤーがいます。

どちらも何かのきっかけがないと出会うことはありませんし、日本酒は最近でこそ英語や中国語に対応したメニューや製品紹介がありますが、それでもまだ多くの酒造会社は人手不足も手伝い、売りたいけど販路や人材がないから売れないというところが多く、反対にバイヤーは今市場に出回っているもの以外の日本酒をいち早く見つけて売りたいけど買うパイプがないというジレンマに悩まされています。

その「売りたい人」と「買いたい人」をつなぐのが商社の営業パーソンの仕事です。

売るパイプも買うパイプも持ち合わせている商社の営業だからこそ両者をつなげて新たなビジネス機会を作り、会社の利益につなげていきます。

商社の営業の役割とは?

商社の営業がどんな仕事かわかって頂いたところで商社の営業パーソンが担う役割は何か気になっている人がいることだと思います。

商社の営業パーソンが担う役割は、大きく分けて2つあります。

それは「人と人をつなぐ架け橋」言い換えると輸出入などの取引をするにあたり売り買いを考えている人同士をつなげる役割と「事業投資」という成長産業をいち早く発見し、その産業に対して投資していくことです。

もう少し詳しくそれぞれの項目を説明していきます。

人と人をつなぐ架け橋

海外に製品を売りたい会社や日本から製品を買いたい会社、海外を相手に販売する気はなくても商社の営業パーソンが海外で売れると確信が持てる製品や海外に売っていきたいと思う製品などを販促したり、実際に売れた際に輸送を手配したりして「買いたい人」と「売りたい人」をつなげていきます。

前述の通り、商社はなんでも屋なので何にでも対応することができます。

例えば、海外の会社が日本製品を買いたいと考えていたすると商社はこの会社に対して日本の製品を単純に売るだけでなく、輸送手配を行ったり、注文している製品以外に必要な製品がないかどうかなど、売ることを仲介するだけでなくトータルソリューションを提供していきます。

事業投資

事業投資は、商社の花形な仕事ですが、成長が見込める産業を見つけたり、新たなエネルギー産業や新興国への支援など事業に対して投資を行っていきます。

ただし、単純に金銭支援をするのではなく、金銭支援に加えて、機材や資材などの材料や必要なものを提供して多角的に商社が扱う商品やサービスを販売していきます。

商社の営業の具体的な仕事内容とは?

商社の営業パーソンが普段どんなことしているのか気になる人が多いことでしょう。

商社の営業であってもメーカーの営業であっても最終的にはお客様に商品やサービスを買ってもらって会社に利益をもたらすことです。

そのため、仕事の中身は違えど業務内容はさほど変わりません。

ここでは、商社の営業パーソンの具体的な仕事内容を紹介していきます。

具体的な業務

マーケット分析

市場調査をマーケティング部と定期的にミーティングをし、どの産業が伸びているか、どの産業が落ちているかなどを情報シェアするだけだけでなく、他社の動きや市場のトレンドがどういう方向にいくのかなどを話し合います。

会社によっては営業部内だけで行ったり、営業パーソン個々の裁量にまかせるところもあります。

新規開拓

商社の営業パーソンも他業種の営業パーソン同様、ノルマが課せられています。

言い換えると既存の顧客だけでノルマを達成できればいいですが、既存顧客だけで何年もノルマを達成することは至難の業です。

そのため、必然的に新規開拓をしなければいけません。

新たな調達先や新たな販売先を様々な情報網を使って調査し、新規開拓をしていきます。

お客様とのミーティング

営業パーソンはお客様を相手にするのがメインの仕事なので定期的に色々なお客様とミーティングをします。

ある日は、見積もり提案する日だったり、ある日は、新規お客様の現状やビジネスを把握し、後日の打合せにつなげたり、場合によっては営業パーソンが売った商品やサービスに不具合が生じてクレーム対応をすることもあります。

業者との打ち合わせ

海外の仕事に携わる営業パーソンの場合、商品やサービスを売るだけでなく、輸送も含めて販売するケースが多くあります。

輸送をするのは商社自社で行えませんので輸送会社と打ち合わせをして料金の交渉や納期の交渉をしたりします。

提案資料・見積もり作成

営業パーソンは外に出て稼いでなんぼと言われていますが、毎日外回りばかりをしているわけではありません。

社運をかけたプレゼンをする機会があったり、大きなプロジェクトや新規プロジェクトに対して提案をすることもあったりします。

大切なプレゼンや打合せにはやっつけ作業で作った資料は持っていくことはできません。

その場合は、1日を費やしてデスクワークに徹したり、外回りせずオフィスや第三の場所で資料作りに集中することもあります。

商品やサービスの提案

営業パーソンは、お客様との打ち合わせで商品やサービスを提案する機会が多く存在しています。

もちろん買ってもらわないと営業パーソンの数字になりませんし、営業パーソンの数字にならなければ売り上げにはなりません。

つまりノルマを達成することができません。

商品やサービスの提案はプレゼン資料を元にしてお客様の前でソリューションを提案したり、手元の資料を見せながら製品やサービスの提案をすることもあります。

契約・アフターサポート

営業パーソンの仕事は、契約したら終わりではありません。

契約した後、実際にプロジェクトが動いたり、製品が動いたりしたらアフターサポートをしなければなりません。

不具合がないかお客様に確認したり、納期通りに配達できるかどうか進捗を輸送業者に確認したりします。

仕事の流れ

会社により営業パーソンの仕事内容は異なってきますが、基本的な営業パーソンの一日の仕事の流れを紹介していきます。

8:30 会社に出社し、メールをチェックする

9:00 営業部内会議でチームメートと情報交換をする

10:00 お客様と打ち合わせ(商品提案)

12:00 ランチ

13:30 お客様と打ち合わせ(新規開拓)

15:00 お客様と打ち合わせ(契約後のアフターサポート)

16:30 帰社 メールチェックや明日以降のアポイントの調整

17:30 当日の活動報告やスケジュールの確認

18:00 残業がない日は帰宅

商社の営業はどういう人と仕事で関わるの?

営業は、「個人商店」とよく言われていて一人で仕事をしていることが多いイメージですが、実際にお客様と契約するもしくは契約後や契約前には色々な人と関わって仕事を進めていきます。

ここでは商社の営業がよく関わる人をまとめてみました。

卸業者

製品を販売する場合、商社は自ら製品を生産や製造しないため、どこかのメーカーから買い付けてこなければなりません。

お客様から要望のある製品を探し出して卸業者から製品を購入するのですが、ただ単に購入するだけでは、製品を購入してお客様に売る際のマージンが商社の売り上げになるため、なるべく安く買って高く売らなければなりません。

卸業者と価格や購入数の交渉は営業が直接行います。

輸送業者

海外を相手に仕事をする場合は、製品を購入してもらうとなった場合、日本から送ったり、逆にこちらが買い付けした製品がある場合は、向こうから送ってもらわなければなりません。

一般的には、製品を売った場合、輸送業者を手配して発送するケースが一般的で、製品を買う場合は売り手側で業者を手配してくれるケースがあります。

ただ、いずれにせよ、商社の営業は、輸送業者に納期の確認をしたり、納期調整をしたりしてお客様の要望に合うように準備しなければなりません。

経理部

あまり接点のないように思われますが営業はどこも経理とよく関わります。

それは、出張費や経費の申請をして承認してもらわなければならないためです。

決算期の場合は、経理側から営業に経費や出張費の清算を早急にするように促したり、接待やギフトをお客様に送りたいために経理から必要経費を念出してもらうように交渉しなければなりません。

マーケティング部

会社によってはあまり携わらないかもしれませんが、マーケットのトレンドや業界の情報などはマーケティングが仕入れてくるため、営業はマーケティング部と情報交換をしどういう産業が伸びていてどういう産業が下がっているのか、他社の動向はどうなっているのか、政府の動きはなど様々なマーケット情報を把握しなければいけません。

上司

営業が一番関わる人物と言えば上司になります。

重要な案件や大切なミーティングの場には上司と同行することもありますし、日々の活動報告や今後の戦略などについて相談することもあります。

商社営業の給料事情は?

商社営業の給料は、大手総合商社に勤務した場合は、高給取りと言われるくらい給料が平均より高く、20代にして年収1,000万円以上を稼ぐことも可能です。

一般的な専門商社の場合は、年収がほぼ平均前後くらいのところが多いため、勤める商社により格差が生まれています。

商社営業でやりがいを感じること

ここまでは商社営業の仕事についてや仕事内容、給料などについて触れました。

商社営業の仕事がちょっとわかったところで、商社営業の仕事に対してのやりがいがどんなものか気になってきているかもしれません。

次は、商社営業のやりがいについてまとめてみました。

大きなプロジェクトを成功させたとき

商社に勤めて大きなやりがいを感じるのは大きな仕事や大きなプロジェクトを成功させたときです。

大きな仕事や大きなプロジェクトは規模が大きければ大きいほど会社がかけるコストや関わる人が多く、色々な人とチームを組んでプロジェクトを進めていきます。

プロジェクトは1日や2日で終わることはなく、1ヶ月、3ヶ月、場合によっては年単位のものまであります。

そのため、大きなプロジェクトをやり遂げる、成功させることで自らの自信にもつながりますし、色々な人と関わって大きな仕事を達成できた時は喜びを共有することでますます仕事に対してのやる気が湧いてきます。

手がけた仕事がメディアなどで注目されたとき

商社営業の仕事には、海外などで売れそうな商品を買い付けて日本の販売店や卸会社に売ることがあります。

自分が一生懸命探してきた製品がメディアや世間に注目され、流行になると仕事に対して達成感や大きな喜びを感じることがあります。

プロジェクトのように何週間も時間を費やすことは稀ですが、買い付けたい商品によっては何日もお店や市場を渡り歩いて足を使って探さなければなりません。

頑張って見つけた商品が日本で売れたら純粋に嬉しく思えてきます。

新興国のプロジェクトで人から感謝されたとき

商社のプロジェクトの中には新興国の支援があります。

きれいな水を作るプロジェクトや枯渇した地に海水を水に変えるプロジェクトなど様々なプロジェクトがありますが、新興国のプロジェクトが成功し、現地の人から感謝されるとお金には変えられない嬉しさがこみ上げてきますし、この仕事をやっていてよかったなと思える瞬間です。

商社営業に向いている人のタイプは?

商社営業の仕事内容ややりがいがわかったところで商社営業にはどんな人が向いているのでしょうか?

ここでは商社営業に適している人のタイプを紹介します。

もちろんここに挙げたタイプ以外にも商社営業に適しているタイプはあります。

もし、該当しなかったからといって諦めずに自らも調べてみて下さい。

自ら考えて行動できる人

商社営業の仕事は担当する業界によっては時間が勝負になります。

モタモタして仕事をとり逃すことは営業としてやってはいけません。

上司の指示を待つだけでなく、自ら考えて、今どのアクションが必要などういう行動をすべきかを考えて自主的に動ける人は、商社営業に向いています。

コミュニケーションスキルが高い人

商社営業は、営業なのでコミュニケーションスキルが必要になります。

コミュニケーションスキルの高い人は、商社営業に向いていますし、日本語だけでなく英語や外国語を使ってコミュニケーションできる人はなお商社営業に向いているといえます。

人と接することが好きな人

営業の仕事なので多くの人と接する機会があります。

商社営業の場合は、日本だけでなく海外の人とも接する機会に恵まれます。

日本人同士の場合は、多少言葉が無くてもお互いを理解しようとしますが、外国人の場合はそうはいきません。

人と接することが苦手だからと自らの意見を主張しなければビジネスにならない可能性があります。

人と接することが好きな人は、自ら積極的にコミュニケーションをとることができるので商社営業の仕事に向いています。

新しいことにチャレンジするのが好きな人

商社営業の仕事は新しいことにチャレンジする機会がたくさんあります。

新規開拓や新規事業などいままで誰もやったことがないことを投資することもありますし、新興国への投資をする場合、他社がその国に投資をしていなければ大きなリスクを伴って仕事をします。

ただ、新たなことにチャレンジせずに会社の成長はありませんので商社営業に向いている人は新しいことにチャレンジするのが好きな人です。

好奇心が旺盛な人

好奇心が旺盛な人は、商社営業に適しているといえます。

商社営業は自ら製品を作りませんが、自らの足を使って新しい製品や今取引している製品より品質の高い安い製品を探します。

好奇心が旺盛な人の場合、なんでやどうしてを繰り返して色々と知りたい欲が働き多角的に物事をとらえて仕事に取り組むことができます。

商社営業の仕事で大変なこと

商社営業はやりがいがあることを理解をしてもらったら次に商社営業の大変なところを紹介したいと思います。

プロジェクトによっては長い期間を費やす

商社営業として手掛けるプロジェクトは案件によっては長期のケースがあります。

プロジェクトが長期化した場合は、それだけ下準備が必要であり、調べることや他部署・上司などと打ち合わせる機会が増え、綿密に準備した上で少しずつ少しずつプロジェクトを進めていかなければなりません。

長期化したプロジェクトの場合は、プロジェクトが終わるまで一息がつけないので常に緊張した状態で場合によってはあまりプライベートに時間を費やせないこともあります。

成長産業での仕事はすぐに芽がでない

投資事業で発展途上国などに投資するとすぐには利益や結果として反映されません。

営業としてノルマが課されている中ですぐに結果が出ないことはとてもつらく、ただ、一度手がけた仕事で成功すると確信があるなら時間がかかってもほったらかすことができないので、ノルマと任務のジレンマで苦労することがあります。

商社の営業として働くためにはどうしたらいい?

これまでは商社営業の仕事内容や商社営業について紹介してきました。

結局のところ商社に営業として入社するためにはどうしたらいいのだろうかと疑問に思っている人が多いと思います。

商社営業になるために必要なものは何かについて少しふれてみたいと思います。

学歴は必要?

商社営業は基本的に学歴が必要ではありませんが、大手商社に勤めたい場合は、学歴が高ければ高いほど有利になります。

学歴だけで人を選ぶことは最近の採用事情ではありませんが、大手企業のような人気の高いところは優秀な大学からの希望者も多く必然的に学歴も高い傾向にあります。

学歴がなくても他の人に負けない突出した経歴があるんだ、という人以外は学歴も大切な選考要素になりますので大手商社を目指す場合は学歴は必要になります。

必要なスキルや資格、経験は?

商社営業として活動するために必要な経験やスキルはありません。

しかし、あったらいいスキルや経験としては外国語の知識や海外での生活経験があれば商社営業の仕事に活かすことができます。

商社の営業の将来性は?

商社の仕事は日本国内だけでなく海外も対象になっています。

しかも海外といっても先進国だけでなくこれから発展する発展途上国へも投資支援をしています。

そのため、商社営業の将来は日本の市場が冷えたとしてもなくなることはありません。

まとめ

今回は商社営業にスポットを当てて紹介しました。

商社の営業は、忙しくて大変な仕事ではありますがやりがいがあり、大きな達成感を得られる仕事です。

何か大きなことにチャレンジしてみたい人や商社営業をやってみたい人はぜひチャレンジしてみて下さい。


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