調剤薬局事務といえば、勤務形態が選べるため結婚・出産後も働きやすいイメージで女性に人気の職業。

しかし、実際に働いてみるとその大変さから辞めたいと感じるケースも多くあります。

この記事では、調剤薬局事務員が仕事を辞めたいと感じる理由とその乗り越え方について解説していきます。

調剤薬局事務の仕事を辞めたいと感じた6個の理由と乗り越え方とは?

調剤薬局事務は患者さんから処方箋を受け取ってお薬代を計算したり、薬剤師のサポートを行ったりする業務がメインとなります。

一見すると受付に立って応対するだけの簡単な仕事に見えるため、実際の業務の大変さとのギャップに苦しむ人が多いようです。

それでは、調剤薬局事務員が仕事を辞めたいと感じる理由を具体的に見ていきましょう。

患者さんが多く、忙しい

高齢化が進み、病院へ通いお薬をもらう患者さんは増える一方。

それに伴い、医療関係者も当然業務に追われることになってしまいます。

店舗にもよりますが、調剤薬局は基本的に忙しい職場です。

特に連休前後などは息つく間もないほど忙しく、業務に追われて残業せざるを得ないことも多々あります。

毎日定時で帰れると聞いていたのに、実際はそうではなかった…といったことも少なくはありません。

その乗り越え方とは?

調剤薬局事務の仕事は毎日同じ作業の繰り返しですので、慣れてくると徐々にスピードアップしてきます。

慣れるまでは大変ですが、仕事の全体像が見えてくると効率よく動けるようになるでしょう。

また、忙しさをカバーするためには従業員同士の連携がとても大切。

薬剤師や他の事務員と密にコミュニケーションを取り、店舗全体で業務効率化を図っていくことが理想です。

それでも忙しさが改善しない場合は、上司に相談して人員を増やしてもらうといいかもしれません。

覚えることが多い

薬機法や調剤報酬点数、算定ルールやレセコンの使い方、さらには患者さんごとの細かな注文など、調剤薬局事務は覚えることが多い職種です。

特に薬の名前は覚えにくく、紛らわしいものも多く存在するため苦痛に感じてしまいがち。

また法改正も2年に一度行われるため、せっかく覚えた制度や点数をまた覚え直す羽目になってしまうこともあります。

その乗り越え方とは?

覚えることが多く苦痛である場合は、完璧を目指さないことをおすすめします。

点数や算定ルールは丸暗記する必要はないため、大まかに頭に入れておいて、疑問に思った時その都度確認すれば問題はありません。

薬の名前も全てを覚える必要はありませんし、毎日仕事をしていると必然的に覚えてきます。

また、単なるカタカナの羅列としてではなく、成分ごとに名前の特徴を理解しながら覚えていくと頭に入りやすいでしょう。

どうしても覚えられない時は、メモして見えるところに貼っておくとすぐに確認出来て便利ですよ。

人間関係が煩わしい

調剤薬局事務として働くうえで、薬剤師との交流は避けては通れません。

病院の医師や看護師と連絡を取り合う機会も多くあります。

事務同士ももちろんですが、これら別の立場の人たちとのコミュニケーションに悩んでしまうことが、往々にしてあるようです。

特に薬剤師や医師の中には、一般に「変わり者」と称される人たちも一定数います。

伝えたいことが上手く伝わらなかったり、誤解されて怒らせてしまったり、思うような反応が返ってこなかったりしてもどかしさを感じることがあるでしょう。

加えて医師や薬剤師、看護師とは違い事務職は国家資格を持っているわけではありませんので、どうしても立場が下になってしまいがち。

もちろん全員ではありませんが、中には事務職員にだけ高圧的な態度をとる人や、女性だからというだけで見下す人がいるのが現状です。

その乗り越え方とは?

薬剤師や医師との交流をゼロにすることはできませんが、苦手な人と距離をとることは可能です。

所属店舗に他にも薬剤師がいる場合は、苦手な薬剤師を避けてそれ以外の薬剤師に相談する、医師との連絡は薬剤師に代わってもらうなど、回避することはできないか試みてみましょう。

薬剤師と事務が1人ずつの店舗で回避することが難しい場合は、上司に相談したり異動願いを出してみたりすることも一つの手です。

他人の性格や言動を変えることはできません。

医師や薬剤師に限ったことではありませんが、苦手な人との交流はできるだけ避け、「この人はこういう人なんだ」と割り切ることが大切です。

クレームが苦痛

調剤薬局も接客業ですので、患者さん1人1人丁寧に対応しなければなりません。

時には患者さんからクレームを受けることもあり、その対応も窓口に立つ調剤薬局事務の役割の1つです。

内容としては「待ち時間が長い」「薬代がいつもより高い」「薬の数が足りなかった」といったパターンが多いですが、人によっては保険証の提示を求めただけで苦情を言われるなど、理不尽だと感じることもあります。

その乗り越え方とは?

クレームが苦痛だと感じるときは、1つ1つをそれほど気にしないメンタルを持つことが大切です。

患者さんが不満を抱いているのは起こった出来事や薬局全体に対してであり、対応した事務員を個人攻撃しているわけではありません。

つい患者さんの言葉で落ち込んでしまう場合は、そのことを思い出してみてください。

また自分一人で頑張らず、薬局長に対応を代わってもらうことを検討してみてはどうでしょうか。

患者さんの中には「上の人間」が出てきたことで感情が収まる人もいますし、薬局長もそういった対応をする前提で高いお給料をもらっているはず。

クレーム内容への返答についても、薬剤師に説明してもらった方が納得する患者さんも多いです。

調剤薬局へのクレームは、他のサービス業に比べてかなり軽い方だと言えます。

そのことを忘れず、ある程度クレームを受け流すことで心が楽になるのではないでしょうか。

体調を崩しやすい

毎日調剤薬局事務として勤務する中で、風邪や感染症にかかっている患者さんと接触する場面も多くあるため、うつって体調を崩してしまいがちです。

特にインフルエンザの時期などは、1日に何人もインフルエンザの患者さんを対応しなければなりません。

患者さんからもらった風邪がようやく治ったところに、また別の患者さんからもらってしまう…という悪循環にはまり、もう仕事を辞めてしまいたい!

と思うことも少なからずあるでしょう。

その乗り越え方とは?

風邪や感染症の対策は、とにかく予防を徹底することです。

マスクの着用や手洗いうがいの徹底、手指消毒液の活用など、自分でできる対策はすべてとりましょう。

また、体が弱っているとウイルスに負けてしまいますので、疲れを残さないよう規則正しい生活を心がけるようにしてください。

給料が安い

調剤薬局事務は、数あるお仕事の中でも給料が安い部類に入ります。

営業職のようにノルマ制で頑張っただけお給料が増える、といったこともほとんど望めませんので、仕事をバリバリ頑張ってお金をどんどん稼ぎたい人には不向きな仕事と言えます。

忙しい割に給料が安すぎると、心が折れてしまうこともあるでしょう。

その乗り越え方とは?

調剤薬局事務は給料が安いとはいえ、長年勤務を続けていると少しずつ上がってきます。

仕事の内容が嫌でなければ、自分自身の価値を上げるためにも頑張って数年は続けてみましょう。

薬局によっては、資格手当がつくところもあります。

調剤薬局事務や医療事務、登録販売者などの関連資格を取得して手当をもらうのもいいでしょう。

その場合は、事前に資格手当がもらえるのかきちんと確認することをおすすめします。

勤務先で副業が許されているのであれば、副業で収入源を増やすという手段もあります。

それでも給料に対して不満がある場合の乗り越え方としては、より給料の高い調剤薬局に転職することです。

調剤薬局も業績や規模によって給料に差が出るため、同じ勤務内容でより給料の高い所に入れるかもしれません。

ただ給料が上がるということは、その分責任が重い仕事を任される可能性があるということ。

転職するのであれば、そのことを念頭に置いておく必要があります。

いろいろ試したけれど、やっぱり辞めたい!辞める前にやっておきたいこととは?

とはいえ一度辞めたいと感じてしまうと、そこからモチベーションを戻すのは大変ですよね。

いろいろと試してそれでも続けられないと思うのなら、思い切って辞めてしまいましょう。

しかし、可能ならば1年は継続して勤務することをおすすめします。

同じ調剤薬局事務に転職するのであれば1年以上勤務していると経験者として優遇される可能性が上がりますし、別の職種に就くとしても1年未満で辞めた経歴があると不利になってしまうためです。

また、医療事務や調剤薬局事務、登録販売者などの資格を取得しておくと転職の際に有利に働きますよ。

辛い中頑張って調剤薬局事務として勤務したのですから、得た知識を最大限に活用して今後のために備えましょう。

加えてこれは調剤薬局事務に限った話ではありませんが、よほど我慢できない場合を除き転職先を決めてから仕事を辞めることを推奨します。

いきなり収入源がゼロになってしまうと精神的にも良くありません。

貯金や退職金がある場合はこの限りではありませんが、余力があるのであれば仕事と転職活動を並行して頑張ってみてください。

調剤薬局事務の仕事を辞めた後にはどんな仕事がおすすめ?

調剤薬局事務の仕事を辞めると決めたものの、次にどんな仕事をするべきかわからないという方もいるのではないでしょうか。

ここからは、調剤薬局事務の仕事を辞めた後におすすめな職業をお伝えします。

医療事務

調剤薬局事務の仕事を辞めた後は、引き続き医療事務として別の調剤薬局に転職する、もしくは病院事務の仕事に就くなどの選択肢があります。

別の調剤薬局への転職ではもちろんのこと、病院でも調剤薬局事務としての経験が評価され、採用面・給与面ともに優遇してもらえる可能性がありますよ。

しかし、得るべき知識が医薬品に限定されている調剤薬局事務に比べて、病院事務では医療行為全般とより幅広い知識が求められるようになります。

さらに仕事内容は患者さんの応対やレセプト請求など、調剤薬局事務と重なる点が多くありますし、給与もそれほど変わりはないでしょう。

仕事内容や給与面が理由で前職を辞めた場合は、病院事務へ転職しても再び同じような理由で悩まされることになってしまう可能性が高いです。

逆に給与面に不満は無く、仕事内容も自分に合っていたと感じるのであれば、経験を生かして医療事務への再就職を検討してみてはいかがでしょうか。

一般事務

調剤薬局事務の仕事を辞めた後は、一般企業の事務に転職するという方法もあります。

一般事務は調剤薬局事務と同じ事務職であるため、事務職特有のルーティンワークが苦痛でない人には向いていると言えるでしょう。

また、常に患者さんに対応しなければならない医療事務に比べて、一般事務では他人と接する機会が極端に少なくなります。

逆に狭い空間で一日中上司や同僚と仕事をしなければならないというデメリットもありますが、患者さん応対やクレームが辛いと感じていた人にとっては大きなメリットですね。

加えてこれは地域や会社にもよりますが、一般事務は医療事務に比べて全体的に給料が高い傾向にあります。

調剤薬局事務の仕事内容やクレーム対応、給与面を理由として退職した場合、一般事務への転職は有力な選択肢となるのではないでしょうか。

しかしながら一般事務への転職の場合は、調剤薬局事務員として培った知識や経験はほとんど生かせません。

一般事務として働くと決めたのであれば、新しい環境に身を置き、再び一から業務を覚える覚悟で臨む必要があります。

登録販売者

調剤薬局事務としての知識を最も活かせる仕事が、登録販売者です。

薬剤師の慢性的な不足や医療費の増加が問題となっている昨今、患者さん自らが市販の薬で不調を解消することをサポートする登録販売者の需要は増加しています。

登録販売者は調剤薬局ではもちろん、ドラッグストアやコンビニなどでも求められており、再就職先の幅も一気に広がることになります。

収入面に関しても、調剤薬局事務の頃より格段にアップする可能性が高いです。

登録販売者として働くためには国家資格の取得が必要となりますが、調剤薬局事務として知識を蓄えておけばそれほど難しくはないでしょう。

しかし、登録販売者は薬剤師と同じく患者さんに対してお薬の説明をすることが仕事になります。

お薬は患者さんの体に直接影響するものですので、説明する側にも当然責任が伴います。

給料が上がると、その分責任も増える。

登録販売者として働くからには、調剤薬局事務員の頃よりも患者さんの健康に影響を与える立場にいることを自覚する必要があるでしょう。

まとめ

調剤薬局事務を辞めたいと思う理由や、辞めた後におすすめの仕事を紹介してきました。

調剤薬局事務は大変ですが、患者さんや薬剤師のサポートができるとてもやりがいのある仕事です。

調剤薬局事務を辞めようか迷っていた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。


関連キーワード

調剤薬局求人