2021年1月19日

パン製造求人に興味のある方はぜひ参考までにご一読いただけたらと思います。

パン作りや料理が好きな人なら、美味しそうなパンがズラリと並んでいるのを見ると、「自分でも焼いてみたい」と思うかもしれませんね。

しかし、いざ働くとなると、どんなパン屋さんやパン工場に就職すればいいのか、どういう風な業務を任されるのか分からない人も多いでしょう。

そんな方に少しでも役立つよう、今回はパン製造業の求人についてご紹介します。

パン工場の仕事とパン屋さんとの製造方法の違いも必見です。

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パン製造をするならパン屋さんかパン工場を選ぼう

パン屋さん

もっとも手軽なのが街のパン屋さんの製造スタッフとして働く方法です。

個人経営の街のパン屋さんは常に人手不足のような状態で、求人広告もよく見かけるでしょう。

大きな特徴と言えば、職人さんの思い描くパンをとことん追求して作ることです。

材料の産地選びから種類、製造方法まで、それぞれのお店によって変わるでしょう。

パンを作り上げるまでにかかる時間も、好きに変えられるところも個人店の特徴です。

人気があるお店は行列が絶えず、メディアにとりあげられることもあります。

一方チェーン店では、製造スタッフとして採用されたとしても個人店ほど自由にパンを作ることはできません。

あらかじめ定められたマニュアルがあり、それに沿って製造します。

スタッフは個人店に比べて一定数おり、分散して作業を行えるので、一人一人の負担が少ないです。

パン工場

パン工場は個人店とは規模が大きく異なります。

工場では、大勢のスタッフが製造ラインごとに同じ種類の商品を一度に大量生産して作る方法を採用しています。

コンビニやスーパーで普段よく見るパンは、パン工場で製造しているものが多いです。

パン工場では、様々な年代の方々が働いて、中には60歳を越える年配のスタッフもいます。

大きな特徴は、工場内で作業するためお客様と接する機会がないところです。

そのため、人とコミュニケーションをとることに苦手意識を持つ人や、ブランクのある人も働きやすい環境かもしれません。

パン製造の仕事はどんなことをするの?

パン屋さん

生地作り

町のパン屋さんでは材料からこだわっているお店もあり、生地から作ることもあります。

小麦粉の産地、焼き色や風味など細部にこだわるお店も多いです。

最初は小麦粉、水、バターなどを計量します。

油脂類は常温に戻したり、レーズンは水分をきったり、各材料をどんどん揃えていきます。

作る上で大切なことは、温度管理を怠らないことです。

夏場や冬場で設定する温度も変わってきます。

パンを作る室内温度から粉の温度、水温までしっかりと把握しましょう。

パンには材料の違いによりリーン系とリッチ系に分かれてきます。

リーン系と呼ばれるものは、小麦粉、水分、塩、酵母のみを用いて作るため、小麦の味を堪能できる素朴なパンです。

例として、フランスパンやライ麦パンがあります。

イメージとしては、ゴツゴツ固くて気合いを入れて噛みちぎるように食べるようなパンですね。

リッチ系は、副材料となる卵や牛乳、油脂類を加えていく甘くてふわふわとした柔らかいパンです。

リッチ系の例を挙げますと、クロワッサンやメロンパンなどになります。

それでは、パン作りにおける成形までのプロセスを紹介していきたいと思います。

① こねる作業

材料は最初はバラバラですが、水分を加えながら混ぜていきますと次第に一つの塊のような状態に変化します。

ここでのポイントは、水分を徐々に加えていくこと。

いきなりドバっと入れてしまうとまとめるのは容易ではなく、最悪の場合修正不可能になります。

塊状になってきたら、生地を捏ねていきましょう。

小麦粉内部に含まれるタンパク質は捏ねて刺激を加えることで、グルテン(生地を膨らませるパン作りに欠かせない物質)を形成していきます。

ポイントはしっかりとグルテンを出せるように刺激を加えること。

そのために、台に叩きつけて伸ばしたり引っ張ったりしていきます。

② 一時発酵

こね上がった生地はダメージがいっぱい。

このまま次の行程へ進める前にちょっと生地も休憩します。

イーストから炭酸ガスとアルコールが発生し、グルテンと結合することにより発酵が始まります。

目に見えて二倍三倍の大きさにまで膨らんでいくさまは驚きの連続です。

発酵が行われるからこそ味わい深くなり、香り豊かな風味がプラスされます。

充分に生地が膨らんだら、発酵が上手にできているかチェックしてみましょう。

見極める方法は、フィンガーテストを行うのが一般的です。

指に粉をつけて生地中央へ突き刺すと穴が空きます。

指先の戻り具合に変化がなければ、次の段階へ進んでも大丈夫でしょう。

③ パンチ

発酵された生地内部にはガスが充満しています。

生地を叩いてガスを放出し、新たな空気中の酸素を取り込ませていく工程がパンチです。

生地の力が強くなり、イーストを活発にさせるとても重要な作業です。

ガス抜きをしたら、決められたグラムに分割して丁寧に丸めていきます。

丸める目的は、ガスを空気中へ逃がさないためです。

表面の生地が丸く覆われることでパン生地は緊張感を持ちます。

④ ベンチタイム

丸めた際に生地に緊張感を持たせましたが、ベンチタイムで一旦落ち着かせることで緩ませてあげます。

この休んでいる間に伸びる力も回復するので、より滑らかでしっかりとした形になります。

成形(形を作る工程)~焼成(焼く工程)

ベンチタイムが終われば成形の時間。

好きな形にしてあげましょう。

成形段階の後には、形を変えることはできません。

焼き上がりに見られる形はここで作られます。

成形が終われば最後の発酵です。

生地は、二倍程度に膨らむのがベスト。

発酵させすぎますと、しぼんで上手く綺麗に焼き上がらないので、細心の注意を要します。

生地作りや成形、発酵が済めば、いざオーブンへ。こんがり焼き上がったら、パンの完成です。

パンの製造以外では商品陳列を行うこともあります。

パンはあまり熱々の状態ですとお客様にも迷惑がかかりますので、ある程度の余熱を取って並べます。

お店によっては人手が足りない場合もありますから、レジや接客をする場合もあるでしょう。

大変かと思いますが、どんなお客様が訪れるのかを見るのは楽しいですし、ちょっとした会話も良いものです。

お客様と直接接することで、新しい発見もあるかもしれません。

パン工場

工場ではラインごとにいくつもの作業が分担されています。

ここからはライン別に分けて仕事内容を説明していきますね。

成型ライン

成型ラインでは出来上がった生地がベルトコンベアにのって流れてくるので、マニュアル通りに成形作業を行っていきます。

形は実に様々で、一定のペースで流します。

基本的に同じ作業の繰り返しになりますが、油断は禁物です。

成形以外にも、材料を載せたりジャムなどを塗ったり、調味料で味付けをしたりと内容は様々です。

焼成ライン

発酵が終了した生地はオーブンへ運ばれます。

と言っても、パン生地の差し込まれたラックごと暖めていくちょっと変わった機械を使います。

しっかりと焼き上がったら、落とさないようにゆっくり取り出して、温度を下げていきます。

とにかく熱々の状態ですので、火傷しないように注意しましょう。

包装ライン

余熱の取れたパンは、再びベルトコンベアへ流して行きます。

ここでの作業は単純なものが多く、右から左へ移していくような内容です。

しかし、何万個という数のパンが次々に流れてきますので、侮ることはできません。

同じ体制で、長時間の作業が続きますので、肉体的にも精神的にも疲れは出てくるはずです。

パンの向きが間違っていたためにラインがストップするなどのミスも増えてきます。

仕分けライン

包装が終われば、後は届けるだけ。

各お店から注文の伝票が届いていますのでそれに沿って仕分けを行います。

出来上がったパンが続々と来ますので大変な作業です。

お店ごとに箱詰めが済んで、確認とチェックができたらトラックへ運ぶ作業になります。

パンがギッシリ詰まった段ボールは決して軽くありませんが、慣れれば何てことはありません。

トラックには、全国各地のお店の分の段ボールが山のように積まれていきます。

品出しは、数の間違いがないように充分気を付けます。

無事、積み終われば各地に運ばれ、やがては私たちの食卓に並ぶことになります。

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パン製造をするならどちらがおすすめ?

お店や工場によって勤務条件はかなり変わってきますから、どこで働くにせよ不安に思うところは働き始める前にしっかりと聞くべきです。

そうしないと、働き始めてから苦労するかもしれません。

お店の人も最初は優しかったけど、一緒に働くようになったら意外と怖かったなんてことも。

できる限りお店の雰囲気は掴んでおくのがおすすめです。

パン屋さん勤務に向いている人

パン屋さんは本格的なパンを作りたい方におすすめできる職場です。

趣味で始めたパン作りの延長上から、パン職人としてのキャリアを考えてる方まで。

最初から最後までしっかりと作り方を見られるというのは、パン工場では体験できない大きな経験になるはずです。

パン工場勤務に向いている人

パン工場は24時間体制で稼働しているので、その分働き方に幅があります。

そのため、自分の生活にあった働き方を見つけたい人にはぴったりです。

また、一般的なパン屋さんと違ってお客様と接することがないので、コミュニケーションに不安を抱いている方も安心して作業に集中できるでしょう。

パン屋さんで働くメリット

パン屋さんで働くメリットは、やはり技術の向上が期待できる点が考えられます。

更には、お店の職人さんにより異なるパン作りをしているので、自分の理想も追求できることも可能です。

デメリットとしましては、仕事の拘束時間が長いこと、休みが思うように取れないことでしょう。

パン工場で働くメリット

パン工場のメリットは、シフトにより勤務時間が整っているところです。

パン屋さんのように不安定な働き方ではないので、安心して決まった時間だけ働ける点がメリットになるでしょう。

また、休憩時間には余ったパンを食べられる工場もあるので節約に繋がりますし、もちろんパン好きな方には魅力です。

デメリットは、単純作業ということからやりがいを感じにくい点に尽きるでしょう。

未経験者が気になるパン製造の疑問

製造業は大変だとよく聞きますが、実際はどうですか?

製造業はどちらかと言えば裏方で華やかなイメージは持たれていませんし、やはり長時間の勤務が常です。

しかし、実際に働いてみないことには何とも言えないはずです。

パン屋に限らず楽な仕事は少ないものですし、やりがいを持てばどんな仕事だって楽しめるはず。

パン屋の仕事の大変なところは、こちらの記事を参考に!

パンは好きだけど、作ったことはありません。

経験なしでも歓迎してくれるお店は沢山あります。

むしろ、自分の考えを持った経験者の方が扱いづらくて大変だと考えるお店もあるほどです。

パンが好きかどうか、興味あるかどうかが大きなポイントです。

パン工場に勤務する場合、担当する工程の希望は聞いてもらえますか?

工場の事情で返ってくる答えは異なりますが、概ね希望通りのラインにつけるはずです。

入れ換えの激しい職場でもありますので、働いてからの変更も充分に可能なはずです。

身だしなみには厳しいですか?どんな規定がありますか?

異物混入や食中毒には細心の注意を払っていますので、ピアスやネックレス、ネイルは好まれません。

パン工場では専用の服に着替えて、しっかりした防護ネットも被る位に徹底した管理を行っています。

髪染めも避けるのが無難でしょう。

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まとめ

今やパンは私たちの生活に欠かせません。

実際にパン製造スタッフとして働いてみると「自分で作る楽しさ」をひしひしと感じられるでしょう。

パン屋さんやパン工場で働くことを通じて、作る喜びを知ってもらえると嬉しい限りです。