パン屋の仕事内容6個の業務。経験者が教えます!
パン屋の仕事が大変な理由をここでお話しさせていただきます。
パン好きな人は、毎日美味しいパンに囲まれて天職と言えそうですが、毎朝早くて大変そうなイメージもありますよね。
今回はパン屋のアルバイトを検討している方向けに、某大手ベーカリーチェーン店に勤めている私の経験から、パン屋の仕事がきつい原因や具体的な業務内容、大変さに負けないやりがいなどをご紹介します。
パン屋の仕事は楽しいこともあれば大変なこともたくさんあるんです。
目次
閉じるパン屋のおおまかな仕事内容とは?
パン屋の仕事と聞いてイメージするのは「焼く」「生地をこねる」などのシーンではないでしょうか。
基本的にパンの製造は専門のスタッフが行うことになりますが、アルバイトでも手伝ったり任されたりする場合があります。
ここでは具体的な業務内容について見ていきましょう。
釜番
キッチンに立ち、たくさんの種類のパンを焼くという大切な仕事です。
1日のうち何度も業務用オーブンと向き合うので体力も必要になります。
時には窯にスチーム(蒸気)を入れてパンを蒸すこともあり、慣れるまではとても暑く感じるでしょう。
生地をこねる、作る
チェーン店だと、冷生地という既製の生地を使うこともあるのですが、粉から機械で混ぜ合わせて作る種類もあります。
できた生地を厨房のテーブルの上で細かくし、餡(あん)を包んだり、成形したりします。
何十個と作っていくので集中力も必要です。
調理する
職人が作った生地を貰い、フライヤーと呼ばれる大きな揚げ台でリングドーナツ、揚げパン、サンドイッチに使うカツなどを揚げます。
また、サンドイッチ作りにおいては生物を扱うため、店の衛生規定を細かく覚えさなくてはなりません。
品出し
焼き上がったパンを次から次へとお店に並べます。
沢山の種類があるので、1日に何度もホールとキッチンを往復しなければなりません。
また、焼き立てが最も美味しく宣伝文句にもなるので素早く行う必要があります。
販売や接客や、そのほかの作業
レジでの販売や接客は主にホールスタッフが行います。
イートインコーナーがあるお店はドリンクを作って提供する作業も必要です。
時には、試食を配りながら商品の宣伝をしたり、常連のお客様とは軽いコミュニケーションを取ったりもあるでしょう。
また店を清潔に保つため開店前や営業中、閉店後に陳列棚の清掃などの作業もあります。
パン屋の仕事で大変だと思う5つのこと
パン屋の仕事は一見すると、お洒落でいい匂いがするお店でスマートに働いているように見えることがありますよね。
しかし、意外に重労働であることは知られていません。
その他、大変だと感じることを紹介します。
パンや鉄板が重い
パンを乗せるための鉄板はおおよそ50センチ×横30センチのもので、片手で持つと結構な重さを感じ、それだけで腕が疲れてきます。
更にその上に置ける限りのパンを置くので、人によっては片手で持てないほど重くなります。
面接の時、「力はある方ですか?」と聞かれたくらいです。
慣れればあまり気にならなくなりますが、最初の方は肩や腕が痛くなります。
釜番や品出しは火傷が多い
百何十度にもなる釜の奥行きは意外と深く、腕をいっぱいに伸ばしても最奥まで届かないくらいです。
しかし、朝の焼き立てラッシュの時にはこの釜一杯にパンを乗せた鉄板を入れるので、特に焼きたてを取り出す時火傷を負いやすいのです。
また品出しの時も、熱々の鉄板は焼き立てと分かるパンが乗っていない限り、冷めたものと見分けがつきにくく、触ってしまうと火傷を負うことも。
夏はとにかく暑い!
先にも述べた通り火傷が多い仕事なので、パン屋の制服は布地が厚手に作られています。
それに加えて100度以上になる釜の番、200度近くになるフライヤーの前に立つ揚げ物係、品出し時の熱々の鉄板・・・。
暑い季節は店内にクーラーが効いていても皆汗だくになって仕事をします。
パンの見た目と値段を覚えなければいけない
これはレジに立たなければならないからですが、何十種類もあるので意外と大変です。
パンには値札をつけるわけにはいかないので、全てのパンの見た目と値段を覚えます。
新人の頃はノートにすべて書いたり売り場の写真を撮ったりして暗記していきます。
パンの成分や特徴も覚えてないとダメ
アレルギーを気にする方や健康志向の方も多く、お客様にパンの成分や特徴についてよく質問されます。
例えば「塩分はどのくらい?」「ハチミツは入ってる?」「どんなパンなの?」など。
これらに答えられないとお客様をがっかりさせてしまうどころか購入に繋がりません。
そのため、成分表やお客様からの質問表、パンの特徴が書かれたメニューカードには目を通しておいたほうが良いです。
意外と知らない従業員も多いので、覚えておくと差をつけられますよ。
大変な時もあるけど、パン屋の仕事のやりがいとは?
火傷が多かったり、覚えることが多かったり大変なこともあるパン屋の仕事。
しかし、やりがいも実に多いのです。
お客様に「美味しい」と言ってもらえる時
アルバイトは売り場の顔としてお客様に接する機会が一番多いことから、感想もよく頂けます。
嬉しい感想をわざわざ伝えてくださるお客様は皆とても良い笑顔をしていて、こちらまで思わず笑顔になってしまいます。
本来は笑顔を与える立場でありながら、お客様に貰う笑顔は多いのです。
常連のお客様が来てくれる時
どんな時も笑顔で接客することを気を付けていると「あなたがいるときだけ買いに来るのよ」なんて言ってくださるお客様もいます。
お客様とパンとは関係の無い話を仕事の合間にするのも息抜きになり、楽しいものです。
また、そのお客様が来店するかもというワクワクが楽しみになったりもします。
試食で自分が紹介したパンを買ってくれた時
試食販売は、最も購買効果のある宣伝方法です。
やはり自分が紹介したパンが、「じゃあ買って行こうかしら」なんて言われて購入してもらえたら、とても嬉しいです。
どんな風にアピールしたらお客様が購入してくれるか、ということを考えるのもやりがいの一つと言えます。
そして、頭を絞って考えた宣伝文句がお客様に刺さった時は達成感があるでしょう。
店の売り上げに貢献できた時
一生懸命頑張ると、店長やその上の役職の方々に「あなたのおかげで売り上げが上がった」と言ってもらえることも。
たとえ100円でも売り上げに貢献をし、それを褒められるとモチベーションが上がります。
また、店にもよりますが、「定時点検」といって1時間ごとに売り上げをチェックする機会があります。
そこで現在と過去の売り上げを比べながら、より売り上げるにはどうしたら良いか考えるのもやりがいと言えます。
自分の仕上げたパンが売れた時
仕上げるというのは最後のトッピングやクリーム詰めのことです。
自分で綺麗に仕上げたパンを小さな子供が「これ美味しそう!」と言ってくれるととても嬉しくなります。
いかに美味しそうに見えるかにもこだわるようになるので、やりがいの一つと言えるでしょう。
パン屋の仕事をして楽しかったことは?
やりがいと重なるところも多いのですが、楽しかったこと、経験などをご紹介します。
お客様との何気ない会話
常連のお客様との何気ない会話や、季節の挨拶をお客様と交わせるのも密かな楽しみの一つです。
例えば、お客様のヘアスタイルの話やネイルの話で盛り上がったり、会話から「また来ますね」なんて次に繋がる会話もできたりします。
試食が飛ぶようになくなっていく瞬間
試食はテナント元のスーパーに人がいないと当然全く無くなりません。
しかし、混雑時には試食販売に人がこれでもかと群がり、カゴ一杯の試食が一瞬で無くなることがあります。
お客様は皆「私も、私も」という感じでどんどん貰ってくれるので、あっという間に次の試食を補充しなければならないのは大変ですが、パンを売っている身としては「みんな、パン好きなんだなぁ」とほっこりする瞬間です。
自分の思惑通りに商品が売れる時
パンが思うように売れない時、宣伝文句や売り方を見直すのですが、考えに考えた宣伝文句で商品が売れていくと、仕事がとても楽しくなります。
例えばあるパンの売れ行きがイマイチなとき、単純ですが売れ行きが好調のパンを1個入れその他のパンとの詰め合わせを作るとか、普段試食を切らないようなパンを「本日は特別」として試食を配ることもできます。
些細なことですがこれだけでも売り上げが良くなったりするので面白いです。
パン屋の仕事、おすすめポイント4つ
大変なことよりもやりがいや楽しさの方が多いパン屋の仕事。
私が感じた4つのおすすめポイントをお伝えします。
コミュニケーション能力が身に付く
パン屋の仕事を始めるまで見知らぬ人とのコミュニケーションが大の苦手だった私ですが、接客をする中で気付いたのは、お客様のほとんどが良い人だということ。
それまで接客というのはこちらが一方的に笑顔を振りまかなければならないものだと思い込んでいました。
しかし今では、お客様から笑顔を頂くことの多い仕事だと感じます。
また、試食販売をすると嫌でもお客様とコミュニケーションを取らざるを得ず、どんな風に語りかければ購入に繋がるだろうかと考えるので、自然とコミュニケーション能力も高まります。
マーケティング感覚が磨けるかも!?
マーケティングとは、お客様が本当に求めているのもを探り当て、それを提供するための戦略やプロセスなどのことを言います。
接客中はお客様の話を引き出すような会話を心がけ、お客様がどんなパンを求めているのかを予測します。
購入の決め手となる一言があれば、悩んでいるお客様の背中を押してあげることも可能です。
店員の言葉を信じてそのままレジに向かうなど、すぐに反応がかえって来るので、マーケティング感覚を磨く練習になるかもしれませんね。
失敗作のパンが貰える
失敗作のパンは「ロス」と呼ばれ、誰かに貰われない限りゴミ箱に行ってしまいます。
店によるかもしれませんが、多くのお店ではこの「ロスのパン」が貰えます。
失敗作と言ってもほとんどは形が崩れただけとか、ほんのちょっと焼き色がつきすぎたなどと言った、味は売り場に出る商品となんら変わらないものです。
これを貰えるとあって、仕事が終わると皆嬉しそうにロスパンを選びます。
私もロスパンの食べ過ぎで3キロほど太ってしまいました・・・。
しかし、学生さんや一人暮らしの方には貴重なご飯になるので、ポイントは高いです!
やりがいが多い
パン屋というのは基本的には小規模運営なので、大規模店では任せてもらえないような仕事も多く、やりがいがあります。
何よりもお客様の笑顔が見られる仕事です。
給料には反映されない試食販売も、お客様の笑顔があるから頑張ろうと思えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
パン屋では働いてお金を貰いながらコミュニケーション能力が磨かれたり、マーケティング感覚を磨く練習にもなるお得なアルバイトです。
人と接するのが苦手でそれを克服したい方にとっても良い経験を積める仕事なのではないかと思います。
この記事がパン屋でのアルバイトを検討されている方の参考になれば幸いです。
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