みなさんは製材所というと何を思い浮かべますか?

何か機械で木を切ってる...というくらいのイメージしかないのではないでしょうか。

今日はここで仕事のイメージをより明確に持っていただけるよう、製材所の仕事内容や求人について紹介していきたいと思います。

製材所の大まかな仕事内容

製材所は、山で切ってきた丸太や、市場で仕入れてきた丸太を柱や板に加工するところです。

そこには、実に多くの過程と仕事内容があります。

それでは順を追って説明していきたいと思います。

丸太の輸送

これは「木運び (きはこび) 」と言って、それを仕事として専門にしている業者や運転手もいますが、製材所内でトラックと運転手を抱えて行うところもあります。

会社で所有している山の木を切って、それをトラックに積んで製材所まで運ぶパターンと、木材市場で買って製材所に持ち込む2つのパターンがあります。

トラックと運転手は社内のこともあれば、外注でやってもらう場合も、またその両方もあります。

一般的には、外注の業者にやってもらうことが多いですね。

山で切られた木は、だいたい長さ3メートルか、4メートルの2種類に切られます。

一般の建築でそれより長いものはめったに使わないし、トラックに積むこと、製材所の機械で扱うことなどから、この2種類がほとんどです。

丸太を土場 (貯木場) に降ろす

トラックが製材所に入ると、積まれた丸太を、グラップルという丸太を掴む重機やフォークリフトなどで降ろします。

この降ろされた丸太をためておく場所を、土場や貯木場と呼びます。

皮剥き (かわむき)

みなさんは柱や板に木の皮がそのままくっついてるのは見たことがないですよね。

皮の内側には虫がいることもあるし、皮自体が製品にはならないので大きな機械で皮を剥きます。

また、皮はその後の工程で邪魔にもなります。

病院のMRIを大きくしたような機械に丸太が入っていくと、周囲の刃が回って皮を剥いていきます。

下ごしらえ

正確な呼び名ではありません。

一抱えもあるような大きな丸太から、いきなり幅10センチくらいの板にはできないし、人が人力で扱えるように、だいたい120~150センチくらいの角材にします。

それにはいくつかの機械を使います。

 丸鋸 (まるのこ)

丸鋸といっても鋸の歯が直径1メートルくらいあります。

2枚横に並んでついていて、丸太の両側を削ぎ落としていきます。

丸鋸は固定されていて、丸太をはさんだ台車の方が移動します。

丸太の両側を落としただけのものを「太鼓 (たいこ) 」といいます。

断面が太鼓の形をしているからです。

この状態で次の工程に移すこともあります。

たいていは太鼓に挽いたものを、90度倒して、もう一度片側だけ挽いて、3方が平ら、残りの1辺だけが丸いままの状態にします。

これを「3方 (さんぽう) 」と呼んでいます。

これは次の工程の「テーブル」という機械で挽くのに都合がいいからです。

台車 (だいしゃ)

同じく丸太を挽く機械ですが、こちらは帯鋸 (おびのこ) という幅10センチくらい、長さ5メートルくらいの鋸の歯の両端がくっついて輪っかになっているものを、直径1メートルくらいの滑車が上下に1組ついていてエンドレスで回し、挽きつづける機械です。

これはちょっと文字ではわかりにくいかもしれませんね。

そして、この機械では丸太が固定されていて、帯鋸とそれが取り付けられた台車に人が乗り、鋸と人間が一緒にレールの上を走っていって丸太を挽きます。

なのでこの機械では一度に1つの面しか挽くことができません。

ツインソー

帯鋸が左右2枚で1組ついているので「ツイン」「ソー (鋸) 」と呼ばれます。

こちらは帯鋸は固定されていて、丸太のほうが移動します。

鋸が2枚ついているので、一度に2面挽くことができます。

テーブル

日本語で「台」という意味ですが、製材所ではなぜかこう呼ばれます。

「オートテーブル」というところもあります。

今までの工程では丸太の状態なので、台の上に置いても転がってしまうので、木口 (こぐち。

木の切り口) を両側から機械ではさんで固定していました。

上の工程で2面または3面が平らになった材料は、台の上に置くことができるようになります。

テーブルは帯鋸が1枚ついていて、ローラーがついた台の上に太鼓または3方を置き、途中まで人が押すとあとは機械についたローラーが鋸へ材料を送り込んで、出口まで排出します。

ここで、角材 (柱や土台) 、板などを取ります。

板を取るときなどは何枚も、取れるだけ取るので、出口にもう一人いてその人が出てきた材料の残りを隣のレールの上に置くと、その材料はまた入口の人へと転がっていきます。

入口で材料を投入する人を「元 (もと) 」、出口で挽かれた柱や板を取り、残りを返す人を「鼻取り (はなどり) 」といいます。

「鼻」は「端」という意味です。

両切り、横切り

さて、こうして挽かれた柱や板は長さがまちまちです。

先に、3メートルか4メートルと書きましたが、山ではそんなに正確に計って切ってられないので、10センチ~20センチくらい長めに切ってあります。

そこで今度は、柱や板の長さを揃えるために、両側または片側を丸鋸で切りそろえます。

また、注文によって様々な長さに切ります。

短いものでは1メートル未満のものもあります。

この工程を「両切り」または「横切り」といいます。

この辺まで来ると、木もだいぶ小さくなり、軽くなってるので女性も作業しています。

年配の方も結構いらっしゃいます。

選別

丸太の状態ではわからないのですが、木を切り刻んでいくと、中が腐ってたり、虫食いのこともあります。

もちろんこれらは製品にならないので、選り分けて捨てます。

また、節のないものは「上小無地 (じょうこむじ) 」とか「無節 (むぶし) 」と呼ばれて重宝され、値段も高く売れるので他のものと分けます。

乾燥、熱処理

生木でそのまま使うものもありますが、乾燥しなければならないものもあります。

また、乾燥目的でなく、中にいるかも知れない「虫」を殺すために熱処理することがあります。

海外に輸出されるものは、熱処理を求められることが多いです。

モルダー (削り)

フローリングなどの表面がツルツルしたものがありますね。

木はそのままでは表面がザラザラなので、モルダーという機械に入れて、電動のカンナで表面を仕上げます。

これは刃の調整などがむずかしく、経験が必要になります。

職人の世界ですね。

梱包

製品によって、そのまま積んで崩れなければいいものから、長距離運ぶ、あるいはモルダーで仕上げたので表面を傷つけたくないなどの理由から、必要に応じてシートをかけたりして結束します。

横バンド

約して「横バン」とも言われます。

テーブルと同じような帯鋸が「横」に張られているのでこう呼ばれます。

イメージが難しいかもしれませんが、3方に挽いたものから板などを取っていくと、最後に背中が丸い、いちばん外側の部分が残ります。

これを「甲板 (こういた) 」と呼びます。

甲板からさらに薄い板が取れる場合があるので、横バンに入れて取れるだけ板を取ります。

チップ

いよいよもう取るところがなくなった材料や、腐れ (倒木や立っている状態でも中の組織が死んでしまってボロボロになっているもの) や、虫食いなどの木は、「チッパー」という機械に入れられ、粉々に破砕されます。

これを「チップ」といいます。

チップは紙の原料として、業者が引き取っていきます。

鋸刃の目立て

鋸刃は1日くらいしか持たないので、毎日、交換した刃を研がなければなりません。

また、材料の丸太には時々、石や釘が刺さっていたりするので、それを挽いてしまうといっぺんに刃が欠けてしまいます。

鋸刃の腰入れ

巨大なプーリー (滑車) で帯鋸を回していると段々、刃がへたってきます。

刃の切れ味ではなく、金属の帯そのものが腰砕けになってくるのです。

これは専門の業者に頼んで、適度な剛性を取り戻してもらいます。

これを「腰入れ」といいます。

製材所求人でよくある募集内容とは?

こんなにいろんな仕事があるけど、一般の方は知らないので単に「作業員」「製材工」「業務員」などとしか書かれていません。

給与相場

15万~20万円といったところでしょうか。

作業はきつく、危険も多いのに、もう少し給料が良ければ若い人も来ると思います。

勤務時間や休日、残業

製造業一般に言えることですが、休みはだいたい日曜日と祝日くらいですね。

週休2日はまずないです。

会社によっては、月の勤務日数が23日などと決まっていて、日曜日と祝日と照らし合わせて会社カレンダーを作っているところもあります。

福利厚生

しっかりとした会社であれば、有給休暇はあります。

それが自由に取れるかというと、実情は難しいところがありますが。

勤務場所

騒音が出るのでだいたい町からは離れています。

電気で動く機械を扱うので屋根はあります。

ただ、丸太や3~4メートルの材料をフォークリフトで出し入れする仕事柄、壁はありません。

はっきり言って、冬はかなり寒いです。

もちろん夏は冷房などありません。

製材所のおすすめ求人のポイント

給与

一般的に低めなので、やはりある程度給与がいいところを探したほうがいいと思います。

ただ、あまりに高いのはかえって怪しいです。

給与の内容をよく確認しましょう。

休日

製造業一般に言えることですが、少なめです。

中には、週休二日制のところもあるようなので、休みが欲しいという方は探してみてください。

皆勤手当。精勤手当

やはりこれがあった方が、頑張って仕事に行こうと思いますね。

製材所の仕事が向いているのはこんな人

体力がある

何より、体力です。

力はあった方が良いです。

それから暑さ、寒さが平気だという人が求められます。

フォークリフトなどは自分の手で木を持ち運んだりすることはないので、体力にあまり自信がない方は、そういう仕事をさせてもらうように頼んだほうがいいでしょう。

これは入社する前にはっきり言っておいたほうがいいです。

といっても、座ってるだけだから楽かというとそんなことはありません。

基本的な体力は必要です。

コミュニケーション能力がある

1人でできる仕事もありますが、テーブルなどは二人一組で仕事をするのでコミュニケーション能力はとても大切です。

大型の機械が常時動いていて、木を挽いているのですから、騒音も大きいです。

身振り手振りも必要になります。

お互いに相手に伝えよう、相手のことを理解しようという気持ちや心構えがないと、仕事が進みません。

1人で仕事したい人は、ラインの工場で一日中ドライバーでネジを締めるだけのような仕事をしたほうがいいでしょう。

危険に対応できる

危険が多い職場なので、危険を予想できるような能力は必要かもしれません。

このような職場ではKY (危険予知訓練) などを行うところもありますが、会社でやらなくても、自分で危険を判断できた方が良いでしょう。

逆に製材所の仕事に向いていないのは?

注意散漫になりやすい

危険が潜んでいる作業場においては、集中力を保つことが重要になります。

注意散漫になりやすい人は、ケガをする可能性大なので向いていないかもしれません。

自分だけでなく共に働く仲間を危険な目に合わせることになるため、気のゆるみは許されない仕事です。

身体をあまり動かしくない人

立ち仕事で暑さ寒さもある環境で働くのが製材所の仕事です。

身体をあまり動かしたくない人にとっては、重いものを運んだり、汗水垂らして仕事をすることが、楽しめなかったり苦痛だったりするかもしれません。

仕事というのは自分の一日の大半をささげるものですから、無理はしたくないほうが良いですね。

製材所の仕事のやりがい

木を扱う

これは「木」が好きな人なら、こんなに恵まれた場所はないでしょう。

山仕事、林業もいいですが、山では木の形はほとんど変わりません。

製材所では、丸太の状態から段々、製品に変わっていく過程をほぼすべて見ることができます。

体を動かすのが好き

机に向かって事務仕事をするより体を動かしたい人に向いています。

体を動かしながら様々な工程に携わり頭もフル活用していきます。

奥が深い

行ったその日からできる仕事もあるけれども、やってみると実は知らなかったことがたくさんあり、日々勉強です。

初めは、杉と桧の違いもわからないでしょう。

また、これはいい木か、悪い木か、そんなことも段々わかってくるようになります。

大型の機械を扱う

機械を使うことが好きな人には合っていると思います。

鋸の歯は毎日、換えなければならないし、その調整などは一朝一夕でできるものではありません。

刃の貼り方、出具合など変えて、どのように木が挽けるのか?

そんなことを試すことができるのもこの仕事の特徴です。

製材所求人についてよくある疑問

製材所ってどこにあるの?

都会に住んでいる人には縁がないですよね。

やはり、都会から離れた山の方にあります。

材料を供給することと、騒音が出ることから町中には製材所はありません。

といっても、そんなに人里離れたところでなくても製材所はあります。

ほんとに製材所しかないような山奥がいいという方はそういう場所もあります。

学校や、スーパーや、病院が近くにないと...という方には町から車で30分くらいのところでもあります。

仕事はきつくない?

正直、体力的にはかなりきついです。

これは覚悟してください。

体力仕事ですし、一日中立って作業する仕事です。

吹きさらしで冬は寒いし、夏も屋根はあるものの冷房などないのでかなり暑くなります。

ただ、現実には若い人が入ってこないので結構年配の方が多いのも事実です。

まとめ

いかがでしたか?

知らないことがたくさんあったと思います。

そして、仕事の種類がこんなにたくさんあることに驚いた方も多いのでは?

体力一番の仕事から、モルダーのように職人技が必要な仕事もあります。

興味ある仕事がありましたら、ぜひ挑戦してみてください。