スーパーやコンビニにはいろんなお菓子が並んでいますね。

街に出ると、洋菓子店や和菓子店などの、菓子の専門店も数多く見かけます。

ついつい買ってしまう魅力的な菓子製造の仕事内容にはどのようなものがあるのでしょうか。

菓子製造に携わってきた経験者が解説します!

菓子製造の仕事は大きく6個の役割に分けられる

菓子製造は菓子を作ることだけでは成り立ちません。

新たな商品を開発研究したり、小売店に営業に行ったり、店頭に置いてもらう品を配送したり…

実際に菓子そのものに関わることはなくても、事務的な仕事で会社を支える職種もあります。

菓子製造の中心になる工場や工房での仕事や商品開発の仕事をメインに、その他の仕事についても解説します。

製造(工場・工房勤務)

何と言っても菓子製造の核になっているのが、工場や工房で菓子を作る仕事です。

製品がなくては販売もできません。

工場や工房などで、実際に菓子を作ります。

工場・工房内はオーブンなどを使うことから室温が高くなったり、材料となる砂糖や小麦粉などの重量が結構あったりするために、製造の仕事は体力仕事でもあります。

また、作業を正確にこなさないとできあがりが一定のものにならないため、ある程度の繊細さ、几帳面さを必要とします。

商品開発

新製品を常に作り続けなくてはならない、という決まりはありませんが、老舗のお店でも伝統的な菓子の横に新製品が並ぶことも多いのではないでしょうか。

消費者を飽きさせないため、また購買意欲を誘うためにも、新製品の開発はとても大事な仕事の一つです。

仕入れ

材料の仕入れをしなくては、菓子の製造はできません。

単純に材料そのものの在庫がどれだけあるかだけではなく、製品の在庫の状況や受注・出荷の状況などを計算して発注する必要があるので、全体の流れを把握していることが望ましい仕事です。

専門のスタッフを設けているところもありますが、工場・工房内で製造に携わる者が仕入れも担当していることも多いです。

事務方が担当していることもあります。

商品の在庫を管理する者と、製造に必要な材料の管理をする者、発注者がそれぞれ違って、連携しながら仕入れをしていることもあります。

営業・配送

自社工場で製造した菓子を自社店舗のみで販売しているという場合にはこの限りではないですが、小さな洋菓子店や和菓子店など以外では作ったものを小売店などで売ってもらうという形をとるのが一般的です。

洋菓子店・和菓子店でも、近隣のスーパーマーケットなどに一部出荷しているというところも。

新規に委託先や商品を卸す相手を開拓することもありますし、すでに取引のある相手に新商品を案内するということもあります。

近隣のエリアで規模も大きくないというような場合には、配送業者ではなく自社の配送員が商品を配送していることも少なくありません。

販売

店舗を持っている場合、直接お客様に販売をしています。

直にお客様の声を聞くこともでき、マーケティングを兼ねている場合も多くあります。

事務(総務、経理など)

菓子の製造そのものに直接関わるわけではありませんが、会社全体を支える仕事です。

菓子製造に限らず、会社の経営には事務職が必要不可欠です。

製造(工場・工房勤務)の3個の業務

計量

どんな菓子を作る場合にも、まず正確な計量が必須です。

例えば焼き菓子などでは、計量に間違いがあった場合には、膨らみが悪いとか食感が悪いとかといった失敗をしてしまいます。

材料を正確に計ることが、菓子製造の基本であると言っても過言ではないかもしれません。

製造(製菓作業)

具体的な製造の過程になります。

生地を作る(混ぜ合わせる)、オーブンなどで焼く、切り分ける、飾りをつけるといった工程が、菓子の種類ごとにあります。

職人が一人で切り盛りしている場合を除いて、複数人で分担して行いますが、効率的に作業が進んでいくようにそれぞれが流れを理解していることが望ましいでしょう。

大きな工場などでは、特定の機械を操作したり、ライン上の一部分を担当したりすることになるので、その限りではないかもしれません。

製菓材料となる小麦粉や砂糖などは、業務用の物では20kg~30kgほどの物が多くなっています。

材料をかかえて長距離を運ぶというようなことはほぼありませんが、扱いにはある程度の腕力が求められます。

包装

完成した菓子を包装することで、製品にしていきます。

手作業によることもあれば、個包装までは機械がライン上で済ませてしまうということも。

洋菓子店や和菓子店などでは、生菓子はオープンな包装で冷蔵ケースなどに陳列する形になることが多いでしょう。

小売店に出荷するような菓子の場合は、すぐに陳列棚に出せる状態まで仕上げます。

商品開発の3個の業務

リサーチ

消費者のニーズがどういった物であるかのリサーチをします。

そして自社の製品の特徴と、ニーズのちょうどよくマッチするところを探っていきます。

例えばゼリーのようなお菓子が人気だとわかっても、ビスケットを作る会社ではそのまま取り入れるのはなかなか難しいでしょう。

方向性を変えるか、別なニーズを探り出すか、アレンジをしていくかしなくてはなりません。

企画・設計

どういった菓子にするかの立案をしていきます。

方向性を練るところから、具体的な味やデザインまでしていきます。

パティシエなど製菓に関するプロが行うことも多いですが、企画をするのは製菓学校や菓子店で勉強をしたことがなく、特別な知識を持たない人の担当ということも多くあります。

試作・試食→評価・修正

前項の「企画・設計」と同時進行で行われることも多いですが、実際に菓子を作ってみて、味を見ます。

その中で、味、コスト、作りやすさなど、商品として成立するかどうかを検討していきます。

その過程と決定は各社により異なり一様ではありません。

開発担当が全権を持っているというところもありますし、社員全員の投票で決めるというところもあります。

会社によっては社長の一声で、ということも。

仕入れの2個の業務

在庫・受注数の把握

製品の在庫量と、今後の出荷の予定を把握しておきます。

また、材料の在庫も把握して、必要になる量を割り出さなくてはなりません。

腐ったりカビが生えたりといった変化によりだめになるような材料であれば、より気を使う必要があります。

砂糖や塩では、変質するリスクが非常に低く、賞味期限もないような物ですので、余剰な在庫があっても置き場所さえ確保できるのであれば、たくさん仕入れても特には困らないことが多いでしょう。

しかし、果物などであれば、余らせてしまうと傷んでしまい、廃棄せざるを得なくなってしまいます。

逆に仕入れ数が足りないと製品が作れないということになります。

受けた注文を断らなくてはいけなくなるような事態に陥ることも。

仕入れ数を見誤ると損失になってしまいますので、とても大切な仕事の一つといえます。

発注業務

仕入先に、実際に発注をします。

業者によってメールで、電話で、FAXで、とその方法も異なってきます。

最低ロットいくつから、というような仕入れ単位が決まっている物もあるので、在庫を過剰に抱えないように必要な数の管理と併せて計算をしておかなくてはなりません。

納品時期も考えておきましょう。

今日発注して明日届くという物もあれば、1週間、2週間かかるという物もあります。

営業・配送の3個の業務

訪問営業

小売店などを訪問して回ります。

新規開拓もあれば、すでに取引のある相手に挨拶などをしに訪れることも。

配送

会社の規模が小さいところでは、営業部門と配送部門が独立して設けられておらず、営業での訪問を兼ねていることもあります。

受注した商品を届けるだけではなく、その場で追加の注文を受けるようなこともあります。

見本市などへの出展

新たな取引先を得るために、見本市などは絶好のチャンスといえます。

自発的な営業努力だけでは接点を作ることの難しい相手と、直接取引の話ができる機会になっています。

販売の2個の業務

店頭販売

自社の店舗がある場合、店頭で販売をすることになります。

洋菓子店や和菓子店でよくある形です。

また工場の直販所と銘打って販売を行っているところもあります。

接客をしながら、注文を受けた菓子を箱に詰めたり包装したりして販売します。

試食販売

スーパーマーケット等の小売店に出張する形で試食販売などを実施していることもあります。

小さく切り分けるなどして手に取ってもらいやすい形にして、小売店の店頭で試食を勧めます。

事務(総務、経理など)の2個の業務

総務事務

勤怠管理や給与計算などを行います。

工場での作業に当たって、人員配置などの管理していることもあります。

経理事務

仕入れや売り上げにより発生する支払いや入金の処理などをします。

仕入れにかかる発注や、商品の受注、配送手配などを受け持っていることも。

カフェとの仕事内容の違い

ケーキや焼き菓子などを提供するカフェなどの飲食店との違いは何でしょうか?

法的には、菓子製造業では菓子製造業許可証が、カフェなどの飲食店では飲食店営業許可が必要になります。

それぞれ、食品衛生責任者を置き、保健所基準に則って調理場や手洗い設備などを含む営業施設を作利、保健所に申請をします。

店頭で販売しているのと同じケーキなどの菓子を、イートインという形で提供するカフェを営業する場合、仕事の内容としてどのような部分が異なってくるのでしょうか。

同じ菓子ではあっても、提供するサービスが異なるため、仕事の内容も変わってきます。

包装したものを売るだけではなく、飲食店で行う業務をこなさなくてはなりません。

菓子製造の仕事の良いところ

おいしいお菓子を作る、菓子製造の仕事のおすすめポイントを紹介します。

やりがいを感じるポイント

実際に菓子製造に従事している人は、どのようなやりがいを感じているのでしょうか。

笑顔が見られる

菓子を食べた人の笑顔を見ることができるというのは、なんといっても一番やりがいを感じられるところではないでしょうか。

自分のした仕事が、誰かを笑顔にすることができるというのはうれしいものですね。

おいしい

自分の手で完成させたものに、おいしいという価値があることそのものにやりがいを感じるという人も少なくありません。

もちろん、大きな工場などでライン作業の一部のみを担当する場合などもありますが、一部ではあっても完成したおいしいお菓子の製造に携わったということには達成感があるのではないでしょうか。

製造しているものが菓子であるからには、それが「おいしい」という評価を満たすことには大きな意義があります。

面白いポイント

では、菓子製造の面白さにはどんなものがあるのか、見ていきたいと思います。

化学実験のような面がある

大きな工場で機会工程が多い場合などではあれば、温度や湿度にムラが少なく、製品の仕上がりにも影響が少なくなります。

しかし、そこまでの規模ではなく手作業が多く外的な要因の影響を受けやすい場合、焼き菓子の焼き上がりなどが安定しないことはままあります。

同じ材料で、同じ工程で作業をしても、気温や湿度に左右されることも多いのです。

そのため、できあがりの味を一定のものにするには、季節によって材料の分量を変えたり、焼き揚げの際の温度や時間を調整したりします。

傾向はわかっていても、確実に安定した味にするためには試行錯誤が必要になることもあるため、一種の化学実験のような感じがあります。

商品化、ヒット

商品開発では、なかなか形にならないことは多く、アイデアが没になることはザラです。

それでも、企画や何度も重ねた試作や試食を経て、商品化できたときにはかなりの喜びがあります。

その上、新商品がヒット作ということになれば、さらに面白みを感じられるのではないでしょうか。

共同作業

職人が一人で作業をしているという場合は別ですが、複数人がそれぞれの工程を分担しながら作業を行うというのが一般的ではないかと思います。

流れを止めないように、助け合いながら作業をするのは大変ではありますが、最終的に一つの菓子を作り上げることができるのは面白いものです。

菓子は小さなものも多く、掌にのるようなものも少なくありません。

何人もの人が関わったり、大きな機械を使ったりしてその小さな菓子を作り上げていると思うと、不思議な感動さえあります。

まとめ

菓子製造の仕事についてまとめました。

工場・工房での直接菓子の製造そのものに携わる仕事ばかりでなく、営業や事務などについても簡単にではありますが解説しました。

おいしい菓子で、消費者に笑顔を届けられる仕事が、菓子製造の仕事です。

業務内容もいろいろあるので、大好きな菓子に関わることのできる仕事を一考してみるのもいいかもしれません。