官公庁事務が向いている人の5個の特徴や必要なスキル・適正とは?
官公庁事務とは具体的にどんな業務をしてるのでしょうか?
行政事務の仕事内容はなんだか難しい手続きなイメージもあり、どのような方法で就職すればいいのかも曖昧な方も多いのではないでしょうか?
官公庁とは国や各地方など日本全国にたくさんの公共団体があります
今回は官公庁の仕事の実際のところを経験者がまとめてみました。
官公庁に転職や就職を考えている方は参考までにぜひご一読いただければと思います。
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目次
閉じる官公庁事務とはどんな仕事?
官公庁の事務とは?
毎日どのような所でどのような仕事をしているのか気になりますよね。
官公庁とひと括りにしても国や地方公共団体、役所や教育委員会など様々な組織があり、その一つの組織の内部も沢山の部署に分かれていて、それぞれ職員が業務分業をしています。
業務は配属される場所により、必要な知識や忙しさは大きく違います。
つまり、定時に終われる人から残業に追われる人まで様々!
難しい業務などを平等にするため2年から5年に1度の配置換えが行われる組織が多いようです。
例えば区役所や市役所の場合は、配置換えの度に税金の知識だったり、介護や福祉の知識、その他の専門知識など多くの勉強をしていかなくてはいけません。
なかなか難しそうですが、実際に働きながら生活に重要でもある知識が増えていけば一石二鳥ですよね。
事務職員と言えども、公用車で現場や個人宅に調査へ出かける場合もあります。
また一日中、電話や来庁者の対応などをする人もいます。
人の役に立ち問題を解決することは、利益を目的としないボランティア精神が必要な仕事だと私は思います。
実際にやりがいのある仕事です。
一般の企業と比較するとノルマや営業成績といった概念がなく、そういった意味では気持ちはゆったりと保てるかと思います。
官公庁事務の大まかな仕事内容
事務職として一般企業と共通していそうな仕事というと、書類のチェックや表計算ソフトを使った資料の作成や集計作業、一般の来庁者の対応や電話応対などが主であり、時には苦情の電話などもあります。
相談したいことについて詳しく調べてほしいと来庁されたら、その場で分かることはすぐに対応します。
管轄が違えば他の課にまわすことができます。
その他に国からの臨時的政策の指示などがある場合、県民、市民の対象者を事前に調べて郵送で送付する文書を作り、期日に合わせて忙しく事務作業に追われる日もあります。
また、大量の個人情報も印刷して保管したり、要らなくなった書類はシュレッダーにかけます。
しかしこの情報量は1日だけでも大量にありますので、個別にシュレッダー室なども構えられた団体もあり、シュレッダーをかける単純な業務と言えども個人情報が記載された書類ですから大切な仕事と言えます。
来庁者の対応をしなければいけないこともありますので、行き先が分からずに戸惑った様子の人には声をかけて行き先まで案内をすることもしなければいけません。
館内には何処にどんな部署があるかも、採用後に把握しておく必要があります。
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官公庁事務が向いている人の5個の特徴とは?
穏やかなタイプの人
時にはしっかりと発言もしないといけませんが、それは常識の範囲のことです。
役所には様々な来庁者が訪れるので、マニュアルばかり並べても納得できない人もいるでしょう。
記入の作業に時間を要する人や説明したことに理解を得られない場合など、日々様々な人に対応しなければならない仕事もあります。
けれども、立場上問題を解決させなければいけませんので、動じない心を持った穏やかで落ち着いた人が向いているでしょう!
仕事のオン・オフが切り替えられる人
それぞれの配属される課によって違いがありますが、お祝い事で来庁する人や様々な苦労の環境下に置かれた人、地域の困り事など、多様な人や事案に対処していく仕事です。
時には理不尽に厳しいお叱りも受けたりします。
仕事をいつまでも心の中で引きずっていると疲れてしまいますので、仕事とプライベートのメリハリをつけられる人が向いているでしょう。
真面目だけど真面目すぎない、を基本のスタンスでいくと丁度良いかと思います。
お年寄りや体の不自由な人に優しくできる人
日本は、高齢化社会です。
市役所や区役所では、介護福祉などを取り扱うサービスの手続きや相談をしに多くの人が来庁されます。
高齢者や身体の不自由な方のお手伝いもしなければいけないような場合もあります。
過度に構える必要はありませんが、耳が遠い人にはハッキリと聞こえる声で伝えたり、相手のペースに合わせた案内をしたりと、臨機応変に対応することが求められます。
手話が得意な事務職員もいたりしました。
そこまで特化しなくても良いのですが、思いやりの気持ちを普段から持ち合わせていると、相手にも伝わるものです。
さりげない気配りができると良いでしょう。
プロ意識の持てる人
官公庁事務職では個人情報に触れる機会が多くあります。
マイナンバーが個人に割り振られたころで、部署によっては様々な個人情報を簡単に見ることができるかもしれません。
これは与えられた立場の人にできる仕事であって、知り得た場合であっても責任を持ち、仕事以外の場では口外せずにいなければなりません。
自分は特別な業務に従事した人間であるという自覚、プロ意識の持てる人が向いています。
良好な人間関係を築けること
これは仕事をする上で大変重要なポイントです。
同じ部署の人との良好な関係を作っておいたほうが良いのは、一般の会社と変わりません。
更に官公庁では、昔から言われてきた「縦割り行政」によって人をたらい回しにすることのないよう、あらゆる部署と連携を取ることが昨今求められています。
また、部署異動も2年~5年ごとにあるのが一般的です。
部署をまたがって円滑に情報共有、連携が取れるような体制を作り、一般市民に貢献するためにも、日頃から良好な関係を作っておける人が求められるでしょう。
官公庁事務が向いていない人の4個の特徴とは?
毎日沢山の人が何らかの手助けや手続きを必要とし来庁します。
個人個人に仕事のスタンスの違いがあって当然のことですが、その場に合った行動を必要とされるのです。
なかなか難しいですよね。
初めて勤務する人にとっては少し独自の雰囲気を感じるかと思います。
その特徴をまとめてみました。
選挙活動に熱心な人
官公庁の事務職員は公務員の立場になります。
近親者や友達が選挙に出馬したとしても、決して選挙活動に熱心であってはなりません。
大々的な参加や応援をしてはいけない規則があります。
その他の場合であっても、公務員に属した立場の人は行動に責任を持ち、特に過度な行動は慎み、選挙活動は絶対にしてはいけません。
感情をコントロールできない人
決して自分個人の感覚で意見を言ってはいけません。
官公庁では、平等なルールの下で一人一人に該当した行政サービスなどを受けられるようになっています。
時には、無理難題を訴えてくる人もいるかもしれません。
しかしここは感情をしっかりと抑えて、誰かを特別扱いすることはせず、自分では対処できない場合は上司にお願いして対応してもらうなど、冷静な対応が求められます。
礼節をわきまえていない人
公務員は日常的に、世間からの厳しい目にさらされています。
態度や振る舞い、言動には気をつけなければなりません。
一般の来庁者に対して敬語の使えない人は、もちろんNGですね。
難しい言葉は無理に使わなくても良いでしょう。
相手が年下や年上に関係なく、敬語やマナーを普段から身につけておかなければいけません。
悪い人ではないけど発言がクールな人や上から物を言うタイプの人っていますよね。
言い方を変えればさっぱりした気質な人というタイプですが、これは官公庁ではクレームの元になります。
様々な困りごとを抱えて相談にくる人にとっては、自分本位な物言いをしてしまうと、相手の気持ちを害してしまいクレームの対象となります。
普段から使い、普段から言葉やマナーには気を付けるようにしなければいけません。
災害時に出勤できない人
これは、災害の程度により、ある程度のキャリアが付いてくるとの話になります。
大雨や暴風災害などの避難情報の通達や状況の把握、避難所の設営、援助物資の準備や調達などのため、職員は災害の中でも出勤を要請されることがあります。
自分も被災者だからと躊躇せずに動かないといけません。
一概ではありませんが、そのように自分が辛い立場にあった時に仕事ができない人は向いていないでしょう。
官公庁事務の仕事経験は、その後どんな職種・仕事に活かせる?
テレオペレーター
顔の見えない相手にでも気持ち良く会話ができるというのは、とても難しい作業です。
明確に情報を伝え正確に知り得た情報をパソコンに入力しないといけない作業は、官公庁で身についた様々な人の個人情報などを正確に入力してきた仕事と共通する部分があります。
各行政などの公務員
官公庁と言っても省庁や都道府県庁、市・区役所、ハローワークや税務署など様々な機関があります。
他の行政機関でも、働き方や業務のやり方、ルールが共通していることが多くあります。
雇用する側も、経験があるとみなし信頼されますので、大いに経験を活かせます。
官公庁での業務経験者は採用されやすい人材です。
ソーシャルワーカー・社会福祉士
社会福祉士の仕事は、家族の援助が受けられない人、病気や障害を持った人など、福祉を必要とする立場の人が相談にきたときに必要な情報を提供したり、手続きのお手伝いをしたりします。
病院、施設や行政と連携を図りながら進めていく立場の職員です。
個人個人の立場になりボランティアの気持ちを持つところは、官公庁の経験を活かせる職業と言えるかもしれません。
一般事務や士業事務所の事務スタッフ
官公庁の事務では、書類の細かいチェック作業や表計算、資料の作成など膨大な作業を効率良く処理することが求められます。
こうした役所の書類や資料を扱うスキルが身についていると、一般企業の総務や労務、あるいは法律事務所や税理士事務所、社会保険労務士事務所といった士業の事務の仕事にも活かせるかもしれません。
これから官公庁事務の仕事を始めるには、どうしたら良い?
官公庁事務の仕事を探すためには?
管轄される役所などでは、年明けには次年度の職員の試験案内が出されます(地域によって差があります)。
その他非常勤職員の募集の場合は、産休や病休の職員の補てん職員募集など、都度求人が公表されることがあります(こちらは期間が定められた事務職員で就業期間が短い場合があります)。
官公庁に置かれている広報誌などにも求人の記載などがある場合がありますので、こまめにチェックすると良いと思います。
分からなければ、直接問い合わせてみるのも良いです。
募集しているかなどの詳細は教えてくれるでしょう。
資格は必要?
官公庁で正規の事務職になるためには、基本的には毎年1回開催される採用試験を受ける必要があります。
国家公務員も地方公務員も、一般職、行政職と呼ばれる事務職は特別な資格が必要なわけではなく、この採用試験を受けて合格することが必須です。
筆記試験に合格した人が面接試験を受けられ、総合評価で合否判定がなされます。
筆記試験の比重が高く、面接試験の回数が1回〜2回と少ないのが一般企業との違いと言えます。
しかし、受験できる年齢や最終学歴が決まっているなど受験資格をよく確認する必要がありますので、注意してください。
必要なスキルや経験は?
絶対的にパソコンのスキルが必要(例、Word、Excel、一太郎など)だと思います。
特に官公庁は専用のソフトを使用することが多いです。
中でも一太郎を使用することが多い地方公共団体の役所があり、使用したことのない人はWordとExcelは必ず使いこなせることをおすすめします。
その二点が使えれば、専用のソフトはなんとか使いこなせるかと思います。
パソコンの経験やスキルが低い人の場合でも、ミスをせずに丁寧且つ素早く業務をこなす意識は必要でしょう。
経験に関しては、誰とでも会話ができるようにしておくことが大切です。
様々な方が沢山来庁してきますから、コミュニケーションが苦手な人は接遇マナーを身につけると良いかと思います。
これは接遇セミナーなどを主催している民間企業がありますので、参加するのは簡単です。
今すぐに何とかしてほしいと困っている人も多く来庁しますので、正確に話を聞き安心感を与えられるような落ち着いた対応を取れるようにしておきましょう。
「官公庁事務の仕事」が自分に向いているか診断するにはこちら →
まとめ
一口に官公庁事務と言っても組織の役割、規模などは様々で、更にその中でも細かく部署や係が分かれていますから、実際の仕事内容や業務量は多種多様です。
一般的に「公務員」と呼ばれる常勤職員の他にも、非常勤職員、臨時職員といった雇用期間の定められている職員も多く働いています。
常勤職員になると、余程のことがない限りに失業するリスクも低く、安定性の高い職業だと言えます。
年次有給休暇の他に特別休暇制度などの働きやすい環境が整っているので、女性にも人気の職業です。
非常勤職員から始めて、自分に合いそうな職種だと判断ができれば挑戦してみるのも良さそうですね。
生活する上でも様々な知識が身につきますから、経験する価値ややりがいのある仕事だと思います。