品質管理の仕事はどんな人に向いている?向いている人の5つの特徴やキャリアについて解説します
何かしらの製品を生産する会社には、必ず品質管理部門が存在します。
品質管理は、製品を生産する上で重要な役割を担っており、製品の品質に大きく関わってきます。
もし所属している会社で、いきなり不良品が発生してしまったらどうなるでしょうか。
生産現場では工程通りに作業をすることが定められているので、材料や成分に関して詳しい知識がない場合があります。
逆に成分の分析に長けた分析者は、不良品が発生してしまった現場の状況をよく知らないでしょう。
そのような部分ごとの情報を集め不良品の発生をなくすために、品質管理という業務はあるのです。
品質管理の仕事は日々生産される製品をサンプリングし、基準に満たない品質の製品を集め、原因を分析し、更に品質を保つために指導を行うことです。
そのため、一つのことだけを行うことはなく、業務は多岐にわたります。
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目次
閉じる品質管理の仕事はどんな仕事?
品質管理は、ただ自社製品の品質を管理すれば良いだけではありません。
大切なのは顧客が要望する品質です。
顧客によって要求する品質は違います。
時には、とても優れた製品だけど、この一条件に合わないからNGという場合もあるのです。
ニーズに合った製品、そして、それに合ったサービスを提供するのが品質管理の業務です。
顧客のニーズに合わせるためには、いくつかのポイントがあります。
それらは製品を理解すればするほど見えてくるものです。
そのポイントも含めて、品質管理の業務の内いくつかを紹介します。
業員に対する品質第一主義の啓発
顧客は製品の品質を第一に見ます。
逆に、品質が悪ければ他のものが優れていても見向きもされません。
基本的に売り出す製品はその品質を常時高め、また維持をする考え方が必要になります。
その意識があって顧客は安心して製品を使用でき、新たな製品を制作することもあれば、もしそれが食品ならばそのまま顧客の口に入ることもあります。
品質を考え、作り込み、守ることは、品質管理が中心として行うべき業務です。
しかし実際に生産をする現場の人も、製品を売る営業の人も含めて全社的な課題として捉えることが大切なため、従業員全体に品質第一主義を浸透させることが重要です。
生産のプロセスを管理する
製品を生産する時は、より良い製品を生み出すことができるよう、そのプロセスに重点を置きます。
プロセスは過程や仕組みといった意味で、もし急に商品の質が悪くなってしまうと、そのプロセスになんらかの異常があったと考えます。
品質はプロセスによって作り込まれるという考え方が基本です。
プロセスを管理するということは、原材料から設計、そして全ての工程を管理し、改善することで製品の質を上げていくということになります。
PDCAサイクル
PDCAサイクルは管理のサイクルとも呼ばれています。
品質はこのPDCAを回すことによって改善されていくものとされています。
- P = Plan(計画)
- D = Do(実施)
- C = Check(評価)
- A = Action(対策)
製品を計画し、それを実施、評価の後、更に良くするために対策を練って、また製品を計画していく。
品質管理の業務はこのように常に改善を考えていくものであり、このPDCAサイクルは考え方の基本としても有名です。
ばらつきの監視
全く同じ製品はあり得ません。
同じものを生産していても、必ずどこかは違いが出ます。
それを製品やサービスに対する「ばらつき」と言い、このばらつきが小さい内は問題ありませんが、大きくなっていくと不良品が発生するなどの問題が発生する可能性を含んでいます。
品質管理を行うにあたって、統計を使用しながらこのばらつきを小さくしていくのも業務の内です。
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どんな会社で品質管理の募集がある?
1. パナソニック株式会社
パナソニック株式会社は、2018年に創業100年を迎えました。
品質管理・品質保証業務の経験者を中途採用しています。
海外拠点も持っていることとグローバル化を積極的に推進しているため、世界的な活躍を目指すことができ、外国語スキルを持っている人は歓迎されます。
タイミングによっては募集が終了している場合があるため、詳細はリンク先でご確認ください。
2. 株式会社リクルートR&Dスタッフィング
株式会社リクルートR&Dスタッフィングは、株式会社リクルートの100%出資子会社です。
様々なプロジェクト先があるために、経験に合わせて職場を選ぶことができます。
未経験からスタートでき、大手メーカーへのキャリアアップも可能です。
また、引っ越し補助や帰省手当などの福利厚生が用意されています。
また、タイミングによってはこちらの募集が終了している場合もあるため、詳細はリンク先でご確認ください。
その他に品質管理の仕事募集は?
上記の会社以外にも品質管理の仕事は沢山募集されています。
見てみたい人は、以下のボタンからチェックしてみて下さい。
品質管理の仕事はどんな人に向いている?向いている人の5つの特徴とは?
品質管理での作業は多岐にわたります。
その中では人に関わる業務もあればデスクでデータ分析をするようなこともあり、作業によってはある程度の適正がなければ続けていくのは難しいかもしれません。
そこで、品質管理業務に向いている人の特徴を紹介します。
リスクマネジメントをしっかりできる人
高品質の製品を作るためには、作業によって誘発される問題を事前に考えておかなければなりません。
それは製品上の問題ではなく、作業を行う人柄や設備の選定など作業に関わる全てのことに対してマネジメントが必要です。
その多くの問題を防ぐために、事前に考えられる問題や事象を想定し、もし問題が発生した時にどのように行動するかの対応を考え、必要であれば書面にして周知することもあります。
品質管理を行うということは、このようにあらゆる問題を想定し、その何が問題なのかの本質を見極め、実際に起こった時に被害を最小限にすることができるよう考えることができる人が向いているでしょう。
観察力がある人
品質管理を行っていく上で、観察力は欠かせません。
ある問題が発生したとしても、その問題の本質に気づくことができなければ、なかなか解決に至らないからです。
例えば何かの部品の品質管理をしていたとして、1mmの品質異常があったとすれば、その部品は全て無駄になってしまいます。
早急に対応しなければ1日毎に被害は大きくなっていきますし、顧客への信頼も失墜させてしまいます。
些細なことでも見落とさず意見を言える観察力は、品質管理において重要な能力の一つです。
コミュニケーションが得意な人
品質管理は製品の品質を管理することですが、品質を作るのは人であることを忘れてはいけません。
設備を動かす作業員や、品質の数値を算出する検査員も全て人です。
人であるからこそ間違いも起こりますし、その対応に全ての人を巻き込むこともあります。
その時に、普段話していないスタッフともコミュニケーションを取れる力は大切です。
自分だけでは気づけないことは多々あり、問題点は人によっても変わる可能性があります。
業務に関することはもちろん、それ以外の雑談も気軽に行うことができるのは、品質管理に向いている特徴です。
細かな作業が得意な人
品質管理は時により膨大なデータを取り扱う場合があります。
特に重量や反射率など製品にとって大切な数値になるならば、その一つ一つを測定していることも珍しくはありません。
また、その製品に異常があると、膨大なデータから原因を特定することも必要になります。
パソコンの一般的なスキルは標準であっても、長く地道な作業でも続けていける人が向いていると言えるでしょう。
そもそも品質管理は派手な業種ではありません。
今まで生産してきた製品の品質を維持していくことが目的なので、目新しい技術の開発などはありません。
向上心が高い人
品質管理はPDCAサイクルを回すことであり、品質の向上を常に考えなければいけません。
品質の向上には既存の知識だけでは足りない場合があります。
つまり、その製品や業界に対し、常に最新の技術を求める向上心が必要になります。
常日頃どのように改善していけば良いかを意識し、勉強や訓練することによって、品質は高い水準で維持、改善できます。
そのような人が品質管理に適していると言えるでしょう。
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逆に品質管理の仕事に向いていない人の特徴は?
品質管理に向いている人がいるように、さほど向いていない人ももちろんいます。
とは言え、品質管理と一言に言っても管理するものは様々です。
食品はもちろん、大量生産される部品、化学フィルムなどモノを生産する過程において、品質は常に管理されています。
あくまでこのような性格では難しいかもしれないというだけで、実際に働いてみると意外に合うこともあるということを知っておいてください。
大雑把でなんとなく済ませてしまう人
品質管理で大雑把なのは許されません。
特に小さな部品の作成などでは、1mmの誤差も許されないような現場もあります。
それを生産するのは品質管理ではなく現場の作業員ですが、製品の規格や仕様は頭に入れておかなければなりません。
少しの誤差ならいいか…と不良品を次の工程で流してしまえば、次の工程で問題になり、その問題の原因を追究するのに多くの時間を必要としてしまいます。
そのような妥協が積み重なり、顧客からクレームが来ることもあるのです。
大雑把な性格よりは几帳面な性格のほうが品質管理には向いているでしょう。
気が小さい人
何事もそうですが、品質管理ではダメなことをはっきりダメと言える人が向いていると言えます。
品質管理では、一つの品質について多くの方の意見を聞く必要があります。
その時に、気が小さく必要なことが訊けないのであれば、進む作業も進めることができません。
現場の作業員は常に生産に追われているので、忙しそうにしているところに「また暇な時に訊きに来ます」と遠慮してしまうと、訊けるタイミングはとても遅くなってしまうこともあります。
時には図々しく強気であたっていかなければ、品質を維持することは難しいのです。
目利きの悪い人
視力が良いということもですが、目が利くかどうかということは品質管理に向いている人の特徴の一つです。
例えば不良がある製品を見た時に、その製品が通常と比べてどのような不良が起こっているかに気づかなければ、不良品をそのまま次の工程に流してしまうことになります。
不良はデータでも発見できますが、見た目によりどのくらい不良が出ているかを計測する場合もあり、実際の人の目で見てどれほどの不良が出ているのかは一種の計測データです。
どんな不良でも見落とすことなく注意深く観察することができないのであれば、品質管理には向かないとい言えるでしょう。
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その後のキャリアについて
この仕事に就いた後のキャリアアップの道は?
品質管理は、製造業であればどこにでもある部門です。
ただ、品質管理は技術をひたすらに伸ばすということよりは人と人とを繋ぐことが中心です。
同じ業務を長く続ければ続けるほど商品について知識は深まり、より改善する手法や目は鍛えられます。
そのため、地道に作業をしていくことがキャリアアップへと繋がりますし、大器晩成型の職種と言えます。
給与面でも安定はしていますが、特筆する業績や技術は身につきづらく、品質管理の業種は平均してもあまり高額な給与ではありません。
長く続けることで役職を手にし、誰にでも頼られるようになって給与の伸びを感じられることが多いでしょう。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
品質管理はを続けていくと、もちろん伸びる知識や経験は積み重なっていきますが、その会社でないと通用しない知識や経験が多いです。
会社によって生産するものが変わり、基準やルール、工程など、変わってしまう点も多いからです。
同じ品質管理と言えども、食品分野の品質管理と化学分野の品質管理では異なる点が多く、共通する技術は集中力やものを見る視点、ばらつきを捉える統計知識など専門的なものは少ないでしょう。
もし品質管理を極めたいのであれば、それは現在所属している会社での品質管理を極める方が望ましいですが、全く異業種への転職ができないわけではありません。
現在の会社の仕組みに満足しているのであれば、転職をせず品質管理を続けていくことをおすすめしますが、もし転職を考えているとすれば、共通する技術をアピールするほか、次で紹介する資格を取得することで有利になるでしょう。
品質管理の資格について
品質管理の資格は以前まで存在しませんでしたが、品質管理部門のスタッフの需要が増加するに対し、品質管理検定(QC検定)という民間資格が生まれました。
QCはQuality Controlの頭文字から取っており、2005年から始まり現在ではとても有名な検定になっています。
品質管理は、部署に限らず全社員が品質を意識することで守られています。
そのため、品質管理を教えられるような人材や知識が必要になるのです。
特に品質管理に必要なQC7つ道具、新QC7つ道具などの知識は品質管理、品質改善に対し強力な武器になるので、品質管理を目指すならば、取得していると就職活動が有利になります。
3級までは比較的簡単に取れますが、2級になると統計など数学の知識が必要になるのでしっかりとした勉強と対策が必要になります。
まとめ
今回は品質管理についてまとめました。
品質管理にはどのような人が向いているのか、今から求人を探す方も、すでに働いている方も、品質管理とはどのようなものなのか、もう一度振り返ってみることも必要です。
品質管理はその会社によってそれぞれの品質管理があり、基準があります。
つまり、その会社ではスペシャリストになったとしても、他の会社ではスペシャリストではありません。
品質管理は共通する技術が少なく、如何に製品を理解するかに尽きます。
予め品質管理を目指すのであればそのことを覚えておかないといけませんし、転職を視野にいれているのであれば今自分の持っている技術や知識を整理することが大切なのです。
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