品質管理は私達の生活にも知らず知らずの内に関係しています。

コンビニで何気なく手に取った菓子パンは厳しい品質管理基準をクリアした合格品として市場に出回っているものですし、イスや机に使われているネジ一つに関しても徹底した品質管理を経て完璧な機能を果たすネジとしてイスや机を作るのに役立っているのです。

市場に出ているもの全ては、品質管理をクリアして売り出されているものと言っても差し支えありません。

そして、そのように高品質な商品を維持し継続的に市場に出していくには、品質管理は必要になる職種なのです。

今回は品質管理とはどんな仕事なのかについて詳しく解説していきます。

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品質管理とはどんな仕事?

品質管理では、食品から部品、お皿などの食器もそのものに対して一定の合格基準が定められています。

その基準はそれぞれ異なり、ある一つの部品、例えば小さなネジ一つで説明すると、品質管理は完成したネジが一定基準の品質をクリアできるように、品質を維持して製造するための活動と言えます。

ネジの硬さやドライバーに接する穴の深さ、ネジ部の間隔など、それは一つの項目でも合格基準に満たなければ、ネジとしての機能を持たなくなります。

品質管理の具体的な仕事内容とは?

以下の説明は、一つの会社における例としてご紹介しますが、会社によっては「品質保証」部門の業務となっている場合もあります。

作業標準書の作成

作業標準書はモノ作りの基礎となる指針であり、この標準書通り生産することにより、どのような人が作成しても全く同じ製品ができるようにすることを求められます。

ただ作成するだけではなく、標準書通り作業を行っているかの管理、また常に改善を繰り返しながら標準書を改正していかなければなりません。

初心者への教育に作業標準書が利用されることが多く、部品工場などでは誰でも参照ができる目立つ場所に張り出されているので、作業標準書自体の見やすさも重要視されます。

QC工程表の作成

QCはクオリティコントロール(Quality Control)の頭文字からきています。

製品の原材料から生産し、完成して出荷されるまでの各工程を流れに沿って説明している表です。

製品の品質を知るために、どの工程でどのような原材料が使用されているのかを一度に見ることができます。

この工程表は様々なことに利用されます。

  • 工程内の改善点を洗い出すことができる
  • 異常が出た際にどの工程から出たのかを明確にする
  • 作業改善した結果を残しておける
  • お客様に品質の状況がどのように作られているかを説明する

作業標準書とQC工程表は、製品を開発する際に必ず作成されています。

原材料や製品の検査

ネジ一つ製造するにも、その材料に異常があるならば完璧な製品を生み出すことができません。

原材料も基準をクリアしているか調べることがあります。

ほとんどの場合は原材料を買っている会社から基準を合格していることの証明書が届くので、それで確認することもできますが、いざ異常が発生した場合は自社で調査をすることも必要になります。

品質の改善

社内で生産している製品に不良があった場合、それがどの工程で出たのかを検査し対策をしなければ品質の管理には繋がりません。

不良品がすでに完成してしまっているならば、不良の状態からどの工程が原因かを割り出し、不良が起きる原因を直接確かめ、原因を改善するまでが品質管理の仕事です。

もちろん一人ではできませんので、工場での作業員や検査員など、自分でできないことは多くの人と協力して問題にあたることになります。

多くの人をまとめて調査をしなければいけませんので、リーダーシップも必要となります。

実際の仕事の流れ

品質管理で行う主な業務の流れです。

品質管理も職種によって様々な工程があるので、例えばネジの製造工場にて品質管理を行う場合、代表的な業務を示します。

不良品の発見

不良品はどんなに徹底管理されている生産現場でも発生します。

生産現場や品質を調査する段階で出た不良品は、一度品質管理や対策チームにて持ち帰り調査をすることが多いです。

なぜそのネジが品質基準をクリアできなかったのか、ネジの重さや加工の精密さ、成分など徹底的に検証します。

検証するのは自分で行えることならば良いですが、詳しい成分などは検査員に依頼することもあります。

不良品の原因を追求

不良品について、ネジの重さが設定される品質基準より軽いことが分かりました。

では、次になぜそれは起こったのかを調べます。

品質基準が悪いということは、ネジを作る機械が原因か、原材料が原因か、製造している人が原因かなど、ネジがどのような不良を持っているのかにより気付ける原因が出てきます。

そのネジが製造された工程や日時を追い、その時間に不自然なことはなかったのか、製造機械のログを調べるなど現場の作業員と協力して行うことが多く、コミュニケーション能力を駆使しながら問題解決の糸口を探ります。

原因への対策を

原因が機械起因だと判明しました。

どうやら、機械のパーツが上手く掃除されていなかったことにより不良が発生したようです。

となると対策として、掃除を行っている人たちのルールを確認し、どこが悪いのかを考えます。

生産現場はほぼルール化が済んでおり、マニュアル通り行えば不良は出ない前提で作られています。

しかし、人はロボットではなく、毎回同じように行動することはできません。

そのため、様々なルールは常に改善されるものです。

生産現場の方と相談し、現在どのようなルールかを照らし合わせ、今回の不良の原因の対策になるようなルールを全員で確認し、新しくルール化します。

そうすることによって、同じ不良を防ぐことになるのです。

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品質管理はどういう人と仕事で関わるの?

品質管理は個人や、その部門だけで行うことではありません。

様々な部署と協力して行わなければ、品質は維持できません。

『品質は工程から作られる』という言葉があります。

工程とは、例えばネジを作る工程一つ一つのことを指します。

原材料の入荷からネジの作製、そして検査まで、多くの人が関わりながらどの工程でも品質は変化していきます。

人との関わりが多い職種なため、どのような人と関わるかを見ていきます。

現場の作業員の方

一番多く関わるのは現場での作業員です。

作業員とは基本的に業務を行う場所は異なり、品質管理は現場の中に作られる場合もありますが、普通にデスクで業務を行う場合が多いです。

もし現場にクリーン室などが必要になる製品ならば、現場と自分のデスクを行き来することも多くなります。

そもそも、品質管理は様々な人を繋いで品質向上を目指す仲介人的な側面もありますので、特に様々な人を覚えておかなければいけません。

検査員の方

検査員は製品の検査に特化した方です。

企業の多くは、生産品に対し必要な項目を検査できる機器を導入しています。

その機器は多くの種類があり、それを全て動かし自分で結果を得るのは長い時間がかかります。

そのため、検査のみを行う部署が必ず必要となります。

検査は品質管理だけではなく、様々な部署から委託されています。

検査員と友好な関係を築くことで検査を頼みやすくすることも、時には必要です。

メーカーや外部企業の方

原材料も品質管理の視野に入るので、原材料のメーカーなどと話し合うことがあります。

メーカーは自身の商品に絶対の信頼を持っていますが、そんな原材料から不良品の原因が発見されることもあるのです。

その時は証拠を集めてメーカーに対策してもらわなければまた不良を発生してしまうことになるので、いくら友好的な関係を築いていても、不良品の原因が理由で対立することも珍しくありません。

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品質管理の給料事情は?

品質管理での給与はおおよそ年収400万円~700万円の間で設定されています。

細かく見ていくと、20代男性で350万円、女性で330万円程度。

30代男性では430万円、女性でも同額と男女共にあまり差がなく、待遇面もあまり変わりません。

女性でも安心して働けることは一つの特徴です。

品質管理と言っても様々な業務がありますが、検査員に頼らず簡単な検査ならば自身で行うことがあり、細かな仕事や集中力が必要な検査では女性の方が重宝される場合もあります。

年収を見て分かる通り、男女共に他の職種と比べると若干低めです。

経験を積んでも貰える賃金はあまり変わらないこともあります。

品質管理は製品を生産している会社ならばどこも必要としていますが、根本的な作業はどの会社も『製品の品質を維持すること』です。

なので、基準は違えど同じような作業に落ち着くかもしれません。

このような作業を安定と捉える方はずっと同じ職種で業務をすることができますが、停滞だと捉える方は思い切って違う職種に転職した方が良いでしょう。

品質管理に向いている人のタイプは?

品質管理にも向き不向きがあります。

時には地味な仕事、泥臭い仕事をする場合もあります。

例えば機械が2時間に1度不良品を出すことが分かった時、品質を保つにはその2時間に1度発生する不良品を何個も集めなければならないかもしれません。

派手な業務はあまりなく、忍耐力の方が試される職種になります。

細かい作業が得意な人

品質管理では、必要であれば自分で検査をすることも珍しくはありません。

ネジならば顕微鏡を使用したり、ネジに付着した異物をとったり、どちらかというと手先が器用な方が向いています。

品質管理は、常に品質を一定以上に保ち続ける作業です。

そのため派手な作業はなく、発生した異常に対しじっくりと根気よく付き合っていける方がオススメです。

コミュニケーションが好きな方

品質管理は様々な人の間に入り問題を解決していきます。

いわば部門の架け橋とならなければいけません。

よって、気軽に挨拶ができ、すぐに話しかけることができるようなコミュニケーション能力に長けている方が向いています。

例えば、ネジ一本の不良が出た時、それを品質管理に持ち込まれてもその原因は分かりません。

原因を調べるためには、そのネジが製造されていた時間や製造機械、そして作業員の話も聞く必要があります。

様々な人に話を聞くので、コミュニケーションに消極的な方では勤めるのが難しいこともあります。

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品質管理の仕事に就くためにはどうしたら良い?

品質管理の業務は製品を生産する会社であれば大抵の場合存在していますが、その業務に就きたい時にはどうすれば良いのでしょうか。

求人サイトや転職サイトでは、医薬、食品、化学、素材などの職種に品質管理が含まれていることが多く、品質管理と一言にしてもかなり幅広い職種ということが分かります。

品質管理の仕事に就職するために

全くの経験がない状態から品質管理を目指すのであれば、新卒で希望するか、または自動的に配属されるかで品質管理の業務を行うことはできます。

中途採用であるならば、ある程度同業種でのキャリアがないとハードルが高い可能性があります。

なぜなら、品質管理は製品品質を維持する根本が同じだとしても、その会社や業界によって基準が全くと言って良いほど変化するからです。

その会社や業界によって生産しているものや品質の基準は違いがあり、使う機器や知識も違いがあります。

なので、力になるのはなにより同業種での経験になります。

いかに自社の製品を考え知識を高めるのか、勤続年数が長ければ長くなる程、知識や経験は増えます。

全くの未経験から中途採用を狙うのであれば、相当の意気込みや光るものがなければ難しいでしょう。

資格は必要?

品質管理に関係する資格として、民間資格であるQC検定があります。

QC検定は民間ながら唯一の品質管理系の検定として人気が高く受講者も多いです。

日本全国で行っているので受けやすいのも魅力です。

出題される問題としては品質管理の基本から統計などの数学の知識まで幅広く、3級ならば高校生でも取得できる内容ですが、2級は専門的な知識が増えるのである程度の勉強時間を必要とします。

この資格は取得することでキャリアアップや転職に多少有利に働かせることができますが、基本的には業務経験のほうが重視されるでしょう。

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まとめ

品質管理は、その名の通り品質を管理する部門です。

しかし正確に言うならば、自社製品の品質を自社の基準で管理する部門と言えます。

品質管理に明確な基準は存在しませんし、品質管理だからと言って品質の管理だけを行うことはありません。

時には現場で製品の生産に付き合ったり、必要であれば検査員と同じように製品を調べる場合もあります。

しかし品質管理の魅力も、おそらくそこにあります。

自社製品を知れば知るほど改善方法が生まれますし、社内では一番の物知りになることだってできるでしょう。

そんなこだわりを持った品質管理者は、これからも必要とされる職種なのです。

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