自立支援の仕事と聞いてあなたはどんなイメージを抱きますか?

何となく「福祉の仕事なんだろうな。」という事はご理解頂けると思います。

しかし、その詳しい仕事内容やいったいどんな人が向いていて、どんな人が向いていないのかは実際働いてみないと分からないことなので、イメージしにくいかも知れません。

今回は自立支援の詳しい仕事内容、向き不向き、やりがいを解説していきます。

自立支援の仕事とは?

自立支援の仕事は支援の対象により内容、実施場所、使える制度などが異なります。

またその方によって「自立」の意味も違うのです。

ではどんな方が対象なのでしょうか?

「障害をお持ちの方」

生まれつき先天的な障害(精神、身体)をお持ちの方や病気やけがにより障害が発生してしまった方です。

特別養護学校で学ばれているお子様の支援も自立支援の一つです。

「高齢者の方」

介護施設での生活も自立に大きく関りがあります。

介護施設で過ごされている高齢者はすべてに関し介助を受けているイメージを持たれる方が多いと思いますが、中には自立に向けての訓練やリハビリに励んでいる方もいらっしゃいます。

例えば、職員の介助なしで杖で歩行が出来たというだけでもその方にとっては自立になる場合もあります。

「生活困窮に陥ってしまった方」

自立支援と聞いて真っ先に想像するのが生活困窮者の方達だと思います。

生活困窮の理由は様々でホームレス(ネット難民も含む)を始め、職を失い家賃が払えず追い出せれた方、刑務所を出所した方、生活保護受給者など主に金銭的な側面での困窮者を指しますが、その多くが生活保護費を受給していることから生活保護世帯=生活困窮者の数と言えます。

上記の方達の多くは「無料低額宿泊所」という民間会社やNPO法人が運営する施設に入り自立のための支援を受けています。

自立支援の仕事内容

高齢者、障害者への自立支援の仕事は何となくイメージできるかもしれませんが、生活困窮者への自立支援の仕事は対象ケースも多く想像するのが難しいと思います。

今回はあまり聞きなれない生活困窮者の支援が行われる「無料低額宿泊所」での仕事内容について解説していきます。

無料低額宿泊所は社会福祉法の中の第2種社会福祉事業を元に位置づけされる無料、または低額で食事の提供や寝所の提供を受けられる施設です。

基本は生活保護を受けている方が入所される施設ですが、中には年金を受給している高齢の方がいたりと年齢層が幅広いのが特徴です。

普通の生活を取り戻してもらう支援

入所される方の多くは何かしらの理由により「普通の生活」を営めなかった方がほとんどです。

その為、昼夜逆転していたり、まともに食事を摂れなかったりといった悪習慣を止め、普通の生活リズムを取り戻してもらう事が何より大切です。

しかし、大半の施設は食事時間や門限などのルールも存在する集団生活になりますので、ストレスや悩みも出てくるものです。

そこで相談を受けたり、時には指導したりといった仕事も発生します。

就労支援

施設により異なりますが、就労に向けた支援を行う施設もあります。

仕事に就くことは自立への一番の近道であり生活保護の脱却にも繋がります。

専門的な講師を招いての就労指導を始め、ハローワークへの同行や利用の推奨、各種相談など就労に向けた準備を支援していきます。

住所設定

長年ホームレスだった方の中には、自分の戸籍や住民票が今どこにあるか分からないといった方がいらっしゃいます。

仕事に就く時、将来的にマンションやアパートを借りる際などは、住民票の設定が必要不可欠ですので大切な支援の一つです。

通常は生活している施設がある住所に設定することになっています。

身分証明書を持ち合わせない方に関しては「生活保護受給証明書」で設定することも可能です。

通院同行

病院嫌いな方、病気に無頓着な方、一人では診察を受けられない方がいる場合、同行して代わりにお医者さんの話を聞くといった仕事もあります。

自立の妨げになるのが病気ですので医療費が無料(対応する病院による)の生活保護受給者のうちに治すことが重要です。

施設によって簡易的な服薬管理をする所もあります。

債務整理

自立の大きな阻害要因である「借金」を整理、または自己破産の手続きをするための支援です。

その為、弁護士事務所または法テラスという司法支援センターに同行する場合があります。

原則、生活保護受給者は相談料、着手金などの費用が免除になるので、このタイミングでの手続きには大きな意味があります。

しかし、借金問題は他人に覗かれたくない部分。

債務整理に関し積極的になれない方もいますので、職員の説得や親身に悩みを聞いてあげることが重要になります。

オーナーとの折衝

これは稀少な仕事ですが「無料低額宿泊所」は一般のマンションや元々、社員寮だった所を借り上げて運営している法人がほとんどです。

その為、建物の老朽化により修繕や改修の必要が発生した時はオーナー、もしくは管理会社と費用負担について話し合うといった仕事が発生することがあります。

入所者が故意、過失に関わらず建物、備品を破損した場合も報告しなければなりません。

自立支援の仕事の給料事情は?

様々な支援対象、仕事内容がある中で給与形態も同じく違いがあります。

例えば利益を生むことを目的とした株式会社が経営母体の法人は、給与も比較的高く設定されている印象です。

逆にNPO法人などの非営利団体は、その特性から職員への利益分配を主としていないのでどうしても低い水準になります。

しかし、その分福利厚生に力をいれていたり賞与を多く設定している法人も増えていますので、福祉=薄給というイメージも変わりつつあります。

自立支援の仕事に向いている、向いていないのはこんな人

支援対象、年齢も幅広く一朝一夕にはいかない「自立支援」というお仕事。

ではいったいどんな人が向いているのでしょうか?

自立支援の仕事をしている人の中で多い性格や特徴も含めて解説していきます。

自己犠牲の精神を持っている人

犠牲という言葉がふさわしいかは別として、ある意味自己を犠牲にできる方が多い印象です。

自立支援という仕事は人の人生に大きく関わることなので、その分大きな責任が伴います。

時には真夜中、早朝、休日でも対応しなくてはならない場面もあるでしょう。

そういった時に「自分は休みだから」「まだ始業前だし」と自己を優先してしまう方だと務まりません。

ある程度の覚悟を持って仕事をすることは必要となります。

優しい人

安直ですがこれは大事な要素です。

自立支援の仕事に従事する方は優しい方が多い傾向があります。

支援対象者の中には想像できないようなひどい目にあってきた方もいますので、やさしい職員の支援が何より必要です。

やさしさだけで支援する訳ではありませんが、常に念頭に置いておきたい理念です。

余裕がある人

常に余裕を持つのはなかなか難しいことではありますが余裕がなかったり、悩みごとがあるとそれは相手に伝わってしまいます。

良い支援をする為にも自分に余裕を持てる人が向いています。

自分をちゃんと持ってる人

自分の考えがはっきりしていて、それを伝えられる人が向いています。

生活困窮者の方は相当苦労してきた結果、独自の考えや人生観を得ています。

その人生観などが自立への妨げになっている場合は、時に説得や考えを改めるように促さなければなりません。

そういった時に物怖じせず、相手にのみこまれず自分の考えや意見をちゃんと伝えることが必要です。

逆に、自立支援の仕事に向いていないのは?

優しすぎる人

優しすぎるが故に、終始相手の意見を尊重したり、注意しなかったりすることは却って自立への妨げになることがあります。

難しいことですが相手の状況を考えた上でアドバイスや注意をしてあげるのが本当のやさしさです。

こだわりが強すぎる人

例えば「支援とはこうだ!」「福祉とはこうあるべきだ!」など考えが固執しすぎている人は向いていません。

支援対象は一人ではないのです。

人それぞれ性格も違えば悩んでいること、考えや人生観も千差万別なのです。

それを飛び越えて自分の意見を押し付けるような支援をするのは危険です。

柔軟な対応を心掛けられる人が向いています。

自分に甘いひと

例えば、自分が考えた目標や課題を途中で投げ出してしまう人は向いていません。

自立支援はその人が自立するまで支えるのが仕事です。

中には自立した後も支援する団体もありますので最後まで責任感を持ちやり遂げられる方が向いています。

自立支援の仕事で身に付くスキルや経験

自立支援には色々な業務があることはお分かり頂けたと思います。

それと同じく身に付くスキルや経験も多様なものがあります。

こんなにも多くのことが得られるのは福祉職の中でも自立支援のお仕事ならではだと思います。

普通に生活していては出会えない人との交流

障害者、生活困窮者など多くの人は普段関わることが少ないのではないでしょうか?

その出会いの中で時に驚くような場面に出くわす事があります。

例えば、障害をお持ちの方の中には素晴らしい芸術センス、音楽センスを持っている方がいたり、自分が考えつかないような発想力を持っている方がいたり一緒にいるだけで癒されたり、勉強になる機会も豊富にあります。

社会の抱える問題に貢献できる

「障害者の雇用問題」「生活保護世帯の増加」「高齢化問題」などダイレクトに関わるのが自立支援です。

業務を行うこと自体が貢献に繋がるのできっと大きなやりがいを持って仕事に励んでいけると思います。

またもっと広い視野を持ち「世界の貧困問題に関わりたい!」「資格を取りたい!」など自分自身の道が定まる機会もあるかもしれません。

様々な知識を得る事ができる

支援を行う上で多くの業務に関わることから多様な知識を得ることにも繋がります。

例えば生活困窮者の支援に関われば債務整理の際に法律の知識に触れることができますし、高齢者の支援ならば介護、相続などのいずれ自分自身にも関係するような知識が得られます。

何より様々な人と相対することにより幅広い知識を得られるので自身の成長に繋がるのではないでしょうか。

自立支援の仕事についてよくある疑問 

生活困窮者の方って例えばどんな人がいますか?

困窮に陥った理由は様々ですが家賃を払えずアパートやマンションを追い出された方やDVなどの家庭問題により家を出て行く当てがない方、職を失い助けてくれる家族や親戚もいない方など。

やはりホームレスの方が中心です。

生活困窮の線引きは難しいのですが、「自分、もしくは家族の力だけでは立ち行かなくなった方」が生活困窮者と言えます。

普通、困ったら両親や家族に相談する方が多いと思いますが生活困窮者は何かしらの理由によりそれが出来ない方達です。

福祉に貢献したいけれど、給料や条件が良い所にいきたいと思うのは不純ですか?

いいえ。

全く不純ではないと思います。

いくら福祉に対し熱い気持ちを持っていてもそれだけではいつか疲れてしまいます。

良い支援をする為には自分自身の充実が必要不可欠です。

何をもって充実とするのかはその人によりますが給与、休み、福利厚生などしっかりした会社に行きたいと思うのは大変重要なことです。

福祉職だからしょうがないと妥協するのではなく、少しでも良い条件の会社、法人を探してみてください。

自立支援って難しいイメージがあり、できる自信がない。

確かに悩んでしまうことや傷ついてしまうこともあるかもしれません。

人の人生に大きく踏み込んでいくのですから苦労や悩みも出てきます。

しかし、忘れてはいけないのが支援する相手も「人間」であるということです。

言うことを聞いてくれない。

問題ばかり起こす。

こんな方もいるかもしれません。

しかし、訳もなくそんな態度を取っているのではなくそこには必ず「理由」があります。

その理由を考え、根気よく接することが支援者に必要なことだと思います。

まとめ

自立支援の仕事は自分の人間力、知識を高められる仕事です。

多くの方とコミュニケーションを図るだけで成長していけます。

社会貢献にも繋がりますしこんなにもやりがいのある仕事は他にはないのではないでしょうか。

現在、日本が抱える問題を見ても福祉の仕事はこれから先もっと必要とされてくるのではないかと思います。

これを機に飛び込んでみてはいかがですか?

自立支援の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!


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