あまり聞き慣れないお仕事である「自立支援」。

福祉に関係する仕事?困っている人を支援する仕事?というイメージを持つ方が多いと思います。

広義的な意味でも「困っている人を支援する仕事」というのが一番しっくりくるのかもしれません。

では自立支援とは、一体どんな仕事で、その仕事にはどんな役割があるのか?ということまではあまり知られていないと思います。

今回は「自立支援」という仕事について解説していきたいと思います。

自立支援とはどんな仕事?

具体的には主に3つの自立支援に分かれます。

「障がい者の自立支援」「高齢者の自立支援」「生活困窮者の自立支援」です。

その人によって「自立」の意味合いも様々で就労を目指した自立、社会に関わっていくという自立、介護状態を予防し健康に生きる意味での自立などその目的やゴールが異なります。

どんな理由にせよ対象者に伴走し自立の準備をお手伝いするのが自立支援の仕事です。

自立支援の仕事にある役割の種類

社会問題、地域ごとの問題を包括的に支援する役割

福祉でいう社会問題とは「障がい者雇用問題」や「超高齢化社会」などです。

これらの問題を地域ごとで取り組み、縁の下で支えるような形で各福祉が存在しています。

老人ホームでの介護支援、障害者の日常生活支援や就労支援、生活困窮者の社会復帰支援などが「自立支援の仕事」です。

しかし、「障がい者雇用問題、超高齢化社会」と自立支援にどう関係があるのか不思議に思われる方もいると思います。

<障がい者雇用問題>

現在、日本の企業は障がい者雇用促進法により一定の障がい者を雇用する「法定雇用」を義務付けられています。

実際、障がい者のなかには健常者と何ら変わりない能力を持っている方や社会に出て働きたいと考える方が多くいらっしゃいますが、まだまだ障がい者に対し偏見や不安を抱える企業があったり、雇い入れたけど定着しなかったなどの雇用問題が発生します。

そうした問題を少しでも軽減する為に、障がい者への就労支援、技術・能力の向上、職場の定着支援などを行う「自立支援」が大きな意味を持ちます。

<超高齢化社会>

2025年に団塊世代が75歳以上になる「2025年問題」や「少子高齢化」も重なり、更なる高齢化社会に発展する日本ですが、そこでも「自立支援」という仕事は大切な役割を持っています。

介護になる人を減らすことに繋がる「介護予防」や少しでも自立した生活を行えるように支援する「老人ホーム」。

これらの自立支援が超高齢化社会の対策として存在しています。

個人の尊厳を保つ役割

例えば介護施設では何もかも介護をするわけではなく自分でできる事は極力やって頂いたり、クリスマス、正月、ハロウィンなどのイベントを実施したりと介護状態になる前と何ら変わりない生活を送ってもらうことを重要視しています。

特別な目で見るのではなく、あくまで人として当たり前に接することが尊厳を守ることに繋がります。

障がい者に関しても同じことで、偏見をなくし健常者と同じように接し個人を尊重することで本人の自立意識の向上や社会進出の手助けになるのです。

社会的弱者を守る役割

何らかの理由により生活困窮に陥ってしまった方を支援するのも自立支援です。

ホームレスや受刑者、被生活保護者、家庭問題により孤立してしまった方を再度、社会に導く役割を持っています。

長年、社会から隔絶されてしまった方も多く容易ではありません。

その為に生活訓練、就労支援、各種相談を実施し少しでも社会進出への足掛かりを得てもらうことが社会的弱者を守ることになります。

ノーマライゼーションを実践する役割

ノーマライゼーションとは「高齢者、障がい者など区別なく共生していく」という福祉理念です。

この理念は別に福祉だけのものではなく、社会に理念を浸透させることにより地域の活性化、ひいては社会問題の解決、緩和にもるため、差別のない平等な世の中を作ることに繋がります。

そういった意味でも「自立支援」の重要な役割の一つです。

自立支援の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

どんな仕事においてもやりがいは大切ですが自立支援においても同じことです。

いくら社会に貢献したいという想いがあってもそこにやりがいがなければいつか熱意が切れてしまうことに繋がり兼ねません。

ではどんなやりがいがあるのか見ていきましょう。

社会貢献、地域貢献に繋がる

どんな自立支援の仕事であっても社会問題等に深く関わっているので業務を行うこと自体が既に社会、地域貢献に繋がっています。

世の中の役に立っているという実感を糧にやりがいやモチベーションを持続していけるのが自立支援のお仕事です。

人の助けになれることに対し喜びを感じられる人は自立支援の仕事で力を発揮できるのではないでしょうか。

人として成長できる

人の人生に深く関わるのが自立支援です。

対象者と共に悩み、喜び、一緒に歩んで行くことによって自分自身の価値観や人生観にも影響を与え人として成長していくことができます。

自立支援の仕事を通しタダで人生勉強をさせてもらっている。

それが自立支援のやりがいの一つです。

必要とされる仕事

冒頭でも言った社会問題があるということは自立支援の仕事もそれだけ必要になるということです。

人々に必要とされる仕事をしているんだ。という誇りを持って仕事に励むことができます。

一歩ずつでも世の中を変えていけるのが自立支援のやりがいです。

メリット 

やりがいがあり、必要とされる仕事の自立支援。

働く上でもう一つ欠かせないのがメリットだと思います。

少しでも条件が良い所に行きたいと思うのは自然なことであり重要なことです。

自らの生活が豊かだと良い支援に繋がり、対象者も安心できます。

では自立支援の仕事のメリットとはなんでしょうか?

自立支援(福祉職)ならではの福利厚生を得られる

介護職に就けば、処遇改善手当という介護職の方のみに付く手当が支給されます。(事業所によって)

介護施設では看護師、調理士、理学療法士、ケアマネージャーなど色々な職種の方が働いていますがこの処遇改善手当を受けられるのは介護職のみです。

福祉職全体の動きとしてこれからますます需要が上がる福祉業界のマイナスイメージを変えていこうという世の中の流れがあり、処遇改善手当を始めとして、福利厚生面の充実を図る事業所が増えています。

他にも年末年始手当や休日出勤手当、介護、育児休暇など基本的な福利厚生は他の職業と比べて取りやすい業界なのも福祉職の特徴です。

普段出会えない人との交流が持てる

障がい者の支援、生活困窮者の支援などで普段の生活ではあまり関りがない方と接するのが自立支援職です。

変わった考えを持つ人、自分にはない価値観を持つ人、苦労を重ねてきた人などと交流することが出来ます。

こうした出会いにより自然と人間力がUPしたり、世の中の問題を肌で感じたりできるのも自立支援職ならではのメリットです。

コミュニケーションスキルが上がる

職域にもよりますが支援対象者、そのご家族、時には役所の福祉課の方などコミュにケーションを取る機会が豊富にあるので、特に意識しなくても自然とスキルが上がっていたりします。

他にも支援対象者の意見に耳を傾ける傾聴スキルや異変を見抜く観察眼の向上など様々なスキルを身に付けることができます。

自分の生活にも役立つ経験を得ることができる

例えば介護職であれば自分の両親、親戚、お友達の中で要介護者が出ても知識を活かすことができます。

高齢者に身近な問題である相続に関する知識に触れられる機会もあります。

いつかは自分にも必要になる知識なのでいざという時に慌てずに対処できます。

自立支援の仕事に求められる人物像

難しそうなイメージの自立支援のお仕事。

こういった仕事に向いているのはどんな人なのでしょうか?

福祉職で求められる性格、人物像を解説していきます。

人の役に立ちたいと考えている人

福祉職に興味を持つ入り口として「人の役に立ちたい」という理由が真っ先に来るのではないでしょうか?

最初は何となく、漠然とした想いでも良いと思います。

仕事をしていく上で自然と養われていくので、まずはその気持ちを忘れず根底に持つことが重要です。

温厚で人に対し慈しみを持てる人

支援の対象者がどんなに気難しい方、どんなに支援を拒む方でも相手を人として慈しみチャレンジを続けていくことが大切です。

その為にも温厚で穏やかな方が求められます。

相手は病気であり、障害を持ち、辛い目に遭ってきた方なのかもしれません。

理解できない行動や言動には必ず理由があり、決して悪気があって言っている訳ではありません。

そのマイナスの部分も全て包み込むような大らかさが必要です。

私情に流されない人

支援対象者の中には紆余曲折を経て苦労を重ねてきた人達が多くいます。

その為、同情したくなる場面も出てくるかもしれません。

時には相手の話に耳を傾け、賛同してあげるのも支援する上で大切なことですが逆にその行為が本人の為にならない場合もあります。

冷たく聞こえるかもしれませんが私情を挟まず、仕事としてきっちり分けて対応できる人が求められます。

自己管理ができる人

自分の普段の生活スタイルも支援に大きく関係してきます。

プライベートでだらしない生活を送っていたりすると、「自分も○○だからあまり意見できない」と支援面にも支障をきたします。

自分に甘えず、しっかりと自己管理できる人が支援者に多い傾向です。

世話好きな人

友人や恋人、家族に対し何かと世話を焼いてしまうような性格の方は自立支援のお仕事に向いていると思います。

世話を焼く行為は「相手に喜んでもらいたい」という気持ちの現れだと思うのでその考えは福祉職に通じる所があります。

自立支援の仕事の大変な点や難しい点

大変な点や難しく感じる点はどんな職種でも必ずあるものです。

特に自立支援という仕事は相手の人生に関わる仕事なので責任も大きく、プレッシャーに感じてしまう点や難しい点も多々あります。

では具体的にどういったことがあるのか見ていきましょう。

達成感を感じる機会が少ない

営業であれば営業利益、小売り業であれば売り上げなど達成感を得られる数字という指標がありますが自立支援職にはそういった物がないため、人によっては達成感を感じることが難しいかもしれません。

どれだけ自立に導いたか?などの数字も大切ですが、「自立を支援し人生を少しでも豊かな方向に導いた」と頭を切り替えることで達成感を得られます。

自分の人生経験が時に仇になる

前職の経験だったり、プライベートの経験を自立支援で活かすのはとても良いことですがあまりそれに頼りすぎるのは危険です。

あくまで自分の経験であって、支援する人は全く別の人生を歩んできています。

自分はこうだったから相手にもこうしてあげよう。

という固定観念は持たないようにしましょう。

福祉職の地位が低い

福利厚生面の向上、職員の定着支援などを中心に国を挙げて取り組んでいますがまだまだ地位が低いのは否めません。

これからますます需要は上がるので更なるマイナスイメージの払拭を推進していく必要があります。

残業が多い

予期せぬトラブルや事故が起きることがよくある為、残業も多くなる印象です。

その分、残業手当や特別手当などの拡充も進められていますが世の中のマ、イナスイメージから人員がなかなか集まらず、その分既存の職員にしわ寄せがいき残業が多くなるのが福祉職にあるジレンマです。

もちろん中には人員が豊富で残業が少ない事業所もあります。

支援対象に飲み込まれてしまう

例えば高齢者は自分より年上で人生の酸いも甘いも経験した先輩であり一枚も二枚も上手です。

障がい者は時に予想もしない行動や言動をすることがあります。

そうした時に相手に飲み込まれ支援が滞る事態になってしまうことも少なからずあるので、自身の考えをちゃんと持ち、私情に流されないよう意識することが重要です。

まとめ

自立支援の仕事内容や役割をお伝えしてきました。

これからの日本において福祉職の必要性は更に高まり自立支援の仕事も大きな意味を持ちます。

自立した人が多くなるということは豊かな社会を実現するために必要なことです。

障がい者で自立は雇用も進み労働人口の拡大になりますし、高齢者の自立は医療費、介護機関の負担軽減に繋がります。

自立支援は世に必要とされている仕事なのです。


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