大工と言えば皆さんはどんな仕事を思い浮かべますか?

釘を打ち込んだりカンナで木材を 消ったり・・すぐに思い付くのはこんな感じではないでしょうか。

大工と言っても色んな大工の職業が有り、木造大工、宮大工など他にも「型枠大工」と言う大工の職業があります。

木材を用いて一般住宅や2階建て程度の低層階建てのアパートなどを手掛けるのが、皆さんよくご存知の木造大工です。

神社、仏閣などを匠の高度な技術で手掛けるのが宮大工です。

それでは型枠大工とは?

何か建物を建てる分けではありません。

椅子や机などの、家具を作るのとも違います。

驚く方もいるかもしれませんが、実はコンクリート製品を作っているのです。

大工なのに木材は扱わないの?

いえいえ木材も扱うんです。

いったいどの様な作業をして行くのかと言うと、ベニヤ板と言う木材を、釘で打ち付け組立てコンクリート製品の型枠を作り生コンクリートを流し込みます。

コンクリート製品と言っても色々な製品があって、水路などに使用するU字型コンクリートや、海などに沈められてる消波ブロックで知られる「テトラポット」他にも橋、高速道路、貯水槽、ダムなどの大型建造物も手掛けます。

そして、もう一つ型枠大工が作る代表的な物が、住宅や低層階建てアパートなどの、土台となる「基礎部分コンクリート」の施工です。

鉄筋で組んだ基礎にやはりここでもベニヤ板を用いて鉄筋基礎を両側から挟んで、ホウムタイと言う金具をホウムタイまわしと言う道具を使って絞め、更に鉄パイプで補強して頑丈に型枠を作ります。

まだ終わりではありません。

ここからはサポーターと言う鉄の突っ張り棒で、両側から組んだ型枠が外れない様に固定します。

それから生コンクリートを流し込みます。

そして出来上がった基礎コンクリートの上に、住宅やアパート等を木造大工の職人の方たちが建ててゆくのです。

ここからは更に詳しく皆さんに、型枠大工の仕事内容や、良い所、面白い所、類似職種との比較など、分かりやすく紹介させていただきたいと思います。

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型枠大工の仕事は大きく2個の役割に分けられる

親方

型枠大工の作業の1~10までのすべてを知り尽くしていて、職人たちにその技術を指導伝承してゆくのが、親方としての大事な役割です。

子方

一般の会社で言うところの従業員にあたります。

親方の指導を受けさせて頂いたり、また親方の作業を見ながら、その技術を盗み覚えます。

親方2つの業務内容

作業日程計画

各建設会社から仕事を受注し、それぞれの案件にある納期まで仕上がるように、作業日程計画をたてます。

各現場への作業員振り分け

一社に親方一人の所もあれば、数人の親方が所属している所もあります。

一人親方の所は、大体一つの現場で職人たちと作業していますが、3人〜4人と親方がいる所は、代表者を努める親方が、各現場にそれぞれの親方を振り分けます。

子方職人5つの業務内容

ベニヤ板の切断作業

電動のこぎり木材切断機で、型枠にするベニヤ板を寸法どうりに切断するのですが、型枠作業の中でも非常に危険を伴う作業の一つです。

最大限安全に、慎重かつ注意を払い作業しなければ、自分の手指を切断してしまう重大な事故をを起こしかねません。

ベテランの職人であっても親方であってもそれは変わりません。

型枠の組立作業

切断したベニヤ板を設計図どうりに組立てます。

組立の際には釘で打ち込みます。

今度は冒頭に紹介したホウムタイという金具を取り付けて、そこに鉄パイプを通して型枠の板が外れないように強く絞めます。

一人で作業するときもあれば二人コンビで作業する時もあります。

そしてサポーターと言う突っ張り棒のような鉄の道具でベニヤ板を支えます。

住宅基礎の場合は左右両側から、コンクリート製品(ブロック)などの場合は4面すべてサポーターで支えます。

とくに風の強い春先や冬場などは、歪みが出てしまうので念入りに行います。

高速道路などの長距離に渡って型枠が続く現場は、ベニヤ板に歪みが生じると、施工しているコンクリートにズレが出てしまいます。

世界の型枠大工職人の中でも最高水準にある日本の職人ですから、寸法の許容範囲もわずかしか許されません。

なので親方は何度も何度も確認を行います。

生コンクリートの流し込み作業

生コンクリートの粘度を、季節、生コンクリートが固まるまでの天候、湿度、などを考慮して水を加えて調節してゆきます。

それから型枠の中に流し込んでゆくのですが、その際に、バイブレイターを使い生コンクリートに振動を加えながら、隅々まで行き渡るよう流し込んでゆきます。

25℃以上の気温の高い時期は、生コンクリートに水を加えて水分量を増やします。

逆に温度が1桁あたりの気温の低い時期には、生コンクリートの温度を上げるために水ではなく、お湯を加えて生コンクリートを混ぜます。

生コンクリートを混ぜ合わせてから時間が経つと、コンクリート製品の質が悪くなり障害が出てしまうので、素早く生コンクリートを型枠の中に流し込みます。

1時間以内が最適とされてますが、原則として1時間30分以内であれば良いとされてます。

叩き作業

型枠の中に、生コンクリートを流し込むのですが、その際に隙間がどうしても空いてしまうので、カナヅチでまんべんなく型枠のベニヤ板を叩きます。

その際に、叩いた時の音を聞いて、生コンクリートの流れ具合を確かめます。

隙間が空いていれば抜けたような音が鳴り、生コンクリートがしっかりと詰っていれば、重く響かない音がします。

何度も何度もひたすら叩きつずけるので、スナツプが鍛えられます。

余談ですが仕事にだんだん疲れてくると、親方や先輩職人が離れてる時に手を抜いて作業してしまいます。

それも春先などや秋頃の季節ですと、涼しくてましなのですが、夏になると炎天下での作業となりますから、どうしてもそうなります。

離れていてこちらの方を見ていないものですから、気にしていないだろうと思っていると、親方から”しっかり叩け!”と叫ばれてしまう新人がよくいます。

親方は見ていなくても金槌でベニヤ板を叩く音から分かるのです。

それは叩き作業だけではなく、釘打ちの時でもそうですしホウムタイまわしなどでも分かるのです。

ノコギリで木材を加工してる時やバイブレーションで振動をかけている時でも、はたまた鉄パイプを運んでいる時でさえ、どの程度一生懸命仕事に励んでいるのか、音だけで分かるのです。

型枠大工として働いてみようかと思っている人は、気をつけて下さい。

逆を言えば、親方が見ていない時こそ頑張って仕事をテキパキこなすと、親方に高評価の印象を与えられます。

仕事が終って夜、店で親方衆が飲んでいる時などに”あいつは見込みが在る”と目をかけて貰えると思います。

でも私が働いてみた印象ではほとんどの新米職人が真面目に作業しており、さぼるような新米職人はいない印象でした。

新米ながらも、自分の手掛ける作業にプライドを持ち仕事をしています。

それだけにやる気のない人は現場の中で目立ちます。

始めは体力がなくても、続けているうちにどんどん体力は付いてきます。

わずか1ヶ月の作業でも、見た目に身体つきが大きくなり、友人や知人から”チョット見ない間にゴツクなったな”などと言われたものです。

コンクリートの養生

養生とはコンクリートを高品質に仕上げる為に、気温の高い時期はコンクリートの表面に水を散布して、表面の温度が急激に上昇するのを防ぎます。

急激な温度変化はコンクリート表面のひび割れに繋がるからです。

また、雨などからコンクリートを保護する為にブルーシートなどで覆いかぶせたりもします。

流し込んだ生コンクリートが、固まるまでは季節、天候、温度、湿度にもよりますがコンクリート製品で1週間位かかります。

大型建造物のダムなどはそれ以上の養生期間が必要となります。

枠板はずし作業

生コンクリートが固まってきたら、鉄パイプを抜いて、ベニヤ板を外します。

その時に固まったコンクリートが、欠けてしまわないように気を付けなければいけません。

少しでも早く仕事を終わらせたいばかりに、金槌でせっかく固まったコンクリートを傷付けてしまう事もあります。

なので型枠外し作業をする時は、慎重に行なわなければいけません。

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木造大工や宮大工との作業の違い

同じ大工でも型枠大工と木造大工、宮大工とでは大きく違います。

木造大工はご存知の方も多いと思いますが、木材を運び、カンナで削り、柱などをこしらえます。

メインとして扱うのは木材です。

宮大工も同じく木材を扱いますが、主な仕事としては神社仏閣の補修工事になります。

一方、型枠大工がこしらえるのは、コンクリート製品や建築物の基礎コンクリートなどですから、知らない人は驚いたのではないでしょうか?

ここからは木造大工、宮大工との作業の違いを詳しく紹介させていただきます。

作業場の高低

木造大工、宮大工は高所での作業が多くを占めますが、型枠大工の場合は建築物の基礎工事が多いので、その点は危険性が低いです。

とは言え、橋や貯水槽、はたまたダム建設ともなればかなりの高所作業になり、高い所がダメな人には辛いことでしょう。

それでも慣れれば鉄筋をよじ登ってベニヤ板を取り付けているうちに、不思議と高い所での作業も慣れてくるものです。

運ぶ木材の重さ

木造大工、宮大工は柱に使う角材などの重い木材を運ばなければいけませんが、型枠大工はベニヤ板など、わりと軽めの物を運ぶので幾分楽かもしれません。

組立作業

木造大工、宮大工の組立作業はとても難しく長年の修業が必要となります。

特に宮大工は高度な職人技術がなければ務まりません。

一方型枠大工の方は、新人でも親方に付いて作業すればわりとサクサク組立られます。

型枠大工の仕事の良いところ

仲間との競い合い

組立作業にしろ枠外し作業にしろ、同僚職人との競い合いをしながら仕事をすると、ただ何となく仕事している時よりも遥かに作業がはかどります。

長い距離を同じような作業で、延々と続ける時などは、単調な作業だけに競い合いやすいのです。

コンビで作業

二人で作業する時は、コンビネーションをとりながら作業するので、相方ができます。

最初の頃は親方と一緒に作業させてもらえるので、ワンツーマンでの英才教育を受けれるので、とても仕事覚え易いです。

面白いポイント

重労働なので辛い仕事ではあるのですが、同僚との競い合いに勝つために、効率の良い作業手順を考えるのが楽しいところではないでしょうか。

鉄パイプの効率

最初のうちは一本ずつ安全重視で運ぶのですが、慣れてくると二本、三本・・と増やして、熟練してくると4~5本ガッと抱えてスタスタと運ぶのです。

特別に体格が大きいわけでもなく、長年の経験から掴んだコツで、年輩にも関わらず速足で歩けるのです。

鉄パイプ置き場から型枠の所までの効率の良い道筋を考えて同僚職人より、少しでも早く多くの鉄パイプを運ぶ事に楽しみを感じます。

油塗の効率

枠外し作業の時に、ベニヤ板が固まったコンクリートから剥がれ易くするために油を塗るのですが、いかに早く油を塗るかに情熱を注ぐ職人もいます。

一枚一枚塗って積み重ねる職人もいれば、伺枚かを畳のように並べて、一気に油を塗る職人もいます。

油の塗り方を考えるのも楽しいものです。

型枠大工の仕事はこんな人におすすめ!

コンクリート好き

型枠大エは、生コンクリートを固めて住宅の土台となる基礎部分や、橋、貯水槽などのコンクリートを作る仕事ですから、木材よりもコンクリートを扱うのが好きな人が向いてます。

コンビ好き

二人で作業するのか好きな人、相方に憧れている人も向いているのではないでしょうか。

体作りの好きな人

体を鍛えたい方にはもってこいです。

男らしくたくましい身体つきになります。

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まとめ

木造大工や宮大工に比べれば、入りやすいのが型枠大工なのではないでしょうか。

木材で住居や神社仏閣を造る大工と違い、ベニヤ板などで型枠を作り、生コンクリートを流し込み固めて基礎などを作り上げるのが型枠大工。

橋やダムなどの巨大建築物などを手掛けることもあり、ダイナミックな仕事現場の時もあります。

体力、持久力に自身のある方、もしくは体を鍛えたい方、大型建造物の好きな方など、興味がある方はバイトからでもどうでしょうか?

実際に型枠大工の求人を探す時は、こちらの記事を参考に!