妊婦が仕事に行きたくない時によくある原因とその乗り越え方。
現在では妊娠しても仕事を続ける人が多く、妊婦でも働ける環境が整ってきています。
それでもやはり妊娠前とは心も体も違うので、働き方や仕事を続けていく上での注意点もあります。
出産後も同じ会社で働くなら、なおさら妊娠中はできるだけ迷惑をかけないよう気を使わないと、と考える人も多いでしょう。
周囲への気遣いと、そして何より自分とお腹の中の赤ちゃんがすくすくと育っていくように、妊婦が働く際の注意点にはどんなことがあるのでしょうか。
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妊婦さんが働く上で11つの注意点とは?
妊娠中はそれまで生きてきた自分の心や体が激変する期間です。
妊娠中期以降、お腹が大きくなってくると妊娠している実感が湧き、周囲の人も妊婦さんへの配慮がしやすいのですが、むしろ気をつけることが多いのは妊娠初期の段階でしょう。
それでは、妊娠中に働く上でどのようなことに注意すればいいのか、詳しくみていきましょう。
直属の上司には早めに報告する
妊娠がわかった時点(病院で胎児の心拍が確認できたなどの診断を受けた時点)で、直属の上司には早めに報告をしましょう。
そうすれば体調が悪い時は無理をせずにすみますし、仕事内容や勤務時間なども配慮してもらうことができます。
会社によっては、産休や育休にそなえて人員の補助などのため早めに採用をする必要があったり、人事異動してすぐに産休に入ったりすることのないような配慮をしたりなど、会社側が動かなければいけないこともあります。
しかし、妊娠初期は流産などの可能性も高く、万が一のことが起こった時に余計に辛い思いをしてしまうことになるので、大々的に発表するのは控えましょう。
職場の人への報告は、仲がいい人や仕事で協力をお願いしたい人までにして、他の人には安定期に入ってからがいいでしょう。
無理はしない
妊娠中は決して無理をしてはいけません。
赤ちゃんと自分自身の身を守ることができるのは自分だけです。
お腹が張ったり出血があるようなら上司に事情を説明して、仕事は休んで病院を受診しましょう。
仕事でも重いものを持つなどの体に負担がかかることは他の人にお願いし、体調が悪くなったら早めに休むようにします。
妊娠中は眠くなるという体質の人もいるので、車の運転や機械の扱いなど集中力が必要な作業には注意し、昼休みに仮眠するなどの対策も必要です。
立ち仕事の人はなかなか休むことが難しいかもしれませんが、ヒールの低い靴を履いたり、合間に座れる時間や場所を確保するなどして、できるだけ体に負担がかからないようにしましょう。
とにかく無理は禁物です。
通勤時の対策をする
通勤で満員電車に乗っているのなら、通勤時に体に負担がかからないようにしましょう。
特に満員電車はお腹を圧迫される危険があり、気持ち悪くなっても身動きが取れません。
出社時間を変える、始発駅から座って行けるようにする、比較的すいている各駅停車に乗るなどの対策をしましょう。
また、電車内で急に気分が悪くなって降車したり、時間ギリギリになって走ることにならないよう、早めに家を出るようにします。
早く着いてしまっても、会社近くのカフェで休憩したり、散歩したりしてから出社すれば、適度な運動や気分転換にもなります。
自転車で通勤をしていた人は転倒などの危険があるので自転車に乗るのは控えます。
徒歩、公共交通機関、車などに変えましょう。
仕事のスタイルをどうするか
ずっと立ちっぱなしの仕事や重いものを持ったりする仕事の場合は、できるだけ体に負担がかからない仕事に変えてもらうようにできると安心です。
通勤の必要がなくなるよう完全在宅で働けるようにしてもらうことが可能な場合もあります。
必要な時のみ出社し、あとは在宅でテレビ電話などを駆使して働くことができる会社もあります。
また、時間が不規則だったり夜勤がある仕事ならどうするのか、自分の体調や職場の人員体制によっても変わってきます。
どのように働くかは、妊娠中だけでなく出産後も関わってくる問題です。
上司と相談して、どういう働き方にするのか、慎重に決めるようにしましょう。
つわり対策をする
特に妊娠初期は多くの妊婦がつわりを経験しますが、ひどいつわりならきちんと説明して仕事は休みましょう。
産休や育休とは違い、つわりによる休みが可能になる法制度はないので、各会社によって対応の仕方は異なります。
数日であれば有給を使って休むことも可能ですが、長期間休む場合には医師に診断書を発行してもらう方法もあります。
療養で休職する場合、医師の診断書があれば傷病手当を申請できるケースもあります。
診断書がもらえなくても、会社に相談して時短勤務や長期休暇が取得できるかどうか相談してみましょう。
また、つわりがあっても出勤するなら、対策をしておくようにします。
通勤中に気持ちが悪くなるかもしれないので早めに家を出る、仕事中は簡単に食べられるものを口に含んで気分転換する、つわりでも食べられるようなものを持参するなど、できることはしておきましょう。
飲み会や喫煙者に注意する
歓送迎会や忘年会などで飲み会がある職場もあります。
妊娠中はお酒を控えるべきなので、飲み会に参加するかどうかを考え、参加するならノンアルコール飲料にしましょう。
妊娠していることを全員に報告していない段階だと、お酒を飲まないと不思議に思われてしまうかもしれません。
「風邪をひいている」「このあと車を運転するので」など、理由を説明できるようにしておきましょう。
また、飲み会では喫煙する人もいるので、喫煙場所で吸ってもらうか喫煙を控えてもらうなど配慮してもらいましょう。
オフィスでは喫煙がNGになっている会社がほとんどですが、喫煙スペースには近寄らないようにしましょう。
いつでも仕事を他の人に任せられるようにしておく
妊娠中はいつ体調が急変するかわかりません。
突然の出血や切迫早産などで急に入院することもあります。
仕事を引き継ぐ暇がないこともあるので、自分がいなくても仕事を任せられるようにしておきましょう。
資料はわかりやすくファイリングしたり、期日が決まっている仕事をリスト化しておく、安定期に入ったら取引先にも報告しておくなど、事前にできることは準備しておきます。
また、自分以外の人が資料を探して仕事に対応できるように、日ごろからデスク周りは整理整頓しておくようにします。
スムーズに産休に入れるような配慮を
いつごろ産休に入るのかを上司と相談して決めたら、スムーズに産休に入れるように仕事を終わらせたり引き継いでおくようにしましょう。
産休直前ではなく余裕を持ったスケジュールで引き継いで、仕事を任された人が困ったり産休に入ってから質問が来ることのないようにしておきます。
産休・育休後に復職するなら、その予定もイメージしておくといいでしょう。
また、産休に入って無事に出産したら、会社への報告も忘れないようにしましょう。
ハイヒールや冷える格好をしない、冷房対策など服装に気を付ける
体に負担がかかったり転倒の危険があるので、ハイヒールを履くのはできれば控えるようにしましょう。
また、冷えは妊婦にとってよくないので、冷えてしまうような格好はしないようにします。
職場の冷房がキツイなら、上着やひざ掛けを用意したり、腹巻や厚手の肌着を着るなどして対策をしましょう。
妊娠週数が過ぎていくと、次第にお腹も大きくなります。
お腹まわりを圧迫することのないような服装にして、できるだけゆったりと過ごせるようにしましょう。
仕事上きちんとした格好をしなければいけない場合は、妊娠中から着られて、出産後は授乳服にもなる仕事向けの服などもあります。
通勤途中や会社周辺の病院を調べておく
通勤途中や会社で仕事中に急に体調が悪くなったり出血することがあるかもしれません。
あわてずに病院を受診できるように、通勤途中や会社周辺の病院を調べておきましょう。
休診日や時間外のときに診てくれる病院があるかなども調べておくとより安心です。
周囲の人への感謝を忘れない
妊娠していることを伝えたら、職場の同僚は喜んで祝福してくれるでしょう。
その後は積極的に仕事を手伝ってくれたり、体調を気遣ってくれることもあると思います。
だからと言って妊娠したことで当然の権利として、その状況に甘えてしまいすぎないように注意しましょう。
面倒くさい仕事は任せたり、指示してばかりで自分が動かないでいると、次第に反感を買うようになってしまいます。
実際、仕事を手伝ってもらったり、遅刻や早退、休むことが増えて迷惑をかけてしまうことも事実です。
体調がいいときは他の人の仕事を手伝ったり、「ありがとう」の言葉を忘れないようにしましょう。
妊婦さんが働いたときの経験談
妊娠中の体調には個人差があります。
一般的に大丈夫と言われていることが大丈夫でなかったり、つわりの重さ、腰痛、眠気など、まったく感じない人から日常生活もままならない人までさまざまなのです。
こちらで紹介する経験談は、あくまでもその個人の体験であって世間一般の常識というわけではないのですが、働き方の参考にしてもらえればと思います。
上司への報告時期
妊娠する前から上司に「子どもが欲しい」という話はしていて、いざ妊娠がわかったときにはすぐに報告をしたというAさん。
つわりや切迫早産で仕事ができなくなるかもしれないことを事前に相談しておいたので、会社側が予め人員を増やすなどの対策をとっていました。
そしていざそういう事態になってしまったときにはうまく対応してもらえたそうです。
しかし妊娠はプライベートなことなのでなかなか話す機会がなかったり、上司が男性や子どもがいない人だと話しづらいかもしれません。
それでも、直属の上司への報告はできるだけ早いほうがいいという経験談です。
妊娠中も立ち仕事を続けた人
美容師の仕事を妊娠中も続けたというBさん。
予約がいっぱいの日は立ちっぱなしで休憩をとる暇もなく、お客様の対応をしている時は休むこともできません。
早めに上司に相談をして時短勤務に変えてもらいました。
特に妊娠初期でつわりがひどい時期はとても辛かったそうですが、忙しくても勤務時間が短かかったのでなんとか乗り切れたそうです。
通勤時の対策
会社の始業時間が通勤ラッシュと重なってしまうので、できるだけ早めに家を出るようにしたというCさん。
どうしても眠たかったりつわりが辛くてなかなか起きられない日もありましたが、つわりで気持ち悪くなって電車を降りてもぎりぎり間に合う程度には早く出るように心がけたそうです。
どうしても間に合わなそうな時は駅から上司に連絡しましたが、なんとかつわり時期は乗り越えて、安定期に入ってからは早めに家を出て満員電車を避けるようにしたそうです。
仕事中はつわりが楽になる?
休みの日や朝起きた時はつわりで気持ち悪くてしんどかったのに、いざ出社するとつわりが楽になることが多かったというDさん。
仕事中は気が張っていて仕事に集中できるからなのか、つわりがいくらか楽になるという話はよく聞きます。
自宅で横になっているとずっと気持ちが悪いままですが、気分転換に外に出て歩いたりするといくらか気分がまぎれることもあるでしょう。
ちなみに個人差がありますが、グレープフルーツジュースを飲んだり、梅干しを食べるとスッキリしてつわりがちょっと楽になります。
家事は手抜きする
妊娠後もフルタイムでバリバリ働いていたというEさんは、仕事後に家に帰ったら疲れ果てて家事をする気が全くありませんでした。
そこで、Eさんは家事は手抜きをすることに決め、最新家電に頼ったり、食事も宅配サービスを頼んだりして乗り切りました。
掃除は自動お掃除ロボット、洗濯から乾燥まで洗濯機で済ませ、使った食器は食洗機を使いました。
つわり中は食べられるものも限られたり、買い物に行く元気もなかったので、宅配サービスや下ごしらえがすんでいる調理キットを利用しました。
妊娠前と同じようにと家事も仕事も完璧を求める必要はありません。
出産後は妊娠中よりさらに家事にかける時間が限られることもあります。
家族の協力ももちろん必要ですが、それもできない場合は頑張り過ぎずに、手を抜けるところは手を抜いても意外と大丈夫なものです。
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まとめ
妊娠中はできることも制限され、それがフラストレーションとなってしまい、体の変化も重なって仕事にも影響が出てしまうことがあります。
妊娠しても仕事を続ける目的は人それぞれあると思いますが、一緒に働く人はそんなことは関係ありません。
お互いに気持ちよく働き続けるためには、自分からの歩み寄りと周りに協力してもらうことが不可欠です。
そして自分の体とお腹の赤ちゃんのこと、そして仕事のことをバランスよく考えながら働くようにしましょう。
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