発掘作業員が向いている人の8個の特徴や必要なスキル・適性とは?
発掘作業員の仕事の求人を見かけたことをある人はどれくらいいるでしょうか?
実際に求人を見かけたとしても、遺跡発掘の仕事なんてどんなことをするのか想像がつかないと思います。
気になってはいるけど、わからないことだらけでなかなか思い切って応募するということは出来ないと思います。
そこでここではそんなレアな遺跡発掘作業員のバイトの詳細を具体的にご紹介させていただきます。
実際の遺跡発掘はきつい業務なのかワクワクする楽しいものなのかを見極めてみてください。
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目次
閉じる発掘作業員とは?
発掘作業員とは、遺跡の発掘調査をする調査員の下で働く作業員のことです。
学芸員の資格を持っている専門の調査員の指示に従い、遺跡のある場所の土を掘ったり、遺物を回収するのが主なお仕事です。
発掘作業員の大まかな仕事内容
発掘作業員の仕事は調査員の指示に従い行うものですが、実際にどんなことを指示され、行うのか。
発掘作業員が行う仕事をご説明します。
土を掘る
調査員の方が現場の中で、どの部分をどれくらい掘り下げるのかという指示を出します。
その通りに土を掘るのがまず主な仕事になります。
掘っている過程で、出てきた遺物を回収する作業もありますが、大きく出てきた遺物に関しては、調査員の方の判断が必要になるので、基本的には調査員の方へ報告をしながら行います。
図面を描く
発掘調査の経験者や、年齢が若い方の場合は図面を任されることが多いです。
調査区内の遺構や、調査区全体などを測量して図面に書き起こす仕事になります。
初めてのときは調査員の方に教わりながら行うので、経験が無い方々でもできるようになります。
遺物洗い
雨の日など、現場での作業が困難な日は取り上げた遺物をブラシで洗う作業があります。
土器や骨などはもろく、洗い方にも気を遣わなければならないので、簡単そうに見えて意外と神経を使うお仕事です。
時には大きな石を洗うという作業もありますので、体力も必要です。
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発掘作業員の仕事で大変なことは?
発掘作業と聞くと一見楽しそうと思う仕事ですが、実際はかなり過酷な仕事になります。
宝探しのようなイメージがあると思いますが、想像以上に日々の仕事は重労働です。
実際に発掘作業員の経験の中で大変だったことをまとめてみました。
とにかくキツイ
発掘作業は屋外作業なので、真夏の炎天下の中や真冬の霜の降りた現場での作業などが当たり前のようにあります。
近年では真夏の最高気温が上がり、平均気温ですらかなり暑い日が続きましたが、その炎天下の中で土を掘ったり、土嚢を運んだりという重労働を強いられます。
水分補給や休憩などはありますが、一日中真夏の炎天下の屋外で重労働をするというのは想像以上に大変な仕事です。
やはり堪えきれずに辞めてしまう人も少なくはありません。
体調管理をこまめにしなければいけない
上記でもあげたように、とにかくキツイ仕事ですので、体調管理が大変です。
夏場は熱中症にならないようにしなくてはいけませんし、冬場は風邪をひかないようにしなければいけません。
作業着などは全て自前で用意しなくてはいけないので、自分の体調管理に合った服装や装備を毎日考えなくてはいけません。
また、現場によっては調査員の方が少なく、作業員が多いといった現場の場合は自分で水分補給の管理も行わなければなりません。
特に初めての作業員の人達にありがちなのが、のどが渇いたけど周りの人が飲んでないから遠慮しよう・・・と考えたり、トイレに行きたいけど誰も行ってないから我慢しようというように、周りを気にしているうちに自分の体調を崩すということがありえます。
自分でこまめに体調管理をするように心がけなければ長く続けられません。
継続的に仕事を続けることが出来ない
発掘作業員は殆どがアルバイトやパートでしか採用されません。
なので現場が終わったり、契約期間が終わるとそこで仕事がなくなってしまいます。
やりたくても長期的、継続的に出来る仕事ではないため、せっかく経験できても続けたくてもできないという点があります。
また、長期で働ける職場であってもパートタイムであったり福利厚生がついていないという場所もありますので、生活をするには少々厳しいというのが現実です。
学芸員の資格を持っている人ですら正職員になることが難しい世界なので、長期的に働く難しさは作業員も調査員も同じです。
発掘作業員の仕事のやりがい
大変なことばかりの発掘作業員の仕事ですが、やりがいを感じる場面もあります。
実際に経験した人達が感じた、発掘作業員のやりがいをご紹介いたします。
歴史的な発見に立ち会える
発掘作業をしていると、そこにはいつの時代に何があったのかというものが見えてきます。
調査を進めているうちに、それが珍しいものであったり、新しい発見だったという場面にも出くわします。
そういった歴史的な発見の場に立ち会えるということは、他の仕事では感じることが出来ないやりがいに繋がります。
貴重なものを自らの手で掘り起こすことが出来る
発掘調査で出てきた遺物は、博物館などで展示されるものが多いです。
実際に珍しいものが出たときや、貴重なものが出てきたときは、遺跡の報告の場などで自分たちが掘りあげた遺物が展示され一般の方々に見学してもらえます。
博物館で展示されているものが、実は自分が見つけて掘りあげたものだと思うと、発掘作業員の仕事をやっていて良かったと感じることができます。
発掘作業員の仕事に向いているのはこんな人
発掘作業の仕事は若い人から60歳を過ぎた年配の方まで幅広くいらっしゃいます。
その中でも、仕事に向いている人と向いていない人の差は仕事をする中で見えてきます。
次は発掘作業員に向いている人の特徴をお伝えします。
歴史や発掘調査に興味がある人
やはり一番大事なのはこの仕事に興味があるか無いかではないでしょうか。
全く興味の無い人達にとっては何が楽しいのか、炎天下の中で土を運ぶだけで苦痛でしかないと感じると思います。
興味を持って働いている人達は、今作業をしている現場がどういう場所なのか、どんな遺物が出てきたのかという事に興味を示します。
辛い状況の中でも、仕事の中で見つかる発見にワクワクしたり興味を持つことでこの仕事を続けたいと思うようになってきます。
興味を持つということは一見して単純なようで意外と難しいことだと思います。
仕事が丁寧な人
発掘作業というのは時に慎重に行わなければならない場面が出てきます。
土を掘りすぎたから戻そうという事はできませんし、骨や貝殻などのもろいものが出て来たときに壊してしまったらそこで終わりです。
雑な仕事をしてしまう人が発掘調査の仕事に入ってしまうと、せっかくの遺跡が壊されてしまう可能性もあります。
やり直しがきかない仕事だからこそ、丁寧に慎重に仕事を出来る人が重宝されます。
ですので、仕事を丁寧に行える人がこの仕事に向いています。
体力に自信がある人
やはり何と言っても体が資本となる仕事です。
真夏の炎天下の中の重労働や真冬の凍えるような寒さの中での重労働などが毎日続きます。
体力がないと続けられない過酷な仕事なので、体力に自信が有る人には向いているでしょう。
特に、男性の力というのはこの仕事では重宝されますので、自分の長所を活かせる仕事にもなります。
発掘作業員の仕事に向いていないのは?
逆に発掘作業員として向いていない人はどんな人なのか
今までの経験で見てきた向いていない人の特徴をご紹介します。
上司の話を聞けない人、人に指図されるのが嫌いな人
発掘作業では常に調査員という学芸員の資格を持った専門分野の人が上に立って発掘作業員に指示を出します。
発掘の現場というのは繊細なので、上司の話しを聞かずに勝手に掘り進めたり異物を取り上げたりなどしてしまうと、調査報告の妨げになります。
常に調査員の方々の指示に従うという仕事が出来ない人では、この仕事は向きません。
年配者になると特に、調査員が年下だからと言ってあまり話を聞かなかったり、自分は経験者だからと言って調査員を邪険に扱う人も中にはいますが
そうした方々がいる現場はかなり仕事を成し遂げるのに困難なため、その人達が仕事を続けたくても採用側が拒否をするというケースがあります。
一度悪い印象を持たれてしまうと今後に繋がらないため、調査員の指示に従えない人はこの仕事を続けるのは困難です。
歴史や発掘調査に興味が無い人
これは働いていて歴然と差がつきますが、興味がある人とない人では仕事の態度に大きな差が出てきます。
発掘作業に興味が無い人は仕事が辛い、上司の言っている解説が頭に入ってこない、自分が何のために今この仕事をやっているのかわからないといった状況が目に見えてわかります。
興味がある人は今の仕事が何のためにやる仕事なのか、どうしてこの作業を行わなければならないのかを理解しながら仕事を進めます。
また、発掘調査というのは素人にとってはわからない事だらけなので、疑問に思ったことは常に上司に確認します。
仕事に対する向き合い方が圧倒的に違うため、傍から見てもその差は歴然です。
興味が無い人は辛かったという記憶だけで、その後はこの仕事に参加をすることが無い人が殆どです。
最初は興味が無かったけど、初めて働いてみてから興味を持ったという人も少なくありませんので、こればっかりは経験してみなくてはわかりません。
発掘作業員の仕事で身に付く力
発掘作業員として働くことで、身に付く力はあるのか。
どんなことが身に付くのかというのをご説明いたします。
歴史に精通する
発掘調査の仕事は、教科書に載っていないことを学ぶことができます。
縄文時代や弥生時代など、小中学校ではあまり詳しく教わることが無い部分を仕事をしながら学ぶことがあります。
私が働いていた頃はとても素敵な調査員の方が指導してくださったので、大学で教わる考古学についてわかりやすく説明していただけました。
他の仕事に就いていたら知ることが出来なかった知識を、この仕事を通して学ぶことが出来たのでとても貴重な体験だったと思います。
体力が身に付く
初めての頃はキツくて毎日辛い仕事でしたが、調査員の方のおかげで仕事の内容に興味を持ち、辛いながらも最後まで仕事を成し遂げることが出来ました。
いつもならば体力が無く、もう二度とやりたくないというところですが、この仕事に興味を持ち、いくつかの現場を経験していくうちに体力がついてきました。
真夏の現場も真冬の現場もやり通せるくらいの体力がついたと実感しています。
発掘作業員の仕事でよくある誤解とは?
発掘作業員の仕事を思い浮かべたときに経験したことが無い人達が誤解しがちなことがいくつかあります。
その中で主に上げられる二つのことを解説していきたいと思います。
資格がないと仕事が出来ない
よく誤解されるのは、発掘作業員は資格が無いとできないんじゃないかということです。
実際は資格が必要なのは現場の総監督である調査員の方で、作業員には資格は必要ありません。
作業員には殆ど条件は無く、募集年齢も幅広いので若い方から定年後の方まで様々な方が働いています。
お城や古墳などだけをやっている
一目見てわかる場所だけを発掘調査していると思われる方も多いと思いますが、実際は何も無い土地やこれから利用する予定の土地などを調査することが殆どです。
遺跡がどの辺にあるのかというのは各自治体で把握しているので、その範囲で建築物を建てたり何かしら土地を利用するとなると、その都度各自治体のほうで調査が行われます。
建築関係者の方は経験したことがあると思いますが、土地の調査の際に遺跡の範囲に入っていると断定されると、各自治体の教育委員会へ調査以来をするといったかたちです。
最初に試験的にその現場を試掘し、遺物が出たり遺跡の痕跡があった場合は発掘調査を行うという流れで初めて発掘調査が行われます。
ですので、自分が住んでいる土地や近くの土地などに遺跡が埋まっている可能性も充分にあります。
そういった身近にある土地も調査するのが発掘調査です。
まとめ
今回は発掘作業員の仕事内容や向き不向きなどをご紹介いたしましたが、実際に体験してみないとわからないというのもこの仕事です。
私は正直、この仕事は続けられないと思っていましたが、仕事の中で興味を持ち現在まで続けることが出来ました。
なかなか安定しない仕事であることは確かですが、一度経験してみることで他の仕事には無い貴重な経験が出来る素晴らしい仕事だということが実感できます。
気になった方はぜひ一度経験してみてください。
実際に発掘作業員の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!