2022年5月8日

みなさんは発掘作業員と聞いてどんなことが頭に思い浮かびますか?

遺跡の調査、古墳の調査、ピラミッドのような文明の調査など、歴史に関することが思い浮かぶと思います。

実際にテレビで放送されている発掘調査は、状況が見えてきた段階をお伝えしていることが殆どです。

実際はまっさらな地面の更地を延々と掘り進めて行くような地味な作業です。

しかし、そんな中でも自分の手で土器や遺物を発見したときの感激はまさにトレジャーハンターのような気分。

そんな発掘作業の現場で働く発掘作業員についてご紹介したいと思います。

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発掘作業員の大まかな仕事内容

仕事内容

発掘作業員の場合は、調査員の指示通りに仕事をする役割です。

調査員の指示に従い土を掘り、土を運び、土器を掘り上げる作業や、遺構の跡を掘る作業、図面を取る作業などが主な仕事になります。

主な仕事内容としては土を掘ること運ぶことがメインの作業です。

年齢が若い人や経験者の方は図面の仕事を任されることがあります。

年齢層が高い人や視力が悪い人などの場合は基本的に掘り方の作業が多いです。

仕事上の役割とは?

発掘作業員の役割とは、いかに調査員の指示に従い仕事ができるかどうかというところです。

調査員が現場の状態を確認するために常にその指示通り動くのが発掘作業員の役割です。

決して自分の意思で勝手な仕事はしない、あくまで調査員に使われる作業員であることを肝に銘じておかなければなりません。

いかに調査員の人の思惑通りに現場が完成するか、調査が進むかというのは発掘作業員の力量にかかっています。

発掘作業員の仕事は向いている人の8個の特徴

発掘作業員の仕事は、経験したことがない人から見たら面白そう!楽しそう!というイメージが多いと思います。

実際、大まかに聞く話では土を掘って土器を出す仕事という情報しか入ってこないからです。

実際にはとても過酷で、中には1日で仕事を辞めてしまう人もいるほどです。

そんな発掘作業員にはいったいどんな人が向いているのか、いくつかご紹介します。

体力に自信がある人

発掘作業の繁忙期は夏ごろです。

真夏の炎天下の中で泥まみれになりながら土を掘り、土を運ぶ仕事を一日中こなします。

楽しいのは土器を見つけたほんの一瞬のことで、実際は体を使って肉体労働を強いられる現場です。

昨今は異常なまでの気温上昇もあり、屋外にいるだけでも熱中症にかかってしまうような暑さです。

そんな中で毎日肉体労働ができる体力がある人は、この仕事に向いています。

東北地方の場合は雪の影響もあり、発掘作業は春先~秋にかけてが主流です。

夏を避けることはできないので、こうした環境で働ける屈強な方には向いています。

体を動かすことが好きな人

基本的には仕事の殆どが体を使う作業です。

土嚢袋を運び積み上げることや、重い道具を運ぶこともしばしばあります。

じっとしているのが苦手だと思う人、事務仕事よりも外で体を動かす仕事がしたいという人にはピッタリです。

特に、男性作業員の場合は荷物運びなどの重労働を任されることが多いです。

女性が多い職場になればなおさら頼られることが多くなるので、動いていたい人には良い環境です。

人の話をしっかり聞いて理解できる人

発掘作業員は基本的に上司の指示でしか動いてはいけません。

あそこの穴を掘ってみよう、あそこに土器があるから取ってみようといった自分の考えで動くことはこの仕事ではしてはいけません。

自分勝手な行動により貴重な資料となる部分が壊されたり損失してしまうようなことがあってはいけないので、常に調査員の指示の元で動きます。

調査員により指示方法や進め方が違うので、「前の職場の調査員はこうだった」という概念も捨ててください。

今いる現場の調査員の指示を良く聞き、その通りに仕事をできる人が重宝されます。

仕切り屋ではない人

発掘作業の現場では、年齢層が様々な人達が集まります。

人数も現場によって小規模から大規模まで様々です。

大概どの職場に行っても仕切りたがりな人がいますが、発掘作業の現場においてそれが仇となることもあります。

発掘作業員は調査員の指示に従い仕事をしますが、仕切りたがりな素人の人がたまに勝手に作業員を仕切り、仕事が大惨事になることもあります。

作業員という自分の立場を弁えず、周りを見下し勝手な指示を出すような迷惑な人材がよく紛れています。

調査員にとっても迷惑な存在なので、仕切りたがりな人は警戒されます。

あくまで調査員の指示に従うことができる作業員が求められるのです。

虫が大丈夫な人

みなさんの中には虫を触るどころか見るのも嫌だと思う人も多いと思います。

土を掘る仕事、そして屋外ということで、虫に遭遇することは日常茶飯事です。

ミミズや蟻は当たり前!

その他にも幼虫や名前も知らないような虫が度々現れます。

虫が苦手な人にとってはかなり過酷な職場になるので、虫を見る・触るのが大丈夫な人の方が向いていると言えます。

霊感がない人

ごく稀にですが、霊感があるゆえに仕事が辛くなる人がいます。

というのも、発掘作業では獣骨だけではなく人骨などが出てくることがあります。

そして、現場によってはお墓を掘ることもあります。

発掘調査を行う前の段階では、そこがお墓かどうかはわかりません。

実際に現場を掘ってみて初めてわかるということがあるため、そういった物が苦手な人は仕事がやりづらいかもしれません。

実際にあったお話で、初めて発掘作業をした女性がある夜、凄く昔の時代のお母さんと娘さんが夢に出てきて数日間魘されたと言います。

夢を見た数日後、その人が掘っていた場所からお母さんと娘の人骨が出てきたというような出来事もありました。

そういったものに敏感でなければ仕事自体は普通にこなせると思います。

自我を出さない人

発掘作業の現場では、少人数から大人数まで様々な規模の現場があります。

人が増えれば増えるほど人間関係のトラブルというものも出てきます。

トラブルを起こした人物は要注意人物として認識され、契約期間打ち切りまたは再雇用なしといった形で追放されます。

人間関係に波風立てずに過ごせる人はどこの現場に行っても渡り歩くことが出来ます。

視力がいい人

視力は発掘作業の現場では大事です。

土を掘る際に土の色の変わり目で作業の進め方を指示されることがあります。

明らかに違う色の土ならば見分けがつきますが、中には似たような色合いの土が混ざっていたりします。

色の見分けがつくくらいの視力があるほうが仕事を有利に進められます。

また、図面を頼まれた際に細かい升目の紙を使用するため、ある程度の視力がないと厳しいです。

また、土にまみれた土器や遺物を発見するのも視力がないと苦労します。

中には土器がわからずに土の山に捨ててしまう人もいます。

どんな場面でも発掘作業の現場では視力のよさが生かされます。

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発掘作業員に必要なスキルや適性、条件は?

発掘作業員の求人を見つけた場合、どんな人が採用されるのか、なにか条件はあるのかと不安に思いますよね。

実際に発掘作業の現場を数件担当してきた私から見た、発掘作業員に必要な適正や条件などを解説いたします。

年齢制限

実際に現場に出ると、年齢制限が無いことを実感すると思います。

20代の若い人から上は70代の高齢の方まで様々です。

本人のやる気次第で採用されるため、年齢は関係ありません。

但し、求人を募集している場所の条件によるので、全国的に年齢制限がないとは言い切れません。

比較的高齢者の作業員の方も多いのが発掘作業現場の特徴です。

経験者

未経験の方からすると少し違う項目となりますが、経験者は優遇されます。

経験者の場合は仕事の手順や、掘り方の知識があるため、比較的に採用基準の中では高めです。

家庭または個人に問題がない

発掘作業員を募集しているのは民間よりも市役所や財団法人などの団体が募集していることが多いです。

その為、そこで採用された際に問題のある人物であった場合は多大なる損害が生じます。

問題行動が多い人や、家庭に何らかの事情がある(暴力団関係者の家族等)の場合は採用が難しくなります。

基本的にごく普通の生活をしている人であれば問題ありません。

体力に自信がある・体調管理ができる

上記でも書いていますが、基本的に体力に自信がないと続かないお仕事です。

万が一仕事中に倒れたり、怪我をしたりという時は労災が発生しますが、雇い主の中には労災の発生が多い人物を再雇用しないなどの暗黙の事情がある場所もあります。

長く仕事を続けるためにも、体調管理を自分でできる人でなければいけません。

考古学などの専門分野を学んだことがある

学芸員の資格があったり、または考古学について学んだことがある人には絶好の職場です。

専門分野であるため、一般的に考古学の知識を持っているという方は少ないです。

資格は持っていないけど学んだことがあるという人は、応募の際にその旨を伝えてみると有利になります。

発掘作業員で働くメリットとは?

自由度が高い

他の会社で勤めていると、自由に休憩したりタバコを吸いに出るなどが厳しいことがあります。

発掘作業の現場では比較的休憩時間はまめに取らせてもらえるので、仕事中の自由度は高いです。

仕事に集中できる

ひたすら土を掘る作業の時は、黙々と土を掘り、土を運ぶ作業が続きます。

人と話すのが苦手な人などにとっては働きやすい環境かもしれません。

運動不足解消

デスクワークの人とは対照的に動くことが多い仕事です。

そのため、発掘作業中に体重が落ちたという方も少なくありません。

また、力仕事があるので筋肉もつきます。

仕事をしながら体を動かせるというメリットがあります。

歴史について学べる

発掘調査のお仕事現場はどこも資料になる前の段階のものです。

そのため、まだどこにも無い情報をこれから自分たちの手で掘り起こすという事になります。

たまに新聞やメディアに載るような新発見瞬間を目にすることもあります。

自分が仕事をしながら歴史の貴重な発見の場に立ち会えるという、普通の会社員では味わえない体験が出来ます。

また、調査員の方々に仕事の質問をするとわかりやすく教えてもらえたりします。

授業では習うことの無い専門的な部分の知識を取り入れることが出来ます。

今まで以上に博物館が楽しめる

博物館に行った事がある人は多いと思います。

子供の頃に連れて行ってもらったり趣味やデートで見物など、博物館へ何らかの目的で足を運んだことはあると思います。

博物館には発掘作業で取り上げた物を展示していることがあります。

仕事に関わりがある部分を、博物館の展示物として見たとき、いつもと違う角度から見ることが出来ます。

自分の子供を連れて行った時など、お父さん(お母さん)はこういう土器を発掘していたんだぞ、という事も子供に自慢できます。

発掘作業員の仕事はどうやって探す?

発掘作業員の仕事は地域によっても募集の時期などが変わってきます。

東北地方の場合は冬になると雪の影響で外での発掘作業が出来ません。

そのため春先から現場を始めることが多いです。

求人情報を探す場合は春先から探し始めるのが無難です。

関東や関西地方では年中やっている場所もあると思うので、求人情報は見つけやすいと思います。

また、発掘作業員の場合は市役所や財団でやっていることが多いので、求人情報は地元の職業安定所などで取り扱っています。

民間企業が扱っている場合もありますが、いずれにしても地元の職業安定所との併用をオススメします。

まとめ

発掘作業員について簡単に説明しましたが、自分が思っていたものと近いか程遠いかどうでしたでしょう?

聞いただけでは面白そう!楽しそう!というイメージが湧きますが、実際は体力勝負の過酷な仕事です。

しかし、一度経験してから長年発掘作業をしているは少なくありません。

どうして過酷な仕事なのに続けるのか、それはみんなこの仕事の面白さを知ってしまったからです。

土器を自分の手で掘り当てたときの感動、見たことのないものを発見したときの喜びなど、辛い以上に感動する場面は多々あります。

面白さがわかるまで、最初は仕事に対して辛いということしか頭に浮かばないと思いますが、宝探しのような感覚を覚えたら楽しくなります。

興味があるけど迷っている人は、一度経験してみることをオススメします。

実際に発掘作業員の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!

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