近年、美容鍼灸やスポーツ鍼灸などで一般的にも聞きなれたフレーズとなった鍼灸ですが、そもそも鍼とお灸を使って何をしているのか知らない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は鍼灸とは何か、鍼灸師の仕事内容や鍼灸師に向いている人、今後のキャリアアップなどをご紹介したいと思います。

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まずは「鍼灸師」の仕事例をチェック

鍼灸師の仕事はどんな仕事?

医療の場で鍼とお灸を使っていいのは鍼灸師、または医師のみとされており、鍼灸師になるためには最低3年間の専門学校を卒業し、国家資格に合格する必要があります。

そもそも鍼灸とは、身体に鍼やお灸を使って刺激を与えることで、様々な疾患への治療効果を上げることや健康増進を目的とする古代の中国で生まれた療法です。

中国では今でも太い鍼を使っていたり、熱いお灸で火傷を負わせるようなやり方も残っています。

日本人は比較的痛みに弱いとされており、痛みを感じにくくする鍼や火傷をしないように作られたお灸などが開発されています。

一般的に使われる鍼は髪の毛よりも細く、安全を考慮した使い捨てのものが使われています。

お灸も電子灸と呼ばれる電気の熱く感じない刺激でお灸と同じ効果を出せるような機器も出ており、小さなお子さんから高齢の方まで安心して受けられるようになっています。

東洋医学では、身体に張り巡らされた「経絡」と呼ばれる12本の線路に「経穴(ツボ)」と呼ばれる駅のようなものがたくさん並んでいます。

その中を滞りなく「気」「血液」「水分」が流れている状態を健康としており、日常生活の中で不摂生や過度な疲労により流れが悪くなったり逆に流れ過ぎた結果、体に不調を起こすと考えられています。

そこで弱っている、または過剰に働いている経絡・経穴を見極めて鍼やお灸で刺激を与え、通常通りの流れに戻し身体の内部のバランスを整える仕事をしています。

この経絡・経穴を使った鍼灸治療の他にも、患部に直接鍼灸刺激を与えることで、大きな副作用なく血流促進や免疫反応でケガをした時の腫れや炎症を抑えることができるので、プロのスポーツ選手からも注目されています。

鍼灸師の大まかな仕事内容

鍼灸師の活躍の場は、鍼灸治療のみを行う鍼灸院、柔道整復師やあんまマッサージ師と同じ所で働くあんま鍼灸整骨院、美容に関わるエステサロン、またはスポーツ現場に帯同するなどの道があります。

鍼灸院やあんま鍼灸整骨院では、主に痛みを抱えた患者さんに対して治療を行います。

エステサロンでは主に顔やデコルテなど綺麗にしたい部位に鍼灸施術を行います。

筋肉や関節、血管から神経に至るまで学生時代に学んできているので、鍼やお灸を使わずに手技で身体の調子を整える場面もあります。

スポーツ現場ではケガに対する治療のみならず、パフォーマンスアップの為に鍼灸施術を行う場面もあります。

サッカーのFIFAのスポーツトレーナーになる為にはアスレチックトレーナーと呼ばれる民間資格に合わせ、鍼灸師の国家資格を持っていることが求められています。

仕事上の役割とは?

その時だけ楽になるリラクゼーションとは違い、身体の症状や悩みを根本から治療できるのが国家資格を持った医療従事者で、その中でも鍼灸は薬のように副作用もなく、病院に行くまでもない(未病と呼ばれる)時に頼れる存在となっています。

鍼灸を受ける人と直接接する時間も長く、会話量が増えることで自宅でのセルフケアや日常生活の見直しのアドバイスができる為、信頼関係を築きやすい仕事であり、症状だけを診るのではなく、1人1人と向き合える仕事でもあります。

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鍼灸師の仕事はどんな人に向いている?

それでは、鍼灸師の仕事に興味がある・なりたい!

と思っている方に、どんな人が向いているのかお伝えします。

人の痛みがわかる人

痛みを持っている方は気持ちが下がっていることもあります。

辛い気持ちは周りと比べるものではなく、今どれだけ自分の人生に負担がかかっているか、というところで人によって大きな差を生みます。

悩みを相談した時に共感してもらえるだけで「この人に任せよう」と思ってくれる患者さんも実際多くいらっしゃいます。

ケガや身体の悩みだけでなく、鍼灸治療を受けられる方の中には精神疾患をお持ちの方もいらっしゃるので、何気ない言葉一つで傷つくことも、または気分が晴れることもあります。

親身になって寄り添ってあげる力が必要になります。

話を聴きだすことができる人

例えば「腰が痛い」と聴いただけで腰に直接鍼灸治療を施すだけでは症状が改善されないことがあります。

どこに原因があるのか、腰の筋肉の問題なのか骨なのか内臓なのか…。

考えられることはたくさんあります。

特に鍼灸治療は「知っているが受けたことがない」方が多くいらっしゃり、「何をどこまで話していいかわからない」という声をよく聞きます。

一見、今ある症状に関係ないような話や質問の中にも答えがあるので、緊張せずに話しやすい環境を作られる方に向いています。

今一番気になっている症状の他に、昔から治らないと思って諦ている症状を聴きだし、改善できると喜んでもらえます。

東洋医学に興味がある人

現代では西洋医学のめまぐるしい発展により、東洋医学と触れる機会が少ないのが現状です。

東洋医学は目に見えない身体の中の流れを整える医学であり、鍼灸の他に漢方薬やあんまマッサージ指圧、太極拳があります。

上記でお伝えした経絡・経穴を使うと、患部以外のことに刺激を与えることで症状が改善され、このような身体の不思議な反応を「面白い」と感じられる方が鍼灸師として長く続いています。

鍼灸治療が中国で発展してから何千年の歴史を持っていますが、今でも新しい発見がされている奥の深い世界となっています。

柔軟な考えを持っている人

鍼灸師は人によって診方ややり方が違います。

それは何千年の歴史の中で様々な流派や考え方が確立されていることが理由になります。

学校で習った内容が現場に出てから全くやり方が違った、同じ症状を持つ患者さんでも同じやり方では効果が出なかったなど、鍼灸師となってからもわからない事が当たり前のように生まれます。

最初の考えだけを貫くことも大切なこともありますが、一番は患者さんが良くなることです。

自分とは違う考えに触れた時に「試してみよう」「調べてみよう」と前向きに捉えられる柔軟性が必要です。

人が好きな人

鍼灸師の仕事は「誰かの為に」を常に考えている仕事です。

自分の身体に鍼灸治療を行うこともありますが、基本的には初対面で身体の状態を聴きだし、来た時より良い状態でお帰りいただく為に考えて治療を行います。

人が好きということは相手に興味を持っていることなので、様々な角度から見ることができます。

症状だけでなく、今までの人生の背景や日常生活に興味を持つことで、改善していく過程を一緒に喜ぶことができ、やりがいを感じるでしょう。

もちろん鍼灸師の中には人見知りや他人が苦手、という方もいます。

ですが、鍼灸師として仕事をしていく中で一度関わった患者さんは大切に思えるようになるので、現在人見知りや対人関係が苦手と感じている方でも心配しなくて大丈夫です。

鍼灸師の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

今までの経験を活かせる鍼灸に活かす、またはこれからチャレンジして鍼灸師になってから活かせる経験をご紹介します。

身体の不調に効くツボを検索する

ご自身の身体の不調に気付いた時がチャンスです。

例えば「腹痛 ツボ」とインターネットで検索すると、自分で押せるツボの紹介をしているサイトが出てきます。

症状を緩和させることはもちろん、患部から遠いツボが効くということで東洋医学の効果を実感できます。

自分が体験した感動は、鍼灸師になってから他者に説明するときに伝わりやすくなります。

接客業

医療従事者とはいえ、人と関わる仕事は接客業と言えます。

飲食店での接客やサービス業の経験があると、基本的な対応や笑顔が身に付きます。

鍼灸師としての腕がどれだけ高くても、対応が悪い、言葉がぶっきらぼう、行くのが嫌になるなど、接客態度が悪いと患者さんは定着しませんし、マイナスな口コミが広がると新規の方が来られなくなります。

なので、まずは接客の基本を知っておくと居心地のいい場を作り出せるようになります。

鍼灸治療を受ける

全く受けたことが無いまま鍼灸の専門学校や大学に入学する方も少なくありません。

鍼灸治療を受けたことがあれば、学校教員以外の資格を持っている人の鍼やお灸の刺激を知ることができ、お手本にすることができます。

また、1年生の前期に多くの学校では自分の足に鍼を打つ練習が始まるので、恐怖心を消す為にもプロの鍼を受けておくことをおすすめします。

鍼灸師として働くメリットとは?

やりがいがある

今まで何をしても治らなかった患者さんの症状が改善された時、本当に心から喜んでもらえます。

最近では不妊治療に鍼灸を選択される方も増えており、妊娠・出産までお付き合いできた時は一つの命、一つの家族の人生と関わることができます。

自分の手で健康に導き、「ありがとう」と言葉をもらえる時にこちらも「ありがとう」の気持ちが生まれ、幸せな気分になれます。

開業ができる

規定はありますが、自宅の一室でも鍼灸院を開院することが可能です。

ベッドと必要な道具があれば開業できるので、比較的安価でスタートできます。

訪問専門の登録もあり、開院する場所がなくても患者さんの自宅や職場で施術することも可能です。

資格を取ってからずっと会社や誰かの元に属すことも一つの道ではありますが、開院することで自分がやりたい治療に専念でき、得意な治療を伸ばすことができます。

都会で働く方をターゲットにして治療技術を磨くのも、地方で地域密着型でサポートするのも自分で決められることも強みです。

自分の体調管理ができる

鍼灸師は脈や舌、顔色、肌の具合などから身体の状態を把握することができます。

医師のように診断することはできませんが、東洋医学における病態を把握することで治療に繋げており、自分の身体でも確認することができるようになります。

なので、体調が優れない時に自分の脈や肌の調子を確認し、自分で届くツボに鍼灸治療を施すことも可能なのです。

少し調子が悪いかな?と思う段階で治療ができるので、悪化する前に体調を整え病院いらずの身体になれることも一つのメリットです。

その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

多くの鍼灸師は独立開業を目指しています。

誰かの元で働き、鍼灸の基本やマーケティングなどを学んだ後に自宅や賃貸で鍼灸院を開業することができます。

一人で治療を続けることも、社長となり新人を育てて会社を大きくしていくことも可能です。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

鍼灸師になる為に最低3年間学校に通いますが、その時に解剖学・生理学・病理学等、身体の構造や病気について詳しく学びます。

鍼灸師は身体の内部に詳しくないとできない仕事ですので、基本知識が身に付きます。

身体の構造を詳しく知っていると、スポーツジムやヨガ、ピラティスといった身体を動かすインストラクターに向いています。

実際に鍼灸師の資格を持ちながらインストラクターをされている方もいらっしゃいます。

他にも、日々様々な業種の方のお話を聴くことができるので、全く関わったことのない業種の仕事内容や良いところ・悪いところを聴けるので、視野が広がるチャンスになります。

主婦の副業にも

女性であれば、妊娠・出産を機に退職して専業主婦になる、または身体に負担をかけない時短で働ける仕事に就く方も多くいらっしゃいます。

鍼灸師の資格を持っていれば自宅でも訪問でも仕事を続けられるので、空いた時間に予約を埋めて無理のない範囲で働くことができます。

将来、家庭を持っても資格を活かして働きたい!と思っている女性にはピッタリの資格ではないでしょうか。

まとめ

以上、鍼灸師についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。

鍼灸の世界は奥深く、働き出してからも新しい発見や学ぶことが本当に多くあります。

ただお給料の為だけに働いているのであれば苦しい場面も出てくるかも知れませんが、鍼灸が好きで多くの人に健康になってほしいという気持ちがあれば、いつまでも続けられる仕事だと思います。

このお仕事で自分自身も周りの人たちも幸せにできる方が出てくることを心から願っています。

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