歯科医師として働くまでには多くの過程が必要です。

まず、歯科医師になるためには、大学受験で歯学部に合格し、さまざまな歯科に関する勉強、実習試験をクリアして最後の卒業試験に合格して歯学部を卒業した後、年々難易度を増す歯科医師国家試験に合格しなければなりません。

その後に臨床研修医として卒後臨床研修を修了し、そしてやっと就職となります。

歯学部を卒業後の時点ではほぼ全員が卒後臨床研修を受ける研修医となりますので、この時点では就職率がほぼ100パーセントといえます。

その後の就職に関しても求人がないということはほとんどなく、マニアックな条件を付加しない限り就職に困ることもありません。

しかし、いざ就職して歯科医師として働いていると、こんなに苦労して歯科医師になったにも関わらず辞めたいな…と思うことがあるのです。

歯科医師の仕事を辞めたいと感じた6個の理由と乗り越え方とは?

では歯科医師が仕事を辞めたいというのはどういったときが多いのでしょうか。

特に理由として多いものを紹介いたします。

また、その場合の乗り越え方も併せてご紹介しますので、辞めたくなった方の少しでもお役に立てればと思います。

治療がうまくいかない

治療がうまくいかないというのは歯科医師ならば誰でも持ったことがある悩みでしょう。

この悩みはどんな世代、経験値の人でもあります。

歯科医師になりたての頃は、自分が学んだことをうまく反映できなかったり、座学で学んだことと臨床の場での差や、自分の経験不足から治療がうまくいかず、自分は歯科医師に向いていないのではないだろうかと挫折して悩むことがあるでしょう。

歯科医師になって数年たつとある程度治療経験も豊富になり、一通りの治療ができるようになったことで自信がついてきます。

しかし、このように自信がついてきたころに初歩的なミスをしてしまったり、難しい症例にあたり治療が思うとおりにできないと落ち込み、投げ出してしまいたくなるということもあります。

さらに、歯科医師歴10年以上になってもうまくいかない症例や治療、新しい治療方法への挑戦などで挫折してしまったり落ち込む、それだけではなくさまざまな理由から歯科医師を辞めたいなというタイミングは出てくるものです。

しかし、このように治療がうまくいかず、そのことに悩むという歯科医師は、それだけ真剣に治療に向き合っているという証拠でもあります。

その乗り越え方とは?

この場合の乗り越え方は、身近に相談できる歯科医師の先輩や仲間と話すことで解消されることが多いです。

治療がうまくいかないという経験は、歯科医師ならば誰でも経験があることなので思いを共有することで気持ちが楽になるでしょう。

治療のヒントがもらえてやる気が出る場合もあれば、お互いに励まし合って乗り越えるというパターンもあります。

同じ職場の人に聞いてもらうのもいいですが、他の医院で働いている歯科医師と話すことで新しい発想や、自分の医院のいい点を見つけてリフレッシュされることもあるでしょう。

患者さんと揉めてしまった

患者さんとちゃんとしたコミュニケーションが取れているつもりでも、あらゆるシーンでトラブルというのが起こり得ます。

自分の中では十分と思った説明が不十分と感じた場合や、痛みがなかなかおさまらない、出来上がった補綴物が思っていたのと違うなどの理由でトラブルが起こることも。

ときには、運悪く驚くようなことでクレームをつけられてしまうこともあります。

患者さんとのトラブルが起これば当然、謝罪や説明しなおし、補綴物の作り直しなどで済めばいいですがひどい場合は訴訟に持ち込まれてしまうこともあります。

そうなると当然ストレスになりますし、歯科医師を辞めたいなと思っても仕方がない状況です。

その乗り越え方とは?

自分の説明や確認が不足していたなと思ったり、治療に関しても反省すべき点がある場合は真摯に受け止めて次に生かそうとポジティブに気持ちを切り替えていくことが一番です。

運が悪かったなというような状況であっても、厄落としだと思って切り替えていきましょう。

ちゃんとコミュニケーションが取れていて、治療がうまくいっていればほとんどの患者さんは歯が良くなったことに喜んでくれることで、歯科医師としてのいい面を感じることができます。

お給料が上がらない

歯科医師として働いていても思ったほど給料が上がらないと思うことも辞めたくなる理由に挙がります。

はじめは特に全然お給料ももらえず仕事時間以上に勉強時間も必要でつらい時期もあるでしょう。

お給料というのは働いたことへの対価なので、自分がスキルアップしてるのと同時に上がっていけばやる気が出ます。

反対に上がることがなければやる気がなくなってきてしまうものです。

その乗り越え方とは?

まずは自分のスキルアップです。

治療に関してできることが増えればお給料が上がります。

特に勉強もせずそのまま過ごしていればもちろん上がることもないので積極的に勉強したり、セミナーや勉強会に参加してスキルアップしていきましょう。

自費治療ができるようになれば歩合制度によりお給料が高くなることもあります。

それでもお給料が上がらないようであれば直に交渉してみましょう。

それにも応じてくれない場合は歩合が良い歯科医院への転職も視野に入れてみましょう。

職場環境、人間関係に疲れた

歯科医師の職場環境はとても狭い世界です。

歯科医院の中に一人でも合わない人や場の空気を乱すような人がいる場合毎日仕事をするのが苦痛となるでしょう。

歯科医院内の人間関係を理由に仕事を辞めたくなるということはよくあります。

また、職場への距離が遠く通勤に疲れる、清潔感がなくて居心地が悪いという場合も職場疲れから歯科医師を辞めたくなるということがあるでしょう。

その乗り越え方とは?

まずは、職場の清潔感や雰囲気といった物理的なものならば、清掃やインテリアを変えてみる、アロマを導入するなどといったことで解決されるでしょう。

通勤での疲労の場合は通勤時間の楽しみを見つける、自転車通勤に変えてみるなど通勤への意識を変えてみることや、思い切って近くの歯科医院の転職、逆に歯科医院の近くに引っ越すという解決方法もあります。

人間関係に関しては非常に難しいところです。

人間関係疲れに関してスタッフであれば院長に相談してみるのも良いと思いますが、悩みのタネが院長の場合はどうにもなりません。

人を変えるというのはとても難しいことなので、一番簡単なのは転職することでしょう。

職場環境のせいで自分の仕事まで嫌になってしまうのはとても残念なことです。

少しでも早く解消すると良いでしょう。

プライベートの時間がない

残業や歯科医院での飲み会が多かったり、休日もセミナーに追われてプライベートの時間を確保できない場合も仕事を辞めたくなることがあるでしょう。

ほとんど仕事をしている、職場の人としか会っていない日々が続くと一体と何のために仕事をしているのわからなくなってしまうということも。

歯科医師といえど一人の人間です。

プライベートの時間も持てないと歯科医師としての意義が分からなくなってしまうでしょう。

その乗り越え方とは?

まずは適切な休暇を取ることです。

職場から離れ、仕事のことを考えない時間を作ることがリフレッシュになります。

好きなことをしてすっきりするとまた明日から頑張ろうという気が湧いてきます。

しかし、そもそも休みが取れないという場合はその職場の問題となります。

しっかりと上司に掛け合ってみる、もしくは転職を考えると良いでしょう。

休みを取らないと仕事のパフォーマンスも悪くなりますます仕事が嫌になってきてしまう可能性があります。

歯科医師の仕事自体に興味がわかなくなった

歯科医師の仕事を続けているうちに仕事への興味がなくなってしまう人もいます。

その場合歯科医師として仕事をしていても喜びや楽しみを感じないという人もいますが、ほとんどの人がそれ以上にやるべきこと、興味のあることを見つけいているという理由が多いでしょう。

その乗り越え方とは?

前者の場合は歯科医師としての楽しみや喜びを周りの人に聞いてみるというのもいいと思います。

また、仕事にこれでもかというほど向き合ってみるといいかもしれません。

しかし、一番効果的なのは、逆に他の仕事に目を向けてみると歯科医師のいい点が見つかるという方法かもしれません。

実際に歯科医師としてやる気が出なくて他の求人を見てみたり、バイトをしてみたらやっぱり歯科医師をしたくなったという話を何人か聞いたことがあります。

もし、他の仕事のほうが楽しくて向いていると思った場合も歯科医師の資格がなくなるわけではないので、実はいつでも歯科医師に戻ることはできます。

いろいろ試したけれど、やっぱり辞めたい!辞める前にやっておきたいこととは?

仕事を続けるためにあらゆる方法を考えたり、試してみてもやっぱり辞めたいという場合は職場に早めにお伝えしておきましょう。

同時期に辞めたい人が出て辞めにくくなってしまうこともありますので決めたら早めに伝えましょう。

歯科医院側としても患者さんの引継ぎや求人、シフトの問題などがあるので早めに伝えてもらうと助かるので円満に退職できるでしょう。

また退職の前に自分が雇用保険に入っていたかということやどのような条件で入職していたか歯科医院に確認すると良いでしょう。

入職の際に環境や仕事内容給料は確認しても福利厚生などの条件をしっかり確認せずにいたという歯科医師は多いのです。

また職場を辞める場合はしばらくの生活資金がどのくらい必要出貯金があるか、すぐに違う職場で働いてお給料がもらえるか、など最低限の自分の貯金を確認しましょう。

歯科医師の仕事を辞めた後にはどんな仕事がおすすめ?

歯科医師としての仕事を辞めた後には治療以外の仕事としてはどのような仕事がおすすめか、資格や経験を活かせるのもを紹介します。

歯科医院経営者

歯科医師としての経験を活かして歯科医院経営を行う歯科医師は多くいます。

臨床からは手を引いて歯科医院の経営のみ集中して行っていくというのも経営と治療を両方行うという院長の負担も減るので良いでしょう。

また、歯科医師の資格は持っているので何かという時には治療を行うこともできますし、院内の細かい事情にも精通しているので歯科に関して無知な人か経営を行うより良い収益を出せる可能性があります。

うまくいけば歯科経営に特化したセミナー業を行うこともできます。

セミナー講師

歯科の中で特別専門的に極めたものがあればセミナー講師として仕事をすることができます。

歯科関係の会社が主催してすることもあれば、周りに勉強したいという人がいればその人が主催してセミナーを開くこともあります。

セミナー講師に関しては技術だけではなくカリスマ性、人望が大事なので歯科医師として働いている時点からさまざまな会に顔を出したり人脈を広げておくとよいでしょう。

歯科医師国家試験予備校講師

近年歯科医師国家試験は難易度を増し歯科医師国家試験予備校数も増えてきています。

その分講師の需要も増えてきています。

臨床から離れたい場合や、人に教えるのが好きな人、また自分も浪人経験があり応援したいという思いがある人などが向いているでしょう。

カリスマ講師のような人も沢山いて目立ちますが、個別指導なども需要があります。

歯科関係の企業

歯科材料や歯科治療に使う機器の会社などで研究に関わるのも資格を活かして仕事をする方法の一つです。

研究というと大学病院だけではありません。

大学病院以外で研究に関わり歯科医療に貢献したいという思いがあれば応募してみると良いでしょう。

医療関係の仕事

医療関係の仕事に就くには資格が必要な場合が多いです。

しかし、歯科医師免許を持っていることで学科を免除されたり、少し上の学年からスタートして勉強、資格取得をすることができるものも多くあります。

歯科医師になったもののもっとできることを増やしたい、違う仕事がしたいという場合医療系は少し近道ができそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

歯科医師の仕事にはいい面もありますがもちろん苦労することもあり辞めたいと思うことも少なくないでしょう。

しかし、辞めた後の選択肢を知ることや、辞めたいと思ってしまうのは自分だけではないないと知ることでまた仕事へのやる気が起きる場合もあります。

この記事が歯科医師を辞めたいと思っている方のお役に立ててれば幸いです。



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