行政書士の将来性とは?私が考えるこの仕事をずっとやっていたいと思う4個の理由
行政書士になるためには、難関な国家試験の一つである行政書士試験に合格する必要があります。
しかし同じ法律系国家試験である司法書士試験や弁護士の司法試験に比べると若干難易度は下がります。
行政書士は士業の仕事の一種であり、あまりイメージがないので何かと司法書士とよく間違われたり、司法書士の業務などと比較されたりします。
行政書士の仕事として代表的な分野の中に、官公庁に関する許認可申請を代行または代理する仕事があります。
ちなみに「代行」と「代理」では権限に大きな違いがあります。
例えば、文言の修正が必要な場合、「代行」であればその都度申請者の訂正印が必要になりますが、「代理」の場合であれば申請代理人である行政書士の訂正印で修正が可能となります。
このようにして意外と生活の身近な法律相談パートナーとして存在しているのですが、司法書士や弁護士に比べたら認知度は正直あまり高くありません。
それでも毎年4万人を超える受験生が行政書士の試験に挑んでいます。
行政書士の魅力は一体何なのでしょうか?
行政書士の仕事のやりがいや行政書士をやっている人は、何が楽しくて仕事を続けているのでしょうか?
どれもとても気になる疑問ですし、行政書士を目指す人だけでなく、行政書士の仕事に興味がある人にとっても知りたい内容です。
今回は、行政書士の仕事内容ややりがいだけでなく、行政書士の将来性などについても紹介していきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
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行政書士の仕事内容は?
行政書士の主な仕事内容は、官公庁へ提出する許認可申請の代行・代理です。
官公庁へ提出する個人や法人など許認可申請を必要としている人で「忙しい」、「手続きが複雑だから何をしたら良いのか分からない」など、行政書士が代わりに許認可申請の手続などを代行・代理することです。
行政書士は、許認可申請の代行・代理業以外にコンサルティング業を兼ねている人も多くいます。
開業手続きで許認可申請を作成する際に経営についてやマーケット事情などを経営者にアドバイスしたり、飲食店を開業したい人や企業に対して周辺情報やマーケット事情などをアドバイスしたりします。
代行・代理業を兼ねなくても経営コンサルタントして別で活動しているケースもありますのでコンサルティング業だけの仕事もしています。
ただしこれは、許認可申請の代行・代理業の仕事がなくなってきているわけではありません。
もちろん、許認可申請に対しては時間と手間を要します。
行政書士の仕事として許認可申請代行・代理業は比較的多いのですが、開業する手続きや建設業許可の手続きなど数をこなすとマーケット状況や現在の業界事情などにも精通してきます。
依頼を受けたクライアントの情報は守秘義務があるので明かすことはご法度ですが、マーケット情報などはシェアできるところをシェアすることでコンサルティング業にも活かせるため、行政書士をしながらコンサルティングもこなすケースが増えています。
この仕事をずっとやっていたいと思う4つの理由
行政書士の仕事を続けたいと思う瞬間は様々なところにあります。
行政書士の仕事を考えている人や行政書士の仕事に興味がある人からしたら、とても知りたい内容です。
行政書士の仕事を続けたい理由をここでは紹介していきます。
努力した分自分に還元されること
行政書士の仕事は独立開業して一人で活動していくケースが多いため、クライアント探しなどの活動を一人でこなしていきます。
企業に勤めていると、例えば営業なら業績に応じて給料を貰うことができますが、行政書士の場合、開業後クライアントを獲得したらしただけ報酬に繋がっていきます。
人助けをしている実感を得られる
許認可申請だけでなく、町の身近な法律相談パートナーとしてクライアントから相談を受けたり、複雑な許認可申請を代行または代理して感謝されたりすると「行政書士の仕事をしていて良かったな」と思います。
独立開業して生涯現役ができる
行政書士の仕事は独立開業している人が多く、独立開業して仕事をすると定年がないため、自分で好きなだけ仕事を続けることが可能です。
生涯現役も夢ではないのでやりがいを感じます。
様々な分野の人と知り合いになれる
行政書士の仕事を介してあらゆる分野の仕事に携わることで、様々な分野の人と知り合いになることができます。
人と人の繋がりで仕事を貰えることがありますし、知り合った人の仕事をコンサルティングして事業が軌道にのれば「サポートできた」という実感を感じることができるため、仕事が楽しく思えてきます。
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でも、行政書士って大変なところも・・・。
行政書士を続けていきたい理由を紹介しました。
しかし、行政書士は、簡単な仕事ではありません。
独立開業できると言えど、雇われる身とは違い、経営者として生活していくために生活費を稼がなければなりません。
雇われていると仕事の内容は制限できますし、人に頼ることもできます。
しかし、一度行政書士として独立開業したら人に頼ることができません。
ここでは、行政書士として大変なところについてまとめてみました。
クライアントを確保すること
行政書士として独立開業して一番大変なことの一つはクライアントを確保することです。
独立開業した行政書士の初年度は、そのほとんどが「クライアントがいない」もしくは「クライアントを思うように確保できていない」というところから始まります。
行政書士として稼げるか稼げないかというと稼ぐことは可能ですが、やはりそれ相応の努力や工夫が必要になってきます。
クライアントが相談に来るようになってきたとしても、実際に仕事の依頼を貰えるなければ報酬には繋がっていきません。
行政書士の本業以外でクライアントを確保するために努力や工夫しなければいけないところはとても大変なことですし、何よりクライアントが確保できなければ生活が大変になるため、行政書士として辛いポイントになります。
行政書士開業後の初年度は、SNSやHPの立ち上げ、広告を打ち出すことや何かしら宣伝・広告活動に尽力していきます。
行政書士になったのに営業のような仕事をしなければならないので安定的にクライアントを確保するまではとても大変で辛く感じます。
改正される法律に対応し続けること
行政書士の現在の主な仕事の一つとして、許認可申請に対しての手続きや必要書類の作成代行・代理であります。
法律に関する仕事といっても、当事者間で争いがあるなどの係争事案は弁護士や司法書士の仕事であるため、行政書士が携われる部分は限定的になります。
しかし、行政法や法律の法改正は定期的に発生するため、行政書士として常にチェックしなければなりません。
会社に勤務していると総務部などから法改正などの知らせを受けとることができますが、独立開業している場合は誰も教えてくれませんので自分で情報収集しなければなりません。
仕事をしながら定期的に法改正などで手続き方法が変わっていないかなどをチェックしなければならないことは容易ではありません。
仕事上のコミュニケーション
行政書士の仕事は、独立開業していると一人で仕事をするイメージがあるかもしれません。
実際に上司や同僚などはいませんし、職場は自分が決めるので自宅や事務所を借りて開業しても問題ありません。
しかし、だからといって仕事上のコミュニケーションがないわけではありません。
官公庁へ許認可申請の手続を代行または代理するため、官公庁関連の人とのコミュニケーションが発生しますし、交通事故の示談や遺産相続などのケースは弁護士や司法書士とコミュニケーションしながら仕事を進めることになります。
しかし、弁護士や司法書士も個人商店なので人のことを気遣ってくれる人ばかりではありません。
中には高圧的に命令してくる人や否定してくる人もいます。
それでも仕事がないことには行政書士として活動していくことは難しいため、このような辛い仕事上のコミュニケーションもこなしていかなければなりません。
行政書士の将来性とは?
行政書士の将来性については、「AIにとって代わられる仕事」とか「マイナンバー導入に伴い、手続きの簡素化で仕事がなくなるのではないか」と言われています。
行政書士の仕事は確かに弁護士のように裁判や訴訟に関する業務をすることができないため、このような係争事案は弁護士や司法書士が取り扱います。
しかし、行政書士は現在遺産分配などの遺産相続分野で仕事をすることができるようになりましたし、交通事故の示談書作成などに関する仕事にも携われるようになりました。
裁判はできないものの身近な町の法律相談パートナーとして行政書士に相談してトラブルを未然に防ぐよう努めることも可能になってきたので、今後、予防法務実務家としての行政書士に対するニーズは高まる可能性は充分にあります。
実際、行政書士の仕事で今後どのような分野の仕事に将来性があり、行政書士としてまだまだ活躍できる分野であるのかは、これから行政書士を目指す人や行政書士の仕事に興味がある人からしたらとても気になるところです。
行政書士の将来性について、もう少し詳しく紹介していきます。
民泊関連分野
数年前に海外から大手民泊マッチングサイトが日本へ市場参入し、民泊マッチングサービスを開始したことで日本人より海外から来た訪日客の利用が爆発的に増え、大きな社会問題となったことは記憶に新しいことでしょう。
2015年11月には民泊に対しての法整備が検討され、2016年4月には旅館業法の改正があり、訪日客を呼び込む手段として民泊を容認する流れになりました。
現在もホテル不足やホテル価格の高騰に伴い、民泊を利用する外国人だけでなく日本人も増えてきています。
昨年2018年に住宅宿泊事業法が施行予定とされ、開業までの手続が更に複雑化されてきています。
そのため、民泊市場に参入したい企業や個人にとって手続きに時間と手間がかかることが懸念されています。
そのため、行政書士にとってはこの分野が新たな活躍の場として期待できますし、これからますますオリンピックや大阪万博などに向けて注目を集めそうです。
株式会社手続き関連
ここ数年、働き方改革や大手企業への就職が永久就職でなくなったこと、副業を認める流れが積極的になったことだけでなく、若い世代のベンチャーブームも手伝って株式会社を設立するケースが増えてきています。
企業の新規立ち上げには株式会社設立に関する許認可申請が必要になりますし、将来的に株式公開や事業売却などを視野に入れてベンチャーを立ち上げる若者などからすると手続きに手間と時間をかけるなら委託したほうが良いと考える人が多く、行政書士への依頼が増える可能性を秘めています。
今までは良い大学を卒業して良い会社に就職するのが流れでしたが、今はネットなどが発達しているため、どれだけ若くして起業するかがトレンドになりつつあります。
起業する人が増えると行政書士の活躍の場が増えるので、将来性は期待できます。
ドローン関連
ドローンは今後行政書士の仕事に繋がる分野と言えます。
ドローンは今や撮影現場や建設現場で実際に活躍し始めていること、今後災害現場などの活動にも活躍が期待されていることなどから、様々な企業の中で取り組まれてきています。
ただし、2015年12月に航空法が改正され、ドローンの飛行には制限が設けられました。
例えば、2015年以前は好き勝手に飛ばせたドローンですが、現在は200g以上のドローンを飛ばすためには地方航空局へ申請し、許可を得なければなりません。
また、地方航空局だけでなく、管轄する警察へも道路使用許可などの申請が必要になります。
最近は自治体においても条例を制定するなど、ドローンの使用を独自に制限している場合があります。
ドローンは今後ニーズが増えるであろう可能性は高まっていますが、比例するように許可申請の手続が必要になってきています。
許可申請が必要になればなるほど行政書士のニーズは高まりますので今後ますます行政書士の活躍の場が広がる分野として期待できそうです。
医療関連
医療関連の手続きは、今も複雑で時間と手間がかかります。
もちろん、この業界は仕事がなくなることや景気に大きく左右されることの少ない業界です。
人の命に関わる仕事ですし、病原菌やウィルスは常に進化していきます。
それに伴い、薬なども進化させていかなければなりません。
新薬開発に伴い許可手続きが必要ですし、医療分野の許可手続きには多大な労力を必要とする手続きもあります。
医療関連分野はまだまだ行政書士の活躍が安定的に見込める分野と言えます。
まとめ
巷では、行政書士の将来性はないと言われています。
それは、今までの手続きがマイナンバー制の導入やオンラインを用いての手続きの簡素化などにより、行政書士の主な仕事とされてきた官公庁への許可申請の手続がどんどん簡素化され、行政書士を介さなくても申請しやすくなってきているからです。
今まで行政書士を介していたのが個人や企業で簡単にできてしまうと、確かに行政書士の出番は少なくなるかもしれません。
しかし、まだまだ行政書士がこれから活躍できる分野はあります。
加えて、行政書士のメインの仕事である手続代行だけでなく、コンサルティングや他の資格を組み合わせていくことでまだまだ将来性は充分にあります。
とは言え、今までの行政書士では将来性があまり見込めないかもしれませんので、今後行政書士を目指す人は、行政書士プラスαとなる何か自分なりの強みを身につけておくことをおすすめします。
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