証券会社の仕事といえばどんなものが思いつきますか?

一番身近なのは営業職ですよね。

新卒で入社するとほとんどの社員が営業職に配属されます。

でも、営業職以外にもたくさんの職種があることをご存知でしょうか。

今回はその営業職も含め、証券会社の仕事内容について実際に証券会社に勤めていた私がご紹介します!

証券会社の仕事は大きく3個の役割に分けられる

証券会社には様々な仕事があります。

人事や総務などのバックオフィスや社内のサポート業務ももちろんありますが、今回は証券会社独自の仕事についてざっくりと分けて説明していきます。

リテール部門の仕事

個人の投資家を対象に金融商品の販売を行います。

営業職がこの部門にあたります。

一般のお客様にとっても一番身近な仕事ですね。

リサーチ部門の仕事

経済や株式や債券について分析・調査を行う専門的な仕事です。

企業ごとの個別の分析や業界の見通し、今後の予想などを発信します。

リサーチ部門の調査結果は会社内の各部門やお客様に提供され、取引の指針とされます。

投資銀行部門の仕事

企業が資金調達のために行う株式や債券を発行をサポートしたり、企業同士の合併や買収(M&A)、新規株式発行(IPO)のサポートを行います。

リテール部門の2個の業務

営業職が在籍するリテール部門。

新卒で入社するとほとんどがこのリテール部門の営業職に配属されます。

こちらではどんな仕事をするのでしょうか?

新規開拓

新しくお客様を獲得する業務です。

入社すると最初はお客様がまったくいない状態ですので、まずはこの新規開拓をして自分のお客様を作っていくことから始まります。

対象は企業の社長や役員など富裕層のお客様。

企業に飛び込み訪問したり電話をかけて営業を行います。

訪問の場合、多くは担当のエリアを振り分けられ、エリアの端から端まで、ビルの下から上まで繰り返し飛び込んでいきます。

電話での営業では会社から渡されるリストなどを参考に企業を対象に電話をかけ、アポイントをとって訪問します。

なかなか社長に会えませんし、たった一度会っただけで取引につながることはほとんどありませんが、繰り返し粘り強く訪問することで取引につながるととても達成感があります。

また、「自ら開拓したお客様」はその後の営業生活でとても大切な存在になります。

私も新卒のときに新規開拓した多くのお客様が何年も後まで困ったときに支えてくれました。

金融商品の販売

証券会社で扱う金融商品とは、国内外の株式や債券、投資信託、保険などです。

取り扱う商品は幅広いですが、実際に販売する商品は会社から指定されることが多いです。

個別に見ていきましょう。

株式

日本株、外国株どちらも扱います。

株式については特にどの株を販売するか指定されることは少なく、比較的自由にお客様に提案できるので営業員としてもおもしろみのある商品です。

収益となる手数料が低めなのであまり株式ばかり売っていくわけにもいきませんが、やはり証券会社に入ったからには株式の取引をしたいですよね。

債券

国債、地方債、社債、外国債などがあります。

日本円建ての債券はリスクが低くこちらから提案しなくても売れてしまいます。

投資経験がない方でもチャレンジしやすく、日本円の債券をきっかけに新規開拓ができることも多いですよ。

営業員が積極的に提案するよう指定されるのは外貨建ての債券、外国債です。

米ドルや豪ドル、ニュージーランドドル、南アフリカランド、トルコリラなど様々な外貨の債券が発行され、引き受けるごとにノルマが課されますので担当しているお客様に提案します。

投資信託

投資信託はすでに販売済みのものだけでも百種類以上ありますが、さらに毎月のように新商品が出ます。

新商品が出るとその商品ごとに営業員にノルマが課されます。

商品ごとのノルマや、どの投資信託でもいいからいくら分売りなさいというノルマが課されることも多くあります。

保険

証券会社でも保険を販売しているのはご存知ですか?

実は年金保険などの保険を取り扱っています。

株式や債券、投資信託と比べて積極的に販売するわけではありませんが、販売がやや難しく、証券会社の収益となる手数料も高いため契約できるとかなり評価されます。

営業員の朝ははやく、株式相場が始まる朝9時までにその日の相場がどうなるかの予測をしたり、どんな商品の提案を行ってどれくらい成約するかの目標設定をします。

その他新聞を読んだり、夜間に動いている海外の相場についてニュースや社内のレポートを見て把握したり、始業前の準備がたくさんあります。

基本的には始業時間までに出社すればよいのですが、朝早く7時くらいに出勤している社員もいます。

私も朝は家で新聞とニュースを確認したらできるだけはやく出勤してレポートを確認したり、先輩に今日のおすすめの株などを聞いて準備していました。

始業後は朝の会議を経て、相場が始まるまで待ちます。

9時に相場が始まると営業員は一斉に電話を始め、社内はにぎやかになります。

リサーチ部門の2個の業務

アナリスト業務

証券アナリストという業務は聞いたことはありますか?

国内外の上場企業の動向や収益、財務状況などを分析して株価の方向性や今後の値動き、金融の先行きを予測する業務です。

この予測はレポートなどでお客様や社内に向けて広く公表されます。

このレポートをもとに投資を行うお客様も多いので、世の中全体に向けて影響力のある業務です。

証券会社の営業員も業務の前にアナリストが発行したレポートを見てからその日の株や為替の動きを考え、その日に提案する商品や株式の予定を立てているんですよ。

レポートには夜間に動いていた海外の相場や為替、企業の動向など常に最新の情報が記載されています。

その日一日の動きから、1週間後、何年後など長期的な目線のレポートも発行されており、どの部門からでもいつでも閲覧できるようになっています。

特定の株式を長期保有目的で販売したいときなどは、個別の株式に関するレポートを探してお客様に渡したりもしていました。

投資戦略業務

収集した情報や調査結果をもとに、機関投資家向けに投資のための戦略を提案する業務です。

機関投資家とは、組合や金融機関など大口の資金で運用を行う投資家のことで、リテール部門の営業員とは提案方法が異なります。

より詳細な情報をもってどのような投資を行うか提案を行う専門的な業務です。

投資銀行部門の3個の業務

企業の資金調達のサポート

企業が資金を調達する方法のひとつとして、「市場から資金を集める」という方法があります。

株式市場で新たに株式や債券を発行し、投資家に買ってもらうことで資金を集める手法です。

この投資家に買ってもらうために広く販売を行うのが証券会社の業務のひとつ。

この全体的な流れや株式・債券の引き受けを行うなどのサポートを行います。

この投資銀行部門で引き受けた株式や債券はリテール部門の営業員などが広くお客様に販売します。

企業同士の合併や買収(M&A)のサポート

合併と聞くと企業同士が話し合って行うものというイメージがあるかもしれません。

実はここでも証券会社が活躍しているのです。

証券会社は、得意分野である資金調達や調査の能力を活かし、合併や買収、業務提携など企業に向けて様々なアドバイスを行います。

新規株式公開(IPO)のサポート

新規株式公開(IPO)は未上場会社が初めて東証などの証券市場に上場するときに投資家向けに発行される株式のことです。

◯◯会社が上場する、と聞くとその株を買いたいと思う人もいるでしょう。

このときどこから買うのかと言うと、それは証券会社です。

IPOの主幹事や幹事になっている証券会社からしか購入することができません。

こちらの部門では企業が自社の株式を公開するためのサポートを行います。

公開する株式を引き受けて投資家に販売するのはリテール部門の営業員の仕事です。

証券会社のやりがいや面白いポイントとは?

ざっくりと証券会社の業務内容について説明してきました。

少し特殊な業務に感じた方もいるかもしれませんが、特殊だからこそ他の会社にはないやりがいや面白いポイントがあります!

証券会社の仕事のやりがいとは?

大きな金額を動かせる

証券会社で扱う金額は最低でも百万円単位。

数千万円の取引や、大口になれば数億円ものお金を扱うことになります。

数千万円での取引の提案をするのは緊張しますが、自分で考え、自分で行った提案で大きな金額を動かすことはとてもやりがいを感じます。

しかもこれは個人のお客様を対象にしたリテール部門での話です。

投資銀行部門などの専門的な職種になれば金額はもっと増え、大規模な案件を任せてもらえるようになるでしょう。

富裕層や経営者など、通常なら会えないような人たちと簡単に会える。

急に会社に訪問して「社長に会わせてください!」なんて言えるのは証券会社の営業員くらいです。

普通の会社であれば自分の会社の社長にすら会ったことがない人も多いのではないでしょうか。

他の会社の社長ともなれば、かなりの立場にならない限り会う機会はないと思います。

それだけ新卒で会社に入ったばかりの若者が社長や役員、富裕層の人たちと会えることは特別なことなのです。

考え方や人生経験、投資の仕方などこちらが勉強させてもらうことばかりです。

また、立場のある方と話をすることに慣れてくるとどんな場面にも動じない精神力が身につきますよ。

成果に対する評価がわかりやすい

大きな案件を成約したら当然評価してほしいですよね。

評価の方法は会社や業界によって昇進や昇級、インセンティブなど色々ありますが、証券会社では「インセンティブ」ではっきりと評価されます。

このインセンティブは会社にもよりますが、「月単位の特別支給」「ボーナスに上乗せ」「賞受賞に伴う支給」などがあります。

もし高成績が続けば他の社員に比べて高いボーナス、月間賞の賞金、年間賞の賞金…と基本給からは比べ物にならないほどの賞与をもらうことができます!

私も入社1年目に年間新人賞を受賞しましたが、ボーナスと賞金でこれまでの苦労も辛さも吹っ飛びました。

数字で評価され、その評価が賞与で自分に返ってくるというのはとてもわかりやすいです。

証券会社では「頑張って成果をあげているのに評価されない」ということがないのです。

証券会社の面白いポイントは?

成長できる

証券会社の仕事では、日々変動する経済や相場に対応するために毎日勉強や情報収集が欠かせません。

毎日新聞を読み、ニュースを見て情報を仕入れます。

今何が起きているかだけでなく、過去と現在、今後の見通しまで自分で話せるようにしないとお客様へ説得力を持たせることはできません。

しかしこの勉強や情報収集は受験勉強のように机に向かってじっくりやるようなものではなく、毎日の業務に中で自然と身についていくことなのです。

証券会社の仕事をしていれば自然と日々学ぶことができ、気がつけば周囲の友人たちよりもずっとはやいペースで成長できていると気づくと思います。

学んだことがリアルタイムで活きる

朝仕入れた情報がそのままその日の業務に活きます。

新聞記事を見て「この株が今日上がりそう」と思ったらそのままお客様に提案します。

知ったことや考えたこと、調査したことがすぐに業務に使えてわかりやすく成果に繋がると仕事自体がとても楽しく感じますよ。

まとめ

いかがでしょうか?

証券会社の業務についてまとめると、営業員の在籍するリテール部門、調査を行うリサーチ部門、企業の資金調達のサポートをする投資銀行部門の3つです。

リテール部門は採用人数も多く、どんな方でもチャレンジしやすい業務になりますが、残りのリサーチ部門、投資銀行部門は専門性が高く、学生時代にある程度特定の学部で基礎的な勉強をしていたり、大学院で勉強をしておく必要があります。

リテール部門からその他の部門に異動していく道もないわけではありませんが少し遠回りかもしれません。

もしこのふたつの業務を目指してみたいという方は、目指す会社を調べて、早めに必要な経験について確認しておくことをおすすめします。

証券会社はどの業務もやりがいがあり、とても成長できるものばかりです。

ぜひこれを機に証券会社に興味を持ってみてくださいね!

証券会社の仕事が向いている人の特徴は、こちらの記事を参考に!


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