証券会社を辞めたい…と感じた6個の理由と乗り越え方
証券会社の求人と言うと「営業職」のイメージが強いですよね。
新卒で入社すると、初めはほとんどが営業職への配属になります。
しかし、中途採用の求人は営業職ばかりではありません。
実は各金融商品の部門やサポート部門、SEや広告部門など様々な求人があるのです。
未経験でチャレンジできる職種や、これまでの経験・スキルを活かせる求人もあります。
証券会社で営業経験を積みその経験や知識を活かして営業以外でも活躍したい方も、他の業界で働いていて証券会社に興味がある方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
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証券会社の大まかな仕事内容
証券会社の主な業務は大きく分けて四つあります。
- ①ブローカー業務:お客様の株や債券の売買注文の取次
- ②ディーリング業務:会社の資金で株式などを売買して利益を出す
- ③アンダーライター業務:発行される株式や債券を引き受けてお客様に販売し売れ残りは引き取る
- ④セリング業務:新たに発行や売り出しされた株式や債券をお客様に販売する
証券会社は投資家と市場を繋いだり企業と投資家を繋いだりすることで、投資家と投資家を結ぶ役割を担っています。
仕事内容としては、営業の他、商品開発や調査を行う業務、コンプライアンス関連の業務、総務や人事などのバックオフィスや会社自体の広報を行う業務など、様々な業務があります。
証券会社の募集でよくある職種
実際に求人が出ている職種には、どのようなものがあるのでしょうか?
今まさに求人が出ている職種をまとめてみました。
営業職
やはりこちらが一番多いですね。
お客様に金融商品を提案・販売を行う業務です。
社内SE
ネット証券での募集が多く見受けられました。
自社サービスの開発・運用に携わる業務です。
金融商品の企画・マーケティング
株式などの金融商品の販売促進を行ったり、キャンペーンやセミナーなどの企画を行う業務です。
法務・経理・コンプライアンス担当
求人数は少ないですが、支店もしくは本店にて法務や経理の業務を行います。
証券会社では特に高いコンプライアンス意識が求められていますので、コンプライアンス専任の担当者の募集もあります。
サポート業務
各業務のサポートです。
データ入力や資料作成などを行います。
コールセンター業務
お客様からの電話対応をします。
株価の照会や金融商品の受発注、資料送付や住所変更などの各種手続きを行います。
その証券会社との直接雇用ではなく、コールセンター業務を委託されている会社との雇用契約になる場合もあります。
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証券会社でよくある募集内容とは?
様々な職種での求人がありましたが、具体的に募集内容はどのようなものがあるのでしょうか。
給与の相場や勤務時間、求められる人物像などをまとめました。
給与相場
これは職種や経験、スキルによって実際に提示される年収に差がありますので参考程度の各求人の給与相場を記載します。
営業職であれば年収400万円~900万円程度が相場です。
20代の若手であれば400万円程の提示が多いでしょう。
実際には前職での経験や、その経験がこれからの業務にどれだけ活きてくるか、あなたへの期待値などで提示される年収が異なります。
その他の職種では、社内SEでは500万円~800万円、金融商品の企画・マーケティングでは450万円~900万円、法務・経理・コンプライアンス担当は300万円~650万円、サポート業務やコールセンター業務は派遣やパート・アルバイトでの採用が多く、都内であれば時給1,400円~1,950円程度が相場になるようです。
証券会社の給料については、こちらの記事も参考に!
勤務時間や休日、残業
基本的に証券市場が動いている平日のみ勤務となり、土日祝日、年末年始はお休みとなることが多いです。
ただしコールセンター業務はお客様の手続きの関係上、土日も営業しています。
残業はどちらかと言うと多い方ですが、会社によっては19時以降の勤務を一切禁止し最低限の残業しかできないようにしている会社もあります。
入社するときにはよく確認することをおすすめします。
福利厚生
通勤手当、残業手当、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険など一通りの福利厚生は揃っています。
その他、営業手当や資格手当、財形貯蓄、持株会、社宅、福利厚生施設などがある会社もあります。
証券会社には歴史の古い会社が多く、従業員に対する手当が充実していることが特徴です。
勤務場所
社内SEや商品開発・マーケティング部門などは本社での勤務がほとんどです。
営業や総務・サポートは各支店、コールセンターは別途コールセンター専用のオフィスで働くこともあります。
支店の規模も様々で、30人程度の少人数の支店から、営業員だけで100名以上いる大規模の支店まであります。
求められる人物像
証券会社の求人で求められている人物像とは、どのようなものでしょうか?
職種によって様々ですが、総じて下記のような人が求められています。
常に変動し続ける相場や状況に応じて柔軟に行動ができる人
証券市場は常に変動し続けます。
想定外の動きをすることも頻繁にあり、予定とは異なる状態に身を置かれることは多々あります。
どんな状況になっても、素早く判断し対応できる柔軟な姿勢が必要です。
常に勉強し続ける力がある人
変動する相場に対応するには、常に新しい情報をキャッチする必要があります。
しかし新しい情報だけを得ていても最適な判断はできません。
過去のことを学び、現在起きていることを分析し、将来どうなるかを予測する。
この三つができて初めて最適な判断ができるのです。
そのためには常に勉強し続けなければなりません。
ここで言う勉強とは、テスト勉強のようなものではなく、新聞や経済誌を読んだりニュースを見たり社内で発行されるレポートを読むことです。
最初は何も分からなくても、毎日続けることで自然と知識が蓄積され、徐々にどんな状況でも対応できるようになります。
大切なのは、怠らずに毎日勉強を続ける姿勢です。
証券会社では勉強したことがすぐに業務の役に立つので、やりがいがありますよ。
コミュニケーション能力がある人
営業や窓口、コールセンターの業務ではお客様と深く接します。
お金を扱う業務ですので、相手から信頼を得られるような高いコミュニケーション能力が必要です。
特に営業は、お客様からの要望に応えるだけではなく、会話の中から隠れたニーズまで掘り起こしていきます。
商品ありきで提案することもありますが、「この商品どうですか?」と言うだけではなかなか大きな成約には結び付きません。
お客様のニーズと取り扱っている商品とを結びつけて提案することで、大きな金額でも成約することができるのです。
そのためにも、高いコミュニケーション能力が求められます。
社内・社外において対人折衝能力のある人
営業はもちろん、その他の職種においても折衝力が求められます。
それは、社内の別の部署と協力しながら進める業務が多いからです。
別々の業務を行う部署同士で互いに協力しながら円滑に業務を行うためには、互いのメリットを上手く伝え、協力してもらうための交渉が必要です。
責任をもって目標達成に取り組むことができる人
どの職種においても、目標達成のために責任感を持って取り組む力を強く求められます。
営業職では到底達成できないと思われるようなノルマであっても、私の職場では基本的に9割以上の人が必ず達成しています。
どの社員も目標を必ず達成するということに全力を注いで業務にあたっているのです。
自分で考えて行動できる人
証券会社の業務ではあまり細かく指示されることは少ないです。
与えられた目標やゴールに向かってどのように動いていくかは自分次第です。
自ら考え工夫して動いていきます。
逆に言えば、会社に縛られずに自由な発想で業務に取り組むことができるのです。
必要なスキルや資格、経験
資格
証券会社で業務を行う場合は証券外務員一種・二種の資格が必要となります。
入社後の取得でも良いとされている会社もありますが、基本的にある方が好ましいです。
営業であればFPなどの資格があれば尚有利です。
経験
職種にもよりますが、証券会社での勤務経験やその職種に関わる経験が必要な求人は多いです。
自分で実際に株式の取引やFXの取引の経験がある人を求める求人もあります。
お客様の個人情報を扱う業務が多いので、高いコンプライアンス意識も求められます。
未経験でチャレンジできる求人もありますが、専門的な職種であればあるほど経験を求める傾向があります。
証券会社の求人の押さえておきたいポイント
同じ職種でも多くの求人があります。
特にあまり聞いたことのない会社だと、何をポイントに見ればいいのか分かりませんよね。
せっかく応募しても求人の見方が悪かったために通過できなかったり、面接を受けてみたものの思っていた内容と違った、という無駄撃ちになってしまうこともあります。
そうならないためにも、求人を見るときのポイントをご紹介します。
給与の幅を見る
給与は大体400万円~900万円などとかなり幅を持たせた書き方をされていることも多いです。
これは応募してきた方のスキルに応じて提示されるので仕方のない部分ですが、大切なのはこの最低額の400万円の部分です。
企業としては、よりレベルの高い方が採用できれば良いけども、400万円の年収を提示するくらいの人のレベルの人から採用は可能と考えているということです。
逆に800万円~1000万円の年収の求人なら、確実に高いレベルを求めています。
給与は今の自分の年収やスキルに応じて決まりますが、基本的には今の年収から数百万円単位で上がることは考えにくいです。
自分の今の給与がその年収の幅の中に当てはまるようなら、あなたの応募できる範囲の求人であるということになります。
業務内容から自分がチャレンジできる求人か想像する
求人には業務内容が書いてありますので、こちらをよく読んでみましょう。
経験のある職種であればある程度の業務内容がイメージできると思います。
あなたの思い描く業務ができるか確認しましょう。
前職から転職したいと考えた理由が何だったのかも重要なポイントです。
例えば営業で新規開拓が嫌で転職するなら、新規開拓はないと書いてあるか…等ですね。
未経験OKと書いてありながら、実際に現場に出ながら業務を覚えていくOJTのタイプの教育と記載されている求人であれば、最初は少し大変かもしれません。
中途採用の場合はあまり教育制度が整っていない会社も多く、丁寧な教育を期待する場合はそのように記載している求人を探したり、教育制度について面接時に質問してみると良いでしょう。
業務内容と給料に乖離があるようなら避ける
業務内容が簡単そうなのにも関わらず給料が明らかに高い場合は避けた方が良いです。
求人に書かれていない内容の業務があったり、実は非常にハードで離職率が高いために高い給料で求職者を大量に募集しているという可能性があります。
必須条件と歓迎条件の見方
必須条件とは必ず必要な資格・経験で、歓迎条件は「あれば尚良い」とされている資格・経験です。
実際に採用を行うときにはもちろんこの歓迎条件まで揃っている人の方が採用されやすいですが、揃っていなくても採用はされます。
求人を見るときの歓迎条件は「実際に入社したら業務の中でこういう資格・経験が必要になってくるんだな」という視点で見て、業務の参考にしてください。
各種手当や福利厚生の記載が詳しい
証券会社は歴史が長い会社が多く、その場合は各種手当や福利厚生が充実している会社がほとんどです。
詳しく記載されていればいるほど従業員に対する手当が充実していると言え、長く働きやすい会社とも言えます。
年間休日が120日程度ある
ほとんどの求人には年間休日が記載されています。
しかし、どれくらいが多くてどれくらいだと少ないかよく分かりませんよね。
土日祝日が休みでGWやお盆休みなど一通りの長期連休が揃っている会社の年間休日は120日程度です。
120日くらいあれば、しっかり休日が取れる会社だと判断できます。
証券会社の雇用形態による違い
証券会社には正社員・契約社員・アルバイト/パート・派遣社員という雇用形態があります。
どの会社でも同じですが、任せられる仕事の責任の量は概ね正社員>契約社員>派遣社員・アルバイト/パートの順に少なくなっていきます。
自分に合った証券会社の求人の選び方や注意点
証券会社には職種、雇用形態など様々な求人があります。
どのような観点から選ぶのが良いでしょうか。
いくつか選び方をご紹介します。
【選び方①】雇用形態から探す
雇用形態には正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト/パートがあります。
責任や任せられる仕事の量、ノルマの有無などが異なりますので、自分の希望する働き方にあった雇用形態を選びましょう。
【選び方②】職種から探す
職種も様々です。
これまでの経験や知識、スキルが活かせる職種から探してみましょう。
【選び方③】会社の業態から考える
証券会社には銀行系、独立系、ネット証券などがあります。
証券会社としての歴史のある会社が良ければ独立系、銀行など多方面との結びつきのある会社が良ければ銀行系、新しいサービスやチャレンジ精神のある会社が良ければネット証券が良いでしょう。
【選び方④】給与や雇用条件から考える
給与も求人・会社によって異なります。
自分のスキルを評価し最大限の給与を提示してくれる求人を探しましょう。
【選び方⑤】エリアから考える
証券会社は全国各地に支店があることが多く、ほとんどは転勤を伴います。
地域に根差した証券会社が良ければその地域の証券会社を選んだり、移動のない職種から選ぶのも良いでしょう。
【選び方⑥】好きな会社から考える
実際に使ったことのある会社であれば馴染みもありますよね。
好きな会社から考えるというのも一つのきっかけです。
注意点
選び方を六つ紹介しましたが、注意してほしいのは「会社の知名度」だけで選んでしまうことです。
知名度のある会社は応募してくる求職者も多く倍率が高いということもありますが、一番は「知名度の高い会社」=「良い会社」とは限らないからです。
あなたにとって良い会社を見つけるために、広い視野を持って求人を探してください。
証券会社についてよくある疑問
ノルマがキツそう
営業は毎月ノルマが課されます。
確かに簡単ではないノルマですが、しっかりこなしていくことで高い営業力がつきます。
周りの社員も目標達成の意志が強いので、高いモチベーションの中で仕事ができますよ。
残業が多そう
会社、職種によっては残業が多いこともあります。
会社によっては必ず19時までには退社するよう義務付けられている場合もあり、大手であればあるほどしっかり管理されています。
高い給料が貰えそう
職種によりますが、営業はインセンティブの要素が強く、成果が上がれば上がるほど多くの給料が貰えます。
30代で1000万円貰っている営業員が支店に何人もいますよ。
そうでなくても、他の業種に比べて証券会社の給料は平均的に高めです。
まとめ
証券会社には職種・雇用形態含め幅広い求人があることがお分かりいただけたでしょうか。
営業だけでなく、証券会社の社員として働く方法は沢山あります。
転職を考えている方は、ぜひ証券会社も視野に入れてみてください。
とても刺激的で、短期間でも大きく成長できますよ。
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証券会社を辞めたい…と感じた6個の理由と乗り越え方
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証券会社の年収は、どのようなイメージでしょうか。年収が高そう!という意見が多いですよね。これから証券会社に入社してみようと思っている方は、「実際のところ」どれくらいお給料が貰えるのかということが気になっていると思います。年代や会社にもよりますが、30代で年収1000万円を超えるという噂もあります。しかしこれは、固定給ではなく賞与が大きく影響しているのです。証券会社は固定給よりも賞与の比重が高く、本人の成果に応じた年収になるので、年代別の平均年収などを見てもあまり参考にならず、実際に自分がどれくらい給与が貰えるのかイメージがしづらいです。賞与についても、どういったところが評価されてどう付与される
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