2020年7月6日

外資系企業=給料が高い!というイメージはありませんか?

このイメージは間違ってはいないのですが、正確に言えば「非常に高い給料をもらえるチャンスがある!」ということになります。

どういったことなのか、今回は外資系企業における年収相場をテーマに、外資系企業の報酬面での待遇や注意点などについて解説をしたいと思います。

給料は高いには高いけれども、そこには表からでは分かりづらい背景があってのこと。

ということで、なぜ外資系企業の給料が高いのかについて今回は解説をします!

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外資系の給料はなぜ高いのか?

外資系企業における給料の相場について解説をする前に、そもそもの話である「なぜ給料が高いのか?」ということについて解説をします。

それはズバリ「絶対的成果主義」だからです!

簡単に言えば「やったらやった分だけもらえる」世界だからです。

そして、その反対も、もちろん存在していて、「ダメだったら減給、契約更新なし」という非常にシビアな世界です。

イメージとしては、プロ野球選手に代表されるようなプロスポーツの世界と似ています。

つまり、高い給料をもらえる背景には、同じくらいに非常に高いノルマが設定されているということになるので、高い給料をもらえばもらうほど、仕事はその分ハードになっていくということを理解しておく必要があります。

外資系企業の給料の相場はどのくらい?

正社員で新卒入社した場合

新卒社員の初任給ですが、外資系企業の場合でも日本企業と比べて、そこまで高いということはありません。

前述の通り、高い給料を生み出しているベースとなっているものは「高い成果・実績」になります。

新卒社員は基本的には研修やトレーニングなどの教育を受ける期間が長いために、与えられる業務やノルマなどが低く設定されるのが一般的です。

「働かざるもの食うべからず!」ではありませんが、担当業務がない新卒社員に高い報酬が支払われるというケースはありません。

業種によっても異なりますが、大手外資系企業の新卒社員の年収は、一般的に400万円~450万円というのが目安となります。

中には650万円という人もいますが、新卒社員という括りではほんの一握りです。

正社員で転職した場合

中途社員の場合ですが、年収については個人差が非常に大きなものになります。

これは、先ほど説明した「成果主義」がもろに反映され、年収額に影響をするからです。

外資系企業にも、社内で格付けされているグレード(社員等級)によってベース給(基本給)は存在しますが、その多くは、日本企業と比べると非常に低く設定され、「インセンティブ」と呼ばれる成績に応じて変動するボーナスによって年収が大きく変化する給与体系を採用しています。

また、グレードについても、成績に応じて上下するものになるので、成績が良ければ上がり、反対に成績が悪ければ降格することもあるのが、日本企業と異なる点になります。

大手外資系30代社員の平均年収は約700万円(Tech総研調べ)というアンケート調査結果も出ていますが、これはベース給にインセンティブが含まれた合計年収となります。

インセンティブについては成績に応じて天井ナシというのが多くの外資系企業で採られている方式です。

年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?

賞与

賞与=インセンティブが非常に重要な要素になっており、この部分こそが、外資系企業の高収入の秘密です。

このインセンティブに関しては、設定される年間のノルマに会社が設定した査定に関わる係数を掛け合わせて算出される仕組みになります。

つまり、より高いノルマを達成すれば、その分高い報酬を手にすることができることになるので、実績が少ない社員の場合には、高いノルマを与えてもらえないため、高い報酬を手にできるチャンスが少なくなることになります。

常に高い実績を出し続けて、ノルマを高い水準で達成し続けることが、年収を高くしていく手段となるのですが、ノルマが高くなるということは、自然と業務量も増えていくことを意味しますので、高い報酬を手にするためにはハードワークが欠かせないということになります。

昇給

日本企業のような年次昇給の仕組みは、多くの外資系企業では採用されておらず、こちらも成績に応じたグレードの昇格によってのみ、ベース給がアップする仕組みになっています。

社員の格付けを表すグレード(社員等級)については、一般的には年1回、多い企業では半期に1回のペースで見直しが図られ、成績に応じて上下するのが、外資系企業では一般的です。

日本企業の場合には、正社員であれば1年に1回必ず定期昇給という形でベース給のアップが行われて、上がった給料については下がることがありませんが、外資系企業においては成績に応じてグレードダウン、つまり等級の降格人事がなされます。

結果的に給料が下がるということがあるというのは、外資系企業ならではの点になります。

一方で、成績が良ければ大幅なベースアップが見込めるために、常に高い成績を収めることがさえできれば、日本企業よりも早いペースで給料がアップしていくというメリットもあります。

各種手当

ここも日本企業と外資系企業で大きく異なる部分になりますが、住宅手当や配偶者手当、子供手当などの、いわゆる給与外収入が外資系企業には、ほぼ存在をしません。

さらに、外資系企業の多くが、残業代は年収に含まれるとしているので、追加で支給されることがありません。

日本企業のように、年収として支払われている金額の内訳が複雑でなく、とてもシンプルにベース給とインセンティブの2つしかなく、非常に単純明快であることが外資系らしい部分と言えます。

より高い収入を得たいと思えば、より高い実績を出せばいい!

ただそれだけなのです。

給与が高い人は何が違うの?

外資系企業で働く人全てが高い給料を手にしているわけではありません。

それでは、高い給料を手にしている人は何が違うのか、そのポイントについて解説をします。

スキル

高い給料を手にしている人=高い成果をあげている人、ということになります。

全ては成績次第の絶対的成果主義の世界です。

高い成果をあげるためには、どのようなスキルが必要なのか?

これは、担当する業務によって、それぞれ異なります。

より専門性を求められる分野での業務であれば、その専門性を高めるためのスキルアップは必須となりますし、これが資格を必要とするような業務となれば、資格取得は必須になります。

少なくとも、何らかの努力や工夫をすることで、ビジネス全体におけるスキルアップをし続けなければ、変わり続け、上がり続けるノルマに対して、常に高い成果を自主的にあげ続けるということは難しいので、高い成果をあげられる人は、自らが身を置くフィールドに応じたスキルアップを行っているはずです。

役職

高い役職に就くことは給料に影響をするのでしょうか。

もちろん強く影響します!

マネージャーなどの管理職に就任すると、複数の部下を束ねて、より広い範囲での業務責任を負うことになります。

つまり、一人で任されていたノルマの数倍にも及ぶノルマを任されることになりますので、このノルマを達成した場合の給料も自然と高くなるのは当然の仕組みです。

勤続年数

勤続年数が直接的に給料アップに繋がることはありません。

これは、年功序列のシステムを採用していないからで、年数に応じた給料テーブルというものは存在しません。

しかし、長い年数所属をしていることで、より高いノルマを与えられるチャンスが大きくなるために、勤続年数の長さが給料に影響を及ぼします。

どんな背景を持つ人材だとしても、入社していきなり高いノルマを任せられるということは、普通ありません。

どのくらいの実力を持っているのかが分からないうちに、より大きな責任を与えるということは、企業サイドにとってもリスクの高いことになるからです。

社内における信用についても、自身の実力をもって勝ち取っていくのが外資系企業となるので、より高いノルマをもらうためには、より長い期間、より高い成果をあげ続けていることが重要となります。

勤続年数というものは、外資系企業にとっても重要な指標のひとつになるのです。

地域

地域差というものも、実は給料に対して大きな影響を及ぼします。

大都市と地方の小都市では、市場の大きさが異なるために、あげられる成果や設定されるノルマにも大きな違いがあります。

大都市で市場規模が大きければ大きいほど、高いノルマが設定され、高い成果をあげられるチャンスが広がっていきます。

非常にシビアな話になりますが、地方よりも都会のほうが、より高い給料を得られるチャンスがあるというのが外資系企業の特徴になります。

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外資系企業で給料を上げるためにやるべき2つのこと

外資系企業で給料をあげるためには、どのようなことがポイントになるのでしょうか?

スキルアップを図る

外資系企業において給料をあげられる唯一の方法が「高い成果をあげる」ことです。

そのために必要なスキルアップは、何でもやらなければなりません。

特に担当する業務に関わる資格や知識を高めることが求められます。

また、日本国内での日常業務においては、必ずしも英語やその他の言語などのスキルは必要となりませんが、より高い職種へのステップアップに際しては、英語もしくは業務上使用する言語が必須となってきます。

直近での給料アップにはつながらないかもしれませんが、語学力を磨くことで、将来的な給料アップになることを覚えておきましょう。

思い切って転職する

成績などが振るわずに、給料面で厳しい状況を迎えるようであれば、思い切って転職してしまうということも考える必要があります。

その際に気を付けたいポイントについて解説をします。

転職先の選び方:自分自身にあった給与体系を採用しているかどうか?

外資系企業の多くは成果主義を採用していますが、どの程度、インセンティブを導入しているかや、諸手当の在り方などについては、企業によって状況が異なります。

ハードワークによって、常に高い給料を目指す代わりに、不安定さのリスクを背負うよりも、インセンティブを抑えて、安定的な収入を求めるのであれば、基本給の割合や諸手当が厚く設定されている企業への転職がオススメになります。

外資系の転職をする時は、こちらの記事を参考に!

給料をアップさせるための求人の選び方

外資系企業への転職によって給料アップさせるためには、どのような求人を選ぶべきかのポイントを解説します。

給与相場が今よりも高いところを探そう

求人票に記載されている想定年収などをもとに、現状よりも高い給与水準の企業を探すというのが最もシンプルな探し方になります。

給料アップがメインの転職理由となるのであれば、先ずはこの条件で求人を絞り込んでいくことが重要です。

賞与や昇給制度をチェック

ボーナスがどのようなシステムによって支払われるのかは、非常に重要なポイントになります。

インセンティブ制度だとしても、最低保証金額のような救済策が設けられているのかなど、支給される条件などをしっかりと確認しておきましょう。

また、昇給については、定時昇給があるのか、降格のような減給となる制度があるのか、というのを確認することも重要です。

残業代はちゃんと出る?

外資系企業の多くが、残業代は年収に含まれるものとしています。

どのような条件で残業手当が発生するのかを確認しておきましょう。

交通費や福利厚生は?

外資系企業では、手当などが支払われないことが一般的となるので、交通費などの支給についても確認しておくことが必要です。

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経験者が教える、実際に給料がアップしたのはこんなとき

毎期終了後が給料アップのチャンス!

成果があがっていれば、年度が終わり、査定の時期は常に昇給するチャンスがあります。

全てが成績次第というのは、そういうことになります。

反面、成績が振るわなければ、減給・降格・ボーナス無しのリスクがあることもお忘れなく。

雇用形態ごとに違いは出てくる?

外資系企業での雇用については、基本的には正社員となるため、雇用形態による差というものはありません。

まとめ

外資系企業に関する年収相場についての解説をしました。

絶対的成果主義を採用する外資系企業だからこそ、高い成果に対して、高い報酬が支払われるというのが、高い給料がもらえる理由でした。

外資系企業には、働く以上は全員がプロフェッショナルという意識が強いため、プロスポーツ選手のような、厳しい成果主義となるようです。

仕事をすることにやりがいを感じており、自分の成績を正当に評価してもらいたいという、実力主義なタイプであれば、外資系企業への就職をオススメします!



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