2020年7月6日

クルマを運転する仕事はたくさんありますが、今回は「牛乳配達」の仕事を紹介します。

ご近所さんの玄関に乳業メーカーの箱が置いてあったり、勤務先に配達に来ているのを見かけたりしたことがあるかもしれません。

あまり知られていませんが、牛乳配達のドライバーの仕事は求人が比較的多い職種でもあります。

ここでは牛乳配達員の仕事内容や実際の現場の様子、求人募集の探索の仕方を簡潔に解説していきます。

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牛乳配達のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

まずは牛乳配達がどのような仕事なのかを確認していきましょう。

牛乳配達員の主たる業務である「配達」に関しては、商品の種類や本数を間違わないよう気をつけるほか、蓄冷剤を箱の中に入れて商品の鮮度が落ちないようにする配慮も必要です。

配達先や本数を間違える「誤配」はもっとも避けなければならないミスであり、一度でも誤配をしてしまうとお客様からの信頼は失墜します。

クレームや解約理由でもっとも多いのは誤配に起因するものですので、誤りのない配達をすることが最低限の仕事内容であることを理解しておく必要があります。

牛乳配達員の仕事には配達に加えて「営業」の側面もあります。

既存のお客様に商品を渡す際に、商品の本数を増やす「増本」や他の商品をすすめたりするほか、配達の合間や配達後にご近所を回って新規顧客を獲得するように努めなければなりません。

新規顧客開拓は基本的には専門の営業社員が行いますが、ノルマがなくとも配達員にも一定の成績が求められます。

牛乳配達でよくある募集内容とは?

次に牛乳配達の仕事の中身を、募集内容を通してもう少し詳しく見ていきましょう。

複数の選択肢がある場合は給与や福利厚生といった待遇面で比較検討をしてみましょう。

給与相場

牛乳配達員の給与相場は実働時間の割には高い傾向にあります。

クルマの運転が苦手な方や道を覚えるのに時間がかかる方は最初のうちは実働時間が長くなりがちですが、基本的には職務に慣れるに従い実際の勤務時間は短縮されていきます。

求人情報に掲載されている牛乳配達員の額面給与は平均的な初任給並みであることが多いようですが、実働時間との比較、つまり時給換算でいくと「高単価」な部類に入る職種といえます。

牛乳配達バイトの時給や募集内容は、こちらの記事を参考に!

勤務時間や休日、残業

牛乳配達は「早朝」というイメージを持たれている方も多いですが、時間帯が厳密に決められている仕事ではありません。

ただ、渋滞を避けるために早朝に出発する配達員が多いのも事実です。

お客様の中には牛乳配達といえば遅くとも朝食に間に合う時間には届いている、という感覚で注文される方もたくさんおられるため、基本的には朝早くからの勤務になる可能性が高いでしょう。

休日については、週休二日もしくは一日というところが多いようです。

その理由としては、一日一本を基本として配達している店が多いこと、乳製品は鮮度が重要になるためまとめて配達するのに適していないこと、などがあります。

また、配達や営業が終わればその日の業務は終了ですので、めったなことがない限り残業はありません。

しかし配達員は集金業務も担っているため、日中は留守がちで夕方にしか会えないお客様がいる場合などは残業の可能性もあります。

福利厚生

福利厚生に関しては雇用形態により異なってきます。

牛乳配達員はたいていの場合、正社員での雇用になるため社会保険や有給休暇などの福利厚生制度は他職種同様に整備されている職場がほとんどです。

ちなみにドライバー職種に固有のものである、車両のメンテナンスにかかる費用や事故を起こしてしまったときの保障に関しては、雇用先や職種により異なりますので面接時に詳しく聞いておきましょう。

実費負担ならばその額は無視できるものではないので注意が必要です。

勤務場所

配達拠点となる事務所は、配達店もしくはデリバリーセンターといわれます。

事務員さんや店長は常駐していますが、配達員は外回りの仕事のため基本的に事務所に同僚が集まるのは朝礼や終礼のときに限られます。

ほかに営業担当の社員が事務所にいることもありますが、営業仕事も外回りのため事務所で見かけることはそれほど多くないでしょう。

そのため牛乳配達の職場は、同僚と和気あいあいとにぎやかに仕事をするというよりは、一人ひとりが黙々と自身の業務をこなす雰囲気があります。

求められる人物像

牛乳配達の仕事にはどのような人が求められる傾向にあるのでしょうか。

ここでは特に多くの求人で求められがちな事柄を2つ紹介しておきます。

場合によっては面接時に尋ねられる可能性もある事柄ですので、一度確認しておきましょう。

朝に強い人・早起きするのが苦ではない人

牛乳配達の仕事は早朝から行うイメージが強く、実際に、まだ日が昇る前から仕事を始めて昼過ぎには事務所に帰ってくる、というペースで仕事をこなす配達員さんも多いようです。

時間指定のあるお客様がいたり、配達終了時刻のノルマがあることは稀ですが、一般的な傾向として「朝早くから仕事をこなして早めの時間に退勤」する職場といえます。

そのため朝型の生活リズムの方は比較的早く現場に慣れることができますし、面接時にも生活リズムについて尋ねられることがあるでしょう。

しかし必ずしも早朝に出発しなければならないわけではなく、私が配達員をしていた時は午前10時ごろにゆっくりと出発していく同僚もいました。

まずは面接時に勤務時間の詳細を質問してみましょう。

商品や道を覚えるのが得意な人

クルマを運転する仕事ですので、道を覚えるのが苦手な方は少し不安を感じるかもしれません。

といってもたいていの方が業務をこなすうちに道を覚えていくものですし、宅配便ドライバーなどとは異なり、牛乳配達の仕事は届け先が「固定」されています。

そのため基本的には毎日繰り返し同じ道を通ることになり、他のドライバー職に比べて配達先までの道を覚えるのは容易といえます。

牛乳配達員は「道」に加えてお客様にお届けする「商品」を覚える必要もあります。

配達表を見ながら配達することになるので、すべてのお客様に配達する商品を覚える必要はありませんが、ある程度記憶しておけばその分配達表をしっかり確認するという時間が省け、配達全体の時間も大きく短縮できることにつながります。

必要なスキルや資格、経験

牛乳配達員になるために必要な資格は「自動車運転免許」のみです。

専門的な資格や経験は特に必要とされていませんので、老若男女問わずどなたでも求人に応募することができます。

ちなみに自動車免許も普通免許で十分です。

軽トラックなどでの配達ですので、大型免許などの特殊な免許は必要ではありません。

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牛乳配達のおすすめ求人のポイント

ここでは牛乳配達員の仕事のおすすめポイントをいくつか紹介します。

職場や会社によって勤務環境や給与体系は異なりますが、おおむねすべての牛乳配達の求人に共通するメリットを2つあげておきます。

営業すれば+で収入になる

牛乳配達員は乳製品の配達のほかに「営業活動」も行わなければなりません。

営業社員ではないのでノルマが課されていることは少ないですが、ご自身の配達エリアにお客様を増やすことで歩合がつくような給与体系であることが多く、日頃の営業活動がプラスアルファの収入源になります。

多くの会社では配達した本数に応じた月給を設定しており、配達本数が増えればそれだけ収入も増えますが、逆にお客様の解約などで本数が減ればその分だけ手取り金額が減ります。

そのため営業社員に頼るだけでなく、自ら営業して新規顧客を開拓することで「成約手当」を得て収入の目減りをカバーすることが必要です。

ご自身の頑張りが直接給与に反映されるという点がこの職場の魅力の一つといえるでしょう。

早朝か深夜、好きな時間に短時間勤務できる

実働勤務時間が比較的少ない職場であることは先に述べましたが、事務所を出る時間や戻ってくる時間もそれほど厳密に決められていない職場が多いようです。

そのため、たとえば朝型勤務を希望する方は早朝に出発して午後はゆっくりするという働き方も可能です。

極端な例でいえば深夜2時や3時から出発して午前中には仕事を終えている配達員もいます。

勤務先によってこのような働き方が可能かどうかは異なりますので面接時に確認することは必要ですが、他の職種に比べて勤務時間が柔軟であることは共通しているといえます。

牛乳配達の雇用形態による違い

牛乳配達の仕事は正社員としての求人募集が大半を占めます。

お客様との継続的な関係の構築には中・長期的に勤務することが重要ですので、アルバイト雇用などはほとんど見かけません。

特殊な例として「業務委託契約」をするパターンがあります。

この場合は「個人事業主」として牛乳配達をすることになり、営業成績や配達本数などの歩合のパーセンテージは正社員よりも高くなりますが、確定申告を自分で行う必要があったり車両のメンテナンスが実費であったりというデメリットも存在します。

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自分にあった牛乳配達の求人の選び方や注意点

最後に牛乳配達の求人を探索する際の注意点を列挙しておきます。

比較的横並びな求人が多い職種ではありますが、応募先を選ぶ際は以下の点に注意してみてください。

【選び方①】雇用形態から探す

雇用形態は「バイト」が多くなりますが、「正社員」の場合もありえます。

業務委託契約を締結し「個人事業」として配達員をするケースもありますが、牛乳配達が初めての方にはいきなり個人事業主として働くことはハードルが高いでしょう。

まずはバイトで探して見て、そこから正社員へのステップアップがないかを探るのも一つの手でしょう。

【選び方②】職種から探す

「配達員」という職種でひとくくりにされていますが、会社によっては「営業」の比重が大きかったり、逆にまったく営業を行わずひたすら配達のみを行う職務で募集していることもあります。

詳細を確認してから応募しましょう。

【選び方③】会社の業態から考える

牛乳配達の会社には大きく分けて「専業」タイプと「事業部」タイプがあります。

専業の会社であれば牛乳配達の仕事だけに従事することになりますが、大きな会社の中のひとつの「事業部」が牛乳配達の仕事をしている場合は、事業部間の異動により別の部署に配属され、まったく違う商品の営業や配達をすることになる可能性もあります。

先々のことを考えて会社の業態を考慮に入れることも必要でしょう。

【選び方④】給与や雇用条件から考える

給与や福利厚生などの雇用条件はみなさんがもっとも気になるところでしょう。

会社によって大きく異なるわけではありませんが、扱っている商品がどのメーカーのものかによって給与額に多少の差はあるようです。

主婦をターゲットにしているメーカーもあれば、市場シェア拡大のために幅広い年齢層にアピールしているメーカーもあり、こういった戦略の違いも給与額に差ができている要因のひとつです。

求人情報を探索する際はメーカーごとに比較してみるのもおすすめです。

【選び方⑤】エリアから考える

事務所の所在地だけでなく配達エリアも考慮しましょう。

会社によって、配達先が事務所から近距離の場所だけのケースもあれば、一日の走行距離が100kmを超えるようなエリアで配達している事業所もあります。

もしご自身が希望するエリアや走行距離の上限などがあれば面接時に伝えておきましょう。

注意点

ここまで求人情報を探索するときのいくつかのポイントを見てきましたが、もっとも重要なことは疑問点があれば必ず「面接時に聞いておく」ということです。

どんな仕事でもそうですが、早期退職される方の多くが「思っていた・聞いていた話と違う」という会社側との「理解の不一致」を理由にあげます。

無用なトラブルを防ぐためにも給与などの条件だけでなく、実際の現場をイメージしたときに疑問に思う部分があれば、迷わず面接・採用担当者に質問しましょう。

まとめ

いかがでしたか。

今回ご紹介した牛乳配達の仕事は、ほかのドライバー職よりも比較的幅広い年代の方が従事している職種です。

その理由は、勤務時間の拘束が少ないことや、自分のペースで業務を進めることができるといったことがあげられます。

興味のある方は一度応募を検討してみてください。

ちなみに、乳製品が苦手であっても業務には一切支障をきたさないことを最後に付け加えておきます。

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