牛乳配達員の仕事は車を運転する時間が一日の業務の多くを占めますが、そのほかにもお客様に対応する「接客」業務があったり、新規顧客を獲得するための「営業活動」があったりと、実はいろいろな側面がある職種です。

今回は私が牛乳配達員として働いていた経験から、この仕事をしていて良かったと感じたことや得ることができたスキル、やりがいなどを紹介していきます。

個人的な感想・意見ではありますが、一度目を通してみてください。

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私はこんなところで牛乳配達のアルバイトをやりました

私が勤めていた会社は本社は関西にありましたが事業所は全国に点在しており、私が勤務していたのは地方都市にある事業所でした。

当時私が住んでいたその地方都市では酪農が盛んであり、全国展開している乳業メーカーに加えて地元の有力酪農家などとの競争が激しかったこともあり、入社当初想定したほど楽な仕事ではありませんでした。

そんな中でも以下で紹介するような「印象に残っているできごと」や「ためになったこと」はたくさんありました。

さまざまな経験の中から、日本全国どこで牛乳配達の仕事をしても感じられるであろうものを抜粋していますので、ぜひ現場の様子をイメージしながら読み進めていってください。

牛乳配達のアルバイトの時給は?

まずはこの仕事の金銭面での待遇について確認しておきましょう。

牛乳配達員のアルバイトはおおむね時給1,000円~という条件で働き始めるのが相場のようです。

勤務する場所やどの乳業メーカーの製品を配達するかということでも時給額にはばらつきがあります。

また時給制ではなく完全歩合制で配達本数・件数分だけ給料を支給している会社も少なくないようです。

ちなみに私が働いていた会社は「時給+歩合給」という「一部歩合制」の給与体系を採用していましたが、一般的には同様の給与体系の会社が多いでしょう。

そのため、牛乳配達の仕事の求人情報を金銭的な面で絞り込む場合は「時給額」という判断基準に加えて、どのような給与体系を採用しているのか、という観点で探索することも必要でしょう。

この仕事は多かれ少なかれ歩合で給与額が変わることが基本ですので、自身が頑張って配達をしたり営業活動をすることでその分給与額が上がることもあります。

頑張った分だけ金銭的なインセンティブがあるというのはこの職種の魅力の一つといえるでしょう。

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牛乳配達のアルバイトでやりがいを感じたこと

牛乳配達の仕事をする中でやりがいを感じた瞬間はたくさんありましたが、とくに配達時にお客様から感謝の言葉を直接いただいたときにはこの仕事の魅力を実感しました。

牛乳配達の仕事はお客様との距離が近く配達時や集金時にちょっとした会話をすることが多々あります。

そんな日々のささいなコミュニケーションを繰り返すうちにお客様との間に信頼関係が築かれていき、ときには軽食や栄養ドリンクをいただくこともありました。

お客様との距離が近いということは、感謝の言葉を直接言っていただけるというメリットがある反面、クレームや厳しいご意見をいただく機会も多いということを意味します。

だれもクレームを受けていい気分にはなりませんが、それらの経験も今振り返ってみるとその後の人生に役立っていたり、ためになっていたりすることがあります。

よい面だけでなく、クレームなどの厳しい面も含めてやりがいを感じる職場でした。

牛乳配達のアルバイトをやってて良かったこと

次に牛乳配達員の仕事をしていてよかったなと、今になって感じていることを以下で紹介していきます。

勤務中には気づかなかったことも、思い返せばあの時の経験が生きているなと感じることも多いです。

時間管理の方法を習得できたこと

牛乳配達の現場ではほぼすべての業務を自分一人でこなさなければなりません。

出社して配達商品等を車に詰め込んでからは、運転も配達も営業活動も、すべて自身で計画を立てて遂行していかなければならないのです。

そのため自然と時間配分や調整の仕方が身につき、無駄な時間を削減したりすべての行動に意味をもたせようという意識が芽生えていきます。

私自身も当初はただがむしゃらに早く仕事を終わらせることだけを考えて配達をしていましたが、現場に慣れていくに従い、時間を短縮すべきところやお客様との会話を大切にしてゆっくり時間を使うべきところなどを把握できるようになっていきました。

「時間管理」をする方法論は一般に「タイムマネジメント(スキル)」とよばれており、社会人に必須のスキルの一つとされます。

このスキルを取得するためにお金をかけて書籍を購入したりセミナーを受講したりする人がいることを考えると、牛乳配達の仕事をこなす過程で時間管理の方法を習得できたことは、私にとって非常に有益なことでした。

人脈が広がりさまざまな知識を得ることができたこと

配達先のお客様には本当にさまざまな方がおられます。

年配の方だけでなく若い夫婦の方や事業所の方まで、いろいろな人と牛乳配達業務を通じて知り合うことができました。

話をしているうちに共通の知人がいることを発見したり趣味の話で盛り上がったりと、楽しい時間を過ごしたこともたくさんありました。

それに加えて、とくに定年退職されて今はゆったりと老後生活を満喫されているお客様には、たくさん「人生のヒント」になるような「ためになる話」をしていただきました。

40年超の仕事人生を通して得たさまざまな経験は私の想像を超えるような話も多く、これからの人生で岐路に立った時に思い出すような印象的なエピソードも教えてくれました。

ひとつひとつが私の財産となっていますし、これからも大事なものであり続けるでしょう。

牛乳配達のアルバイトで身についたこんなスキル

今度はもう少し具体的に、牛乳配達の仕事を通じて得たスキルを紹介します。

運転だけでなくさまざまな業務を経験しますので人それぞれ得られるスキルにも幅がありますが、私の場合はとくに以下にあげる二つのスキルを得ることができました。

ハンドル操作や駐車技術などの運転スキル

牛乳配達員は業務時間の大半を車の運転に費やしているといっても過言ではありません。

一日の走行距離が100㎞を超えるような配達員もいますし、大通りに面した配達先が多いため車を停車させる位置を考えるだけでも一苦労なコースを担当している人もいます。

配達員それぞれで感じ方は異なりますが一つほとんどの配達員が共通して実感していることは、この仕事を通じて運転に対する余裕がうまれた、というような感覚です。

最初は何回も切り返さなければ通れなかったような細い道も、配達のたびに毎回通っているうちに一回ですんなりと通行できるようになったりするものです。

通行の妨げにならない場所に駐車するために要する時間も劇的に減っていきます。

程度の差はありますが、運転スキルが向上することはこの仕事に従事するメリットの一つといえるでしょう。

お客様との距離を縮める接客スキル

牛乳配達の仕事を「接客業」のカテゴリーで考えたとき、他の接客業種と異なる特徴として「営業トークをしなくてもよい」ということがあります。

配達先のお客様は当然すでに契約をしていただいているお客様なので、配達員は積極的に営業トークをする必要はなく、むしろその日の天気の話や最近話題のニュースについてなど、お客様との距離を縮めるたわいもない話をすることの方が多いのです。

そして結果的に、世間話のような比較的ソフトな会話を続けていることでお客様との間に自然と「信頼関係」が構築されていきます。

最近では「信頼関係構築」をテーマにした営業職セミナーが頻繁に開かれているほど、お客様との関係性を重視した接客スキルが求められていますが、牛乳配達員はその業務の性質上、このスキルを自然と身につけることができるのです。

牛乳配達のアルバイトをやっている中で嬉しかった瞬間

牛乳配達の仕事は体力的にハードであったり、ストレスを感じることが少なくなかったりする反面、お客様との関係の中で幸せな気分になることもたくさんあります。

ここではそんな瞬間をいくつか紹介します。

配達時にお客様にねぎらってもらったとき

牛乳配達員からすれば乳製品を配達することは当たり前に仕事をしているだけなのですが、お客様の中には自由に買い物に行けなかったり、配達商品のことをとても気に入っていただいて毎回待ち望んでくださっている方々もおられます。

そのため配達時に顔を合わせた際に「いつもありがとう」とか「暑い中大変ですね」といったあたたかい言葉をかけてくださったり、ときにはプレゼントをいただいたりすることもあります。

配達員の仕事にすっかり慣れてきてからも、やはりこういった瞬間は本当に嬉しかったです。

同時に、私の仕事がお客様の役に立っていることを実感した瞬間でもありました。

誰かのためになっていることを感じることは、本当に幸せなことです。

新規の契約をいただいたとき

配達先のお客様を増やすのは主に営業担当の社員が担いますが、配達員自身も自分のコースで営業活動をして新規顧客獲得に励まなければなりません。

営業職と異なり、配達員には営業に特化した研修や契約に結び付けるトーク術などを学ぶ機会がほとんどありませんが、それでも毎日コツコツと営業活動を続けていると週に何回かは新規で契約をしていただけることがあります。

営業職の人間であれば日常的なことですのでそれほど感慨深いものではないのでしょうが、配達員にとっては営業活動は「畑違い」ともいえる業務なので、そこで成果をあげることができるととても嬉しい気持ちになります。

牛乳配達のアルバイトはこんな人におすすめです!

最後に牛乳配達のアルバイトに興味を抱いている方のために、私個人の経験も踏まえこの仕事がどんな人に向いているかを紹介しておきます。

以下にあげる特徴があてはまる人はこの仕事になじみやすいと思いますが、あくまでも主観的な意見なので、ここにあげるものにあてはまらなくてもとくに問題はないでしょう。

車を運転することにストレスを感じない人

牛乳配達の仕事はなんといっても「ドライバー職」としての側面が強い仕事です。

ほかの業務もたくさんありますが、そもそも車の運転があまり好きではなかったり、すぐにイライラしてしまって安全運転の意識が薄れてしまう人は、この仕事ではストレスを感じやすいかもしれません。

言い換えれば、運転すること自体にとくにストレスを感じない人にとっては、この仕事は気楽にできるなと感じる瞬間も多いことでしょう。

もちろん車好きでなければやっていけないような職場ではないですが、運転に対する耐性がある人は現場に慣れるのが早い傾向にあるといえます。

それほど高くないレベルから営業経験を積みたい人

先ほども述べたとおり、牛乳配達員も「営業活動」に励まなければなりません。

過酷なノルマがあったり必達目標があるわけではなく、基本的にはあくまで自主的な活動という枠を超えないレベルではありますが、それでも今まで営業職に従事した経験がない人にとっては貴重な経験になります。

極端な例ですが、日々配達業務だけをこなしてまったく営業活動をしてこなかった配達員が、会社が定める最低配達本数のラインを割ってしまったときに上司から最低限の営業活動を行うように指示を出され、それが嫌で退職したというケースもあります。

営業業務は牛乳配達員にとってメインの仕事ではありませんが、そこに苦手意識があったりやる気がなかったりすると、結局はこの仕事を続けること自体が難しくなるのです。

逆にいえば、それほど高いレベルではなくてもぼんやりと「営業職」に興味がある方には、牛乳配達の仕事をしながら営業経験を積むことができるという点で、より魅力的な職場に感じられることでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

今回は私自身の経験から牛乳配達の仕事を紹介しました。

経験のない方には意外とイメージしにくい職場でもありますので、なるべく伝わりやすいように解説することに努めてみました。

これからこの仕事をしてみようと思っている方や興味をお持ちの方に少しでも役に立てていれれば幸いです。

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