2020年7月6日

新たな仕事を探すとき、あなたはどのような条件を重視しますか?

「出来れば勤務日数や曜日を自由に選べて、簡単な作業で時給もよくて、短時間でも調整ができて、駅からのアクセスがいい方がいいかな!」

という具合に、いろんな条件をわがままに出してしまったりして...

しかしそんな条件に応えてくれる「ピッキング」という求人広告を発見しませんでしたか?

「工場勤務、ってなんだか大変そう」

「そもそもピッキングって、どんな仕事なの?」

そんな疑問に、ピッキング作業経験者(業務委託、夜勤帯、ピッキング)の筆者がご紹介します!

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ピッキングの仕事にはどんな種類があるの?

ピッキングとは、商品が納められた倉庫から、発注があった商品を取り出す作業のことを言います。

例えば、大手通販サイトで購入された商品は、大きな倉庫の中から取り出し、梱包、発送されて消費者の手元に届きますが、この流れの中の「倉庫内から取り出す」という業務を行います。

大きく分けると、主に「摘み取り方式」と「種まき方式」という2種類があります。

このどちらを行うかは、勤務する会社が取り扱う商品数や工場の規模、システムや求人対象などによって様々です。

また勤務するのが大企業の場合は、ピッキング作業のみを行う場合がほとんどですが、中小企業の場合は、ピッキング作業の前後に存在する「入荷」「検品」「在庫管理」「仕分け」「梱包」「発送」などの様々な業務を並行して行う場合もあります。

この記事では、「ピッキング」についてご紹介するので、まずは「摘み取り方式」と「種まき方式」についてご説明します。

摘み取り方式

「摘み取り方式」とは、カゴを持ち、またはスーパーの買い物のようにカートを押しながら、大きな倉庫の中を自分の足で歩き回り、商品を探し出し、ピックアップする作業です。

工場の中は「〇階」「どのエリア」「「〇列」「〇段目」「〇番の棚」というように記号が振り分けられており、指示された場所を探し出し、指定された商品を取り出します。

ある大手企業の「摘み取り方式」作業は、全員がバーコードリーダー付の端末を持って作業を行います。

カートを押しながら歩き回り、端末に表示される場所へ行き、指定された商品名を取り出し、そのバーコードを読み取る、そしてその商品で合っていればカゴヘ入れる、そして次の指示された商品を... という具合で作業を繰り返します。

そして、持っているカゴがいっぱいになったら、工場内をぐるりと囲うベルトコンベアーに流し、次のカゴをセットしてピックアップへ、という流れです。

元々はアメリカで導入されたシステムで、健常者に限らない雇用の創出のために、誰でも分かりやすく、簡単にできるように設計されたのが始まりのようです。

ちなみにこちらは、ピッキングの中の「アウトバウンド」と呼ばれるもので、商品発送のためのピッキング、ということになります。

種まき方式

「種まき方式」とは、自分は移動することなく、ベルトコンベアーに流れてくる箱に指定商品を入れる、という作業です。

自分が移動することが少ないので、「摘み取り方式」に比べると体力的には楽かもしれません。

ただし、自分の作業が滞り始めるとそのベルト全体の流れが遅れてしまうため、ミスが許されない、かつスピードが求められる業務になるでしょう。

この2つの業務が主な分類になりますが、工場内ではもっと多くの業務分担があり、それらを担っている人たちもいます。

求人情報誌でも、ピッキング以外の仕事の案内が載っていることもありますね。

以下では、上記以外の業務をご紹介します。

ピッキング求人募集でよくある職種・仕事内容

ピッキングと仕分け作業

こちらは、ピッキングの中の「インバウンド」と呼ばれるものです。

「アウトバウンド」が商品発送のためのピッキングであるのに対し、こちらは「インバウンド作業のためのピッキング」です。

大きな倉庫内にはとてつもない量の商品が、住所のように記号化された棚に整理整頓されていますが、倉庫に納品されてきた新しい商品を、指定された棚に入れ、商品情報とともにその棚の情報を登録することが業務になります。

前項でご紹介した「アウトバウンド」に必要な情報と商品を陳列する作業、ということになります。

これらは「インバウンド」のピッキングと同じように、商品が入ったカゴを押しながら歩いて作業を行いますが、まだコンテナから開封されていない、大きな梱包状態の物を運ぶ作業に従事する場合は、フォークリフトの運転が必要になる場合もあります。

梱包

こちらは、「アウトバウンド」で集められてきた商品を、購入されたお客様に発送するために必要な商品を集め、箱に入れていく作業です。

通販サイトでお買い物をしたことがある方なら見たこともあるかと思いますが、商品を詰めるだけではなく、輸送中の破損を防ぐための養生やパッキングなどが必要になることもあります。

細かな、正確な手作業が求められる業務です。

検品

こちらは各段階で行われているものですが、主には最終の発送段階で行われることになるでしょう。

「インバウンド」段階でも、「アウトバウンド」の段階でも作業従事者の手に取られるため、その時点で破損しているものは、その場で仕分けられて、在庫数データにも反映されます。

最終段階の発送作業中に検品し、破損しているものを取り除き、また交換し、きれいな商品を発送するための最終チェックの担当となります。

この段階で見落とされたものは、購入したお客様の元に届いてから発見されることになるため、そのまま商品に対してのクレームになってしまうため、企業の価値を背負っての業務となります。

集中力と責任感が必要になる業務です。

リーダー(管理職)

上記に挙げた各業務担当職の中には「リーダー」と呼ばれる管理者が存在します。

各業務を通して優秀な成績を残してきた従業員の中から選ばれるようで、従業員の生産性の向上、管理、業務分担などの他に、繁忙期にはリーダー自身も業務に当たることもあります。

これらに昇格すると時給のアップも見込めるため、まずは与えっられた業務で成果を残し続けることが重要ですね。

ピッキング求人でよくある募集内容とは?

ここまでは、ピッキングに関連する各業務をご紹介してきました。

ここからは、それぞれの条件面の相場をご紹介します。

給与相場

企業によって異なりますが、おおよそ時給1000~1200円程度が相場となっています。

その企業との直契約の場合、業務委託先との契約の場合(これが大多数)、さらにその委託先の場合などでも、時給額は変わってくるでしょう。

時給計算の場合と、「1日勤務あたり〇円」という日給計算をとっている場合もありますので、求人誌でチェック、または企業側と要相談になります。

深夜11時から翌朝5時までは、深夜手当として時給の1.25倍の割増料金が加算されることになっています。

勤務時間や休日、残業

社員、契約社員の場合は、労働基準法により週5日、1日あたり8時間勤務、と定められているため、多くの場合はこれに従っての勤務となります。

繁忙期などは残業として日数や時間が伸びることもあります。

アルバイトの場合、契約先との調整で、週2日程度からのシフト制となります。

これは発注元の企業が求める人数に対して、業務委託先企業が人材を確保する必要があるため、繁忙期や閑散期などによって必要出勤数が変わってくることもあります。

繁忙期には「どんどん出勤して欲しい」と言われることもありますが、閑散期には日数を制限される場合、または1日の勤務時間が短くなる場合もあります。

アルバイトの1日の勤務時間は、3時間程度から調整可能の場合、契約社員と同じ時間の勤務が必要な場合など、様々です。

大手企業の場合は、倉庫内のセキュリティがかなり強化されているため、遅刻や早退が厳しいこともあります。

福利厚生

アルバイトの場合は、企業としての義務が無いため、望めないことも多いでしょう。

ただし、夏には勤務先でドリンクが支給されたり、塩分補給のタブレットが用意されていたりと、体調面を保護してくれる企業もあります。

勤務場所

勤務場所は、大手企業であれば湾岸部や空港近くになることが多いと思います。

それらの箇所は輸送拠点として有効なので、大きな工場や倉庫をよく見かけると思いますが、その中の1つが勤務地になる可能性があります。

鉄道路線から遠方になる場合、主要駅から無料の送迎バスを出している企業もあるので、それを利用すると便利です。

個人で車移動する場合や原付・バイクや自転車で通勤する場合、セキュリティの観点から利用申請が必要な場合も多いため、予め確認が必要です。

必要なスキルや資格、経験

基本的には資格は必要な場合が多いですが、先に挙げた「インバウンド」業務の場合、フォークリフトの運転免許を持っていると優遇される場合もあります。

その他には、必要なスキルや資格、経験などは問われないことが多いですが、最低限の体力は必要になります。

「摘み取り方式」の場合は、長時間歩き続ける体力、多少重い商品を持ち上げても大丈夫な筋力(お米の袋を持ち上げられる程度)など。

「種まき方式」の場合は、上記と同じく最低限の筋力、同じ姿勢を保ち続ける体力は必要になりそうです。

また、どちらも単調作業の繰り返しになるので、集中力も欠かせません。

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ピッキング求人の雇用形態による違いってあるの?

ピッキング求人の雇用形態は、アルバイトや契約社員の場合が多いようです。

管理職の求人の場合も、現場を経験する必要性からアルバイトからの社員登用や契約社員からの正社員登用の場合が多いと考えられます。

アルバイトか契約社員、どちらを選ぶかは、勤務日数や時間がどの程度とれるのかによって選ぶことになります。

学生や主婦で限られた日数、時間の場合はアルバイトで応募し、シフトを調整できる方がいいでしょう。

またいずれは社員を目指してしっかり働きたい、という場合は、契約社員の応募をするといいでしょう。

ただし、求めている人数などによって企業側の希望が異なるため、あくまでも求人情報をよく読み、必要に応じては交渉することも必要です。

自分にあったピッキング求人の選び方や注意点

ここからは、求人の選び方や注意点のヒントをまとめていきます。

ご自身の希望と照らし合わせながら、考えてみてください。

【選び方①】雇用形態から探す

上記にも挙げたように、主にアルバイトか契約社員か、どちらか選択をすることになります。

日数や時間に融通を利かせたい場合、そうでない場合によって、選びましょう。

【選び方②】職種から探す

持っている資格や経験、得意分野によって選択可能な場合もあります。

例えばフォークリフトの運転免許を持っている場合、それを活かせる職種であれば有利になります。

資格がなくても体力に自信があれば「摘み取り方式」の求人にも挑戦できます。

「体力に自信が無いけど、集中力は武器だ」という場合は、「種まき方式」の求人に向いているのかもしれません。

【選び方③】会社の業態から考える

ピッキングの求人を出している企業は、多くの場合、商品の発送センターが多いと考えられます。

食料品などを取り扱っている会社、通販サイトなどで多種多様な商品を取り扱っている会社、工業部品を取り扱っている会社、引っ越し業者なども考えられます。

それぞれ、興味がある分野であれば、あなたが持っている知識を生かすこともできます。

ご自身の興味がある分野の求人を探してみてください!

【選び方④】エリアから考える

求人情報に載っている情報は、会社の所在地と実際の勤務地が異なる場合もあります。

実際の勤務地への通勤ルートを考慮して選びましょう。

鉄道を利用する場合は、送迎バスの有無やその路線・駅をチェックし、通勤可能なのかの確認を。

また日勤帯と夜勤帯では、鉄道利用のルートも変わる場合もあるので、チェックが必要ですね。

注意点

ピッキングの仕事は、その業種によって繁忙期が異なる場合があります。

そのため、その繁忙期に、出勤日数や時間の面で対応できるのかどうか、確実に人手を確保しなければならない企業側にとっては重要なポイントです。

アルバイトで応募した際の面接で、自分自身のスケジュールだけではなく、企業側のニーズにも柔軟に対応できる姿勢を見せておくことも大切ですね。

ピッキング求人をお探しの方へ

いかがでしたか?

ピッキングの求人は情報誌にもよく掲載されていますが、あまりイメージが湧きにくいもの。

筆者は大手通販会社での勤務経験がありますが、見たこともない商品や珍しい物、発売直前の書籍から「欲しい!!」と思うものまで、色々な商品を見て、手に取るチャンスも秘めている、魅力も満載の仕事だと感じました。

ご自身の興味や自身がある分野の求人を探して、ぜひチャレンジしてみてください!

ピッキングの正社員求人を探す時は、こちらの記事を参考に!

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