会社、事業所のほとんどに置かれる部署である人事総務では普段、いったいどのようなことをしているのでしょうか。

ここでは、その業務内容について具体的に見てみましょう。

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人事総務ってどんな仕事?

会社の規模によっては総務と人事が分かれている場合もあります。

また、地域密着型の小中規模の企業の場合、総務と人事を兼ねて業務を行なっているところが多いでしょう。

どちらの形態にせよ、業務としては主に企業全体の労務管理、税務会計、企業法務といったものが挙げられます。

イメージ的には、社員の皆さんが円滑に業務を遂行できるようサポートする部署、というとわかりやすいかと思います。

人事総務の仕事内容とは?

企業によって若干のローカルルールはあるものの、根幹は基本的には同じです。

社員の勤務実績の管理

ひとことに社員といっても、実際は裁量労働雇用、短時間有期雇用など形態は様々です。

毎月の勤務実績を確認する業務は、給与計算だけではなく、時間外労働の管理のためにも重要です。

時間外労働については労働基準法で厳しく基準が設けられているため、この管理・把握の間違いは会社自体に重大な影響をもたらします。

社員一人ひとりの1日の労働時間を目綿密にチェックし、過剰な時間外労働が行われていないか、時間外労働が発生した場合、その上司の指示によるものなのか、逐一確認していく必要があります。

給与関連の業務

勤務実績をもとに給与計算、年末調整、住民税の申請を行います。

小規模な事業所だと、年末調整の計算も社員任せではなく、部署で一括して行うこともあります。

その場合は専門的な知識が問われてくるため、毎年市区町村で行われる年末調整説明会に参加すると良いでしょう。

日常的に税務関連のニュースに目を通してくことも重要です。

社員の健康管理に関する業務

会社は労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して健康診断を実施しなければなりません。

健康診断には、雇入時健康診断と定期健康診断があります。

放射線や高熱物体を取り扱う業務に携わる社員については、特定業務従事者の健康診断も実施する必要があります。

健康診断の実施については、産業医に委託する場合や、専門の業者に委託する場合などがあります。

いずれの場合も、該当する社員が確実に健康診断を受診したかどうか、漏れがないかを確認する必要があります。

検査結果によっては再検査が必要な場合もあり、その際は、該当の社員に対するメンタル面での影響にも配慮し、接する必要があります。

社会保険及び労災関連の業務

社員が加入している社会保険(事業所の規模のよって、共済または健保組合など様々です)に関する手続きです。

社員を採用した場合は、社会保険への加入手続き、退職する場合は資格喪失手続きが必要になります。

社員の扶養家族に関する手続きも行います。

また、職員が何かしらの理由で休職する場合も手続きが必要になります。

業務中に発生した怪我の場合、労災の申請が必要になる場合もあります。

休職、復帰の手続き

様々な理由で休職が必要になる社員の方の対応を行います。

休職といっても内容はいろいろです。

産前産後休職の方へは、会社側が行うべき手続きとともに、個人で市区町村または配偶者の勤務先に届け出る必要のあるものもあり、該当の社員に確認しながら行うことが必要です。

また病気休職の方には、医師の診断書はじめ、手続きに必要な各種書類の手配等、社員が安心して療養できるような配慮が必要です。

上記のいずれの場合も、単に機械的に手続きを行うのではなく、暖かい心配りが求められます。

採用に関する手続き

社員の採用に関する業務も、この人事総務の仕事です。

必要な職種の求人募集要項を作成し、求人サイトや自社のホームページなどの採用欄に掲載します。

採用試験希望者の試験及び面接の実施、合否の連絡、入社に関する一連の手続きも人事総務が行います。

就業規則の管理

自社の就業規則を必要に応じて更新する業務です。

労務の専門部署が自社の就業規則を管理する場合もありますが、事業所の規模によっては、社会保険労務士などと顧問契約し、管理を委託している場合もあります。

後者であっても、社員から就業規則に関する問い合わせや相談があった場合の対応は人事総務が行います。

各種証明書の発行業務

「採用予定証明書」「就業証明書」「在籍証明書」「退職証明書」など、社員が必要になった場合に発行します。

多くは社員が私的な理由で市区町村に提出するものです。

扶養する子の保育園や学童保育、子ども手当、児童扶養手当などの申請や更新に必要となります。

これらには市区町村への提出期限があるものがほとんどのため、社員から要望があった場合は速やかに対応する必要があります。

社内の備品及び消耗品管理

各部署の業務を円滑に行うために必要な備品、消耗品を調達、管理します。

これは主に総務の仕事です。

大型の備品の購入については、専門業者から見積もりを取り購入を検討します。

また、日々使用される文房具をはじめとする細々とした物品の購入、管理も総務の仕事です。

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人事総務の仕事はどんな人に向いている?

多岐にわたる人事総務の仕事には、どのような人が向いているのでしょうか。

全体を見渡す能力のある人

人事総務の業務は、社内のすべての部署と連携することが必須です。

配属になったセクションの業務に固執せず、人事総務の一員として大きな視野で業務を見渡すことができる人に向いているといえます。

一見地道な作業をコツコツと遂行できる人

人事総務の仕事は売上に直結する部署ではないため、個々の社員の業績が即座に数字で現れるものではありません。

中には、膨大な資料を管理、閲覧しやすくファイリングする作業や、研修に必要な文房具を大量に仕入れ準備したり、研修会場の設営や後片付けまで行うこともあります。

裏方の仕事でもこれは会社を支える重要な任務だと認識し遂行できる人は、人事総務の中でも活躍していけるでしょう。

コミュニケーション能力の高い人

人事総務では、一つの業務に対して多数のスタッフが関与している場合がほとんどです。

報告、連絡、相談はもちろん、自分の進捗と周りの進捗を相互に確認しながらスムーズに連携して業務を行える人が向いています。

社会人としての常識のある人

来客対応や電話対応などを行い「会社の顔」として出ていくことが意外と多いポジションです。

大事なお客様にお茶を出し忘れてしまったり、電話対応での対応が悪かったりすると、会社のイメージに傷をつけかねません。

挨拶、人とのコミュニケーション、気配りなど、基本的なことができる人が向いています。

人の力になるのが好きな人

総務人事は組織の人間全てが気持ちよく仕事ができるよう調整をするという業務といえます。

従業員のために目立たないところで様々な業務を行っています。

裏方のサポートが好きな人に向いている業務です。

マルチタスクな人

営業の仕事は基本的に一点集中型で、営業成績を上げることが使命といわれています。

ところが、総務人事は業務範囲がとても広く、全体を見渡しながら同時に複数の物事を進めていくことが求められます。

法律の本を片手にトイレットペーパーの発注をするようなこともあります。

周囲の状況や変化を素早く感じるのとのできる人も向いているといえます。

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逆に、人事総務の仕事が向いていない人ってどんな人?

中には人事総務の仕事に向いていないと思われる人もいます。

具体的にみていきましょう。

華やかな仕事にしかやりがいを見いだせない人

表舞台にいないとやりがいを感じられない人や、他者をサポートすることが苦手な人は、人事総務の中で業績を積み、認められることは難しいかもしれません。

スタンドプレー重視の人

とにかく目立ちたいあまりに、周囲の人と連携を取ることを怠り、勝手に業務を進めてしまう人は向いていないかもしれません。

人事総務の業務は一つの案件が複数のセクションの連携を必要とすることが多いため、スタンドプレーはいわば禁じ手といっても過言ではありません。

細かい仕事がとにかく苦手な人

人事総務の業務は、時に非常に地道なことがあります。

細かい資料作成やデータ整理がどうしても生理的に苦手という人には向いていないかもしれません。

生理的に苦手という人の場合、これは努力でどうにかなるものではない場合もあります。

適材適所という言葉もある通り、自分に向いている職種を探すと良いでしょう。

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人事総務の仕事で活かせる経験

人事総務の仕事をするにあたり、それまでの経験が活かせることがたくさんあります。

プロジェクトを裏方で支えた経験

学生時代や前職などで、一つのプロジェクトの企画、運営に庶務的な角度からサポートしたことのある人、またその経験に達成感を感じたことのある人は、人事総務にとって非常に貴重な存在となるでしょう。

どんなに大きなプロジェクトでも、現場では必ず丁寧な事務作業が求められます。

そのような経験は大変強みになります。

人と接する業務や体験を多数してきた人

人事総務というと、事務所で黙々と事務作業しているイメージが一般的にあるかもしれません。

しかし、社員の就業全般に関わる業務では、個々の社員へきめ細やかな対応が求められますし、総務の業務にも社外の様々な業種の方とコンタクトを取る場面が沢山あります。

コミュニケーション能力を高められた経験は人事総務の業務の中でも重宝されるでしょう。

PTAでの経験も人事総務に活かせる?!

子育てがひと段落して仕事をしてみたい、けれど特に目立った職業経験もないし・・・というお母さんもいるかもしれません。

そのような方の中に、お子さんの学校のPTA役員の経験がある方もいるのではないでしょうか。

PTAの業務ではPCスキルも必要であったり、PTA内部の人員取りまとめ、さらには行事開催にあたり教員や外部との交渉も必要になってきます。

ここで得た経験を、人事総務に生かすことも可能かと思われます。

まずはパートタイムからでも、チャレンジしてみる価値はあるはずです。

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人事総務で働くメリットとは?

ここまで、人事総務の業務についてご紹介してきましたが、実際に人事総務で働くメリットがあるとしたらどのようなものでしょうか。

具体的にみていきましょう。

人事総務の仕事は様々な場面で応用が可能です

人事総務で培ったビジネスマナーや、物事をシステム化して捉える見方は、一つの業務に特化した職種では得ることのできない汎用性を持ち合わせています。

なにより安定した職種であること

人事総務は会社や事業所を支える屋台骨のようなものです。

直接売上などの数字を取ってくる部署ではない代わりに、日々の業務がルーティンとして安定していて見通しが立ちやすい点がメリットです。

人事総務のない会社はない?

個人、特に家族のみで経営している会社はともかく、ほとんどの会社には人事総務に相当するセクションがあるはずです。

会社を運営するために欠かせないセクションであるため、人事総務から出ている求人募集も多数あります。

広く門戸が開かれた職種と言えるでしょう。

残業時間は比較的少なめ?

これは会社によってまちまちなところもあるかもしれませんが、基本的に人事業務を取り扱っているセクションであるため、目立った超過残業はしない、認めていない会社が多いようです。

有給休暇が取りやすい?

これも残業同様、人事総務の立場としても、労働者の権利である有給休暇をしっかり消化しましょうという傾向があるようです。

もちろん、有給休暇取得にあたり事前に周囲の了解を得て、業務に支障のないよう配慮することは必須です。

有給休暇が取りやすいことで、大事なプライベートを充実させることができ、それによってさらに仕事にも生き生きと取り組むことができる、という好循環になることも考えられますね。

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その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

人事総務内でも、キャリアパスプランがしっかりと設けられている会社が多数あります。

中には具体的に、ステップアップするために取得が必要な資格が設定されているところもあります。

職場の様々な条件が自分にマッチしているなら、会社内でキャリアを磨いていくことも前向きに考えると良いかもしれません。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

人事総務の仕事は、一見特殊能力がなくてもこなせるように見えますが、実は一朝一夕には身につかない実績と経験に基づくスキルが必要です。

物事を俯瞰してみる能力、複数の事象をシステマチックに分析する能力、他者とのコミュニケーションスキル、個別に行う丁寧な対応、地道に膨大なデータを管理、整理する能力、などなど挙げればきりがないくらいですが、これらの能力はどの職業に就いたとしても存分に活かせるものです。

また、特に人事関係業務で得た知識、例えば社会保険関係、給与にかかる税金関連の知識は非常に専門性の高いものであるため、他職種に転職しても役立てることができます。

人事総務の業務を経験し、さらに専門性を高めるために社会保険労務士の資格を取得された方もいます。

人事総務の仕事の先にはまさに未知数の道が広がっていると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

人事総務の仕事について、普段の生活ではなかなか耳にする機会はないかと思いますが、改めてご紹介するとなかなか奥が深い仕事なのだと思っていただけたのではないでしょうか。

職業人としての誇りを持って臨める人事総務の仕事に、あなたも挑戦してみませんか?

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