今回は「人事」のお仕事について紹介させていただきます。

人事部門は事務職の中でも経理、総務と並んで比較的メジャーな職務であり、認知度も高いですがあまり人気がある部門ではありません。

なんとくなく人の給与や人事異動などに関わる仕事なので、冷静に人を解雇したり、異動させたりする、感情を持たない冷たい人間が揃っているんじゃないかな?みたいなイメージを持たれるのかもしれません。

確かに人事部門のお仕事の中では一個人ではなく、企業全体のことを考えて行動することも必要な時がありますが、多くの人事担当者は従業員一人一人に愛情を持ち、その人たちの成長を願っています。

それは人事が取り扱う商品が「人」であり、一人一人に対して愛着と正確な知識を持っていなければ成り立たない職種だからです。

今回はそんな「人」を商売とする人事とはどんな仕事なのか、内容や仕事の魅力などをご紹介いたします。

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人事とは?仕事は大きく3つの役割に分けられる

採用

人事部門の仕事の始まりは「採用活動」より始まります。

これは商品でいう「仕入れ」の業務に当たると思います。

具体的な仕事内容としては「新卒採用」「中途採用」「パート、アルバイト採用」の3つがあり、①企業紹介、②選考、③内定後のフォローといったステップで進んでいきます。

一般の「仕入れ業務」は、発注すれば、ほぼ必ず一定の数、一定の品質の商品が届くのに対し、採用は必ずしも望んだ人数が確保できるわけではありませんし、またその商品の品質、つまり採用する人材についても見極める必要があり、それはとても困難なことです。

人間は育った環境から性格や、学力、価値観など十人十色であり、1人として同じではありません。

この様々な応募者の中から、それぞれの品質を判別するわけですが、その基準となるポイントは二つ、「仕事への適応」と「環境への適応」。

言い換えれば、「この仕事を天職とできる可能性があるか」と、「この会社で成長できる可能性があるか」です。

つまり仕事内容に関して興味を持ち、その仕事を極めたいと思い、そのことをそれぞれの仕事場の中で、周囲のサポートを受けながら、実行していけるかが問われます。

当然基礎学力や、中途採用の場合は職務経歴書などの過去のその人の実績も参考にしますが、大切なことは過去ではなくこれからの自分、つまりこの会社に入ってどうなるかという、その人の未来を想像することが大切になります。

能力開発・人材育成

人を採用した後はその人の能力開発に入ります。

中途採用などの一定のスキルを持って入ってくる人、新入社員のように一から仕事を覚えなければいけない人、パートやアルバイトのように仕事そのものに深い技術や知識を求められない人、それぞれの対象者によって人材育成の内容は変わってきます。

カリキュラムは大きく分けて①技術・知識、②経営理念、③ヒューマンスキルに分かれます。

技術・知識は仕事をして行く上で必要となるものであり、他企業でも活用できる汎用的なもの、経営理念はそれぞれの企業オリジナルのものであり、企業の性格とも言えるもので、従業員全員で共有しなければいけないもの。

ヒューマンスキルは組織の中での適応力や、組織の長となったときに管理能力やチームワーク力を高めるために必要なのものになります

労務管理

労務管理は企業経営における経費管理の一面と、授業員における福利厚生の一面を持っています。

一見すると相反するこの二つの面においてバランスをとりながら、双方の目標を達成していくことは、人事担当者としての腕の見せ所です。

役割ごとの仕事内容とは

採用の3つの業務

企業紹介

インターネットの採用サイトやハローワークの掲載に向けての企業紹介用の文章を作成します。

企業概要や採用条件などがメインとなりますが、特に仕事内容とキャリアステップについてはより詳細に記入します。

新卒採用については学校や採用サイトが開催する「合同企業説明会」に参加し学生の前でプレゼンをしたり、最近増加しているインターンシップの開催も行います。

近年は有効求人倍率が1.5倍を超え、売り手市場となっているため、「いかに就職希望者に興味を持っていただけるか」が、より重要になります。

人事担当者は会社を代表し就職希望者と最初に合う人間です。

「会社の顔」と言われるように担当者の印象で会社のイメージが決まってしまうため、説明内容やプレゼン手法だけではなく、髪型や服装など容姿にも十分気を配ります。

会社に興味を持ってくれる人ができ、応募が発生すれば選考に入ります。

選考

選考は筆記試験や適性検査、面接などが一般的です。

応募者とのスケジュール調整や、時には自分が面接官になったりなど、全般的に関わります。

選考の結果内定者が出れば、内定者フォローの業務に入ります。

内定者フォロー

中途採用やパート、アルバイトの場合は給与や時間、配属先などの採用条件を提示し雇用契約を結びます。

入社手続き、配属先への挨拶を経て、正式配属まで携わります。

新卒採用の場合は内定から4月の入社まで時間がありますので、内定者研修や施設見学、入社前研修など約半年間に渡って内定フォローを行なっていきます。

能力開発・人材育成の6つの業務

新入社員研修

新入社員研修は一般的に正式配属前に行うことが多く、仕事を始める前に社会人としてのマナーや組織理解、生活サイクルや仕事の進め方に対する基礎などを学びます。

時期は4月の入社式の前後であり、企業によっては入社前の3月に合宿形式で行う場合もあります。

期間は1日~3日が多く、長くて1ヶ月ほどです。

名刺の出し方や電話の受け取り方、挨拶の仕方などの作法や敬語の訓練、接客業の場合は笑顔やお辞儀の訓練などマナー的なものから始まって、それぞれの部署の所属長が直接仕事について語る組織紹介や、社長が経営理念について語ったり、保険や年金などファイナンシャルプランナーによる将来の生活設計の講義、団結力を高めるためのグループ活動(料理を作ったり、ダンスを踊ったり、駅伝をしたりなど企業によって様々です)などがあります。

仕事を始める前に社会人としての最低限の知識を習得することが主な目的ですが、同期入社の「横のつながり」を強化することも目的の一つとして挙げられます。

七五三と言われることがありますが、新入社員は中卒7割、高卒5割、大卒3割が3年以内に退職すると言われています。

多くのコストをかけて採用した新入社員に、いかに定着してもらうかは人事担当者にとって重要な課題であり、仕事で壁に当たった時に、同期の絆の強さは退職を防止する大きな助けになるため、新入社員研修の段階で絆を深められるよう、カリキュラムに組み込まれます。

OJT

オン・ザ・ジョブ・トレーニングの略であるOJTは、配属後に配属先で行われる、「仕事をしながら覚える」育成制度であり、新入社員のみならず、中途採用社員、パート・アルバイト社員の全てに対し行われます。

「OJTチェックシート」と呼ばれる作業ごとに作業内容、必要時間、出来栄えの基準などが表記されたシートを使用し、配属先のOJT担当者(一般的に配属先の上長が多いです)が行います。

期間は様々ですが1ヶ月毎の振り返りで6ヶ月〜1年間程度行うのが一般的です。

人事担当者は直接指導、評価には携わりませんが、評価結果を集計し、必要に応じてフォロー面談を行なったり、配属先を変更したりなどの対応を取る場合があります。

セミナー・講習

セミナーには社内講師によるものと外部講師によるものがあり、外部講師によるものに関しては更に社内に招聘する場合と社外に受講者を派遣する場合に分かれます。

それぞれのキャリアステップに応じて、必要な時に必要な知識を習得するためのセミナーを受講することが一般的です。

スクール形式のものも多いですが、先ほどあげた理念研修など、テーマに応じ、グループディスカッションやブレインストーミングなどを行い、気づきを誘発させるものもあります。

ある程度の年数が経った従業員の場合は、大学の授業のように共通講義の他にも、自身のキャリアに応じて受けたい講義や、取りたい資格を選択することができる「カフェテリア方式」の教育制度を導入している企業もあります。

能力開発を効果的に行うためには、従業員の自己啓発意欲を高め、受け身ではなく自ら学びたいという思いを持たせることが理想的です。

カフェテリア方式の教育制度はこのような点で自己のキャリアを主体的に構築する意識を高め、自ら学ぶ意欲を持たせる点に対し効果的だと言われています。

教育やモチベーション管理

就業している企業によって、法律上義務を負わなければならない研修もあります。

その定義されている研修が外部で開催されているものや内部で行うことのできる研修まで様々です。

そのスケジュール構成も人事担当の仕事になります。

大企業などの視点を構えている企業は、事業所の事業体によって各支店の人事担当が行うものもあれば、本社や本部で一括して管理する事業体など様々です。

民間企業に従事している人事部が特に気を付けておかなければならないことは「法令順守」でありますから、企業が成り立つための押さえなければならないことを担わなければならないことこそ人事担当者の責務でもありますし業務でもあります。

評価

社内の従業員の評価を記録しまとめるのも人事担当者の業務です。

勤怠管理など、従業員が普段どのような形で就業しているかどうかを平均して評価としてまとめます。

もちろん一従業員の評価を決めるのは直属の管理職でもある上司にあたりますが、その評価内容から給与規定と照らし合わせて管理すること、そして一括管理することも業務の一つなのです。

人員配置

また、大規模な事業では支店や部署異動も多くあります。

それらを管理するのも業務の一つです。

勤続年数や所属している部署の均一化を図るために、人事として適正に移動者をリストアップして移動する従業員の算定をします。

さらに、移動を希望している従業員の希望に添えるという形でも、本部の人事担当者と希望している従業員との仲介を担い、より良い人事異動を促してあげることも管理の一つになります。

労務管理の3つの業務

労働時間管理

労働時間管理は従業員の勤怠管理であり、一般的にはタイムカードを使用し打刻データを集計することで行います。

パート、アルバイトなどの多い飲食業界や食品スーパーなどは、店長が店毎に管理を行い報告をすることが一般的です。

社員など月額で給与が決まっている職種の時間のことを「固定時間」パート、アルバイトなど時給で給与が決まる職種の時間のことを「変動時間」と言い、時間を減らすことが人件費の削減につながる「変動時間」の管理が中心となりますが、現在は管理項目の中で特に重要なのは、特に社員の「残業時間」です。

「ブラック企業」という言葉とともに注目を浴びた残業時間は国の進める「働き方改革」の成果の基準となる数値であり、削減が叫ばれています。

しかし日本の企業のサービス力の高さは残業の多さによって支えられてきたことも確かであり、残業を削減することはサービス力の低下につながり、企業の競争力を奪います。

いかにサービス力を落とさず残業を減らすか、作業改善も含めた仕事の効率化が求められています。

人事担当者は経費削減の視点だけではなく、コンプライアンスの視点や作業効率の視点、その結果である残業削減による従業員のモチベーションアップという視点でも労働時間管理を行なっていく必要があります。

給与・福利厚生事業

労働時間管理を月次で行い、集計した労働時間と契約書に記載している内容を用いて月次の給与計算を行います。

労働時間の集計や給与計算自体はシステムを使用しますので作業自体はそれほど大変ではありません。

従業員の契約書を含めた交通費など各種申請書の管理、保険料や税金など給与天引きする金額の確認、契約時間に応じ雇用保険や社会保険の対象、非対象が決まりますので必要に応じて保険の加入、喪失処理を行い、月次の給与を確定し振込処理を行います。

同時に月次の人件費も確定しますので、売上高や利益に応じ、各事業所において人件費が適切に使用されているかをチェックします。

多すぎる場合は人員の削減、少なすぎる場合は人員の投入を新規採用や人事異動などにより行います。

また従業員が各職場において気持ち良く業務を行えるように、健康診断の実施、事業所の安全や衛生のチェック、制服や名札、タイムカードなどの支給、または社宅の管理など福利厚生面での業務も行います。

労使関係管理

あってはいけないことですが、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなどが生じたときに対応するのも人事の仕事です。

原則、担当者2名(男性と女性)による被害者と加害者への面談を行い、必要に応じて懲戒処分や人事異動による環境改善を行います。

また社内だけの問題に収まらず、従業員が組合や労働基準監督署に訴えた場合は会社を代表し対応を行います。

紛争調停と言われるもので、時には裁判になったり、示談金など金銭が絡む問題に発展することもあります。

人の感情に関わる問題なので完全に消滅させることは難しいですが、定期的なセミナー、防止ポスターの掲載などの啓蒙活動を通じ再発防止に努めることが大切です。

人事の仕事の良いところ

人事にとっての商品は「人」である、と先ほど申し上げましたが、人には明確な数字がありません。

その人がどの程度成長したか、どれほど能力がついたかを測るのは、例えば評価や社内試験の点数などがありますが、それは人事の努力ではなく本人の努力に準ずることも多く、人事の仕事に対する評価は、例えば売上数値が明確に現れる営業職などと比較してイマイチよくわからないことが多いです。

そんな中でもこんな時嬉しいな、やりがいを感じるなという事例を紹介します。

採用した社員が活躍している時

自分が採用に関わって、まだ右も左も分からない時に新入社員研修などで指導した人材が、管理職などの会社の経営に直接携わる人材に成長したときは嬉しく感じます。

合同企業説明会などでうまくプレゼンができて会社に興味を持ってもらい、多くの企業の中からこの会社を選んでいただいた、そのきっかけが自分だったというのはとても誇らしいことですし、人に関わる人事の仕事の醍醐味と言えます。

合同企業説明会などでプレゼンするとき「たとえ学生が1人しか来なくても、その1人が将来我が社の社長になると思って対応する」これは人事担当者としていつも心がけていることですし、実際にそうなったりするから面白いですね。

たくさんの人に関わることで、自分自身も大きく成長できる

人事の仕事は人を通じ営業職と事務職の両方に関わる仕事です。

ですから当然多くの人と関わることになります。

営業では取引先様や事業所のある地域の住民の方や学校などの教職員の方々、事務では社会保険事務所や税務署、労働基準監督署、ハローワークなど官公庁の職員の方から、人材紹介、教育研修などのサービスを行なっている企業の担当者、マスコミ関係、給与計算などのシステム関係など多岐に渡ります。

営業だけ、事務だけではなく、双方の視点で物事を考えなければいけないので、時には混乱もしますが、より会社全体を通じた広い視点で判断するスキルを身に付けることができます。

新たな人事制度で社内の業績もUP

自身が採用し、育成した人を評価するのが人事制度です。

人事制度とは主に「評価制度」とその結果である「給与制度」に分かれます。

評価制度は「公平」である必要はありませんが、頑張った人には報いる「公正」な制度であるべきですし、そうすることで従業員のモチベーションアップにもつながります。

そしてその制度を作成するのは、会社の中で一番「人」を知り、その人達に「どう頑張ればいいのか」を伝えることができる人事担当者です。

公正な制度の中で従業員が自身の目標を明確に持って努力し始めた時、社内の業績は必ず上がります。

その様な会社全体を変えることのできる仕事に中心人物として携われることは、やはり大きなやりがいに繋がります。

教育などが実を結ぶと嬉しい

研修や指導などで携わった従業員が学んだことを実際に現場で活かしているということは、研修や指導を担ったものとしては「やってよかった」と思えるはずです。

身になる行為を手助けしたという気持ちになり、今後の研修や指導でも参考になることは間違いありません。

会社の状況がわかる

人事職に携わるうえで、会社の業績や会社の環境などが直接わかる立ち位置にいることは間違いありません。

上司である方と相談をしたり、実際に会社の状態を把握したうえで採用条件をまとめたり人事異動を決定する部署にいるのですから、一従業員だとしても、そういった情報を得てから人事業務に携わる機会も多いです。

そのかわり、守秘義務などが多く存在しますが、それを漏洩しないための責務も担わなければならないです。

しかし、業務の重さということが肌で感じることができるので、簡単に仕事を放棄してはならないという緊迫感こそやりがいととらえても他言ではありません。

人事の仕事のつらいところ

人事職は実際に事務の手続き業務も多い中、対人の業務も多い職種です。

ということは、対人に関わってくる業務が多いということですから、もちろん愚痴の一つや二つこぼしたくなるほどつらいこともあります。

もちろん、個人情報などの漏洩問題に発展することはあってはならないことですが、実際にその情報を「取り扱っている部署」と思われているということで、怒りの矛先が人事担当者に変わったりするケースもあります。

いわゆる「とばっちり」というものにかかわってしまうことも多いようです。

では、人事職に就いてデメリットとなるケースはどのようなことがあるのでしょうか。

採用で上手くいかないと批判の対象に・・・

人事担当が面接を担当するケースはよくあります。

それが大幅に従業員を募集したりする新入社員などの採用面接などでよくみられます。

しかし、いざ新入社員を入れて各支店で配置したとしても、実際に全員が就業し続けるというわけではありません。

現場で上司とそりが合わない従業員が辞めてしまったり、人間関係がうまくいかなかったり、業務内容に沿わない働きをしたりと、実際に採用した人が問題を起こしたりすると、矛先が採用をした人事担当者に向けられることもあります。

面接したときは良い印象だったのに、ふたを開ければなんてケースも少なくはありません。

しかし面接したからといって嫌味を言ってきたり責任問題を追及されたりするのは、人事としてもどうしようもないですが嫌味を降り注がれたりすることもあります。

社内評価などで社員との関係が気まずいことも

また、社内評価に対して他の従業員からクレームが来たりすることもあります。

今季は従業員にとって悪くなかったような印象を持っていても、評価が本人の中で思っていたよりも低く不満を思う人もいます。

その評価を人事担当に直談判したり、直接ではなく間接的に悪口を言われたりすることもあるようです。

結果、人事職に就いているというだけで他の部署の従業員とうまくいかなかったり関係が悪化したりするということもあります。

退職勧告をしないといけない場合も・・・

また、こちらも稀なケースではありますが、ある従業員が重大な問題を起こしたときに、退職を迫られた時には人事担当者が退職勧告をしなければなりません。

入社手続きならまだしも人に退職を迫るなんてことは人事職ならずだれもやりたくはない業務です。

本来なら支店がある企業であれば管理職が勧告をしますが、それでもおさまりがつかないほど大きい問題に発展したときには人事職者が対応しなければならないのです。

社員の細かな情報を知ることになる

手続きの際に人事職者は個人情報を取り扱います。

手続き上従業員の個人情報を取り扱わなければならない立場ですが、あまり知りたくない個人情報も知らなければならないこともあります。

もちろん、業務上のことなので守秘義務も発生しますし他に漏洩することはしてはいけません。

そういった心労も重なり、退職してしまう人も多いようです。

採用や退職などでのトラブルも少なくない

また、採用の際、雇用契約内容と相違があったり、退職時の退職金をめぐってトラブルが起きたりなど、人事契約時にはトラブルがつきものです。

そのトラブルを解消するためにも人事職はあります。

対人のトラブルですので、もちろん個人面談も担当しなければなりません。

中には心無い言葉を振りかけられる人も多いようです。

そういったトラブルを解決するのも人事の嫌な役目でしょう。

人事の成果はわかりづらい

ほかの業種から見ても、人事職の評価や実績は不透明なものがあります。

もちろん、人事職を経験した従業員からすればどういう職務体系かどうかを理解してもらえる半面、人事職を経験したことがない人にとっては「何をやっているかわからない部署の人間が」なんて言われたりすることも多いようです。

これだけ精密な仕事をしているのに、見えない業務によって勝手な評価を付けられることも少なくはありません。

人事の仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

社会保険や労働保険の知識や、税金の知識

給与計算や福利厚生、年末調整などに必要となります。

中心となって業務を行わない場合もありますが、関連部署、料率、計算方法など必要最低限の知識は身につけておきましょう。

社会保険労務士の資格を取ったり、また資格を取らないまでも勉強したりすることは知識の習得に大いに役立ちます。

社内の組織や部署

組織や部署を覚えることは必須です。

また「その部署にどんな人がいるのか」、「上司と部下の人間関係はどうなのか」、「担当者がいなくなった場合、次に候補となるのは誰か」など人に関する情報は常に把握しておく必要があります。

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人事の仕事で高められるスキル

コミュニケーション能力

従業員全員を知っており、また従業員全員に知られていることが理想です。

相談事や悩み事など多くの依頼が全従業員より生じてきますので、コミュニケーション能力、特にコーチングで言う人の話をしっかり聞く能力「傾聴スキル」を高めることができます。

情報取集能力

営業と事務双方にまたがることによる人脈、また従業員とのコミュニケーションを密に取ることによって各現場での人間関係や仕事に対する課題など多くの情報が、机に座っていても集まってきますし、情報が集まってくる状態にできるよう、様々な人とコミュニケーションをとり、頼りにされることが必要です。

あまりに多くの情報が集まりますので、情報収集能力というよりは、それらの情報を的確に分析し、優先順位をつけ、整理する「情報整理力」を身に付けることが優先されるかもしれません。

人事の給料・年収の相場はどのくらい?

人事の仕事は先ほど申し上げた通り、目に見える業績というものがありませんので、評価しにくい分野になりますし、あくまで企業内においては裏方、サポート役となりますのでボーナスなども平均的な支給となる場合が多いです。

正社員で新卒入社した場合

給料:25万~50万程度

年収:300万~600万程度

正社員で転職した場合

給料:30万~50万程度 即戦力としての採用の場合は、採用先の会社の課題解決に際し、インセンティブが付く場合があります。

年収:400万~600万程度

パート・アルバイト

給料:800円~1500円 給与計算業務や保険登録業務など、事務処理の仕事が中心になります。

年収:150万~300万程度

派遣社員

給料:1500円~2000円 人事情報は個人情報となります。保護の関係上、派遣社員が事務対応することはあまりありません。

年収:300万~400万

年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?

賞与

一般的に夏と冬の2回支給されます。

6ヶ月ごとの業績評価や目標管理、人事考課などにより支給率が決定され、その期の評価として人事情報に蓄積されます。

賞与の評価はあくまで6ヶ月の業績によるものが大きく、個人の能力の成長に対する評価は、年1度の昇給などの賃金改定時において使用されます。

昇給

主にそれぞれの会社の決算月の翌月に、賃金改定として実施され、改訂の頻度は年に1回です。

人事考課などの個人の職務能力の成長を基に評価され、基本給や役職手当など、月に決まった額で支払われる給与が改訂されます。

職務能力制度では基本給は等級によって設定されており、それぞれの等級には上限と下限が有ります。

その等級内で基本給が上がることを「昇給」等級が上方に変更されることを「昇格」と呼び、昇格の場合のほうが給与のアップ額は大きくなります。

昇格は人事評価のみでも行われますが、筆記試験、面接試験、レポート提出などで構成される「昇格試験」を受験し、合格者が昇格するという制度もあります。

各種手当

人事考課など職務の遂行能力とは別に支払われる給与のことで、通勤手当や住宅手当、世帯手当など個人の生活に関係して支払われる場合が多いです。

福利厚生の一環として従業員の社宅に対する手当を支給していたり、配偶者や子供の数によって世帯手当などの金額を設定していたり、企業によって支給額、支給基準は違ってきますので確認して下さい。

給与が高い人は何が違うの?

一般的に事務処理能力の高さはあまり給与の金額に直結しません。

求められるのは課題解決力であり、会社の抱えている課題に対していかに迅速に対策を打ち出し、改善を実行できるかがポイントとなります。

人事は営業と事務の両方に跨っている仕事と申しましたが、両方の部署に対して意見が言いやすい反面、両方の部署の意見を調整しなければいけないという問題も抱えています。

営業寄り、事務寄りではなく、双方の意見を聞きながら、いかに問題の落としどころを見つけるか、バランス感覚が高い人が評価される部署でもあります。

スキル

社会保険労務士や中小企業診断士、キャリアデベロップメントアドバイザーなどの資格は仕事に役立ちますが、一番のスキルは「人を知ること」です。

それぞれの会社の従業員のことをいかに深く知るかが大切になります。

役職

担当、主任、係長、課長など、仕事の役割りや内容によって変わりますが、先ほど挙げた「採用」「能力開発」「労務管理」などの区分で課や係が分けられている場合が多いです。

勤続年数

人事は人を知る仕事ですので、勤続年数が長いほど、新卒採用などで社内で関わった人が多くなり有利となります。

ですから人事担当者は長期間異動をせず、10年、20年と一つの仕事を続ける場合も多いです。

しかし新卒採用や新入社員研修などは学生と年齢が近い人材のほうが適しているので、若手が担当することがあります。

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人事の求人についてよくある疑問

ここまで読んできて人事の仕事に興味を持ち、応募してみたいと思った貴方に、人事担当者になるためのポイントをいくつか挙げてみたいと思います。

応募方法は?

正直申し上げてあまり需要がある部門ではありません。

少ない人数で回すことができますし、先ほど申し上げましたように長期間勤める方も多いので、営業職と比較して求人募集がかかることは少ないです。

ハローワークや転職サイトをこまめにチェックしてみてください。

また、企業によっては総務や経理を兼務する場合もありますので、募集要項をよく確認する必要があります。

面接でよく聞かれることは?面接合格の秘訣!

人に対する課題解決の手法を聞かれる場合が多いです。

人事の仕事は「採用」「能力開発」「労務管理」と分かれているようで実はそれぞれが「人」というパイプで一つに繋がっています。

人間に興味を持ち、それぞれの業務に対していかに人を動かせれるか、個人のコミュニケーション力や、またそれだけではなく、仕組みを作る企画力などで、人に対し影響力を発揮できる人材が求められます。

「人が好きなのか」「人に興味があるのか」「人の話を聞くのが好きか」あるいは「人のモチベーションを上げるためにはどんな仕組みづくりが必要か」などといった質問が良く行われます。

未経験でも応募できる?

企業によっては未経験でも応募できますが、中途採用の場合は圧倒的に経験者が多いです。

未経験で応募する場合はこれまでに書いてきた人事の仕事の内容、求める能力、やりがいなどをしっかりと把握し、自分がそれに対応できる人材だということをアピールできる準備をしておきましょう。

会社の雰囲気は?

良く会社の雰囲気は良いですか、悪いですかと聞かれますが、「悪いです」と答えるはずがありませんよね。

但し人によってその企業の社風に「合う、合わない」は必ずあると思います。

それではその会社の社風をチェックするためにはどうすればよいのか。

一番その企業の社風が分かるのはそのトップ、つまり社長と話すことです。

会社の社風はその企業の社長の性格がそのまま表れます。

おおらかな性格であればおおらかな社風ですし、几帳面な性格であれば几帳面な社風になります。

ですから会社の雰囲気を知りたければ、「御社の社長はどの様な方ですか?」と質問すれば良いでしょう。

人事の求人でチェックすべきところは?

その人事部門がどのセクションに分かれているか、また採用となった場合自分がどんな仕事をするのかを確認しておきましょう。

人事の仕事は先ほど申し上げましたように「採用」「能力開発」「労務管理」の3つが基本です。

すべてを経験することが理想ですが、恐らく最初はどれか一つから始めることになります。

自分がどの仕事からキャリアをスタートするか把握し、円滑に業務を始められるよう準備をしておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は人事の仕事の内容についてご説明させていただきました。

何度も申し上げますが人事の取り扱う商品は「人」です。

そしてその「人」を「会社に貢献しうる人材」に育てることが最も大切な役割になります。

そのためには「採用」をし「能力開発」をし「労務管理」をすることが必要です。

つまり「最良の人材を採用し」「最良の教育を行い」「最良の環境で成長を見守ること」が人事の仕事です。

「会社に貢献しうる人材」を育成するためには、優秀な人材を採用するだけでも、平凡な人材を必死に教育するだけでも、良い環境を整えるだけでもいけません。

「採用」「能力開発」「労務管理」全ての業務をベストに行ってこそ、理想の人物が育ちます。

そういう意味で、人事の仕事は一つに繋がっているということができるでしょう。

そして人事の仕事は「託す」仕事です。

自分でいくら努力しても、しょせんその人の成長はその人に負うところが大部分です。

自己の仕事で最大限の努力をし、ベストを尽くしたら、あとはその人に期待し「託す」ことになります。

最後まで自分でやり遂げられないのは歯がゆいですが、人がその期待に応えて成長してくれた時、それは自分ですべて完結させるよりも、より大きな喜びとなって、自分に返ってきます。

人を信じ、人に託し、その成長を自分のことのように喜べる人。

真に人事担当者に向いている人とはそのような人物だと思います。

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人事正社員求人の年収や仕事内容、おすすめ求人の特徴とは?よくある募集内容や正社員として求められることを解説!

企業の採用試験を受けるときにまず、一番最初に出会う方。それが人事所属の人。ということから、採用関係の業務を担っている部署であることはわかるものの、他にはどのような業務をする部署なのでしょうか。今回は、人事の正社員で働きたいと希望する人に送る、人事正社員求人のお仕事の内容や年収、働くにあたり大切なことなどを紹介します。人事の仕事とはどんな仕事?人事とは企業内における、人材の管理を行う部署です。新しく人材を採用するための業務はもちろん、働いている社員の評価の管理、社員のスキルにあわせた社員研修の企画実行、適材適所に人材を配置するための人事異動など業務は多岐にわたります。人事正社員の大まかな仕事内容

人事の仕事はどんな人に向いているの?業務内容やメリット・デメリットや向き不向きについて解説します

人事の仕事に興味を持っていて、将来人事業務に就きたいと考えている方も多いと思います。そういった興味の中には、実際に自分が人事職に就きたいと気持ちを持っていても人事職はどのような仕事なのかなど、知らないことはたくさんありますよね。つかみどころが難しい人事職ですが、興味を持ちその職に就きたいと考えている人にとっては人事職にどのような人が働いていたり、人事職の良いところや悪いところなども知ってみたいと思います。そこで、人事職がどのような人に向いているのか、人事職に就いてわかるメリット・デメリットをご紹介できればと思います。興味を持っている方はぜひ今後の人事職への興味や関心の幅が増えます。ぜひ、ご参考

人事採用担当の求人の選び方と3個のおすすめ基準

様々な仕事を経験して、「人事」という職に就きたいと思う方も多いと思います。前職で労務関係の仕事を経験された方や、人事職に実際に就いていた方、まったく異業種で経験されている方など、働いている人はすべての形で「人事職」とかかわりがあり、多少なりとも興味を持つことも多いはずです。そこで今回は人事職に転職したいとお考えの方に、どのように転職ができるかどうかをポイントとしてまとめご紹介させていただければと思います。ぜひ、転職活動のご参考までに。人事部門で採用担当のお仕事をお探しの方へ本来人事職に所属する人の特徴としては、従事している会社の勤続年数が長い人が転部するという形が一般的に多いともいわれています

人事が転職で成功するために注意すべき8個のこと

民間企業に努めている方から公務員として働いている方など、この社会には様々な形で「働いている人」がいて、様々な場所で「働いている人」がいます。その社会人が働いている場所には必ず「人事職」があります。人事職は人を選別する仕事が主となるわけです。細かく言うと、総務的業務、経理的業務など、労務関係の業務に携わる一会社の雇用の基盤にもなる職種です。その職種に転職をしたいと思う人も多いと思います。やりがいのある仕事です。しかし現実は甘くない。希望をしても、願っても、転職は可能なのか、それとも無理難題なのか。そこで、今回は「人事職の転職」についてのポイントをまとめつつ、少しでも「人事職の転職」に有利に傾くよ

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