葬儀司会が向いている人の4個の特徴や必要なスキル・適正とは?
大半の人は一生の内に何度か葬儀に参列する機会があると思いますが、その葬儀には司会の仕事をしている人がいます。
葬儀の司会と聞いて漠然とした仕事内容は分かる方も多いと思いますが、その詳しい仕事内容までは経験したり実際に見てみないと情報収集はできないでしょう。
今回は、私の過去の経験から、葬儀司会の求人の詳しい内容や疑問について解説します。
この記事を読んで葬儀司会のアルバイト事情を少しでも知っていただけたら幸いです。
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葬儀司会の大まかな仕事内容と役割
大まかな仕事内容
葬儀司会者は葬儀の際に司会進行をするため、当日の流れや段取りを全て把握して指揮する「司令塔」のような立場です。
葬儀によって式全体の進捗度合いや対応しなければならないことが異なり、宗派の違いによっても進行の仕方や準備する物も変わるため、一つとして同じ葬儀はありません。
何に時間をかけて何を短縮するのかなど前もってシュミレーションできるものではないので、その時々で対応していく必要があります。
決められた時間内にトラブルなく葬儀を終えるために、様々なことを瞬時に考え周囲へ指示をして故人を気持ち良く送り出すという、責任重大な仕事であると言えます。
葬儀司会はどのような役割を求められる?
葬儀には沢山の職種の方々が関わっていて、それぞれに役割があります。
葬儀司会者は式全体を把握し、スムーズに葬儀を進行させる役割があります。
ご遺族と当日の流れについて打ち合わせを行ったり、それぞれの仕事が滞りなく進んでいるのかを確認し、時間調整の必要などがあれば指示するなど、葬儀全体を把握することが求められます。
「司会者に訊けば段取りが分かる」というように、全体の進捗状況やなのか、何に気を付けておかなければならないことなど段取りや全体の流れ、問題が起きているのならその解決方法までを把握して的確に指示し、ご遺族や参列者が不安に感じることのないように対処する必要があります。
葬儀司会でよくある募集内容とは?
葬儀司会者は葬儀司会という枠組みで募集されることが多いと思いますが、一般的に雇用元は大手企業が多く、葬儀も婚礼も両方執り行っている場合はどちらにも対応できる人ほど採用される確率が高くなると言えるでしょう。
葬儀司会者も婚礼での司会者も、「式全体を把握する」という点では同じ役割を担っていると言えます。
募集している求人の仕事内容や条件などをきちんと確認するようにしましょう。
給与相場
一般的に給与は、月給というより1回の葬儀につき幾らという価格で表示されていることが多いです。
司会をしている所要時間は約2時間~2時間半ですが、準備や打ち合わせなどを考えると式開始の5時間程前に現地入りしていることが多いので、1回の葬儀で約7時間~8時間勤務での計算となります。
地域や会社によっても異なると思いますが、1回の葬儀につき平均10,000円~12,000円前後がに給与相場でしょう。
しかし経験やスキルなどによっても異なってくるため、経験を積めば積むほど給与は上がっていくと言えます。
勤務時間や休日、残業
勤務時間は1回の葬儀で約7時間~8時間となりますが、休日や残業などは雇用形態によっても異なるでしょう。
葬儀司会はフリーランス契約をしている方も多く、中には主婦の方などもいます。
また他の司会の仕事を掛け持ちしているなど、正社員・契約社員・パートといった通常の雇用形態では仕事をされていない方が多いのも特徴です。
しかし誰もが名前を知っている大手の葬儀会社では仕事が割り振られているため、専属で司会をされている方もいます。
葬儀会社の専属となっている方は、通常の企業と同様に正社員・契約社員という雇用形態で勤務するケースが多いです。
その場合は休日に出勤する可能性もあり、人手不足や式が複数重なるということになれば当然残業も発生します。
特に残業に関しては月に平均30時間~45時間分を基本給に加算済みという葬儀会社が多いため、1回の葬儀で2時間程残業があると考えておいたほうが良いでしょう。
福利厚生
福利厚生については正社員・契約社員であれば通常の会社と同様に社会保険は完備されており、有給休暇などもほぼ完備されている会社が多いでしょう。
大きい葬儀会社であれば振替休日制度や産前産後休暇、誕生日休暇などが完備されていることもあります。
勤務場所
葬儀司会者は、現場の仕事とは言っても葬儀会場だけではなく事務所に出入りすることも多くなると思います。
大きい葬儀会社になると事務の方が葬儀会場の場所、故人や喪主の方の名前などが書かれている資料を葬儀会場の設営部隊に渡すことが大半です。
葬儀会社の規模にもよりますが地域に密着していて家族葬がメインの葬儀会社となると、事務の方やご遺体を搬送する者なども同じ空間で仕事をすることが多いでしょう。
求められる人物像
葬儀司会者は専門職に近い職業です。
求められる人物像も他の職業と少し異なります。
では、どのような人材が求められるのでしょうか。
様々なことに臨機応変に対応できる方
葬儀司会者は、瞬時に様々な状況を把握し判断することが求められる仕事です。
決してミスは許されません。
亡くなられたその方の葬儀は一度しかありません。
やり直しはできないため、様々なことに臨機応変に対応できる能力が問われる職業と言えるのではないでしょうか。
責任感が強い方
葬儀屋の仕事は、ミスが許されない上に基本的にマニュアルはありません。
それぞれの式ごとにトラブルなどが起こることも多いですが、上手く対応できないからと言って逃げ出すわけにはいきません。
何が起きても「最後に気持ち良く送り出すことができた」と必ずご遺族に思っていただけるように仕事をしよう、という強い覚悟と責任感を持って何事にも取り組める方が望ましいでしょう。
度胸がある方
葬儀司会者は人前で堂々と話をしなければなりません。
物事に動じない度胸がある方でなければなかなか難しい職業だと思います。
必要なスキルや資格、経験
葬儀司会の仕事を始める上で必要な資格やスキル、経験などは特にありません。
司会者になるためのセミナーや学校も存在しますが、特に必須条件にはなっていません。
強いて挙げるなら、過去に大勢の前でプレゼンをした経験があるなど人前で話すことに少しでも慣れている方はアピールポイントにはなるでしょう。
また宗派によって進行の仕方やマナーなどが異なります。
宗派の違いなどは入社後に独学でも学ぶことができるので、資格取得とまではいかなくても知識として身につける必要はあると言えます。
葬儀司会の仕事に活かせる経験は、こちらの記事を参考に!
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葬儀司会のおすすめの求人を見極めるポイント
実際に、葬儀司会の求人のどの部分で良い求人かを判断したら良いのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、葬儀司会の求人情報で見るべきポイントと、そのポイントをお伝えしていきます。
雇用形態・報酬について詳しく書かれている
良い求人には、雇用形態や報酬について詳しく書かれています。
先程述べた通り葬儀司会者の仕事はフリーランス契約でも正社員や契約社員やパートでの雇用でも仕事が可能なので、雇用形態を見ることで自分自身が希望する働き方にマッチしているのかどうかも判断しやすくなります。
また、どちらの雇用方法も可能な場合は給与の額も◯◯円~◯◯円と最低金額から最高金額まで明記してくれています。
特に正社員での雇用を考えている場合は、生活水準を変えずに転職ができるのかということがチェックできます。
しかしフリーランスは一種のプロ契約になり経験値や経験年数に応じて報酬額が異なるため、面接時に詳しく話を聞いたほうが後々食い違いは生じにくいでしょう。
勤務時間や休日について詳しく書かれている
フリーランスの場合は、会社側が週または月に何本の式の司会をこなすことを求めているのかによって稼働時間や出勤日数を割り出すことができます。
正社員勤務の場合はシフト制が多いのが現状で、完全週休2日制なのか、夜勤があるのか、シフトは何交代制なのかなどを事前に把握しておく必要があります。
葬儀関係の仕事は激務であると言われることが多いですが、その理由としては勤務時間が定まっていないことや休みが取れにくいという点にあります。
人がお亡くなりになる時間やタイミングなどは事前に決まっているわけではありません。
だからこそ従業員の数やシフトの詳細を明確に開示してくれている会社は信頼性が高いと言えるでしょう。
業務内容が葬儀司会のみなのかどうか
葬儀会社によってはセレモニースタッフとして司会のみならず様々な式の準備を手伝う場合があります。
様々な式の準備というのは、椅子を並べたり受付の準備をしたりなど式が始まるまでに必要となる準備全般を指します。
もし準備も行うとなると、一つの式あたり10時間程勤務すると思っておいたほうが良いでしょう。
このような求人は正社員として雇用したいと考えている会社に多い求人内容なので、フリーランスを希望する方にはマッチしない可能性が高いと思います。
万が一フリーランス契約でも式の準備の手伝いも条件に入るようであれば、業務開始前にその分の報酬がどうなるのかという点もしっかりと明確にしておかなければなりません。
葬儀司会の雇用形態による違い
先程も述べた通り、葬儀司会者には大きく分けて二つの雇用形態があります。
一つは通常の会社と同様に正社員や契約社員やパートとして雇用されるパターン、もう一つはフリーランスとして個人事業主となり葬儀ごとに勤務し報酬を貰うというパターンで、このどちらかになることが多いです。
フリーランスとして司会業が成立するには、プロとして認定されなければなりません。
フリーランス契約というのは個人事業主になるため、経費や報酬も全て自分自身で価格交渉を行う必要があります。
出張が伴う場合は旅費を幾ら貰えるのか、対応可能なエリアをどこまでにするのかなど全て自分で決めなければなりません。
リスクは大きいですが、企業に属するより自由に仕事をする時間や期間を選べて報酬も自ら交渉することができます。
自由というメリットはあるものの、しっかりと計算をした上で交渉しておかなければ二束三文になってしまう可能性も大いにあり得ますので、報酬額を慎重に交渉するようにしましょう。
このように仕事をする時・しない時のメリハリがほしい方や報酬を自分で交渉したい方は、フリーランスのほうが向いているでしょう。
安定的に決まった給与を定期的に貰いたい方は、正社員での雇用を選ぶほうが良いでしょう。
葬儀司会についてよくある疑問
葬儀司会という仕事は詳しい仕事の情報を得ることが難しく、疑問に感じることも多いのではないでしょうか。
そこでここからは、よくある疑問についてお伝えしていきます。
面接で何を訊かれるの?
他の職業と同様、面接でどのようなことを訊かれるのか不安に感じる方も多いと思います。
葬儀司会の面接では特に何を訊かれるのか予想しにくいでしょう。
実際には主に訊かれるのは志望動機です。
なぜ葬儀司会者の仕事をしようと思ったのか、きっかけは何だったのかなどを深堀される可能性は非常に高いです。
理由としては、葬儀司会は少し特殊でもある業務のため、面接官としても何故この仕事をしたいと思ったのかということを純粋に知りたいと思うからです。
志望動機などはしっかりと話せるように準備しておくと良いでしょう。
葬儀司会のやりがいとは?
葬儀司会者は葬儀の司会進行をする際、基本的に自分で文章を考えます。
故人がどのような人柄でどのような趣味があって何を楽しみにしていたのかなど、参列者やご遺族に故人を思い出していただいたり想いを馳せていただくような内容を話す必要があります。
感情を込めて言葉や声のトーンなどにも気を付け、故人のことを思い出していただき全員がきちんと最期の挨拶をできるようにしなければなりません。
葬儀を終えてご遺族や喪主の方から「良い式でした」と言われると、この仕事をしていて良かったと思えるでしょう。
まとめ
このように、葬儀司会の仕事は少し特殊であると言えます。
専門的知識も少なからず必要となり、向き・不向きが明確に出やすいのが特徴です。
しかしフリーランスという道もあり、手に職をつけてしっかりとやりがいを感じられる非常に価値のある仕事です。
葬儀司会者は華やかな仕事とは言えませんが、「自分だったら最期はこうしたいと思うのではないか」など自分であればどう感じるのかということを考え、ご遺族の気持ちを汲み取り、しっかりと最期のお見送りができるように演出する素晴らしい職業でもあります。
この記事を参考にしていただければ幸いです。
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