葬儀司会が向いている人の4個の特徴や必要なスキル・適正とは?
葬儀司会と聞いて、なんとなくイメージが沸く方が多いのではないでしょうか。
「葬儀会社の営業の仕事よりも簡単にできそう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
婚礼と違って、葬儀は忌み嫌われる職業の一つです。
仕事内容やどういう大変さとやりがいがあるかを知って頂き、葬儀司会者職にチャレンジして下さる方がいれば嬉しいです。
実際に葬儀会社に勤めた経験から、詳しい詳細をお伝えします。
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目次
閉じる葬儀司会とはどんな仕事?
当日の式全般を取り仕切るのが、葬儀司会者の役割になります。
参列者の着座状況や、遺族の準備時間が間に合っているかどうかなども、葬儀を滞りなく進めるために必ず把握する必要があります。
また参列者や遺族のみならず、火葬場へ行くための霊柩車の入り状況や住職の入り時間、弔電の到着把握など、とにかくその日に起きることを把握し、臨機応変に対応することが重要です。
葬儀は、お亡くなりになった方を送り出すということは勿論ですが、遺族の方の心の整理や、参列者の方がお亡くなりになられた方へ最後の挨拶をすることができるものです。
そこに不安を感じさせるような段取りの悪さや対応の悪さは、ご遺族の方に恥をかかせる行為になるため、絶対にしてはいけない行為です。
その日、式毎に様々なことが起こることを想定し、柔軟な対応をし適切な指示をスタッフに出すことも、非常に大事な役割の一つです。
葬儀司会の大まかな仕事内容
冒頭にも記載しましたが、その日1日のタイムスケジュールの把握が重要です。
何時に参列者の受付を始めて、何時にご住職さんが来られて、どのタイミングで遺族がご住職に挨拶をするのかなどを、現場のスタッフや献茶さんと打ち合わせをし、できる限り時間通りに遂行できるようにしていきます。
その他に、火葬場の受付時間や出棺時間なども、直前まで確認を何度も行います。
急遽決まった葬儀であれば、お亡くなりになられた方のお人柄などをヒアリングする時間がない場合もあります。
葬儀当日に喪主の方からお人柄をお聞きし、式最中に「亡き〇〇さんはこういう人でした」と司会者が参列者へご説明するための段取りも行わなければなりません。
更に、当日思わぬアクシデントやイレギュラーなことが起きた際に、必ず司会者へ連絡や報告が入るスキームを当日のスタッフへ周知し、早め早めの対応ができるようにしておきます。
スタッフ同士の連携ができていないと、確実に葬儀内容が薄く、最悪は遺族の方々に恥をかかせることに繋がります。
当日のスタッフへの早め早めの指示出しや、確認事項を確認し続けることで「良い葬儀でした」とお言葉をもらえるようになります。
葬儀司会者は謂わば当日のリーダー的存在といっても過言ではないでしょう。
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葬儀司会が向いている人の4個の特徴とは?
突発的な対応が得意な方
勿論、経験からくる対応能力の高さは関係しますが、何か起きた際に狼狽えず落ち着いて対象法を考えられる方が望ましいです。
冠婚葬祭はマニュアルというものが存在しません。
それぞれの家族や参列者によって全て状況が変わります。
基本的な部分のマニュアルは有るとしても、この場合はこうしなさいというような指示書はありません。
何か起きた際に全て司会者が考え、どこで時間を多めに取りどこを短くするのかなど、その場の状況次第で考えていかなければなりません。
機転が利く
その時々に応じて、機転を利かすことができる人は葬儀司会者に向いているでしょう。
この「機転」というのは臨機応変に対応することではなく、その場の空気を読んで行動できることです。
例えば、式全体の流れとして10分ほど時間に余裕があった場合、出棺までの間にご遺族や参列者の方々が故人とお別れする時間を長くしてあげるなど、マニュアル通りではなく、式全体を見て何に時間を最大限使うべきかを、瞬時に察知してあげるということです。
遺族や参列者は、出棺前しか故人にお会いすることができません。
だからこそ、可能な限り故人と過ごす時間を作って差し上げるという判断ができる人が、機転が利く人ということになります。
こうした機転を利かすことができる人は、葬儀司会者に向いているでしょう。
声色や活舌が良い
生まれ持った能力の一つとして、声の通りやすさがあります。
ハスキーボイスでもなく、どもったりもせず話すことができ、活舌が良い人は向いています。
葬儀なので明るくハキハキは場所に合いませんが、低い声でも聞こえやすい声で、堂々と人前で話をすることが何よりも大切です。
話す速度も適切であり、間の取り方なども考えなければなりません。
人としての心を持ちつつ、ビジネスとして割り切ることができる人
葬儀司会者とは仕事の一つです。
個人的感情を持ちすぎると、仕事として成り立たないという部分が出てくるでしょう。
悲しみや辛さといった感情が移入してしまうこともあり得ます。
それは決して悪いことではありませんが、ビジネスとしては成り立ちません。
プロの司会者は、故人の最期を最高な式となるように、最大限の配慮と臨機応変さを持ち、対応することが一番大切です。
一緒に悲しみ、涙して欲しくて遺族は葬儀司会を依頼しているわけではありません。
プロとして遺族の気持ちを汲み取り、故人の気持ちを汲み取り、良い式だと思ってもらえるように最大限の配慮をすることが最も大事であり、人としてもビジネスとしても成立します。
割り切る必要もあるということを、頭と心で理解できる人は向いているでしょう。
葬儀司会が向いていない人の4個の特徴とは?
マニュアル通りを好む人
突発的な対応が多くある仕事な上に、臨機応変さが求められる仕事でもあります。
マニュアル通りにことが運ぶ葬儀の方が珍しいのです。
計画通りにことが運ばないと強いストレスを感じる、又は、突発的に起きた出来事に対して上手に対処できたことがない人は、葬儀司会という職業に向いていないでしょう。
機転が利かない
その場の空気が読めない人は、発言のタイミングや言葉のチョイスを間違えてしまうケースが散見されるでしょう。
お悔やみの言葉が必要にも関わらず、無神経な言葉を言ってしまう又は、このタイミングでこの内容は言うべきではないという発言もしてしまうでしょう。
実際にあった例として、葬儀が終わり意気消沈気味のタイミングで、葬儀代の話を出してしまうという従業員がいました。
明らかに遺族の方が不快な顔している場面を目撃したことがあります。
どんなに素晴らしい最期の式ができたとしても、空気の読めないタイミングや発言で全てが台無しとなります。
機転が利かない方は向いていないでしょう。
活舌が著しく悪い又は声質が悪い人
活舌が悪く、聞き取りにくいと言われたことがある人や、活舌を良くする練習を実施しても上達がしない場合は、葬儀司会者は難しいでしょう。
声質というのも極端にトーンが高い方や、低すぎる方、ハスキーボイスな人はマイクで話すにしても声が通りにくく、司会者としては難しいのではないでしょうか。
活舌は練習次第で確実に良くなります。
しかし、この良くなるレベルは人によって千差万別です。
早口言葉や噛まずに丁寧な言葉遣いができるか確認してみましょう。
感情移入が激しい方
葬儀会社も慈善事業ではありません。
1葬儀〇〇円というように売上を考えます。
ヒマということは無くなる方が少ないということですが、それでは会社は成り立ちません。
何とも言えない気持ちになりやすいのは、病院や遺族から葬儀の依頼が入った瞬間に、仕事ができるということでテンション上がる方が多い点です。
不謹慎だと叱責されそうですが、会社やその従業員からしたらごく普通な気持ちだと思います。
その代わり、ちゃんとした葬儀会社及び司会者は、頂戴する葬儀料金に対してその金額以上の最期の見送りを丁寧に、且つできる限りの希望は叶えようと努力し知恵を振り絞ります。
ある意味、少し割り切りは必要だと思います。
遺族や参列者が泣いているからといって、もらい泣きしてもいけません。
プロである以上、ポーカーフェイスな装いは必要でしょう。
だからこそ、感情移入が激しいと葬儀司会者は成り立ちません。
感情移入が激しいことがダメではないですが、葬儀司会者には向いていないと言えるでしょう。
葬儀司会の仕事経験は、その後どんな職種・仕事に活かせる?
葬儀司会者の経験が活かせる職種とは、幾つかあります。
葬儀司会者は基本的にコミュニケーションスキルが高い方が多いでしょう。
だからこそ、そのスキルを他の職業で活かすことも可能です。
ではどんな職業があるのでしょうか。
葬祭ディレクター
実務経験が必要となる、厚生労働省が認可する資格です。
筆記試験と実技試験があります。
筆記試験は宗派の知識、遺族心理、マナーなどがあり、実技は幕張り、会場の設営、参列者及び遺族への適切な対応や受け答えができるかということが出題されます。
また資格には2種類あり、2級は個人葬の受注ができ、1級は社葬まで受注できるため、葬儀全般の受注ができるということになります。
実務経験がないとできない仕事のため、実務経験を積み試験を受けるケースが非常に多くあります。
特に葬儀司会者は段取りなどを目のあたりする機会が多いでしょうから、ある程度の宗派や遺族心理は理解できている状態になります。
葬祭ディレクターに転身する方は思っている以上に多いものです。
司会業
冠婚葬祭系の総合司会者になることも可能です。
婚礼と葬儀だと相反する式ですから、マナーやテンションなどは180度変換させる必要がありますが、持ち前のコミュニケーション能力や臨機応変な対応力、機転の利かせ方は同じです。
一生に一度しかないと言われる式典に関して、最大限の配慮とおもてなしをすることは共通しています。
相反する式典の司会者なので、ある程度のキャラ設定をしなければ、気持ちが追いつかない場合もあるので、自分が作ったキャラを演じることに対して楽しむ心の余裕がある人や、ビジネスとして割り切りができる人は司会業全般を行うことも可能です。
また総合司会業はフリーランスで行える利点もありますので、自分自身の働き方のスタイルで検討してみてもいいでしょう。
これから葬儀司会の仕事をはじめるには、どうしたらいい?
まずは葬儀会社に入社することをおススメします。
冒頭でもお伝えした通り、マニュアルというものが存在しません。
ご自身で経験値を積み応用していくのが一番早く、技術も身につきます。
資格学校に通うことよりもまずは勤務してみることが大事だと言えます。
葬儀司会の仕事で就職するために
自分自身がどういう葬儀の司会者になりたいかを決めた上で、面接を受けにいくと良いと思います。
例えば、個人葬の葬儀のみでいいのか、社葬の司会者もやりたいのかによって、選ぶ葬儀会社も異なります。
冒頭にお伝えした通り、総合的に受付している葬儀会社もあれば、個人葬のみという葬儀会社もあります。
個人葬でも家族葬メインにされている葬儀会社もあります。
まずはどういう式の司会者を目指しているかを明確にしましょう。
資格は必要?
近年では、未経験採用の求人数も増えています。
資格は入社後に会社がサポートしてくれるケースもあるぐらいです。
資格を習得するにも必ず実務経験が必要となるので、葬儀会社の面接時に資格習得も視野に入れて頑張りたい旨を伝えておきましょう。
資格は教科書とにらめっこすることで習得できますが、遺族心理や対応力は教科書がない為、実際に経験をすることで身についていくものです。
まずは就職することをおススメします。
必要なスキルや経験は?
必要なスキルや経験というのは特にありません。
葬儀会社だからということでもないですが、ある程度の社会人マナーや言葉遣い、丁寧語・謙譲語・敬語を使うことができれば、まずは問題ありません。
最初から葬儀関係の仕事経験や司会経験があると勿論、優遇されたりもしますが、未経験の場合はヒューマンスキル重視という葬儀会社がほとんどです。
普通に会話しているだけで相手をイラつかせる空気感や言葉を使わないかという、当たり前の部分を見られます。
併せて体力面は面接時にヒアリングされることが多いでしょう。
勤務が不規則になりやすい上に、1式毎に動き回ることが多くなるため、フットワーク軽く、健康体かどうかは非常に重要視されます。
体力面をアピールするといいでしょう。
まとめ
このように、世間的には忌み嫌われる職業ではありますが、しっかりと内容を理解するとやりがいや達成感があり、誰かの役に立つお仕事です。
特に葬儀司会者は、全面的に前に出て話をする立場になるため、自らの進行が悪ければダイレクトにお叱りを受けますし、良ければダイレクトに感謝されます。
葬儀司会者を始めるのに遅い・早いはありません。
自分のやる気一つです。
ぜひ、チャレンジしてください。
実際に葬儀司会の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!
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