子どもの将来なりたい職業として、幼稚園教諭が上位に挙げられています。

幼稚園教諭は子どもが好きなことが大前提になりますが、ただ好きなだけでは務まりません。

ではどんな人が幼稚園教諭に向いているのでしょう。

今回は仕事の内容や向き不向き、やりがいなどについて解説します。

幼稚園教諭の仕事内容

幼稚園教諭の仕事は幼児教育をすることですが、そのための環境構成や環境整備、保護者への連絡や行事の準備等も重要な仕事です。

幼児教育

幼稚園教諭としてやらなければならない仕事として一番の役割が「幼児教育」です。

幼児教育は文部科学省が定めた学校法に基づき、ねらいや内容の計画を立てて行います。

教育計画や週案の作成と反省

子どもたちの年齢に合った経験や成長ができるように計画を立てます。

教育計画は一年間の計画です。

子どもの姿から一年でどのように成長するかなどを予想して、どの時期にどのような経験をさせるか、またどのような成長が期待できるかなどを考えながら立てていきます。

週案はその週にどのような活動をするかを考え案として計画します。

案なのでその活動を必ずやらなければいけないというわけではありませんが、他のクラスや園全体の活動も視野に入れながら活動の計画を立てます。

そして、その週ごとに反省や考察をし、次の週案の参考にしたり自分の指導を見直したりします。

教材研究や事前準備

製作活動をする場合、子どもの発達段階に合った手指の動きや力の強さなどを考慮しながら何をどのように作るのかを考えます。

何を製作するのかを決めたら自分で実際に作ってみて、それぞれの工程での子どもの姿を予想し、素材に印をつけて分かりやすくしたり必要な物を準備したりします。

子どもたちが楽しく作って満足感が得られるように工夫します。

食育指導

お弁当持参の園もありますが、給食を提供する園が増えてきました。

御膳の置き方や箸の持ち方を知らせたり、苦手な食べ物も少しだけ食べてみるように励ましたりして給食指導を行います。

また畑がある園では子どもたちと一緒に野菜を植えて育て、収穫した物を園で調理していただくこともあります。

自分たちで苗を植え毎日水をやって収穫することで、野菜の育っていく過程や葉っぱ・野菜の形・色などを理解することができると同時に、植物への関心や植物を愛でる心を育てることもできます。

今まで野菜が苦手だった子が、実際に自分たちで育てた野菜は食べることができた!などという素敵な瞬間に出会うこともあるかもしれません。

環境整備

幼稚園は子どもを預かるため、安全に活動する場を保証したり、子どもの命を守ることは教師としての大切な役割です。

そのため、毎日子どもたちが過ごす場所の安全を確認したり環境を整備します。

子どもたちは日々成長し、思いがけない行動を取ることもあります。新たに危険な場所を発見した場合には必ず職員全員で把握し、安全を維持していきましょう。

受け入れの準備

子どもたちが登園してくる前に、園庭や保育室に異常がないかを確認します。

もし異常があった場合はすぐに園長に報告し、処理や対策を行います。

部屋の窓を開けて空気を入れ替えたり必要に応じて暖房やエアコンをつけたりします。

玄関や昇降口の掃除をして子どもたちが気持ち良く登園できるようにします。

固定遊具や玩具の安全点検

月に一度は必ずブランコやシーソー・すべり台などの固定遊具の点検を行います。

固定遊具に異常がある場合すぐに園長に報告します。

業者に修理を頼んだり、すぐに修理が行えない場合は子どもたちにその遊具で遊べないことを伝えると同時に、バリケードや張り紙をして遊べない状態であることを見て分かるようにします。

保護者への連絡

自分の子どもが幼稚園でどのように過ごしているのかを知りたいと思うのは親として当然でしょう。

幼稚園で子どもたちが挑戦していることやできるようになったことなどを伝えて子どもの成長を保護者に知ってもらえるようにします。

またおたよりで園の行事やお願いしたいことなどをお知らせします。

連絡帳の記入

幼稚園での子どもの様子を保護者に伝えるため、具体的に分かりやすく記入することを心がけます。

中には、毎日連絡帳で家庭と園での子どもの様子を知らせ合っているという園もあります。

しかし保護者が働いているため連絡帳を毎日記入するのが大変だという理由から、子どもの様子について気になることがある時に連絡帳を使って情報を共有しているという園もあります。

家族が働いていて直接会って話をすることができない時や電話で話すことができないという時に、連絡帳はかなり役に立ちます。

おたより作成と発行

クラスで取り組んでいることや挑戦していること、できるようになったことなど子どもたちの様子や園の行事、お願いなどをおたよりで知らせます。

文章だけだとなかなか読まないという保護者もいるため、子どもたちが活動している写真を載せたりイラストを入れるなどして見やすいようにします。

おたよりを書いたら一度園長に確認していただき、問題がなければ発行します。

預かり保育

教育時間終了後、家族が迎えに来るまで子どもを預かります。

子どもたちは午睡をして午前中の疲れをとり、おやつを食べてから園庭や室内で好きな遊びをします。

活動中に子どもたちの安全を確保し見守ること、子どもたちが安心して過ごせるような環境を作ることが主な仕事です。

担任からの引き継ぎ

午前中の活動で転んで怪我をした、朝からずっと元気がなく食欲もなかったなど気になることがあった場合は、担任から引き継ぎを受けます。

預かり担当の職員と情報を共有し、子どもの様子を見ながら保育をします。

午後になっても怪我をしたところを痛がったり熱が上がったりした場合は、すぐに園長に知らせ家族に連絡します。

午睡

午前中の活動で疲れた体を休めます。

子どもたちが安心して眠れるように傍にいて頭を撫でたり体をさすったりします。

午睡中に体調が悪くなる場合もあるため、常に子どもの様子に目を配ります。

おやつ

午睡後におやつを食べます。

アレルギー体質の子が間違って他の子どものおやつを食べないように充分に気をつけます。

遊びの見守りと安全確保

おやつ後は園庭や室内で好きな遊びをします。

子どもたちと一緒に遊びながら全体にも気を配り、必要に応じて声掛けをして、安全に遊べるように見守ります。

保護者への連絡

迎えに来た保護者にその日の子どもの様子を伝えます。

転んで怪我をしたりいつもより元気がなかったりした時は、どのような場面でどのような状態だったのかを具体的に伝え、家庭でも様子を見てもらうようにします。

必要があれば担任を呼び、一緒に保護者に説明をする場合もあります。

怪我をした場合は、怪我をさせてしまったことに対して必ず謝罪します。

幼稚園の仕事はどんな人に向いている?

幼稚園教諭は子どもが好きで優しく笑顔が絶えないというイメージを持っている人が多いでしょう。

それらは幼稚園教諭に必要な最低限の要素です。

幼稚園で働くにあたり、どのような人が向いているのかを解説します。

心身共に健康な人

幼稚園教諭は子どもと関わる仕事です。

仕事やプライベートで疲れていたとしても、子どもたちの前では常に笑顔で明るく元気でなければなりません。

また子どもと一緒に活動するため体力も必要です。

一緒に活動を楽しむことで子どもの目線で物事を見たり感じたりできますし、子どもたちの反応から考察・反省をしてその後の活動に活かすことができます。

心身共に健康で、子どもたちとの活動を心から楽しめるような人が向いていると言えます。

人と関わることが好きな人

幼稚園教諭は子ども・保護者・同僚・地域の人など、人と関わる時間が多い仕事です。

子どもの前では常に笑顔で元気に明るくしていなければなりませんし、保護者や同僚とは情報を共有したり連携をとったりして共に子どもの成長を見守ったり援助したりしていきます。

人と関わることが好きで子どもや保護者・同僚との信頼関係を築いていけるような人が向いているでしょう。

向上心のある人

人が人を育てることには終わりがありません。

子どもは日々成長していきますしその子どもの性格や特徴などによって援助の方法も違います。

子ども一人一人の性格や特徴・発達段階を把握し、その子どもの状態に合った声掛けや援助・支援をしなければなりません。

そのためには、常に子どもと向き合い子どもの心理を考察し理解しようとする努力が必要です。

どうしても自分で解決できないことは、同僚に相談して知恵を授かるのも一つの方法です。

子どもの発達心理や援助の方法、活動やクラス運営の方法などの専門書を読んで実践し反省するということを繰り返していき、より良い幼児教育ができるようにと学んでいくことが重要です。

子どもの利益を最優先に考えられる人

就学前の子どもは自由気ままな振る舞いをします。

子どもが集まれば、近くにいる友達と話をして教師の話を聞いていないということはよくありますし、友達にちょっかいを出してトラブルになることも少なくありません。

そのような子どもたちを教師一人でみるのはとても大変なことです。

教師の言うことを聞かせるために「〇〇をしないと△△させない」「〇〇した人から好きな遊びをしていい」などの条件をつけて幼児教育をする教師もいますが、条件をつけることは子どもの自主性や意欲を失わせてしまうことにも繋がります。

また保護者受けを気にして子どもの発達段階よりも上の活動をしようとする教師もいます。

今、目の前にいる子どもたちが何に興味を示し、どのような活動をすれば発達段階に合った発達を促せるのか、子どもの姿から子どもの利益を最優先に考えて幼児教育をすることが大切です。

逆に幼稚園の仕事に向いていない人とは?

仕事をしていて楽しくない・やりがいがない・どのようにしたら良いか分からないと感じ、その仕事が自分に向いていないと思ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。

仕事には向き不向きがあります。

その仕事で重要なことやその仕事をしていく上で必要な要素を持っていなければ、その仕事には向いていないと言えるでしょう。

幼稚園教諭においては次のような人が向いていないと言えます。

自分自身で何でも解決しようとしてしまう人

幼児教育は教育計画に沿って進められますが、クラス運営はそのクラス担任に任されています。

担任一人一人がどのような教育理念を持って子どもたちを指導しているのかを園全体で共通理解している、という園は意外に少ないと思います。

子ども同士のトラブルがあった場合、教師は中立的な立場で仲介し解決しようとします。

教師がその場で解決できたと思って保護者に知らせないと、子どもが保護者に話した時に聞いていないということになったり、最悪の場合は保護者同士のトラブルに発展することもあります。

何かあった時に些細なことだと自己判断したり自分自身で何でも解決しようとしてしまう人は向いていないでしょう。

子どもの動きが予想できない人

時に子どもは大人が予想もつかないことをすることがありますが、幼稚園教諭は常に子どもの動きや姿を観察し予想しておく必要があります。

そうすることで、活動に必要な援助や環境を整えることができます。

どんなに子どもが好きでも、子どもの動きが予想できない人はこの仕事に向いていないといえるでしょう。

幼稚園教諭の仕事のやりがいとは?

幼稚園教諭としてやらなければならない仕事は沢山ありますが、その中でやりがいを感じることを解説します。

子どもや保護者との信頼関係を築くことができる

初対面の時は緊張してしまうことが多いでしょう。

それは子どもも幼稚園教諭も同じです。

幼稚園教諭は初めて関わる子どもの性格や好きな遊びを把握しているわけではないため、まずは子どもと一緒に遊びながらその子どものことを知っていきます。

子どもは初めて関わる大人に対してわざと甘えたりごねたり悪口を言うなどして大人の反応を確かめることがあります。

教師が適切な反応をすることで、子どもとの信頼を築くことができます。

また保護者に対しても、保護者が疲れていたら声を掛けて話を聞くようにしたり子どもの成長した姿を知らせ一緒に喜んだりしていくことで信頼関係ができます。

子どもや保護者の立場に立って考えることが大切です。

子どもの成長を感じることができる

子どもは、できないことを繰り返し練習することで、それができるようになります。

ただ練習させるだけなく、それができるようになるためのステップを考える必要があります。

そのステップを遊びに取り入れていき、子どもが楽しく練習できるように工夫することが大切です。

そうした経緯を経てできなかったことができるようになった時には嬉しくなりますし、子どもの成長を感じる瞬間です。

幼稚園で働いた経験をどんな仕事に活かせる?

幼稚園教諭は密接に子どもと関わるため、その経験は同じように子どもに関する仕事に活かすことができるでしょう。

保育士

保育士資格を持っていれば保育士として児童福祉施設で働くことができます。

ベビーシッター

幼稚園教諭としての経験を通して子どもの好きな遊びや子どもの心理が理解できていますし、保護者とのコミュニケーションの取り方も分かるため、転職しやすい職業だと思います。

まとめ

幼稚園教諭は人を育てることが仕事ですが、その方法は沢山あるため、常に情報を得たり自分で学んでいかなければなりません。

またコミュニケーション能力だけでなく体力も必要です。

人を育てる大変さや難しさはありますが、その分やりがいや喜びを感じることができる人は向いていると言えます。

反対に辛さや苦労だけが前面に出てしまうような人は向いていないと言えます。

実際に幼稚園の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!


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