2022年5月3日

酪農の将来性について今回は詳しく解説させていただきます。

豊かな大自然で働ける仕事として代表格である酪農業。

自然や動物が好きな方にとっては、夢の一つとして上がる職業かと思います。

そんな実際の酪農仕事は辛い業務なのでしょうか?これから先、どんな未来を辿りそうなのか?また、酪農業をずっと続けて行きたいと思える魅力はなんなのか?

今回は、大自然で働ける酪農の将来性をまとめてみました。

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酪農の仕事内容は?

酪農の仕事は、大きく言うと、乳牛などを飼育して乳を生産することですが、その乳で加工品を作ることも含まれます。

乳を生産できなくなった家畜を食用として出荷することもあります。

早朝からの作業となる為、酪農業では夜更かしは出来ません。

基本的には家畜の餌やり、掃除、牧草刈りなどが主な仕事になります。

乳牛の場合は朝と夕方の搾乳作業もあります。

近年では機械による搾乳が主流の為、昔ほど肉体労働ではなくなりました。

酪農をずっとやっていたいと思う4個の理由

酪農は自然や動物が好きな人にとっては、一生続けていられる仕事です。

牧場主になれば収入は桁違いに上がりますし、将来を見通しても安定が見込める仕事と言えます。

そんな酪農業を「ずっと続けていきたい」と思える魅力についてご紹介致しますので、酪農業への就職を考えている方は是非参考にしてみてください。

とにかく自然と触れ合える

最大の魅力はここでしょう。

酪農はその性質から広大な土地を必要とします。

北海道のように見渡す限りの広野に牧場があれば、その景色は言うまでもなく美しいものになります。

そんな最高のロケーションで朝と夕方の太陽を見ながらする仕事は、これ以上ないほど気持ちの良いものになります。

動物好きにとっては理想の仕事

酪農業は家畜を世話する仕事です。

それはつまり、衣食住の全てを世話するということ。

出産の手伝いから始まり、家畜の子供時代も大人時代も共に同じ時間を過ごし、長年続けるのであれば、生涯を通して家畜の世話をしていく事になります。

もはや家族同然の存在となれる為、動物好きの方にとっては、これ以上ないほど癒される環境ではないでしょうか。

もちろん、家畜の最後が食肉として出荷される牧場であれば、その思い入れも変わってきますが、乳牛や馬に関しては、老衰やケガでもしない限りはずっと一緒に過ごす存在です。

長い間苦楽を共にすれば愛着も湧きますし、家畜にとっても飼育員が唯一頼れる存在の為、自然と懐いて姿を見かければ駆け寄ってくれる事もあります。

なにより草食動物の瞳は純粋で、性格もおとなしく、その佇まいを見ているだけでも癒されるものがあります。

関わる人付き合いも同業者や同僚くらいですし、都会の喧騒に疲れた方にとってはまさに理想の仕事ではないでしょうか。

牧場ならではの食が楽しめる

乳製品や肉料理など、家畜によってその食材を使った料理を楽しむ事が出来ます。

「そんなのスーパーでも買えるじゃん」と思う方もいることでしょう。

ですが、牧場でしか食べられない料理や部位もある為、そういった特別な食を楽しめるのも酪農の魅力です。

また、牧場で飲む牛乳は売り物では味わえない濃さがあります。

熱処理をする前のありのままの味を味わえるからです。

この濃さは牧場でしか味わえない為、仕事としてでなくても、牧場に行く事があれば是非ご賞味下さい。

無限の可能がある

これはあくまで牧場主になった時の話ですが、牧場主になれれば家畜や牛乳の出荷だけでなく、レストラン経営、加工品のネット販売など、経営方法は無限大に広がります。

商品の大元を経営するという事は、それだけ自由が利き工夫次第で稼げる方法は沢山あるという事です。

もちろん経営者の手腕も必要となりますが、アイデアだけなら身の周りからも吸収する事は出来ますし、家族で経営するなら何世代にも渡って引き継ぐ事も十分可能です。

酪農業は「工夫次第でいくらでも将来性を生み出せる仕事」と言えるでしょう。

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でも、酪農って大変なところも…。

ここまでは、酪農業の可能性や魅力についてご紹介してきましたが、酪農で働いた事のある人でないとわからない、酪農業の辛いところも隠さずご紹介致します。

酪農業は、人生を投資する覚悟がないと始められない仕事です。

裏と表両方を知った上でこの道に入った方が良い為、酪農業での就職や開業を考えている方は、是非参考にしてみてください。

自由な時間が少ない

家畜を飼育する以上、餌やりや飼育舎の掃除は毎日しなければなりません。

それはつまり、スタッフの稼働が365日ある事を意味しています。

最近では酪農ヘルパーといった仕事もある為、休みのない酪農家も、連休をとって旅行に行けるようになりましたが、それでも長期は牧場を空けておくことはできません。

家畜が風邪を引いたり怪我をした時は、酪農ヘルパーでは対応できないからです。

また、家畜が子供を出産した時は、基本的に責任ある立場の人が立ち会います。

そして、家畜は基本的に毎月何頭か妊娠している為、子供の出産は毎月何頭も発生する事になります。

ドラマのドキュメンタリーでは感動的に取り上げられていますが、酪農家にとっては日常茶飯事です。

以上の事を踏まえるだけでも、酪農科には休みと言える休みが少なく、業務後も仕事をしなければならない事が多い為、長期の自由な時間の確保が難しいと言えます。

また、そもそも酪農業は街から離れた場所でないと設立できない為、どこにいくにしても車で片道1時間は当たり前となってしまいます。

「友達に誘われたから飲みに行く」といった、日常の突発的なお誘いに乗る事はほぼできません。

牧場仲間であれば、生活スタイルや居住区が近い為可能ですが、そもそもが田舎の為、その人間関係も非常に狭いものになります。

どの要素をとっても、酪農家には自由な時間がなかなかないと言えます。

臭いが染みつく

これは主に車や家の話ですが、家畜の糞尿は広範囲まで臭いを漂わせる為、近くに家がある場合は、その臭いを避ける事はできません。

牧場の敷地内に居住区がある牧場は少なくない為、その点に関して妥協を強いられる酪農業の人は多いでしょう。

また、車に関してはもう染み付く事は覚悟の上でこの仕事をしなければなりません。

牧場が街から離れている時点で、車通勤は必須だからです。

酪農業をしていると鼻がマヒしてしまう為、自分では自分や車の臭いがわからなくなってしまいます。

久々に友達に会って「牧場の臭いがする」とオブラートに包まれて言われた人は少なくないはずです。

この仕事をする以上、諦めなければいけない事は多いと思います。

人との交流が減る

これは、牧場だからというより田舎だからという理由が大きいですが、牧場の性質上、住所は人口1000人近くの田舎になるケースが多いです。

そうなると避けられないのが、人との交流の少なさです。

特に若い人にとっては、幅が狭すぎて窮屈に感じる人は多いのではないでしょうか。

市町村に住んでいる人でも、都会と比べて不便さや窮屈さを感じる人がいるくらいです。

牧場のある村はもはや比べ物にならないほど田舎な為、そういう環境が好きな人でないと、毎日がストレスを感じる日々となるでしょう。

都会育ちの方で牧場の仕事に憧れを持つ人もいるそうですが、それはただ隣の芝生が青く見えているだけのことが多いようです。

一度体験でも牧場へ足を運べば変わる考えも多いのではないでしょうか。

娯楽がない

ここまでくればもうお分かりでしょう。

そうです、牧場の仕事で最も辛い事は、とにかく田舎であるという事。

その問題で切り離せないのが、娯楽施設の少なさです。

というより、娯楽施設自体がありません。

その為酪農家は、自分たちの家を充実したものにしないと、ストレス発散は難しいでしょう。

カラオケ、ボーリング、映画、外食、そういった街中では当たり前の娯楽が、牧場勤めの人にはない為、それに耐えられず辞めていく人も珍しくありません。

自然の中での仕事に憧れて就職したはいいものの、都会暮らしがどれだけ恵まれていたか、それを思い知らされる事は沢山あります。

特に外食できる店がほとんどない事は、意外と苦痛になります。

専業主婦がいればよいですが、一人暮らしの人にとってはコンビニすらない村も多い為、些細な不自由さがストレスとなるでしょう。

再就職が難しい

田舎であるという事は、転職しようと思っても自分の居住区で新しい仕事を探す事はまず無理でしょう。

それだけ牧場がある地域は田舎ですし、それ以前にこの狭い世界で新しい仕事へ転職しようと思っても、それを受け入れてくれるところはほぼないです。

その為転職するとなると、必然的に違う街での就職活動を強いられる結果となります。

人によっては、二つ隣の町まで車で片道2時間かけて就職活動をする人もいます。

そもそもが自由な時間が少ないこの仕事では、就職活動自体も難しい為、時間・環境どちらをとっても、再就職が難しい仕事と言えるでしょう。

その為この仕事に就職しようと思うなら、「こんなつもりじゃなかった」とならない為に、慎重な下調べをする事をおすすめします。

サラリーマンには向かない

これは雇用といった意味になりますが、雇用での酪農業は正直給与も安く福利厚生も充実していない為、サラリーマンとして酪農業を続けていく事はおすすめしません。

家畜の出産などが重なれば、それだけ残業も増えますが、その残業代が支払われる事も期待できないでしょう。

さらに、前項でも述べた通り酪農業は自由な時間が少ないです。

それは雇用される側であっても同じことが言えます。

1日くらいの有給であれば通るかもしれませんが、1週間などの連休はなかなか難しいでしょう。

というのも、そもそも酪農業はそれほど人を雇いません。

その為一つの牧場で働く従業員は少なく、互いにスケジュールを譲り合う余裕があまりないところが多いです。

そんな時の酪農ヘルパーですが、5名以上雇っているところであれば、雇用している従業員の範囲でまかなおうとする経営者も多い為、長期の休暇は余程信頼関係ができていないと、申し出る事も難しいと思います。

つまり、酪農業の雇用関係は肩身が狭いということです。

近年では、酪農作業の機械化も進んでおり、搾乳さえ全自動でできる施設もあります。

そこまで設備投資がしっかりしている企業であれば、従業員の自由度も増すかもしれませんが、そこまで理想的に環境が整っている酪農家は全体の半分にも及びません。

ほとんどが家族経営の為、雇用するケースとしては、お手伝い程度のものが多いです。

もし将来酪農家として起業する気がないのであれば、設備の充実した酪農企業に就職する事をおすすめします。

酪農の将来性とは?

酪農は将来性のある仕事です。

それは前項でも述べた通り、工夫次第でいくらでも発展させる事が出来るからです。

そして酪農業は、世の中の基盤である「食」を支えている仕事の為、この需要と供給のバランスが崩れる事はほぼないでしょう。

その点を考えても、酪農業は将来性のある仕事と言えます。

しかし、これは牧場主の話に限ります。

雇われの身としては、給与も少なく田舎での暮らしを強いられる為、新しいチャンスはほぼ訪れません。

将来自分で牧場を経営しようという目標でもない限り、雇われの方にとっては、あまり将来性がない仕事と言えるかもしれません。

結局のところ、この仕事にどれだけ本気で取り組めるかによって、その将来性は大きく変わってきます。

牧場主を目指しているのであれば夢の広がる仕事ですし、生涯サラリーマンでよいなら、酪農業はおすすめしません。

雇用での酪農業は、給与・福利厚生・将来性・生活環境・人間関係、どれをとっても効率が悪いからです。

酪農での就職を考えるのであれば、その点をよく考えた上で、初めの一歩を踏み出してください。

まとめ

いかがでしたか?

酪農業は将来性のある仕事ではありますが、良い部分と悪い部分が非常に両極端な仕事とも言えます。

生涯を通して続けていく覚悟がないと、踏み込んではいけない仕事ですし、酪農以外の職種へのステップアップとして働く事を考えている人がいるなら、私は全力でおすすめはしません。

それだけ他職種への有効活用が利かない仕事ですし、そんな生半可な気持ちで初めるべきではない仕事だからです。

大自然の中で家畜と戯れられるこの仕事は、好きな人にとっては癒しにもなり、やりがいも感じられる仕事ではありますが、「自然に憧れて、この仕事をしてみたい」くらいにしか思っていない方は、一度は牧場に足を運んでその現実を体験してから、将来の方向性を考えてみてはいかがでしょうか。

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