酪農の仕事で転職をする人は世の中にどれくらいいるのでしょうか?

皆さんが想像する通り、酪農の仕事は都心から離れた田舎町での非常に特殊な仕事です。

とても過酷な肉体労働であり、雇用であればそれほど給与も高くはありません。

そんな仕事をあえて選ぶ人は、それ相応の覚悟と強い思いを抱いての転職でしょう。

今回は、特殊であり、なかなか転職先として選ばれない酪農の仕事への転職を成功させるポイントについて、ご紹介していきましょう。

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酪農で転職を成功させるためには何をすれば良い?

酪農専門の求人サイトをチェックする

あまり知られていませんが、酪農の求人はハローワークなどで探すより、酪農専門の求人サイトで探す方が、沢山の情報を得る事ができます。

酪農という特殊な仕事だからこそ、こういった専門サイトがあり、酪農家もこうした専門サイトに登録して求人を出している事が多いです。

そして、こうした専門サイトであれば、他の求人と比較して見る事もできますし、何よりハローワークよりも詳細で、酪農家それぞれの思いの詰まったメッセージも見られる為、非常におススメです。

酪農体験に参加する

酪農の仕事は日常生活ではなかなか触れる事はありませんし、テレビでもあまり取り上げられることが少ない為、その仕事内容を知る機会はなかなかありません。

その為酪農への転職を考えているのであれば、一度は酪農体験に参加してみる事をおススメします。

酪農体験であれば牛の搾乳を体験できますし、酪農家さんから直に仕事の内容や大変さを聞くことができます。

また、こうした体験会は参加者がそれほど多くない為、酪農家さんから見ても参加者は印象に残りやすいです。

もし本気で酪農の転職を考えていて、自分が働きたい牧場が、求人と併せて酪農体験会を実施しているのであれば、自分を売り込む目的としてもおススメです。

いくつかの牧場を見学する

酪農体験会だけでなく、一度ドライブがてら様々な牧場を見て回るのも良いでしょう。

そもそも世の中にはどんな牧場があるのか、現代では酪農業がどう変化しているのか、実際に見て回った方が、ネットで調べるよりも貴重な情報が得られます。

また、酪農の仕事は牧場の設備によって、その仕事内容や給与に大きな差が生まれる為、求人に応募する前にどんな牧場なのか見学しておくことは、非常に有意義と言えるでしょう。

それだけ酪農という仕事は特殊で、一度転職したら基本的にもう転職はしない覚悟で挑む、くらいの気持ちは必要です。

自分の目標にあった牧場で働く

将来酪農家として起業を考えているのであれば、自分の目標にあった牧場で働く事をおススメします。

どの業界でも言える事ですが、一度もその職種を経験せずにいきなり独立開業をする事は、世間を舐めているとしか言えません。

牧場の仕事も例外ではなく、経験しないとわからない事だらけですし、なにより牧場の仕事はサービス業ではない為、お客として酪農業を体験できる機会は相当少ないです。

酪農体験で表面上の仕事内容を体験する事くらいならできますが、それも全体の1割程度。

残りの9割は実際に働いてみないとわからない事ばかりの為、将来酪農家として起業を考えているのであれば、一度はどこかの牧場に就職する事が賢明でしょう。

酪農の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

乳製品の物販

酪農の仕事で収入を上げる為には、商品の物販が最も手っ取り早い方法となります。

牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなど、乳製品で販売できる種類は沢山あります。

また、そういった乳製品はブランドとして人気が高くなれば、その売り上げは急速に右肩上がりとなり、年収は億単位も夢ではありません。

皆さんも身近に乳製品がある為、イメージしやすいかと思いますが、乳製品で本当に美味しい商品は、多少値が高くても買ってくれる人は沢山います。

こだわりの強いレストランなどに提供するようになると、収入の安定度は各段に増します。

また、自分でレストランを経営し、そこでこだわりの乳製品を提供するようになれば、卸値で提供出来る為、お客様のリピート率も高くなります。

こうした販売店やレストラン経営をする事が年収アップには最も近く、それでいて商品を定期的に購入してくれる業者が増えれば、安定した収入を得られます。

牛乳販売の取引先を増やす

最も安定して収入を上げる方法の一つが、牛乳そのものを専属で仕入れてくれる取引先を増やす事でしょう。

乳製品を主に扱うケーキ屋やアイス屋などであれば、専属の仕入れ業者として牧場と契約しているところも少なくありません。

そういった取引先を増やせば、卸値として安く提供する事にはなりますが、その分安定して牛乳を買い取ってくれる為、結果的に年収の底上げをする事が出来ます。

もちろん全ての牛乳の出荷先をこうした取引業者にするのも良いですが、もっと収入を上げたいのであれば、自分で経営するレストランや直売場などに牛乳の出荷を回す事も考えなければなりません。

そこのバランスは経営者の腕にかかっていますが、少なくとも全体の半分以上はどこかの取引先と契約して、安定して牛乳を出荷できる環境を作る方が賢明でしょう。

酪農体験のサービス

乳牛の搾乳、子牛の乳やり、乳製品の製造など、酪農でしか体験できない事をサービスとして提供する事も、酪農家として収入を上げる方法です。

旅行会社と連携すれば、北海道などの旅行パックのサービス内容に、酪農体験を組み込む事も出来ます。

そうすれば安定した集客を見込める為、年収としても長期的な収入を期待できます。

コストの削減

年収を上げる方法は、何も入ってくるお金を増やすだけではありません。

酪農の仕事はコストが非常にかかる仕事の為、そのコスト削減を効率よく行えれば、1年で数十万円のコスト削減=利益アップも可能になります。

例えば、広い牧草地を確保し、牛を放し飼いにする方法。

この方法は特に雪の降らない地域では効果的で、本来人の手を加えて製造しなければならない牛の餌を、自然と生える牧草でまかなう事が可能になります。

もちろん牛の栄養管理を考えると、人工のフードを与える事も理想ですが、大半の餌を牧草でまかなえれば、年間にかかる餌代を数十万円単位で削減する事ができます。

このように、家畜の飼育でかかる経費を削減する事も、年収を上げる一つの方法です。

酪農ほどコストのかかる仕事はなかなかない為、コスト削減は年収への影響として軽く考えられない要素の一つです。

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酪農で人気な牧場とその理由

牧場によってはその仕事内容はかなり変わる為、就職の際の牧場選びは、長く働いていく上で非常に重要な要素となります。

どんな点に気をつければ良いかご紹介しますので、参考にしてください。

設備の整った牧場

現代の酪農業は機械化が非常に進んでいて、搾乳から清掃まで大半を機械がやってくれる時代となりました。

そういった設備が充実している牧場であればあるほど、人手がいりませんし、牛乳の生産も安定して大量に生産できます。

その為牧場の収入としても安定して高い収入を得られる為、従業員への給与もその分増やす事ができます。

しかも、従業員としても作業の大半を機械がしてくれる為、体力仕事と言われる牧場の仕事でもそれほど体を酷使しなくても仕事が成り立ちます。

その為肉体的にも負担は少なく、機械によって安定した作業効率を維持出来る為、残業なども少なくなり、プライベートも確保できます。

オーナーだけでなく従業員にとっても、設備の充実化はメリットしかありません。

もちろんそれだけ設備を充実させる為には、それ相応の資金がなければできない事ですが、数千万単位の設備投資をできる牧場というのは、それだけ経営が上手いということなので、信頼して就職する事もできます。

牧場選びで設備に着目する事は最も大切な要素と言えるでしょう。

しっかりと残業代を出してくれる牧場

今の時代残業代を出さない、いわゆるサービス残業は、法律的にも社会的にも認められていません。

その為、牧場のみならずどの企業もしっかりと残業代を出す時代となりましたが、牧場に関しては家族経営のところも多い為、牧場によっては残業代を出してくれないところもあります。

しかし、牧場の仕事は残業ありきの仕事。

残業代を出さない=月収の1/3は損するといった結果になることもある為、残業代はしっかりと出してくれる牧場で働く事をおススメします。

逆の言い方をすると、残業代を出さない牧場は、求人には書いていない雑用を沢山任される事も多いです。

その為、金銭的な面でも仕事内容としての面でも、残業代の有無は非常に大切な要素となる為、しっかりと確認してから求人に応募しましょう。

福利厚生の多い牧場

牧場によっては、乳製品の物販やレストラン経営などまで手広くやっている牧場もあり、そういった牧場であれば、従業員への還元として福利厚生が充実しているところもあります。

一般的には、福利厚生が充実している牧場であれば収入もいいですし、福利厚生の魅力で長く働くモチベーションも高くなるでしょう。

例えば、従業員割引で安くレストランを利用できる、商品を安く買える、社宅をタダ同然で利用できるなど、福利厚生の内容に関しては、牧場によって多種多様です。

社宅に住めてレストランや販売店を安く利用できれば最高ですね。

自分にあった酪農の求人の選び方や注意点

ここまで牧場のタイプや募集内容のチェックポイントについて紹介してきましたが、ここまでの内容を踏まえて、自分にはどんな牧場が向いているのか、いくつかの例をご紹介しましょう。

家族経営の牧場を目指すなら家族経営の牧場へ

正直なところ、家族経営の牧場に就職して働く事のメリットはほとんどありません。

給与も安いですし、サービス残業も多いです。

その上作業内容も幅が広く、一人で担当する仕事も多い為、メリットといえるものはほとんどありません。

しかし、将来家族経営で小規模の牧場経営を目指しているのであれば、話は別です。

企業の牧場に就職してしまうと、そのほとんどが機械による作業となっている為、将来小規模の牧場経営を目指しているのであれば、参考になるものは少ないです。

というのも、牧場においての設備に投資する金額は、少なく見積もっても3000万円以上。

そこに企業で採用している設備を設置するとなると、その資金は億単位になります。

そうなれば家族経営の小規模な牧場となると、手の届かない範囲となってしまい、参考になるところは少ないでしょう。

しかし、将来目標にしている規模と同じくらいの牧場であれば、参考になる作業内容は沢山あります。

牧場の仕事内容はその牧場にどれだけの設備があるかによって全く変わってしまう為、将来酪農家を目指しているのであれば、自分の目標に近い牧場を選んで就職しましょう。

企業としてレストランや物販を考えているなら企業経営の牧場へ

上でも述べた通り、将来酪農家を目指しているのであれば、自分の目標にあった牧場に就職する事をおススメしています。

となると、将来目指しているのが企業としての牧場経営なのであれば、企業経営の牧場に就職する事が良いでしょう。

企業経営の牧場で勉強出来る事は非常に沢山あります。

十分な機械設備を備えた牧場での作業風景、レストランや販売店の経営方針、従業員の管理方法、社宅などの福利厚生の管理など、実際に働いてみないとわからないところは沢山ある為、一度勉強の為に数年間そういった牧場で働く事は非常に有意義でしょう。

逆の言い方をすると、一度もこうした経験をせずに、お金があるからと言って大規模な酪農経営をする事は非常に危険です。

経験してみるとわかりますが、働いてみないとわからない事が酪農業には沢山あります。

そもそも接客業ではない為、お客として酪農業を見学する事は限界があります。

働いてみないとわからない裏側が9割を占めている業種の為、将来企業として酪農業を検討しているのあれば、必ず一度は企業経営の牧場に勤める事が賢明です。

まとめ

いかがでしたか。

酪農業への転職を考えている人向けに様々な情報を紹介してきましたが、参考にはなりましたか?

異職種から酪農へ転職を考える人の半数以上は、将来酪農家として経営を目指している人達が多いですが、家族経営でも企業経営でも、必ず一度はどこかの牧場で働く事をおススメします。

もし自分の家族が既に牧場を経営していたとしても、社会勉強の為に自分の家族とは違うタイプの牧場で働いてみるのも良いでしょう。

将来の目標に合わせた就職活動をするよう心掛けてください。

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