現在、日本国内の物流の六割をトラック輸送が担っていると言われています。

一方で昨今は若者の自動車離れも一因となり、ドライバー不足もニュースなどで話題となっています。

トラック事業は30年ほど前の規制緩和によって価格競争が激化していましたが、この数年で法改正・見直しがすすめられ、関係者が働きやすく適正な賃金を得られる環境が整いつつあります。

以前は路線バス乗務員、現在は大型トラックでの食料品輸送ドライバーをしている私が、大型トラック運転職の実情や魅力、そして大型トラック運転手求人でよくある募集内容や働き先の種類・おすすめ求人のポイント、気になる疑問について解説します 。

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大型トラック運転手のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

ざっくり言うと、貨物を傷つけずに積んで、そのままの状態で納品先に輸送し、傷つけずに荷降ろしするということです。

だいたい午前中に納品を完了させる必要があるため、早朝五時くらいには出勤しています。

倉庫で貨物の積み込みを八時くらいには終わらせて出発、納品先を廻ります。

納品が終わったら昼食、待機時間があり、午後から倉庫間の貨物移動など配車担当からの指示に従い作業をします。

拘束時間は9時間以上15時間未満で、12時間を超えることは繁忙期を除いて週一、二回くらいです。

早い日は13時くらいに退勤となることもあります。

大型トラック運転手は会社でどういう役割を求められる?

輸送を完全に行い、社内外の信頼を得ることです。

具体的には事故・破損・遅配が無いように、慎重な作業を行うということです。

事故には道路や構内でのトラック運転中の車両事故、フォークリフト作業中の車両事故などがあります。

それから、急ブレーキなどを使用して車両事故は防げたにしても、荷崩れを起こして貨物を破損させてしまうことがあります。

そして道路状況などの影響で指定配達時間に遅れてしまうのが遅配です。

しかし、これらは全て未然に防ぐことができるものです。

事故に関しては速度を控えて確認・判断・操作を行う。

破損に関しては荷崩れの無いように安定した荷造りをして慎重な輸送を行う。

遅配に関しては渋滞などを見越して早めに出勤する。

もちろん、こういった予防策は会社から入社時の研修などで詳しく指導されますので、それを忠実に実践することができる人が自ずと会社に必要な人材とみなされるということです。

大型トラック運転手求人にはどんな種類があるの?

大型トラック運転手には大きく分けると長距離と短〜中距離の2つに分けられます。

またそれぞれの扱う貨物によって、ドライ・冷凍・雑貨などと分けられます。

以下にて、詳しくご紹介します。

基本的には「運送会社」で募集されている求人がほとんど

記事の冒頭でも触れましたが、現状のドライバー不足は深刻なもので、多くの運送会社は仕事はあるけど人手が足らないといった状況のため、ネット上にも多数の求人広告が見られます。

労働条件も数年前に比べると好条件が示されていて、コンプライアンスのしっかりした運送会社が多くなっています。

大型トラック運転手の募集でよくある職種

短〜中距離トラックドライバー

明確な区分はありませんが、一般的に一日の倉庫距離が300キロ未満の場合は短距離、300キロ以上600キロ未満の場合は中距離とみなされています。

日帰り往復がほとんどですが、まれに車中泊も起こりえます。

夜間走行は少なめで、自己管理がしっかりできれば身体的にもそうキツくはない職種と言えます。

長距離トラックドライバー

一般的に一日の走行距離が600キロを超えると長距離とみなされています。

片道の走行距離が1,000キロを超えるのは日常的と言えます。

必然的に拘束時間は長くなり、往復二日間は車中泊となる場合も多いです。

私の勤め先は大手食品メーカー系の運送会社で運行管理を徹底しています。

こうした会社では、本人裁量による部分の多い長距離トラックは自社では運行せず他社に委託する場合が多いです。

一概には言えませんが、長距離トラックは自由裁量で走った分だけ稼げる分、睡眠時間や待機時間が少なくなるなど身体的なキツさを含めたリスクを伴う仕事と認識されています。

長距離トラックに乗務するには大型免許といった資格と合わせて、実務経験を問われる場合が多いです。

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大型トラック運転手でよくある募集内容とは?

今現在、ネット上の大型トラック職の求人広告を検索してみると、比較的長距離トラックのドライバー募集が多いようです。

特に関東〜九州間や関西〜九州間を往復するトラックの運転手が不足しているようです。

ただ近県間の日帰りを中心とした短〜中距離トラックの求人も少なくはありませんので、自身の要望に合わせてしっかり絞り込めば希望に合う職は見つけやすい状況だと言えます。

給与相場

関東地域がやや高額に設定されているなど、地域差があります。

わたしの住んでいる福岡地域では、短〜中距離ドライバーの場合の初任給で25万以上。

長距離ドライバーの場合は35万以上といった広告がよく見られます。

会社によってはみなし残業代をこの額に含んでいたりしますので、応募前に詳細を十分確認する必要があります。

勤務時間や休日、残業

二、三年前までは毎日12時間拘束、休みは週一で日曜のみといった会社が多かったのですが、最近ずいぶん改善されています。

コンプライアンスを順守して出勤日数や残業時間を減らして稼働効率を上げる取り組みがなされており、ドライバーがその恩恵を受けています。

ただ詳細は会社によって異なるので、これも応募前に広告をよく確認して電話して聞いてみるなどしたほうがいいでしょう。

福利厚生

これは会社によって大きく異なるかと思われますが、参考までに私の勤め先の福利厚生を例示します。

賞与は夏と冬、年二回です。

ただ、今年の三月には業績が好調で決算賞与が支給されました。

社会保険は完備、制服・制靴・ヘルメットなどが貸与されます。

また、業務に必要なフォークリフト免許は会社負担で取らせてもらえました。

私は入社前から大型免許を保持していましたが、持っていない人は普通免許で乗れるトラックに乗務しつつ、半額会社負担で大型免許を取得できるようです。

家族手当・残業手当などと交通費は支給されます。

年内に入社する人には入社祝い金、その人を社員が紹介した場合は紹介者にも手当が支給されます。

また、入社後新人登用研修が二ヶ月程度行われます。

こうして列記してみると、なかなかいい会社に勤めてるなと思えます。

勤務場所

出退勤場所は車庫となるケースが一般的です。

車両点検・点呼などを経て倉庫へ積み込みに移動します。

積み込みが終わったら納品先を廻り、荷降ろしが完了したら車庫で待機して配車担当からの指示を待ちます。

私の勤め先の場合は車庫に所属するドライバーは40人程度。

車庫の事務所には運行管理者など五、六人が常駐しています。

求められる人物像

体力のある人

ある程度の基礎体力は必要になります。

自社倉庫内での積み込みはフォークリフトを使いますが、手積み・手降ろしとなる場所も多くあります。

夏場に炎天下での作業もありますので、体力に自身がない方にすすめられる仕事ではありません。

右脳が発達した人

私も入社してから驚いたのですが、荷造りなどは頭を使います。

安定していてかつ効率的に降ろしやすい荷の状態を作らなくてはなりません。

ただ、最初のうちは難しく感じられますが慣れてくると立体的なイメージに基づいた荷造りができるようになってきます。

社交的な人

運転中は一人とはいえ、倉庫や荷降ろし先では現地の人と共同作業となることも多いので、ちょっとした社交性も必要になります。

納品先の担当者と仲良くなると優先的に降ろさせてもらえて時間が短縮できたりしますので、常日頃からのコミュニケーションは大切です。

真面目な人

これは会社によって異なる部分もありますが、法規や社内のルールを遵守する真面目さも求められるところもあります。

事故・破損・遅配などの対策手順を会社の定めたとおりに行える人を求める会社は少なくありません。

必要なスキルや資格、経験

大型トラックに乗務するには大型免許が欠かせません。

ただ前述もしましたが、会社によっては普通免許を所持していれば、当面はその免許で乗れる2トン車などで乗務しながら自動車学校に通って大型免許を取得することをサポートしてくれるところもあります。

大型車両での乗務経験があれば、即戦力扱いで最低限の研修だけしてすぐに一人で乗務するケースもままあります。

大型トラック運転手のおすすめ求人のポイント

大型トラックに乗務するにあたって、いちばん重視することは給料という方が多いかと思います。

ただ何にしても給料がいいということは当然、拘束時間が長く休みが少なく体力的にキツい仕事だということです。

長く勤めたいと考えるのであれば、給料・休み・勤務時間などのバランスや会社の事業の将来性など、綜合的によく見て判断された方が後悔は少ないと思います。

聞き覚えのある会社名か

私自身が入社する際に重視したのはこの点です。

大手食品メーカー系列の運送会社ですので将来的にも安定していて、コンプライアンスに反する就業はさせないという安心感があるからです。

労働組合もあって、求人広告と異なる待遇もありえないと確信できました。

従業員の声が広告に掲載されているか

実際に働いているドライバーの意見が広告に掲載されていれば参考になります。

会社の方針に従って職務をこなしている人の考えしか掲載されないでしょうから、会社が何を重要視しているかを知る材料になります。

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大型トラック運転手の雇用形態による違い

現在求人をかけている運送会社のほとんどが、まずは契約社員として入社して三ヶ月に正社員として採用、と広告に載せています。

契約社員の間は家族手当などの一部手当が支給されなかったりボーナスがなかったりします。

ですが、これは多くの人が通る経過点に過ぎませんので粛々と職務をこなして、スムーズに社員登用してもらえるよう勤めるのが懸命だと思われます。

時々、契約社員しか募集していない会社もありますが、長く勤めるつもりであれば選択肢から外したほうがよいでしょう。

自分にあった大型トラック運転手の求人の選び方や注意点

大型トラックと一口に言っても、取り扱う貨物や乗務する車両など様々あります。

それらによって職務の内容や勤務時間も異なってきますので、自分の希望にあっているかしっかり確認して選びましょう。

【選び方①】雇用形態から探す

前述のとおり、長く勤めるのであれば正社員としての雇用を前提とした会社を選びます。

【選び方②】職種から探す

短・中距離ドライバーか長距離ドライバーかで勤務内容や就業時間は大きく異なります。

【選び方③】会社の業態から考える

取り扱い商品によって勤務時間帯が変わります。

一般的に冷凍食品などは深夜12時頃出勤、ドライ品や雑貨などは5時頃出勤となっています。

【選び方④】給与や雇用条件から考える

ここを最重要項目と考える方も多いでしょう。

できれば給与の内訳(基本給と手当など)まで詳しく確認しておきます。

【選び方⑤】エリアから考える

日帰りの勤務を希望するなら自宅から近いに越したことはありません。

長距離の勤務をするなら帰宅するのは週数回でしょうから、あまり気にしなくてもいいようです。

注意点

最初に自分の希望を具体的に固めてから求人選びをしないとブレてしまって後悔することになります。

給料だけに目を奪われず、細かい部分までチェックしましょう。

大型トラック運転手についてよくある疑問

大型トラックに乗って働きたいけど、何が必要かわからない。

そういった疑問に私のケースを例にお答えします。

面接で聞かれること

これまでの経験や所持している資格などについて、履歴書に基づいて質問されます。

ただ現状人手不足の業界ですので、一番重要視されるのは本人の人柄とやる気です。

それらを踏まえた自己PRを用意しておきましょう。

未経験でもできるか

今は普通免許取り立ての18歳の若者を採用して、会社が一人前の大型ドライバーに育てようとするご時世です。

経験はさほど重要視されませんが、あれば相応に評価されます。

資格が必要か

前述の通り、資格取得も会社がサポートしてくれます。

まとめ

大型トラックのドライバーは、この先自動運転の技術が発展しても欠かすことのできない職業です。

それはこの仕事が運転だけではなく、荷の積み込みや荷降ろしといった作業も含んでいるからです。

現在でも20年前よりはドライバーにかかる負荷はだいぶ減っていますが、これからも技術の進化や効率化によって楽になっていく部分は多いでしょう。

それでいて、トラックが無ければ物流が成り立ちませんから、安定したニーズと待遇は見込まれます。

この記事が大型トラックドライバー職に就くこと考えている読者の一助になれば幸いです。


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