女子学生に人気の就職希望企業といえば、航空会社。

航空会社の仕事の中でも、人気の職業といえば「客室乗務員」や「グランドスタッフ」ではないでしょうか。

憧れの職業を目指して一生懸命頑張って、いざその職業に就いても、楽しいことばかりではありません。

接客業の代表格、客室乗務員とグランドスタッフは、お客様対応で辛い思いをすることが少なくないからです。

今回は、グランドスタッフを辞めたいと思う4個の理由と、その乗り越え方についてご紹介します。

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グランドスタッフのおおまかな仕事内容とは?

グランドスタッフといえば、チェックインカウンターや搭乗口の仕事を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

しかしチェックインセクションに配属になっても、チェックインだけが仕事ではありません。

マイレージカウンターでの新規の受付や問い合わせ対応、予約・発券カウンターでの予約受付や超過料金の精算などを行っています。

また、搭乗口業務では出発便と到着便のケアをします。

出発便は、搭乗者が大きい荷物を持っていないかチェックしたり、お手伝いが必要なお客様のケアをしたり、搭乗時間が迫るとまだ搭乗していないお客様の捜索などを行います。

到着便では、乗り継ぎのお客様のケアや出発空港からの引き継ぎのお客様のケアなどを行います。

その他、ラウンジを担当する部署や、荷物の到着遅れや破損対応を担当する部署、受託している外資系航空会社を担当する部署、出発便の席のアレンジや機内食のアレンジをする部署、搭載する荷物や貨物の重量から必要燃料量を計算する部署などがあります。

グランドスタッフの仕事内容は、こちらの記事も参考に!

グランドスタッフを辞めたいと思う4個の理由とは?

クレーム対応が辛い

機械化が進み、お客様対応をする機会が少しは減ったとはいえ、グランドスタッフはクレーム処理が大きな仕事です。

特に、カウンターや搭乗口・荷物の破損対応をする業務では、クレームを浴び続ける日もあります。

自分ではどうしようもできない理由の場合、「なんで私が…」という思いで辛くなることもたくさんありました。

また、ルールを守っていただかなくてはならない場合、どうしたら納得いただけるのか、説明に苦慮することもしばしば。

朝早い便では、ビジネスマンが多く殺気立っているせいか、ピリピリした空気が流れています。

私が新しく覚えた業務で、確認しながら作業をしていたら、「早くしろ!お前はもういい!誰か他のやつを呼べ!!」と怒鳴られたこともありました。

さらに、こんなお客様もいらっしゃいました。

予約時に「横一列」で席を確保されていたお客様。

いざチェックインの時になったら、お連れ様分を含め10名全員の席を「通路側で縦一列」に変更してほしいとのこと。

空席が少なかったので、通路側の席を縦一列10名並びで取ることが難しいことを伝え、予約時の希望通りに「横一列」で取れていることを伝えると、「そのままで良い」とのこと。

良かったと胸を撫で下ろしたものの、その後上司から呼び出され、そのお客様が搭乗口で「席を変えてくれなかった」とクレームしたと聞かされ、悲しい思いをしたことがありました。

グランドスタッフの仕事では、お客様の希望をすべて聞いて差し上げることができない場合が多々あります。

もちろん、丁寧な説明や誠意ある対応をすることが大切ですが、事情をご理解いただけるお客様は少ないことを、この仕事を通して経験しました。

それを乗り越えるための方法とは

1つ目は、先輩を真似して経験を積んでいき、自分なりの対処方法を身につけました。

新人の頃は、困ったことがあると先輩が手助けしてくれますので、助けに来てくれた先輩の対応を真似するようにしました。

また、近くにクレーム処理している人がいたら、耳を澄ましてどんな対応をしているのか観察し、「上手い!」と思った対応を自分も取り入れました。

良いお手本は周りにたくさんあると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

2つ目は、悪天候など自分ではどうしようもないことが理由で受けたクレームは、ただひたすら心の中で「私は悪くない!」と言い続けました。

仕事を始めた頃は、「すべてを受け止めなければ」と気が張っていたのですが、それでは身も心も持たないことに気づいたからです。

3つ目は、自分のミスで出たクレームは真摯に受け止め、同じミスは二度としない、という努力をしました。

ミスはもちろん良くないのですが、この「同じミスは二度としない」ということを心がけてから、1つのミスが自分を成長させてくれることにも気づきました。

最後に、女性は誰かに話すことによって、気持ちが楽になりますので、同じ痛みを経験している同僚に話を聞いてもらいます。

同僚もクレーム対応で嫌な目に合っている分、お互いを労り大事にできるのがこの仕事の良いところであり、同僚との絆も深まります。

イレギュラーな出来事の対応

自分の力ではどうしようもないこと、例えば台風や大雪・地震などで、出発便の遅延・欠航、到着便の遅延・他空港への着陸など、イレギュラーなことが度々起こります。

さらに、機材トラブルで飛行機が変更になったり、システムトラブルでチェックインや搭乗処理ができず、大幅な遅延になることがあります。

イレギュラーなことが起こると、お客様は不安になったり、待たされることでイライラしたり。

当然、クレームにもつながります。

グランドスタッフは、クレーム処理の他、他社便への振替処理や、ホテルやバスなどの手配をしたり、搭乗口が変更になればお客様を誘導したり、イレギュラーに伴う業務は山ほど降ってきます。

「もっと平和に過ごしたい…」そう思ったことが何度もありました。

また、空港での仕事は、毎日違うお客様と向き合うため、1日として同じ日はありません。

国際線なら、世界中の人が相手になりますので、必要な渡航書類や渡航条件など、これまで経験したことのないケースに当たることで、調べるのに時間がかかったり、上司に相談したりと、チェックインに時間がかかることも度々あります。

それを乗り越えるための方法とは

イレギュラーに何度か当たると経験値から、何が起こるのか・何をしたらいいのかが想像できるようになるので、自然と動じなくなります。

最初は、何をしたらいいのか分からないのでこちらも不安ですが、最初さえ乗り越えてしまえば、自分が何をすべきか自然と身につきますので、心配することはありません。

ただ、クレームがなくなることはありません。

悪天候であればお客様も諦めがつきますが、システムトラブルなど会社側が原因の場合、かなり辛い思いをすることもあります。

会社として代替え案を用意する、状況を分かりやすく説明する、上司に出てきてもらう、などの対応で気持ちが収まるお客様もいらっしゃいますので、あの手この手といくつかの対応方法を持っておくとよいでしょう。

勉強することがたくさんある

新しいサービスが次々に生まれる業界。

業務によっては、自社だけでなく他社のサービスも知っておくことが必要なので、常に情報収集をしていました。

また、新しい仕事にステップアップしたり、異動すると、その都度研修が行われます。

研修ではテストも行われますので、勉強しない訳にはいきません。

新しいことを覚えたら、実際の業務で使用する自分専用のマニュアルも作成します。

普通のOLであれば、ここまで勉強しなくてもいいのに…と思うくらい、勉強した気がします。

それを乗り越えるための方法とは

何事も興味を持つことが大事です。

私は、マイレージカウンターの研修を受けた頃、なかなか頭に入ってこず、とても苦労しました。

一方、ご自身でマイレージカードを持っていた先輩は、自分にとっても大事な情報になるため、常に勉強していたので、豊富な知識をお持ちでした。

興味を持つことで、勉強の苦痛も多少和らぐかと思います。

自分だったら…と、自分に置き換えてみると、意外と覚えやすくなりますし、「この場合はどうなるのだろう?」と、お客様目線で考えることができるようになります。

体力勝負

シフト勤務のため、体力勝負の仕事です。

遅番→1日休み→早番、なんていうシフトでは、半日寝て終わってしまうため、休んだ気にもなれません。

さらに、研修や試験があれば、休みも勉強で潰れてしまいます。

また、重い荷物を持ったり、お客様と走ったり、1日中立ちっぱなしだったりと、体を使う仕事です。

異動や昇進により、走ったりすることはなくなりますが、この仕事を続けている限り、シフト勤務からは逃れられないので、年齢を重ねると辛くなるかもしれません。

それを乗り越えるための方法とは

体力には自信があった私。

この仕事を始めるまでは、多少の睡眠不足でも元気に過ごしていました。

この仕事を始めてから親元を離れたのですが、料理が苦手だった私は、カップラーメンやレトルト食品ばかり食べるようになりました。

すると、風邪を引きやすくなったり、顔中吹き出物だらけになったり、疲れやすくなったり、としょっちゅう体調不良を訴えるように。

今思えば、食事に気を配らなかったことが原因ではないかと思います。

ありきたりな言い方ですが、体は食べたものからできています。

口に入れるものには、気を配ることの大切さを実感しました。

また、私は温泉が好きだったので、同僚とよく健康ランドに行って汗を流していましたが、他の同僚はジョギングをしたり、サウナに行ったりしていました。

気分を上手くリフレッシュすることも、体力維持の大切な要素だと思います。

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辞めたい時もあるけど、グランドスタッフがおすすめの理由

辛いこともありますが、他の職業では決して味わえない醍醐味がグランドスタッフにはあります。

いくつかご紹介しましょう。

空港の仕事のプロフェッショナルになれる

客室乗務員の職場が飛行機の中であるように、グランドスタッフは空港が職場。

上記でもご紹介したように、広い敷地内にはいろいろな業務があります。

何回か異動を重ねれば、空港の様々な業務を経験し、空港の隅々まで知り尽くしたプロフェッショナルとして活躍できることでしょう。

また、会社によっては就航している海外の空港で働くチャンスもありますので、挑戦してみるのもいいでしょう。

空港という特別な場所で仕事ができる

普通のOLだったら経験することのできない「空港」という特別な場所が、あなたの職場になります。

飛行機が無事に動き出した瞬間や、コックピットからパイロットが手を振ってくださった瞬間の達成感は、言葉では言い表せない特別なものです。

また、接客業の辛い経験があるからか、お客様の「ありがとう」の一言にこんなに救われる仕事もそうないと思います。

空港で働いていなければ経験することのできない、特別な瞬間がここにはあります。

人の役に立てる

グランドスタッフになろうと決めた後、空港で制服を着て颯爽と歩くグランドスタッフの姿が眩しく見えたことがあります。

制服を着ている限り、誰かが自分を見て、過去に自分が抱いたのと同じ思いを抱く人がいるかも知れない、と思うと、仕事に対する責任を感じると同時に、こんな私でも誰かの役に立つことができるのかも、と思いました。

また、この仕事をしていると、お客様にとって「これが最後の搭乗になるかもしれない」「一生に一度の特別な旅行」、といった場面に遭遇することがあります。

もちろん、職員は普段から一期一会の出会いを大切に仕事をしていますが、特別な旅になるお客様はグランドスタッフにとっても印象に残ります。

グランドスタッフの仕事は、客室乗務員と違いお客様と接する時間はとても短く、できることは多くありませんが、特別な旅のお手伝いができることに、この仕事の深さを実感しました。

まとめ

グランドスタッフを目指していた頃、仕事の良い面ばかりでなく、悪い(辛い)面にも目を向けて情報収集するようにしていましたが、実際仕事を始めてみると、想像以上に大変でした。

1番大変だったのが、なんと言ってもクレーム処理です。

「この仕事は向いていないのかもしれない」そう思い悩んだ時期もありましたが、そんな私を救ってくれたのもお客様でした。

辞めたくなったときは、自分が最初にグランドスタッフを目指したときのことや、自分を救ってくれたお客様や先輩・同僚の言葉を思い出してみてください。

せっかく掴んだ憧れの職業を手放すこともまた、勇気のいることだと思います。

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