ADさんってすごいなあと言われることはよくあるものの、実際どういった仕事をしているか知っている人はほとんどいません。

そこで、ラジオADの仕事内容とやりがい、仕事をしていて面白いと思うところを、ラジオAD3年目の私がわかりやすく紹介します。

ラジオADの大まかな仕事内容

ラジオADは、アシスタントディレクターと言うように、ディレクターのお手伝いをする人です。

生放送、収録番組の準備・運営・片付けが基本になってきます。

ラジオADの仕事は大きく3個の役割に分けられる 

生放送、収録番組の準備

生放送でも収録番組でもまずは、スタジオ予約、出演者の駐車場予約から始めます。

それから番組の準備が始まり、素材集め、Qシート作成の順に進めていきます。

生放送、収録番組の運営

生放送中は、素材セッティングとコールがほとんどです。

速報など非常時には原稿の差し替えをすることもあります。

生放送、収録番組の片付け

番組が終わったら、スタジオの片付けをします。

片付けの後も実はいろんな作業があり、Dノート作成、配信用素材とホームページの作成などがあります。

生放送、収録番組の準備の3個の業務

スタジオ予約、出演者の駐車場予約

生放送でも、収録番組でも、スタジオがないと何もできません。

レギュラーで時間が決まっている番組であれば、スタジオ管理の人が予約をしてくれますが、急遽収録日時が変わる場合はADが予約を取ります。

そうなった時にまず、いつ、どのスタジオで、何の番組が収録をするかが記載されているスタジオ表を見ます。

そこでスタジオを使うことを確定していない番組の担当者に連絡をとります。

それで譲ってもらえればスタジオ予約ができます。

しかし、ディレクターがどうしてもスタジオが空いてない日に収録をしたいと言ってくる場合があります。

その場合は、スタジオ使用を確定している番組全部に聞き回って少しの時間でも収録ができるように調整します。

もしそれでも調整できない場合は、その旨をディレクターに伝えて別日に変えてもらいます。

この調整がとても大変で、出演者とディレクターのスケジュールとスタジオの状況によってなので、ひどい場合は、収録の度にスタジオ交渉をする時もあります。

出演者の駐車場予約は、車で来られる方のみADが予約を取らなければなりません。

局によりますが、駐車場が少ないラジオ局は平日に予約を取ろうとするとすぐ埋まってしまうので、時間との勝負になってきます。

スタジオも駐車場もなるべく早く仕事を終わらせて、ディレクターに安心してもらうことが大切です。

素材集め

素材集めとは放送で使う音を集めることです。

ラジオは音のみで伝える媒体なので、音の種類もたくさんあります。

BGM(バックグラウンドミュージック)、JM(ジングルミュージック)、SS(サウンドステッカー)、街録素材(街でインタビューをした音声)、曲などです。

通常レギュラー番組だと素材が出揃ってはいますが、ディレクターから「この曲使いたいから持ってきて」と言われる時があるので、そうなった場合は、資料室からCDを持ってきます。

ADでも、「ここのBG選んでおいて」とディレクターに頼まれることがあるので、そうなった時は自分の個性を出せるチャンスでもあります。

小さなところでも自分の表現をアピールできるのでそういったところからADは番組制作に参加することができます。

Qシート作成

Qシートはラジオ番組には欠かせない全体進行表です。

Qシートにミスがあると放送事故を招きかねないので、何度も確認して作っていきます。

確認事項は、CM秒数、クレジット、ニュース・交通デスクのスタッフ確認です。

CM秒数は日によって増減し、種類も変わります。

CM秒数と内容が書かれている「さじき」というものとQシートを見比べてどのCMが変更されているかを記入していきます。

クレジットは、提供者名のことです。

基本的には改編期(4月・10月)やイベントごとがある時に変更されることが多いですが、イレギュラーに変わることももちろんあるので毎回確認が必要です。

生放送でも、少しでも出演者が言い間違いをしてしまうと、必ず最初から言い直してもらうほど大事なものになります。

ニュース・交通デスクは、番組によってはいない場合もありますが、必ず確認してQシートに記入します。

これも間違えると、出演者にも迷惑をかけてしますので、名前が合っているかかその都度確認します。

生放送、収録番組の運営の2個の業務

素材セッティングとコール

素材セッティングは、生放送や収録番組で流す音を機材に入れ込むことです。

使う媒体はCDや音声データが主になってきます。

音の種類は、先ほどの素材集めのところにもありますが、様々な種類があり、これらを複数の機械に順番を考えてセットしていきます。

最近は、タブレットを使ってタッチひとつで音が出るものもあります。

生放送、収録が始まったら、どの機械にどの音が入っているか、ディレクターと技術さんにコールをします。

例えば、前テーマがCD1の機械に入っているとしたら、「前テーマCD1番です」と聞こえるように言ってあげます。

音は、機械に設置されているリモートボタンというものをADが押して、それを卓に座っている技術さんがフェーダーをあげることで音が出ます。

ADがリモートボタンを押し忘れると音は出ませんし、技術さんが違うフェーダーをあげてしまうと、想定されていた音とは違うものが出てしまうので放送事故になる可能性があります。

まずは素材をセッティングするADが、どうしたら技術さんが音を出しやすくなるかを考えなければいけません。

そして、リモートボタンはたくさん押してあると、音が出せるフェーダーにはランプがついてしまうので、技術さんがどのフェーダーをあげればいいかが瞬時に判断ができなくなってしまいます。

すぐわかるように、常にリモートボタンはひとつしか押さないだとか、どのタイミングでボタンを押せば出しやすくなるかを考えると生放送がスムーズに進行でき、放送事故のリスクも減ります。

原稿の差し替え

これは、主にニュース番組になりますが、原稿が差し変わったり、速報が入ったりした時にディレクターが差し替え原稿を持ってきてくれるので、ADが出演者やスタッフの原稿を変えます。

原稿の差し替えもただ原稿を入れ替えればいいというものではありません。

ニュース番組で言えば、情報収集をギリギリまでしているので、出演者はマイクが上がる直前まで新聞を読んでいることが多いです。

新聞を読んでいる時に割って入ってしまうと邪魔になってしまうので、出演者の動きを見て、今変えるタイミングだ!

という時に素早く取り替えることが大事になってきます。

生放送、収録番組の片付けの3個の業務

スタジオの片付け

片付けは原則1時間以内で次の番組にスタジオを明け渡すことになっています。

その時間内に、Dノートを書き、配信用素材を作り、ホームページを書かなければいけないので、テキパキ仕事を終わらせないといけません。

自分たちが使う前よりも綺麗な状態で次使用する番組に受け渡すのを心がけています。

Dノート制作

Dノートとは、「ディレクターノート」のことです。

このノートは、帯番組で書かれていることが多いです。

コーナーで何のネタをやったのか、ゲストは誰が来たのかが記されており、短期間で内容やゲストが被らないようにするために書いています。

番組にもよりますが、手書きでノートに書いたり、パソコンで打ち込んでデータを送ったりしています。

配信用素材とホームページ作成

期間限定で放送の一部分が聞ける音声素材を作成したり、放送後記のようなものをホームページに作成します。

配信用素材は、パソコンで同録(同時録音)を編集して、聞きやすい尺にします。

ホームページはディレクターが作ることも多いですが、配信用素材を使う場合はADが放送後記を作ることもあります。

ラジオADの仕事の良いところ

ラジオADの良いところは、テレビのADさんとは違うところがあります。

そこにスポットを当てて紹介します。

やりがいを感じるポイント

ラジオは少数精鋭です。

人数が少ないからこそ、番組をどう演出していきたいかを言いやすく、一体感もあり、みんなで作り上げていくという意識がとても高いです。

もちろんそれはスタッフだけではなく、出演者も同じように思ってくれている方が多いので、比較的、出演者と仲良くなれるところもラジオの良いところです。

連携プレーができると気持ちいい

この仕事はいかに効率よくできるかが大切になってきます。

入社してすぐはミスが多く、焦って適切な判断ができないのですが、経験を積んでいくと、どうすればディレクターと技術さんが生放送をしやすいか、次に何を求めているのかがだんだんわかってきます。

ADは、ディレクターの3歩先の行動を予測して仕事ができるようになりなさいと言われています。

この能力がつけば、仕事が回っているのが自分でもわかるようになり、やりがいを感じることができます。

生放送でもしものことがあった時も対応ができるようになるので常に考えて行動することが大切です。

芸能人と仲良くなれる

先ほどにもありますが、ラジオはテレビと違ってスタッフの人数が少ないです。

番組によっては、ディレクター1人、AD1人、技術さん1人で回すこともあります。

そうなってくると、話す機会もぐっと多くなりますし、名前も確実に覚えてもらえます。

番組の飲み会も時々あるので、そういう時に芸能人の方と積極的に話して仲良くなると、今後の番組にもいい影響を及ぼすことができます。

リスナーの感想がすぐにわかる

リスナーはすぐにメールやファックスで番組の感想を送ってくれます。

今はSNSも発達しているので、秒単位で感想がわかり、ありがたいツールになっています。

自分たちの作った番組にすぐ感想がくることは本当に嬉しいので、このために仕事を頑張っている人はたくさんいると思います。

面白いポイント

生放送は基本、何が起こるかわかりません。

緊張感はもちろんありますが、生放送だからこそ面白いところはたくさんあります。

出演者の本音が聞ける

ラジオはリスナーとの距離がとても近い媒体です。

一緒に仕事をしているスタッフ、出演者も仲間意識がありながら仕事をしているので、ついテレビでは言えないことを話してくれる出演者はとても多いです。

ラジオの面白いところはこの距離感なので、リスナーもそれを求めてラジオを聴いている人が大半を占めています。

それを出演者もわかりながら、リスナーを信用して話してくれるので、その現場で仕事をしている時は得をしたなあと思う瞬間がよくあります。

音へのこだわりが強くなる

ラジオは音だけで勝負する世界です。

原稿が面白いのはもちろん大切なことですが、音が悪ければ面白さは半減してしまいます。

収録番組だと必ず編集をしなければならないので、どう編集したらリスナーにわからないように綺麗に聞こえるかを常に追求しています。

だんだん良い音がわかってくると、「この人声がラジオ向きだな」と思えるようになったり、「この素材どこかのシチュエーションで使えるな」となったり、どんどんいろんな発想が生まれてきます。

この仕事に就いていると音楽も詳しくなるので、音楽が好きな人、音にこだわりがある人は楽しく仕事ができます。

自分の興味・関心がないことでも勉強になることが多い

ADもディレクターもそうですが、ラジオではあらゆる番組を掛け持ちします。

ニュース、バラエティー、音楽、カルチャー、スポーツなど分野は様々です。

もちろん自分の得意な分野の番組につけることもありますが、大概はシフトで決められるので、興味がない番組につかなければいけないこともあります。

そうなった時に、勉強するつもりで、知らないことや気になったことを調べて番組を作っていくと、自分が興味のなかったことも、どんどん知識が増えてきて、いつの間にか得意分野になっていたり、博識になったりしています。

自分では興味を持って調べることもなかったことを知ることができるのはとても楽しいことです。

まとめ

いかがでしたか?

ラジオADは、細かい作業の積み重ねです。

しかし、少しでもミスがあると、大きなミスにもなるので、常に緊張感を持ってやらなければならない仕事です。

その中でも、芸能人と深く関われたり、自分の好きなアーティストに出会えたりすることもあるので魅力のある仕事だと思います。

この機会にラジオADに興味を持ってくださる方がいたら嬉しいです。


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