この記事を見ている人は転職を考えている人、もしくは農業に興味がある人だと思います。

私は現役の農家として働いていますが、農業は長くやるほど面白さが増していく職業です。

毎年毎年天候によって生産物の生育も違ってきますし、土の出来で思いがけず豊作になったりと、予想できないことが起こることが農業の醍醐味とも言えます。

安定感がないと言われるとそれまでですが、それでも日本の食を支える一人として安定して生産できる技術を身に着けるために毎年努力しています。

今回はそんな農業について、お勧めな点を農家の視点から紹介していきたいと思います。

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農業のおおまかな仕事内容

農業を大きく分別すると作物を生産する分野と、生産に付随する設備を販売設置する分野と、農協などの農家のサポート業務をメインにする業種に分類できます。

またさらに詳しく見ていくと、栽培分野では大きく分けて3種類に分けることが出来ます。

野菜などの植物を栽培する農家と、食肉、乳牛などを飼育販売する畜産農家、花などの食には関係ない植物を販売生産する農家です。

このように農業と言ってもかなり広い分野にまたがった業種なんです。

ここではそんな農業の仕事内容を簡単に紹介します。

おおまかな仕事内容

ここでは簡単に農業の仕事内容について説明します。

まず生産に付随する設備の販売、設置の仕事は、パイプハウスの建築やハウス内の暖房設備などを販売設置する仕事です。

風の強い場所や豪雪地帯などでは、耐風性のパイプハウスや耐雪仕様のパイプハウスの建設が必要です。

それぞれの地域の特徴を理解して、最適な仕様の物を提案する仕事です。

次に農協などの農家をサポートする仕事は、農家への貸付や、補助金の申請手続きの窓口、さらに農業の技術指導を行ったり、農協の名前で共同で出荷する仕事です。

栽培関係の仕事は主に農家が行う仕事です。

野菜農家や畜産農家、花農家、果物農家などいろんな農家が存在し、様々な生産物を生産しています。

このように農業はいろんな分野があるので、自分の興味のある分野を探す楽しみもありますよ。

農業の働く先や職種

農業には生産に付随する設備の販売の仕事、農協などの農家をサポートする仕事、生産物を生産する農家などいろんな分野の仕事があることを紹介してきました。

働き先としては、実際に栽培してみたい人は、農家や農業法人での仕事がお勧めです。

農家をマネージメントしてみたい人や、農家と一緒になって産地を盛り上がる仕事がしたい人は農協がお勧めです。

パイプハウスを建築したり、農業機械の設置などの工業系の仕事に興味がある人は、農業設備などの販売する会社をお勧めします。

ここで紹介したものはあくまで数ある中の一例です。

農業には他にもたくさんの仕事があるのでぜひ調べてみてくださいね。

転職なら農業がおすすめな9個の理由

さてここまでは農業の仕事内容の多様性について簡単に説明してきました。

いろんな内容の仕事があることが分かっていただけたかと思います。

ここではそのことを踏まえたうえで農業への転職のお勧めの点を紹介します。

自然に触れる仕事

農業の栽培分野では多くの仕事が屋外での仕事になります。

外での仕事なので、必然的に自然と触れ合う機会は多くなります。

パソコンの作業もありますが、多くは太陽の下で健康的に仕事ができるのでとてもお勧めできます。

また農協の職員の仕事も、管轄農家をまわって生育状況を把握するので、自然の中で仕事できますよ。

電車通勤がない

栽培分野では汗や泥で汚れることが多いので、電車での通勤は厳しいかと思います。

一般的には職場の近くにアパートを借りて通勤することがお勧めです。

毎日の通勤時の満員電車や、時間に縛られることがないので気持ちが楽になります。

私は通勤に自転車を使うことをお勧めします。

自転車の通勤は、四季の風を浴びて、それぞれの季節を肌で感じることが出来るのでおすすめです。

自然が多い場所で働ける

数ある仕事の中で、農業は自然が多い場所で働くことが出来る、数少ない仕事ではないでしょうか。

農業を仕事にするには土地が必要です。

広大な土地を利用するために、都会ではなく郊外が職場になります。

そのためどちらかと言うと、自然が多い場所で仕事ができます。

自然の中での仕事の合間の休憩はのんびりした雰囲気があって良いものですよ。

基本的に体を動かす仕事

事務仕事もありますが、基本的には体を動かす仕事です。

具体的には栽培管理や、収穫がメイン作業です。

一般的に農業というとハードワークのイメージがあると思いますが、はっきり言ってそこまでハードな内容はあまりありません。

最近は農業機械が発達してきました、農業機械を上手に利用することで、体も楽に仕事に取り組むことが出来ます。

そのため軽作業がメインと考えて差支えないですよ。

残業が少ない

基本的には残業は少ないです。

なぜなら朝早くに収穫や出荷作業があるので、夜は早く寝ないといけないのです。

そのために農業の仕事は、必然的に残業が少ない業種になります。

基本的に太陽が昇っている時間で、終わることが出来る仕事ですよ。

学歴社会ではない

最近は募集の際に学歴を重視する農業法人や農家が多くなっていますが、はっきり言って私は学歴は全く関係ないと思います。

体が健康で、強烈なやる気があれば、誰でも成功することができる仕事です。

強いて言うなら、生き物相手の仕事なので、生き物が好きな人であるとお勧めの仕事です。

仕事の中で、天候のこと、植物の体の仕組みなど色々学ぶことは沢山あるので、仕事の中で学んでいきましょう。

独立を視野に入れた実践経験を積める

最近は農家や農業法人に就職する人よりも、独立を視野に入れて就農する人が増えているように感じます。

私はいろんな就農者を見てきましたが、独立という目標があるのと無いのでは仕事への取り組み方が違う気がします。

もちろん独立を考えていなくても、立派な仕事をする人もいっぱいいました。

しかし自分で実際に仕事する際のことを考えて作業すると、仕事も意味が違ってきます。

いつでも独立できる仕事なので、どうせなら独立を視野に入れて実践経験を積むことをお勧めします。

都会生活と比べて生活費が安く済む

生活費は都会と比べて安いです。

まず車を所持している方は、農家の近くは基本的に駐車場は無料です。

また規格外の野菜などをいただくことが出来るので、食費も浮きます。

アパートを借りるとしても、都会と比べるとかなり安く借りることが出来ます。

総合的に都会と比べて生活費は安く出来ます。

住み込みの仕事もある

農家や農業法人によっては、全国区で求人を出しているところもあります。

そのような会社は、基本的に宿舎を用意していることが一般的です。

宿舎は、基本的に2~3万という格安で借りることができます。

宿舎は生活に必要な物も揃っている場合が多いので、最低限の荷物で移動できるので便利ですよ。

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農業への転職で活かせる経験や資格はある?

農業は基本的に資格がなくても転職出来ます。

仕事の中で資格を取っていく形が一般的です。

では農業ではどのような資格が必要なのでしょうか?

ここではそんな農業に必要な資格や経験を紹介したいと思います。

大型特殊免許

畑を耕すときはトラクター。

稲刈りにはコンバイン。

田植えには田植え機。

このようにの農作業には、農業機械が欠かすことが出来ません。

そしてこのような機械に必要な資格が大型特殊免許です。

大型特殊免許があるとたいていの農業機械は操作できるので、農作業に慣れてくると取得すると良いですよ。

また取得の際は、雇用主が取得費用も出してくれる場合があるので確認してみましょう。

営業経験

自分たちの収穫物を販売するために、売り込み営業に行くことがあるので、営業の経験があると生かせます。

私を含め今まで会ってきた農家の人は、営業まで手が回らないことが多いです。

なぜなら、繁忙期に営業をしないといけないのですが、収穫物がいっぱい採れる繁忙期は収穫・出荷作業に追われるからなんです。

本業の生産作業に専念しなければいけないので、どうしても営業活動はおろそかになってしまうんです。

ですので経験があると、即戦力として、営業担当として活躍できる場合もありますよ。

プロモーション経験

営業と同様にプロモーションの経験は、自ら生産したものをアピールする大切な活動です。

生産物はもちろんですが、食の安全が求められている昨今では私たち自身(生産者)のプロモーションも大切になります。

営業活動と同様にプロモーション経験があると、即戦力として活躍できる場面が多いので、採用面接時には積極的にアピールしましょう。

事務経験

農業の冬場の仕事は事務仕事がメインです。

一年間の伝票整理や来年度の作付け計画などの作業になります。

事務経験があるとスムーズに事務整理などができ重宝されます。

マネージメント経験

ある程度の規模の農家や農業法人になると、少人数のグループ行動が基本になります。

グループのリーダーは、メンバーが安全に安心して仕事ができるように段取りしたり、安全確認するマネージメント能力が求められます。

ただマネージメント経験があるだけではなく、農業作業に精通していないとどこに危険が潜んでいるのかわかりません。

そのためにマネージメント経験を持っている人は、まずしっかりと農業技術の勉強をしてからマネージメント経験を生かせると良いですね。

経営経験

就農する人は後々独立する人が多いです。

独立後にはすべての仕事を自分でしなくてはいけないので、農業作業全般の知識や生産物に対する知識がついていることが前提です。

農業法人や農家としての経営方針を決めて進んでいかなくてはいけません。

その時に、以前自分で経営していた経験があると必ず役に立ちます。

また独立しなくても、組織内で経営手腕を発揮することもできますよ。

農業は近年多様化してきています。

いろんな事に挑戦するのも良いですが、時代の流れや経営感覚がないと失敗してしまう時代です。

微妙な舵取りが求められる時代に、経営感覚を生かせる農業への転職は面白いと思いますよ。

農業に転職するにあたっての心構え

農業は他業種と違いかなり特殊な仕事です。

そんな農業の特殊な点は、転職するにあたって確認する必要があります。

ここではそんな特殊な点を踏まえて、農業へ転職するにあたっての心構えを紹介します。

全て計画通りとはいかない

生産物を生産して販売する農業には生産物ができるまで、長いもので何か月もかかってしまうものもあります。

例えば毎日の管理作業で水が足りなかったりすると、何か月か後の収穫期間に如実に結果が出るんです。

そんな場合は、予想収穫量を下回る結果になります。

逆にうれしいことに植物に適した気候が続いて、予想以上に豊作になる場合もあります。

また自然災害などで被害を受ける場合があります。

私たちが予想できない原因で、収穫量の増減が起こるんです。

さらに天候によって、毎日の作業が進まなかったり計画通りにいくことが少ない仕事です。

計画通りにいかない仕事なので、時には割り切って考えることも大切です。

体力を使う

生産分野での作業は、毎日太陽の下で働くので体力を使います。

最近では農業機械による作業が多いですが、一日太陽の下にいるだけでも体力は消耗するものです。

収穫時期や植え付け時期に、年に何回か重いものを運ぶ重労働があります。

素に時期の重労働はずっと続くわけではないですが、大事な作業なのでその期間はしっかりと体のケアをして、体を壊さないように仕事に臨みましょう。

人付き合いは欠かせない

人付き合いはどんな職業でもありますが、農業の場合は少ない人と濃い関係の人付き合いが中心となります。

いろんな人と会う訳ではないので、人付き合いが苦手な人でも気が楽です。

しかし、密度の濃い人間関係を求められるので、最低限の社会人としてのマナーは必要です。

体育会系

農家には体育会系の人が多いです。

アウトドアで楽しんでいる人や、好きなスポーツに励む人も私の周りでは多いです。

仕事は自然相手なので、仕事が出来なかったり進まないときも「しょうがない、また明日頑張ろう」と思えるサバサバした人が多いです。

しかしいったん仕事になるとがっつり仕事に取り組む、メリハリがある人が多いです。

全体的に体育会系のノリがあると楽しく仕事ができると思います。

地道な仕事

播種から収穫まで短いもので1か月、長いもので数か月というように、すぐに収穫できない物が大半です。

作業は毎日あるのに収穫ができない期間があるわけです。

そんな期間でも、収穫する時に収穫物がどのようになるのか想像しながら、毎日の作業ができる地道さが必要です。

結果は数か月後にしっかりと出るので、地道にしっかり管理しましょう。

まとめ

さて今回はどうして農業への転職がお勧めかを紹介してきました。

作物を栽培する農業は、自然の中でのびのびできるお勧めの仕事です。

この記事を読んで興味がある人はぜひ求人募集に応募してみてください。

またこれから農業への転職や就職を考えている人が、この記事を見て少しでも農業への興味が深まると幸いです。

農業に転職するときは、こちらの記事を参考に!

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