2020年7月6日

CG制作はゲーム制作、映画制作に限らず、CGが関係する仕事の全てにチャンスがある仕事です。

昨日までゲームのCGを作っていた人が次の日には映画のCGを作っているなんてこともあり、面白い世界といえるでしょう。

もちろん会社や人それぞれに得意分野があるため、ゲーム系の仕事が多い会社、出版系の仕事が多い会社などに分かれますが、スタジオが大きければ、スキルとともに携われる仕事が増えていくはずです。

この記事では、CG制作求人について紹介していきます。

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CG制作のおおまかな仕事内容

おおまかな仕事内容

営業、制作、管理あたりに仕事内容は分かれます。

営業はCGの仕事を勝ち取ってくる仕事で、CGを取り扱うさまざまな業種の会社へ出向いて営業をかけます。

打ち合わせをして相手の希望がわかったら、制作者と相談をして見積もりを作り、クライアントが納得したら契約して制作が始まります。

制作については細かいので、後ほど職種ごとにご紹介します。

また、管理というのは制作に関わる管理者もいますが、当然経理や法務、人事などは別部署です。

小さ目なスタジオだと総務として管理系全てを兼務していたりもします。

CG制作は会社でどういう役割を求められる?

当たり前ですがCGを作ることを求められます。

役割といえばそれ以上でも以下でもないというか、ゴールはそこです。

CG制作会社というのは、自社でCG映画やゲームを作って売り出しているわけではなく、ゲーム会社や映画会社、あるいはCM制作会社やメディア関連から仕事をもらって制作するため、依頼のCGを制作して納品するのが仕事だからです。

もちろん役職や部署によって、仕事をとってくる営業マンもいれば、マネージャーとして部下を統率したり、評価をしたりなどはありますが、CG制作という一括りにすればCGを作ることが役割です。

CG制作にはどんな種類があるの?

事業形態、職種の2つで種類を見てみましょう。

とくに職種は細かく分けるとたくさんあります。

CG制作の募集でよくある事業形態のパターン

法人のみと考えてよい

CG制作スタジオでNPOとか一般社団法人というのは見たことがありません。

上場しているかしていないかは別として、ほぼ株式会社です。

他業種とタッグを組んだ合弁会社も稀にあります。

個人事業主もいる

腕の立つクリエイターは独立して個人事業主として稼いでいる人もいます。

でも相棒の募集などは求人には出さないですね。

あまり意識しなくていいでしょう。

CG制作の募集でよくある職種

CGアーティスト全般

募集がひっきりなしにあるのはモデラーです。

制作物が多いわりに市場の人手不足が否めない仕事で、とくにアートディレクタークラスが不足しています。

ツールに関しては、国内だと基本的にはMAYAを使うことが多く、稀に3dsMAX、プロジェクションマッピング系などではCINEMA 4Dもありますが、MAYAが出来れば仕事が全くないことはないでしょう。

テクスチャを描くためPhotoshopが使えることは必須です。

ただ、車や建物の設計に関するCG業務の場合は、CADの取り扱いができることも必要だったりします。

アニメーターやモーションデザイナーの仕事も多いです。

MAYAでモーションをつけることもあれば、MotionBuilderを使うこともあります。

他にもツールがないわけでもないでしょうけれど、求人が集中しているのはMAYA関連です。

エフェクトに関しては、求人数はモデラーと比べるとそれほど多くありません。

フリーランスで活躍している人も多いことと、最近はツールが分かれ出していることに理由があります。

以前はAfterEffectsが主流でしたが、今はゲームエンジンのUnityやUE4でエフェクトを作ることが多く、ゲームに関してはこの数が圧倒的に増えています。

UE4で映像を作るようにもなってきたので、新たな技術を取り入れている人ほど仕事があります。

リガーという、モデルを動かせるように骨を入れる専門の人もいますが、この仕事に専念できる人は大手のスペシャリストです。

CG制作会社だと人数もそこまで抱えませんから、モデラーが兼務することが多いです。

管理系

ザックリと管理系と記載しましたが、細かく分けるとプロデューサー、プロジェクトマネージャー、コーディネーターなどがあります。

実際に制作するのではなく、予算やスケジュール、進行を管理する仕事です。

CG制作会社だと窓口として営業も担当することが多いですね。

この仕事も結構な人手不足で、求人が途切れている様子はありません。

また、プロデューサー以外なら未経験者でも挑戦しやすいです。

出版系ならレタッチの仕事も多い

CG業界といっても、映像系と出版系で仕事の守備範囲が違います。

映像系はゲームも映画も遊技機(パチンコ、スロット)など複数を行うことが多いですが、一方で出版物はまた別のスキルが必要なので守備範囲外なことも多いです。

出版系の場合、つくられたCG画像をより美しく、かっこよく見せるために修正(レタッチ)する仕事があり、この専門の求人も多くみられます。

どういう事業形態や職種が良いか決まっていますか?

事業形態や職種についてはとくに良いも悪いもないと思いますが…会社のことはよく調べた方が良いです。

正直なところ、業界自体の歴史がとても長いわけではないので、無法地帯な会社があることは否めません。

まだ未整備と申しましょうか…。

体育会系のノリだけで突き進むパワープレイタイプの会社が、現代とは思えないくらい、たくさん残っています。

ただ、最近はCG業界も会社としてしっかりしているところが増えてきているので、働きやすくはなっています。

「会社による」としか申し上げられないのが恐縮ですが、会社それぞれを本当によく調べてみるしかないです。

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CG制作でよくある募集内容とは?

CG業界は職種ごとに募集がかけられることが多いです。

たとえば「プロデューサー」とか「モデラー」、「アニメーター」などです。

一般的な求人内容と大きく違うところは少ないですが、それぞれ細かく見てみましょう。

給与相場

新卒は19万円~くらいです。

中途採用だと30万円~あたりですが、経験者に限られます。

平均年収は350万くらいなので、他業種も含めた20代の平均年収とほぼ同額です。

これはかなり低い数字。

CG業界の40代以降の平均年収が470万円くらいとされていますから、出世できないとかなりキツイですね。

大規模なスタジオでも800万円以上のクラスの人は限られます。

勤務時間や休日、残業

会社によりますが…残業60時間を突破する月も少なくありません。

とくに大手が一斉に休みになってしまうお盆休みや年末年始あたりは何故か発注が集中します。

完全週休2日制とは書いてあっても「仕事が入ったら仕方ない、出社しよう」が実情です。

この業界あるあるですが「裁量労働制」と書いてあります。

この名の元に残業代が出ないことはザラですし、納期前の徹夜休日出勤なんてのもザラです。

代休すら消化できないまま消失期日を迎えることもしばしば。

実情は口コミなどで確認してみるしかありません。

福利厚生

正社員の場合は社会保険等はちゃんとやってくれます。

その関連で、IT業界系の保険組合やソフトウェア関係の保険組合に加入する会社が多いと思います。

その組合が保有している保養所が安く使えたり、薬が安く買えるのはメリットです。

その他、会社によっては部活動支援金だったり、資料を買うお金が給付されることがあるようです。

CGスタジオの場合は、大手ゲームメーカーほどの規模ではないため社員食堂は期待できません。

交通費は支給されますが、住宅手当は稀ですね。

平均的に、福利厚生が手厚い業界ではないでしょう。

勤務場所

少し大きなCGスタジオの場合は支社を持っていたりします。

場所は東京が多く、その他、大阪、京都、名古屋、福岡あたりに集中しているようです。

海外との取引も盛んなので、中国、アメリカ、カナダ、韓国などに支社や提携企業を持っていることもあります。

最近は東南アジアも注目されています。

求められる人物像

会社によるので何ともいえませんが、求人によく書いてあることを1つと、経験者として感じたものを2つ記載しようと思います。

CGが関わる作品の何かしらが好き

「アニメ、ゲーム、映画が好きな人!」と書いてある求人は多いですね。

とくに未経験者を募りたい求人でよく見かけます。

好きこそものの上手なれです。

「全くCGには興味がないんですが絵を描くのは好きです!」という人だと、たぶん面接で落ちます。

円滑なコミュニケーションができる人

昔はいわゆるオタクな感じのイメージもあったかもしれませんが、今のCG業界はわりとビジネスな雰囲気があります。

気合いで乗り越えていくみたいな時代が終焉を迎えているというか、働き方が改革されるようになりましたし、システムの性能も上がって効率化するようになってきたからでしょう。

そこで求められているのが円滑なコミュニケーションです。

せっかく技術が進歩してもヒューマンエラーになったら元も子もありませんし、やっぱり良い物をつくろうと思ったら意志疎通のスムーズさは必須です。

CG制作が向いている人の特徴は、こちらの記事を参考に!

必要なスキルや資格、経験

営業や制作進行など管理系でない限りは専門技術が問われます。

モデラーなのにモデルの作り方が分からない、では話になりませんから、専門学校で学んできている人が多いです。

新卒の場合は美大出身で、会社に入ってから教えてもらう人もいますが、造形の基礎を良く分かっているのでツールの使い方を覚えれば活躍できるでしょう。

転職の場合は経験者の募集しか見かけません。

CG制作のおすすめ求人のポイント

CG制作会社の求人は結構たくさんあります。

他の業界と比べればそれほど会社の数が多いわけでもないのですが、専門学校等でCGを学んだ人たちはゲーム業界を目指していたり、映画制作を目指していたり、はたまた出版系のデザイン業務やWeb、あるいは芸能界のLIVE映像などにも進路が分かれていくため、毎年輩出される新人の数と需要の数を比較すれば需要が圧倒的に上回っているという状況です。

というわけで、求人数は結構あります。

では、数ある求人の中から何を基準に選べばいいのか、ポイントを見てみましょう。

いつも求人が出ている会社はやめたほうがよさそう

おすすめポイントと言っているのに、やめたほうが良い求人を書くのもどうかとは思いつつ、とっても重要なので解説します。

いつ見ても求人が出ている会社というのは、業界の中で「あの会社はシンドイ」と有名になっているか、あるいは一度は入社があって求人を取り下げるものの、すぐに辞めてしまうから再掲載する会社です。

理由は色々あるでしょうからとくに言及しませんが、つまり、危険です。

その会社が得意な分野を知ろう

先述の通り、CG業界といっても得意分野は会社によって全く異なります。

もともとはイラストなどの2Dが主流だった会社なら、CGといっても2D風の制作をすることが多かったり、パチンコパチスロなどの遊技機系の仕事が主流の会社ならエフェクトなどの派手な演出が得意だったり、ゲームの仕事が多かったらたくさんの物量を作り上げることが得意だったりとさまざまです。

会社の歴史をみれば大体の傾向はわかります。

自分がどんなCGをやりたいかを決めて、その希望と合致している会社を探しましょう。

有名タイトルを継続受注している会社

ゲームや映画は人気タイトルの次回作が出たりしますよね。

そのときに継続受注できている会社は、仕事ぶりが認められているということです。

次回作そのものではなくても、その会社から仕事を請けていたら信頼されているという証。

逆にいえば、数多くの会社との取引実績はありつつも、継続があまりない場合はちょっと怪しいです。

CG制作の雇用形態による違い

正社員、契約社員(業務委託)、派遣社員、アルバイトがあります。

正社員は会社に常駐またはクライアントのところへ出向して仕事をします。

契約社員は正社員になる前の試験期間やプロジェクトが終わるまでの契約だったりします。

派遣社員やアルバイトは数が少なく、人手不足のときに専門性が低い部分の助っ人をお願いするという感じです。

保険などの福利厚生の適用は一般的な会社の分け方と同じです。

ただ、個人事業主でプロジェクト期間だけ助っ人をしてくれる人は、むしろ制作のクオリティを担保してくれるほど、高レベルのスキルの持ち主が多いので、業務委託の契約金額もかなり高かったりします。

CG制作についてよくある疑問

優れたCG作品を見て興味が湧き、思い切って就職、転職したいと思う人もいるでしょう。

関連する業界の人なら転職はしやすいですが、そうではない場合に気になる疑問について2つ紹介します。

未経験者でも挑戦できる?

実際に他業種のデザイン部門から転職してきた人はいますし、大活躍もしています。

とはいえ、デザインという意味では共通している部分もありますからね…。

全くの未経験者で「イチからCGを学ばせてください!」というのは難しいです。

専門学校で学んでからの方が良いでしょう。

管理部門であれば入れる可能性があります。

将来性は?

うーん…。

仕事がなくなることはないと思いますが、給料ベースが上がっていくのかという意味では微妙です。

先述の通り、平均年収は他業種も含めた平均年収を大きく下回っていますので、昇進しないと厳しいです。

昇進するからには、マネージメント能力なども問われます。

それが難しいならCGの腕を磨き上げて、いわゆるスペシャリストになり、指名で仕事がとれるレベルにならないといけません。

まとめ

CG制作のお仕事は楽しいです。

自分が携わった数多くのものが世に出ていくし、仕事を続けていれば自分の名前が出ることだってあります。

たくさんの業種の人とも知り合いになれるチャンスも豊富です。

ただ、稼げる仕事とはいえまえん。

未経験からの挑戦なら待遇は気にしないようにしましょう。

夢と現実を天秤にかけ、踏み込む勇気があれば面白い世界が待っていますよ。

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