2020年7月6日

子どもの頃、大きくなったら何になりたいと思っていましたか?

男の子はお医者さんやスポーツ選手、今の時代ですとユーチューバーなどを挙げていると聞きます。

女の子はパティシエや美容師を挙げる中、いつの時代でも幼稚園の先生になりたいという子が多いようですね。

私も小学生の頃に描いた夢は幼稚園の先生でした。

それから高校の進路を決める際にふと思い出し、保育の道へ進むことになりました。

そこで今回は、幼稚園教諭になる方法から就職・転職事情までを、経験者である私が解説していきます。

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幼稚園教諭の仕事内容

まずは幼稚園教諭の仕事を知ってもらいたいと思います。

紙芝居や絵本の読み聞かせ、ピアノを弾いで歌を歌ったり、子供達と一緒に園庭を駆け回って遊んでいるイメージがあるのではないでしょうか。

そんな一面もありますが、実は奥が深い仕事でもあるので紹介いたします。

子ども達への教育

これは要となる仕事で、子ども達がいなければ何も始まりませんよね。

朝の登園時から降園まで、1日の指導計画を基に指導を行います。

活動内容は園によって様々ですが、製作や運動遊び、リトミックなどがあります。

幼稚園教諭は教育内容に掲げている、健康・人間関係・環境・言葉・表現の【五領域】を意識して、子ども達に働きかけます。

教育をしながら時には見守り、友達のように接する時もあります。

書類関係の処理や作成

意外と多い書類関係の仕事があります。

保護者が記入してくるおたより帳の返事や、月案や週案と呼ばれる指導計画の作成、月末や学期末に子どもの成長を知らせるコメントなどを書きます。

お誕生日月にはバースデーカード、年賀状や暑中見舞いも送ることがあります。

また、卒園時期になると小学校へ提出する内申書のような指導要録を書きます。

一人一人の成長過程や個性に向き合って書き上げていくため、とても感慨深い仕事の一つです。

園内の掃除

掃除のスタッフがいる幼稚園もありますが、多くの園では幼稚園教諭が掃除をします。

自分のクラスだけではなく、水場やトイレ、園庭、飼育小屋や園バスまで至る所を掃除します。

子ども達に少しでも清潔な環境で過ごしてもらうために、念入りに毎日掃除をしています。

幼稚園教諭の仕事内容は、こちらの記事も参考に!

幼稚園教諭になるには?

幼稚園に就職すれば幼稚園教諭になれるわけではありません。

実は必ず幼稚園教諭の免許が必要になります。

では、どのように幼稚園教諭の免許を取れば良いのでしょうか。

詳しく解説していきます。

どんな資格が必要?

保育士と幼稚園教諭は「子どもと接する」という点では同じですが、根本的に違う箇所があります。

幼稚園教諭は資格ではなく“免許”であることです。

文部科学省の管轄である幼稚園教諭は、学校教育法に基づいて子ども達に教育を行います。

幼稚園教諭の免許は3種類あります。

簡単に言うと、大学院卒は幼稚園教諭専修免許、4年制大学卒は幼稚園教諭第一種免許、短期大学や専門学校卒は幼稚園教諭第二種免許になります。

私は短大卒なので、第二種免許を持っています。

仕事内容は変わらないのですが、待遇や給与の差が出てくる場合があります。

受験資格は?

特にありませんが、子どもが好きなこととピアノが弾けることは大切かなと思います。

私はピアノが不得意だったため、上手く弾けずとても苦労しました。

同期はピアノはとても上手かったのですが、クラス運営に悩んで退職してしまいました。

どちらも持ち合わせていたら、幼稚園教諭の仕事を続けられたかなと感じています。

免許取得ルート

実際にはどのように免許を取得すれば良いのでしょうか。

テストを受けて合格すれば免許状が貰えるわけではありません。

幼稚園教諭の免許を取得するには大きく二つの方法があります。

免許取得ルート1

教職員養成課程のある大学や専門学校に通う方法です。

こちらが一番スタンダードな方法かと思います。

私は短期大学の保育科を卒業し、幼稚園教諭第二種免許と保育士資格を同時に取得しました。

保育士資格も幼稚園教諭の免許も取れる学校を選んで受験しました。

他には、小学校教諭と幼稚園教諭の免許を取れる学校や幼稚園教諭のみの学校などがあります。

取れる免許や資格が多い分、授業やテストも多くなるため、ご自分に合った学校を見つけるのが良いですね。

短期大学で資格と免許、卒業のための単位も必要でしたので、毎日1限から7限まで授業がありました。

貴重な空き時間はピアノの練習や創作ダンスの練習などひっきりなしに取り組んでいた思い出があります。

また、働きながらでも取得できる夜間の学校や通信制大学も選択肢としてあります。

夜間の学校に通いながら、昼間は資格のいらない保育補助の仕事をしている先生もいました。

ご自分のライフスタイルに合った方法で免許が取得できますね。

免許取得ルート2

保育士資格を持っている方は【幼保特例制度】を利用して幼稚園教諭の免許を取得できます。

条件として、保育園で3年以上の勤務経験、4320時間以上の実労働時間が必要となります。

複数の施設で働いていても、合算した時間で良いそうですよ。

もし、条件を満たしていたら幼保特例制度に対応している通信制大学などで8単位を取得します。

その後、各都道府県の教育職員検定に合格すると幼稚園教諭免許状が授与されます。

ただ、幼保特例制度には期限が設けられています。

元々は、幼稚園と保育園のハイブリッドである【幼保連携型認定こども園】を開設する際にできた制度なのです。

幼保のハイブリッドであるため、こども園で働くためには幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が必要です。

保育園で働いていた保育士の人員を確保するために設けられた制度のため、平成32年3月31日までとなっています。

期限が延長されるのではと推測されている人もいますが、条件を満たしている人は早めに取り掛かることをおすすめします。

合格率はどれくらい?

免許取得ルート1の学校に通って取得する方法ですと、卒業と同時に授与されます。

もちろん、必要な単位と教育実習を済ませ、卒業論文やテストに合格してからという形になります。

免許取得ルート2の幼保特例制度を利用する場合ですが、正式な合格率は発表されていませんでした。

調べた限りですが、合格率はそう高くないようです。

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幼稚園教諭に求められる資質は?

子どもが好きです!だけでは勤め続けられないのが、幼稚園教諭です。

免許を取得しているため、幼児教育の専門知識は理解して身についています。

専門知識以外で幼稚園教諭に求められる資質とはなんでしょうか。

リーダーシップ力

子ども達の前に立って全員を引っ張っていくリーダーシップ力が必要です。

子ども達はそれぞれ、様々なことを考えて主張をしてきます。

全てを聞き入れたいのは山々ですが、一つ一つ対応しているとクラス運営が破綻してしまいます。

そこで、リーダーシップ力があれば、子ども達をまとめて指導計画に沿った園生活を送れます。

クラスの雰囲気が明るくなるよう声かけをする、子どもたちが魅力に感じるような活動を提案するなど、リーダーシップを意識し引っ張っていくことで、自然とクラスがまとまっていくことが多く感じます。

もちろん一人一人へのフォローもしますが、グッと子供達をまとめられる力は大きな強みになります。

保護者と連携しながら上手に付き合える力

幼児期の成長を支えていくためには、保護者との連携が必要になってきます。

家庭だけでは追い付かないことがあるように、幼稚園だけでもできないことは沢山あります。

そこで、保護者と上手に付き合いながら、子どもの成長によって必要なことを幼稚園と家庭で行っていきます。

そのためには、普段から子どもの園での様子をこまめに保護者に報告し、家庭での姿も教えてもらうなど、情報を共有することが大切です。

新しい事を受け入れて挑戦する力

時代はどんどん変わっていきます。

教育方法も、学校で習ったことや先輩に教えてもらったことが明日になったら変わってしまうなんてこともあります。

そこで、過去の経験や知識に縛られて新しいことを受け入れられないとなると、しわ寄せが子ども達に来てしまいますよね。

新人でもベテランでも、子ども達に良いとされている新しいことに抵抗なく取り組める力は必要です。

幼稚園教諭のやりがいとは?

どうして幼稚園教諭を続けていられると思う?と短大の友人に聞いたことがあります。

働きやすい環境や給与など条件はありますが、プライスレスのやりがいがなければ、長くは続けられませんよね。

そこで、幼稚園教諭だから感じることができるやりがいを紹介します。

子どもの成長を間近で感じられる

まだ赤ちゃんらしさを残した3歳の可愛い子ども達が、卒園の頃には立派な姿になっています。

その成長過程を間近で感じられるのはとても嬉しいことであると同時に、達成感を味わえます。

あんなこと、こんなことができなかったのに、今はこんなことまでできるんだねと、保護者と一緒に感動を分かち合えたりもしますよ。

身体を動かして遊んでリフレッシュ

会社勤めですと、気軽にリフレッシュできない場合もあるかもしれません。

幼稚園で働くと、自由遊びの時間に子ども達と一緒に走ったり飛んだり跳ねたりして身体を動かせます。

しっかり子ども達の安全を見ながらですが、悶々と悩む時間がなくなるため、気分転換に最適です。

軽い運動ですが、健康にも良いですよね。

幼稚園教諭の仕事で大変な点は?

楽しいことばかりではないのが仕事ですよね。

幼稚園教諭に至っても、大変なことや難しいことは多々あります。

保護者や子ども同士、先生などの人間関係

仕事内容が人対人のため、大なり小なり人間関係で大変な思いをすることがあります。

子ども同士の喧嘩の仲裁方法を誤ってしまうと、保護者を巻き込んで大事になってしまうなんてこともあります。

保護者に良くない印象を与えてしまうとすぐ噂になったり、先生同士の関係が上手くいかないと仕事に支障が出てきてしまいます。

常に細心の注意を払って、丁寧に対応して接していくことを心がけています。

体力がもたない

子ども達が登園している間は、走ったり踊ったりしながら全力で過ごします。

降園した後は、園内の掃除をしてから先生同士の打ち合わせ、製作の準備、ピアノの練習など細かい仕事が沢山あります。

加えて、運動会などの大きな行事前には準備や練習があり、帰宅時間が遅くなることも多々ありました。

私は短期大学卒業後すぐに幼稚園で働いたため若かったのですが、毎日クタクタでした。

30代になった今、幼稚園で働けるか考えると体力的にも自信がありません。

経験者が語る!できる幼稚園教諭の特徴

幼稚園に勤務して、目標にしたい憧れの先生がいると自分の成長にも繋がりますよね。

私が出会った「できる幼稚園教諭」の特徴を紹介していきます。

いつも明るくさっぱりとした人

先生と呼ばれる立場なので、毎日同じように子ども達に接することが大事ですが、先生も人間なので落ち込む日もあります。

ですが、その先生はいつも明るく、そんなこと気にしない!とさっぱりした性格の人でした。

新人の私にもフランクに接してくれて、園長先生にも信頼されている先生でした。

子ども達もいつも対応が一貫しているので、安心して幼稚園に通っていたように見えました。

自分の意見をきちんと言える人

少人数の職場なので、主任や先輩先生の性格によってはネチネチと攻撃してくることがあります。

いじめにも近い経験をしたことがありましたが、後輩だったので何も言うことができませんでした。

主任が陰口を言っていたと聞いた先輩の先生は、直接主任の前へ行き「何か考えがあるなら直接おっしゃってください。その件はすみませんでした」と頭を下げていて、かっこいいなと思ったことがありました。

子どもに対してもぶれない態度で接していました。

良くない言葉を使った子には強く注意し、子どもから殴られたり蹴られたりしても毅然とした態度で対応していました。

幼稚園教諭の仕事に興味がある方へ

仕事内容から幼稚園教諭の免許取得方法、やりがいや大変な事などを紹介してきました。

幼稚園教諭の実態が少しでも伝わったでしょうか。

保護者との関係がネックだと言う話も聞きますが、ほんの一例です。

問題がある保護者の対応方法などは園長や主任、先輩先生のアドバイスを受けて対応すれば心配することはありませんよ。

また、子どもの様子をこまめに共有したり、保護者の話にもしっかり耳を傾けたり、日々の関わりの中でしっかりと信頼関係を築くことができれば、保護者の方ともきっと分かり合えると思います。

幼稚園教諭のおすすめのポイントとしては、免許を持っているとブランクがあっても転職しやすいのです。

施設が替わったとしても、仕事内容は一環として子どもの教育なので、各々の幼稚園のルールを覚えてしまえばすぐに働き始めることができます。

また、幼稚園で勤務経験があると、将来自分の子育てにも役立ちます。

毎日気を張って子ども達の安全を見守っているのが体に浸み込んでいるようで、自然と動いてくれます。

子育てを終えて体力に自信がなくなっても、免許を持っていれば保育補助でも採用されやすいのも事実です。

少しでも興味がある方はぜひ、幼稚園教諭の免許取得に向けて動き出していただきたいと思います。

保育士不足と騒がれている世の中ですが、幼稚園教諭も不足しています。

個人的には、大変ですが保育士資格と一緒に取ることをおすすめします。

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