2020年7月6日

幅広い年代の子どもと関われる、比較的福利厚生が充実している等メリットが多い病児保育の仕事。

興味のある方も多いのではないでしょうか?

しかし、やはり気になるのはその収入。

どのくらいの収入が得られるのか、生活はしていけるのか等、気になる点は多々あると思います。

今回は病児保育所で働いていた経験のある筆者が自身の経験を交えながら、病児保育の仕事の年収や年収を上げるために出来ること等について解説していきます。

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私はこんなところで病児保育の仕事をしていました

私は地方の小さな市にある医療法人が運営している病児・病後後児対応型の病児保育所で勤務していました。

職員は受入れ人数次第で変わるのですが、概ね1~4名で対応していました。

1日の利用人数は閑散期(主に夏)で平均1~2名、繁忙期(主に冬)で平均4~5名程度でした。

月々の給与は諸手当込で約24万円、賞与は年2回3ヶ月分+決算期賞与があり、年収は約320万円でした。

病児保育の仕事の年収の相場はどのくらい?

ではまず病児保育の年収の相場について解説していきます。

正社員

求人を調べたところ、大体基本給の相場は20万円前後でした。

それに加え、資格手当や技能手当、住宅手当、通勤手当等の各種手当が加算されていました。

賞与は年2回3ヶ月分というところが多いようです。

そのため月収を基本給20万円+各種手当3万円の23万円とした場合、賞与を含めた年収は336万円となります。

ただし、都市部の求人がほとんどで、地方の求人はあまり掲載されていなかったため、地方ではもう少し下がってしまうかもしれません。

筆者の年収は約320万円でしたが、基本給は15万円と低かったものの各種手当をかなり付けてもらっていたので、地方にしては高い方だと思います。

パート・アルバイト

パート、アルバイトに関しては保育士と看護師でやや時給の差がありました。

看護師は時給1500円前後、保育士は1200円前後の求人が多いように感じました。

この差に関しては看護師が業務独占の資格であることに対し、保育士が名称独占の資格であることが関係しているのかもしれません。

年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?

賞与

ほとんどの事業所で賞与は設けられているようです。

年2回3ヶ月分というところが多いように感じました。

昇給

昇給ありという求人もありましたが、具体的に毎年いくら上がっていくということまでは分かりませんでした。

各種手当

各種手当としては資格手当、住宅手当、通勤手当、役職手当、危険手当等があるようです。

また、対応時間が長い事業所では早朝手当や深夜手当も設けられていました。

給与が高い人は何が違うの?

もちろん同じ病児保育の仕事をしている人でも給料が高い人もいれば低い人もいます。

ではその差はどこから生まれるのか解説していきます。

スキル

どこの会社でも同じですが、信頼して任せられる仕事が多い人程評価が高く、給与も高くなります。

経験や知識といったスキルを持っている人は責任のある仕事を任せられやすくなります。

そのため、技能手当等の形で給与に反映されやすくなるでしょう。

資格

病児保育で働くために必ず資格が必要なわけではありません。

無資格でも働くことは出来ます。

しかし、配置基準が設けられていることから、看護師や保育士の資格を持っている人は無資格者より優遇されているようです。

また、認定病児保育スペシャリスト、認定病児保育専門士等、病児保育に関する専門的な資格を取得すると更に資格手当が加算されるかもしれません。

役職

病児保育所は比較的小規模であることから、はっきりとした役職が定められているところは多くありません。

しかし、どの病児保育所にも中心となる人、つまり責任者は定められているようです。

責任者となった場合は責任が増える分、役職手当も望めるでしょう。

勤続年数

当然入社1年目の社員より、入社5年目の社員の方が経験も知識も勝っているため、任せられる業務も増えます。

そのため、必然的に勤務年数が長い社員の方が給与が高くなるでしょう。

地域

地域に関してはやはり都市部の給与は高く、地方の給与は低い印象があります。

しかし、都市部は給与が高くても物価や地価も高いため、給与自体は高くても生活水準としては全体的に大きな変わりはないのかもしれません。

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病児保育の年収の決まり方

病児保育の年収はどのようにして決まるのでしょうか?

基本給、各種手当、賞与の3つのポイントに分けて解説していきます。

基本給

年収を考えるにあたり、一番大切になってくるのが基本給です。

求人を確認したところ、基本給に関してはある程度の経験があれば本来の基本給より高い額でスタートとなるところもいくつかありました。

また、保育士や看護師の経験だけでなく、子育て経験がある方に対しても加算を設けている事業所もありました。

各種手当

手当てには各事業所によって違いますが、住宅手当、通勤手当、家族手当、危険手当、資格手当、役職手当、危険手当、技能手当等、様々なものがあります。

この中で自分次第で変えられる手当と言えば資格手当や役職手当、技能手当あたりでしょう。

これらの手当は勤務年数を重ね知識と経験を積むことにより役職が付いたり、スキルアップを図り資格を取得したりすることによって金額を上げることが出来ます。

賞与

賞与の回数や何か月分がということは基本的に各事業所で決まっているため、個人ではどうすることも出来ません。

そのため、賞与の額を上げたいのであれば、基本給の額を上げることが一番の近道でしょう。

病児保育で年収をあげるためにやるべき4個のこと    

では次に病児保育の仕事を行う中でもっと年収を上げたいと思った時に出来ることを、現在の勤務先で年収を上げるパターンと転職して年収を上げるパターンを含め、4個のポイントで考えていきます。

今の勤務先でできること

給料アップの交渉をしてみる

給料アップの交渉を行うためには当然ながらその材料が必要となります。

具体的にはやはり資格や実績となるでしょう。

他の病児保育所の待遇と比べ明らかにおかしいと思う点がある場合は、他の病児保育所の求人情報等を提示するのもひとつも方法かもしれません。

スキルアップを図る

一番分かりやすいスキルアップは認定病児保育スペシャリストと認定病児保育専門士の資格を取得することでしょう。

どちらも病児保育に特化した資格ですが、特に認定病児保育専門士は実際に病児保育の現場で働いている保育士・看護師しか受講・受験出来ないため、より専門性が高いと言えます。

資格を取る

無資格者は保育士や看護師の資格を取得することが一番の近道です。

しかしながら、看護師は業務独占であるが故に通信教育はありませんし、国家試験を受けるためには学校に通い実習や座学で学ぶことが必須となります。

そのだけ時間とお金を投資することが難しいという方は保育士の資格取得をおススメします。

保育士も専門的な資格ですが、国家試験の受験資格さえ満たしていれば、学校に通ったり、通信教育を利用したりしなくても受験することが出来ます。

保育士になるためには8つの筆記科目と実技試験に合格することが必要です。

しかし、近年保育士不足が社会的問題となっていることから、3年間で全ての筆記科目と実技試験に合格すれば良い・3年以内に合格出来なくても特定の条件を満たせば最長5年以内に合格すればよい・年に2回試験が行われている・社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士の資格を取得している人は筆記科目の免除がある等、以前と比べると取得しやすくなっています。

思い切って転職する

現在勤めている病児保育所で資格を取ったり、スキルアップしたりしたものの給与が上がらないという場合も残念ながら十分に考えられます。

そんな時は転職を考えることも一つの方法でしょう。

では、転職先はどのように選んだら良いのでしょうか?

転職先の選び方1:現在の事業所より基本給が高く、経験や資格によっては更に基本給が上がる可能性のある求人を選ぶ。

何度も説明していますが、年収を上げるために一番大切なポイントは基本給です。

そのため、現在勤めている事業所より基本給が高い事業所を選ぶのは必須でしょう。

仮にボーナスの倍率が多少高くとも、基本給が低くては年収アップは望めません。

更に経験や資格により基本給を定めるとしている求人は狙い目です。

面接時に自分をアピールするためにも、資格は積極的に取得しておきましょう。

転職先の選び方2:各種手当が充実しているところを選ぶ。

基本給の次に確認するべきポイントは各種手当がどの程度充実しているかということです。

病児保育の仕事は比較的手当が充実している傾向にはありますが、やはりそれぞれの事業所によって設けている手当は異なります。

特に家庭のある方は住宅手当や家族手当等はチェックするポイントでしょう。

年収をアップさせるための求人の選び方

では年収をアップさせるための求人はどのようにして選んだら良いのでしょうか。

4つのポイントで解説します。

給与相場が今よりも高いところを探そう

一番単純なことですが、一番大切なポイントです。

注目しなければならない部分はやはり基本給です。

各種手当が充実していれば月々の給料は上がりますが、基本給が上がらなければ賞与の額は上がりません。

現在の職場より年収をアップさせたいのであれば、より基本給が高い事業所を選ぶことが手っ取り早いと言えるでしょう。

賞与や昇給制度をチェック

賞与は年何回、何か月分と求人情報に書いてあるところが多いですが、昇給に関しては昇給ありとは書いていても具体的にどのような頻度や金額で昇給していくか書いてあるところは少ないです。

そのため、面接を受ける際にきちんと確認しておく必要があります。

残業代はちゃんと出る?

残業代はほとんどのところが出るようですが、残業自体が少ないというところも多いようです。

残業が多いところに関しては固定残業代が給与の中に含まれているところもありました。

交通費や福利厚生は?

基本的に福利厚生は充実している傾向にあります。

しかしながら、NPO等の民間団体よりも医療法人・社会福祉法人の方がより福利厚生が充実しているところが多いようです。

経験者が教える、実際に年収がアップしたのはこんなとき

保育士資格を取得した時

正直に言うと筆者は元々病児保育所で働きたいと思っていたわけではありません。

医療法人に勤めており、配置転換で病児保育所へ異動になったのです。

そのため、最初は戸惑うことばかりでした。

現在は子育て中ですが、当時は独身で子どもと関わることもほとんどなかったため、オムツの変え方すら分からない状態でした。

もちろん先輩が何人もおり、分からないことは教えてくれたり、その都度確認をとったりすることが出来ていたのですが、こんな自分が大切なお子さんを預かっていて良いのだろうかといつも不安に思っていました。

そのため、このままではいけないと思い、保育士の資格取得にチャレンジすることにしました。

受験1年目で筆記試験には全て合格することが出来たのですが、実技試験に落ちてしまいました。

そして、受験2年目で実技試験に合格し、無事に保育士の資格を取得しました。

取得したことで資格手当が5,000円加算され、年間60,000円の収入がアップしました。

ただし、筆者は他に福祉関係の資格を取得していたため、既に10,000円の資格手当が加算されていました。

もし、無資格の方が保育士資格を取得した場合は月10,000円、年間120,000円の収入アップとなっていました。

認定病児保育士の資格を取得した時

これは実際に取得する前に退職してしまったので、筆者自身の収入はアップしていないのですが、規定として認定病児保育専門士を取得した人に対しては毎月10,000円の技能手当が加算されることになっていました。

毎月10,000円の加算なので、年間120,000円収入がアップすることになります。

まとめ

今回は病児保育の仕事を行う中で収入を上げるためにはどうしたら良いか考えていきましたが、いかがでしょうか。

収入を上げるということはそれだけ会社に対して貢献出来る人材と認められることが大切です。

簡単なことではありませんが、利用児のためにも、自分のためにも、会社のためにも是非収入アップを目指して頑張ってください。

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