病児保育士になるには?資格や勉強しておくべきこと、なり方を解説します!
共働き世帯の増加と共に、どんどんニーズが高まっている病児保育。そんな共働き世帯の助け舟ともいえる病児保育の仕事とはどのようなものなのでしょうか?
今回は病児保育の仕事に興味を持っている方向けに病児保育の仕事内容、向いている人、活かせる経験、メリット、キャリアアップについて解説していきます。
一般の保育園や幼稚園などとは働き方や資格、待遇なども違ってくるのか、病児保育ならではの業務もありますので、検討している方は是非ご一読ください。
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病児保育の仕事にはどんなものがある?
まずは簡単に病児保育の仕事内容の説明を行います。
病児保育の主な仕事内容は、病気または病気の回復期にある子どもが保護者の勤務等の都合で家庭でも保育園・幼稚園等でも保育が難しい場合、一時的に預かり保育を行うことです。
具体的な仕事内容は下記の通りです。
環境整備
病気、病気の回復期にある子どもは体力や免疫力が弱っています。
そのため、温度や湿度を適切に管理し、快適に過ごせる環境を整えることが大切です。
定期的に換気を行って空気を入れ替えたり、空気清浄機を稼働させたりすることが効果的です。
また、感染防止のため、子どもが使ったおもちゃや机、いす等の備品の消毒もこまめに行います。
基本的にはアルコール綿で消毒を行いますが、ノロウイルス等アルコールでは消毒効果がない場合は薄めた次亜塩素酸で消毒を行います。
保育
子どもの年齢や病状に合わせた保育を行います。
安静を促すことはもちろんですが、特に回復期の子ども等は遊びたいという欲求が強いため、必要に応じて興奮させないよう静かな遊びを行います。
また、発熱している子どもはこまめに検温したり、下痢症状がある子どもはこまめに排泄の確認をしたり等、病状に合わせた経過観察を行います。
調乳や食事の補助、着替え、オムツ替え等、身の回りの世話も行います。
医療機関・保護者との連携
病児保育を利用するためには基本的にかかりつけの病院や病児保育室を付設している病院の医師の診察を受け、利用申請書の記入をしてもらうことが必要となります。
病児保育を利用中に病状が悪化した場合は保護者に連絡をしたり、医師の診察を受けるために受診同行したりすることがあります。
記録
どの仕事でも同じことですが、病児保育に関しても記録は大切な業務のひとつです。
各病児保育所によって必要な記録は異なりますが、大きく分けると業務日誌と各利用児個人に対する記録の2つに分けられます。
業務日誌にはその日利用した子どもの名前や症状、様子等を記載します。
個人の記録ではその子どもの好きな遊びや薬の飲み方、寝付きやすい寝かし付け方等より実践的なことを記載します。
これらの記録をしっかり行うことで職員間での引継ぎがスムーズに出来たり、保護者や医師等から尋ねられた時にどの職員も答えることが出来たりします。
その他
その他の業務としては利用予約の対応、市町村への報告、備品の在庫確認と発注等があります。
特に利用予約の対応は大切です。
利用定員を上回る利用希望者がいる時、他の子どもと部屋を分けないといけない感染症の子どもの利用希望が部屋の数以上ある時等も多々あります。
様々な感染症が流行る夏場や冬場は利用希望者が多い傾向にあるようです。
保護者は病児保育の受け入れの可否次第で仕事を休む、身内に看病を依頼する等、次の対応を考えないといけないため、迅速に返答することが必要となってきます。
また、病児保育は市町村からの委託を受けて実施されています。
そのため、毎月市町村に利用者や利用人数等を報告しなければなりません。
1年間の利用人数次第で補助金額が決まります。
病児保育の仕事はどんな人に向いている?
病児保育は言わば保育と看護が混ざったような比較的珍しい職種であると言えます。
対象となる子どもも0歳~10歳前後と幅広く、病気の種類も様々です。
では、そんな病児保育の仕事に向いている人とはどんな人なのでしょうか?
忍耐強く穏やかな対応が出来る人
病気の時というのは大人でもきついものですよね。
体力や免疫力の弱い子どもであったらなおのこと辛いでしょう。
しかも、その状況で一番信頼している保護者と離れて過ごすことになります。
そのため、受け入れ後、大声で泣き続けたり、病児保育室から出て行こうとしたりすることが多々あります。
何をしても泣き止まなかったり、拒否されてしまったりすると正直精神的に参ってしまうかもしれません。
しかし、そこはぐっと我慢です。
子どもの不安な気持ちに寄り添い、少しでも安心して過ごせるようにすることが職員の役割ということを忘れてはいけません。
向上心のある人
病児保育は主に保育と看護の知識が必要とされます。
それに加えて疾病や薬に関する知識もあれば、よりスムーズに、より専門に仕事が出来ます。
その幅はあまりに広く、なかなか全ての分野の知識を身に付けることは難しいかもしれません。
しかし、広く浅くで構わないので勉強続けてしていくことが大切です。
保育や医療は日々進歩しているため、ここまでしたら大丈夫ということはありません。
自己管理が出来る人
病児保育は当然ですが、病気の子どもや病気の回復期の子どもと関わります。
風邪症状の子どもだけでなく、ロタウイルス、インフルエンザ等、感染症の子どもも利用します。
感染症の子どもは他の子どもと部屋を分けるため、職員は感染症の子どもに終日付きっきりの状態となります。
そのため、他の子どもに対する感染防止はもちろん、職員に対する感染防止も必要です。
いくら消毒や換気を行っていても、職員自身の免疫力が低下している場合は感染してしまうことがあります。
普段から食事・睡眠・休養・運動等を心掛け、健康な体作りを行うことが必要です。
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病児保育で仕事をするために活かせる、今までの経験は?
病児保育は比較的残業が少ないことや受け入れ人数が少人数で1人1人の子どもとじっくり向き合うことが出来ること等から、比較的人気の高い職種です。
では、実際に働く際に活かせる経験や採用されやすい資格等は何なのでしょうか?
保育の経験・資格
病児保育所には保育士の配置基準が設けられているため、就職の際、保育士の資格があれば有利になるでしょう。
保育士の資格はご存知の通り、専門学校、短大、大学に進学することで取得出来ます。
しかし、学校に行かなくても、受験資格を満たせば国家試験を受けることが出来ます。
現在は保育士不足が深刻ということもあり、前期(4月頃)・後期(10月頃)と年2回試験が行われています。
最初に合格した年から3年の間に筆記試験9科目と実技試験に合格したら良いため、転職を考えている方も子育て中の方もマイペースで勉強していくことが出来ます。
また、幼稚園教諭、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士の資格を取得している人に関しては一部筆記科目の受験が免除されます。
保育士の資格があった方有利ではありますが、資格がなくても保育の経験がある方は活かせるでしょう。
看護の経験・資格
保育士同様、看護師も配置基準が設けられています。
そのため、看護師の資格も非常に有利になります。
看護師の資格に関しては、保育士とは異なり専門の教育機関で学ぶことが必須となります。
子育ての経験
病児保育は幅広い年齢の子どもが利用します。
その際、子育て経験のある方は「~歳の時はこんな遊びをした」「熱が高い時はこんな風にしたら楽になっていた」等、自らの経験を基に考えることが出来ます。
もちろん仕事として保育や看護を行うためには経験だけでなく、知識も必要です。
しかし、何となくでもどのようにしたら子どもが楽しめるか、症状が楽になるかという見通しが持てるということはとても大きな強みと言えるでしょう。
病児保育で働くメリットとは?
保育園や託児所等とは全く違う働きを持つ病児保育。
ではそんな病児保育所で働くメリットとは何なのでしょうか?
幅広い年代の子どもと関わることが出来る。
病児保育の対象は概ね0歳~10歳と幅広いです。
就学時とも未就学児とも関わることの出来る仕事はなかなかありません。
子どもの年齢によって必要な世話や遊び等は当然変わります。
幅広い年代の子どもと関わり、保育の経験を積めるということは大きなメリットであると言えます。
残業が少なく、福利厚生が充実していることが多い。
病児保育所には当然ながら保育園や幼稚園のように行事がありません。
また、多少超過することはありますが、定員も数名と少人数であるところがほとんどです。
そのため、比較的残業は少ない傾向にあるようです。
また、病児保育所は医療法人や社会福祉法人等、大きな組織が運営しているところが数多くあります。
それゆえに有給や給与の各種手当等、福利厚生が充実しているところが多いようです。
仕事をしながら自分の子どもを看病することが出来る。
これは子育て中の方に限定したメリットです。
自分の子どもが体調を崩したとしても、自分が働く病児保育室を利用することにより、仕事をしながら看病をすることが出来ます。
仕事を休まず、自分の子どもの看病が出来るということは病児保育ならではのメリットといえるでしょう。
場所によっては従業員が病児保育を利用する際の利用料を負担するというところもあるようです。
病児保育の仕事がおすすめな理由は、こちらの記事を参考に!
その後のキャリアについて
ここまで病児保育の仕事内容やメリット等について解説してきました。
次に気になるのはキャリア形成について解説します。
病児保育で仕事をした後のキャリアアップの道は?
病児保育に関わる資格は2つあります。
一つ目は認定病児保育スペシャリストという日本病児保育協会が認定する日本初のプロになるための資格です。
病児保育所で働いていなくても、18歳以上、認定病児保育スペシャリスト資格取得web講座の終了、24時間の実習という3つの条件を満たせば受験資格を取得することが出来ます。
資格取得までの具体的な流れは全13回のweb講座を受講→1次試験の合格→病児保育施設での実習(24時間以上)→認定試験の合格となります。
受講申し込みから最短で約1ヶ月、平均して2ヶ月程で実習まで終えることが出来ます。
二つ目は一般社団法人全国病児保育協議会が認定する認定病児保育専門士です。
全国病児保育協議会に施設又は個人で加盟し、病児・病後児保育室に常勤として2年以上勤務している、または非常勤として2年以上病児保育・病後児保育所に勤務し、週20時間以上の実働している保育士・看護師が対象となります。
対象者の職場の施設長から全国病児保育協議会所定の施設長推薦状において推薦を受け、且つ全国病児保育協議会が開催する病児保育専門士認定講座を全て受講すると受験資格を手に入れることが出来ます。
どちらも専門性の高い資格ではありますが、病児保育の経験を一定期間有する有資格者のみが対象となっている認定病児保育専門士の方がより高度な資格と言えるでしょう。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
病児保育の経験はもちろん他の仕事にも活かすことが出来ます。
子どもは生まれてから数ヶ月間は母親からもらった免疫で守られています。
しかし、その免疫が切れた後は自分で免疫を付けていかなければなりません。
そのため、ある程度の免疫を付けるまでは大人よりも病気にかかりやすい状態となります。
子どもと病気は切っても切り離せない関係なのです。
保育園、幼稚園、認定こども園、療育、放課後等児童デイサービス、学童、子ども塾等、子どもと関わる仕事は沢山あります。
もし病児保育の経験があれば、どの職場でも子どもの体調不良時に慌てず適切な対応が出来るでしょう。
特に看護師のいない職場では重宝されることになると思います。
また、病児保育の仕事では病気に対する知識、薬に対する知識も身に付きます。
それらの知識を活かして医療事務や調剤薬局事務、看護助手等の仕事で活躍することも出来るでしょう。
まとめ
今回は病児保育の仕事内容、向いている人、活かせる経験、メリット、キャリアについて解説を行いましたが、いかがだったでしょうか?
病児保育というシステムはとても便利でニーズが高いものです。
しかし、現状としては十分な病児保育所の数がないために、利用したくてもキャンセル待ちばかりでなかなか利用出来ないということも少なくありません。
将来性もバッチリ、女性も続けやすい、福利厚生も比較的充実しているというメリットたっぷりの病児保育。
たとえ病気になってしまったとしても、保護者・子どもが共に安心して生活出来るようにするため、是非あなたも病児保育の担い手の一員となってみてはいかがでしょうか?
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