近年どんどん需要が高まってきている病児保育。

利用したくてもキャンセル待ちばかりで利用出来ないという地域も多く、まだまだ需要に対して供給が追い付いていません。

今回は病児・病後児対応型病児保育所での勤務経験がある保育士資格を持った筆者が、病児保育のおおまかな仕事内容、働いて感じたこと、病児保育所で働くことがおすすめな7個の理由について解説していきます。

病児保育のおおまかな仕事内容とは?

病児保育の大まかな仕事内容は大きく分けて5つあります。

一つ目は環境整備です。

主に病気の子どもを受け入れるため、感染防止のための環境整備は必須です。

具体的には換気と消毒です。

換気に関しては各部屋等に設置されている換気扇を24時間稼働させる、子どもの受け入れ前やお迎え後には窓を開けて空気を入れ替える、空気清浄機を稼働させる等して行います。

消毒に関しては子どもが使ったおもちゃや椅子、机等の備品をアルコール綿等で消毒します。

ただし、アルコール消毒があまり有効ではない病気(ノロウイルス等)に関しては薄めた次亜塩素酸を洗浄綿等に染み込ませる等して消毒を行います。

インフルエンザやロタウイルス等、感染性の病気の子どもが利用した際には更に入念に消毒を行います。

二つ目は保育と看護です。

まずは定期的に検温を行う等して、随時利用児の状態を確認をします。

そして、発熱している利用児に対しては脇を冷やす、嘔吐や下痢の症状がある利用児に対してはこまめに水分補給を行う等、病状に適した対応を行います。

回復期の利用児に対しては興奮させすぎないよう注意しながら、静かな遊びをすることもあります。

また、それぞれの発達段階において必要な身の周りの世話(オムツ替えや食事の補助等)も行います。

三つ目は保護者や医療機関との連携です。

保護者とは予約時や受け入れ時に、自宅での様子や病気の経過等の確認、お迎え時に利用中の体調や様子の報告、明日の利用有無の確認等を行います。

その他にも病児保育所で預かっている際に病状が悪化した場合は連絡をとったり、お迎えに来てもらったりすることもあります。

保護者が仕事で連絡がつかない等の場合は、病状次第では保護者の代理で利用児を受診させたり、受診時に処方された薬を与薬したりすることもあるため、前もって保護者にその旨を説明し、了解を得ておく事業所が多いようです。

また、病状や処方薬に関して確認しなければならないことがあった場合は、利用児が受診した医療機関に連絡をとったり、処方した薬局に確認をしたりすることもあります。

四つ目は記録です。

各職場によって記録物の種類は違うと思うのですが、業務日誌は概ねどこの職場でも記録しているようです。

業務日誌には利用児の名前や病名、利用中の様子や特記事項等を記録します。

記録に残すことにより、どの職員でも問い合わせに対応することが出来たり、職員間での引継ぎをスムーズに行うことが出来たりすることが出来るため、とても大切な業務の一つであると言えます。

五つ目はその他の業務です。

その他の業務としては予約対応、備品の発注、壁面等の制作、市町村への報告等があります。

特に重要なのは予約対応と市町村への報告です。

予約対応に関しては利用希望者が少ない時は問題ないのですが、利用希望者が多かったり、感染症の子どもが多かったりすると、希望者全員を受け入れられないことがあります。

多少の定員オーバーは認められていますが、安全確保が難しくなる程の人数は受け入れることが出来ませんし、感染症の子どもは他の子どもへの感染防止のために過ごす部屋を分けるため、人数的には受け入れ可能であっても、感染症の子どもの数より部屋の数が少なければ受け入れることは出来ません。

そのため、すぐには受け入れ可能か判断しかねる場合も多いのですが、保護者の方は病児保育所が受け入れられるか受け入れられないか次第で次の対応を考えなければいけませんので、長い時間お待たせするわけにはいきません。

そのため、予約対応者には迅速な対尾が求められます。

感染症に関する知識や経験も必要であるため、責任者やベテランの方が予約対応者となるところもあるようです。

医療機関が運営している病児保育所であれば、予約対応者では判断出来ない場合は医師に確認を行うこともあります。

もうひとつは市町村への報告です。

病児保育所は市町村からの委託を受けて運営しています。

そのため、月の利用人数等を報告し、報酬を請求する必要があります。

以上、病児保育の業務5つを簡単に説明しました。

実際に病児保育で働いてみて、私はこんなことを感じました!

筆者は病児・病後児対応型の病児保育所で働いた経験があります。

実際に病児保育所で働いて一番強く感じたことは社会的なニーズや貢献度が非常に高いということです。

筆者が働いていたのは地方の小さな市にある病児保育所でした。

病児保育の事業を始めた当初はまだ認知度が低く、日によっては利用児が誰もいないということも多くありました。

しかし、月日が流れ認知度が高まるにつれてどんどん利用児が増えていきました。

特にインフルエンザやノロウイルス等感染症が流行る時期はとても利用希望児が多く、心苦しいながらもお断りせざるを得ない場合もありました。

地方の小さな市ですらそういう状況でしたので、待機児童問題があるような都市部ではもっと沢山のニーズがあるのだと思います。

また、利用児の保護者から感謝の言葉をいただけることも多々ありました。

預けられる子どもはもちろん不安だと思いますが、預けざるを得ない保護者も罪悪感を感じたり、心を痛めたりされているように見受けられました。

本来は自分で看病をしたい、そばにいてあげたいという保護者がほとんどだと思いますが、生活やキャリア等のためには毎回仕事を休むわけにはいきません。

そのため、病児保育はなくてはならないものである、本当に助かっていると何人もの方に言っていただきました。

子どもはこれからの二本の未来を担う国の宝です。

「子どもは産みたいけれど仕事も続けたい。しかし、子どもの病気や用事等で突発的に休みをとらざるを得ず、仕事を続けられる状況になくなり辞めてしまった。」という方々は沢山いらっしゃいます。

それでは少子化は進む一方です。

子育て世代の女性の社会進出も滞ってしまいます。

これらも問題を解決するためのひとつの方法として病児保育の事業はとても有用だと思います。

そのため、社会貢献度の高い仕事だと感じていました。

病児保育で働くのがおすすめな7個の理由とは?

筆者は病児保育所で働くことで保育士としても人間としても成長することが出来ました。

もちろん病気の子どもを預かるため責任はとても大きいですし、感染症の子どもとも濃厚接触しますので、自分自身に感染する可能性もあります。

しかし、それらのことを踏まえても病児保育は他の方におススメ出来る仕事だと感じています。

特におススメなのはきっと働くことに対し一番難しさを感じているであろう、子育て中の女性です。

その7個の理由を説明していきます。

未就学児から就学児まで幅広い年代の子どもと関わることが出来る。

病児保育を利用する子どもは概ね0歳~10歳前後です。

未就学児は保育園や幼稚園、認定こども園、就学児は小学校や学童等と基本的に未就学児と就学児は利用する施設が分かれおり、双方が一緒に利用する施設は限られています。

しかし、病児保育は未就学児も就学児も利用します。

そのため、それぞれの年齢に合ったお世話の仕方や遊び方、声掛けの仕方等を学ぶことが出来ます。

子どもの成長を長く見守ることが出来る。

病児保育はその地域に住んでいる方又は職場がある方が基本的に利用可能です。

そのため、お仕事を辞めたり、引っ越したりしない限りは一度利用した子どもはその後も利用することが多くなります。

もちろん基本的に病気になった時の利用であるため、顔を合わせる頻度は多くはありません。

しかし、その分、会う度にその子の成長を感じることが出来ます。

つかまり立ちをしていた子どもが歩けるようになっていたり、言葉がまだ出ていなかった子どもが二語文を話せるようになっていたり等、子どもの成長は目まぐるしいものがあります。

1人の子どもの成長を細く長く見守ることが出来るというのは大きなやりがいのひとつかもしれません。

保育と医療、両方の知識を身に付けることが出来る。

病児保育は病気の子どもが利用するため、当然ながら保育と医療の知識が必要となります。

病児保育所で働く人は保育士や看護師が多いのですが、どちらも保育のプロ、看護のプロであっても、保育士は看護について、看護師は保育についての知識はどうしても乏しくなります。

しかし、病児保育所で働くことにより、保育と看護両方の知識を身に付けることが出来ます。

保育士と看護師が一緒に働いている職場も多いため、対応に困った時はすぐに相談したり教えてもらったり出来る場合もあるようです。

子どもにとって病気は切っても切り離せない存在です。

もし保育園や幼稚園等に転職したとしても病児保育で培った経験と知識は存分に活かせることでしょう。

将来性がある。

パパとママのどちらかが働いていなかったり、近くにおじいちゃんやおばあちゃんがいる且つ面倒を見ることの出来る状態であったりすれば、子どもが体調を崩しても対処出来るでしょう。

しかし、近年は共働き世帯や核家族世帯が増加しています。

また、子どもの世話に関して祖父母に頼りすぎてしまい、祖父母か疲れてしまう「孫疲れ」も新たな社会問題のひとつになってきつつあります。

そんな状態を打破するために必要なのが病児保育なのです。

しかし、現状は需要に対して供給が追いついていない状態であるため、利用したくても定員オーバーで利用出来ないということも多々あります。

そのため、これから先、病児保育所が増えていくことは必至です。

また、現在は医療機関や保育園に付設されている事業所がほとんどですが、利用児の自宅に訪問する、訪問型の症児保育もあります。

子どもが普段生活している自宅で保育や看護が出来るのは子どもにとっても保護者にとっても大きなメリットですので、これからどんどん増えていくでしょう。

将来性は抜群です。

福利厚生が充実しているところが多い。

病児保育を運営しているのはNPO等もありますが、概ね医療法人や社会福祉法人等の大きな組織です。

そのため、給与形態がしっかりとしていたり、福利厚生が充実していたりするところが多いようです。

給料が上がればモチベーションも上がりますし、有給がしっかり消化出来ればリフレッシュしてまた新たな気持ちで仕事に取り組むことが出来ますよね。

福利厚生の充実は仕事を続けていく上で欠かせないポイントではないでしょうか。

残業が少なめである。

基本的に子どもと関わる仕事にはクリスマス会や夏祭り等行事ごとが多いため、準備等で残業が多い又は持ち帰りの仕事が多いというイメージが多いのではないでしょうか。

現に残業や持ち帰りの仕事の多さは保育士離れの原因のひとつとなっています。

しかし、病児保育所は病気の子ども又は病気の回復期にある子どもを一時的に預かる場であるため、行事はありません。

そのため、必然的に保育園や幼稚園等と比べると制作等の仕事の負担は軽くなります。

もちろんまったく制作をしないわけではありません。

やはり子どもが過ごす場所ですので、少しでも楽しく過ごせるよう、季節に合わせた飾り付けを作ったりすることはあります。

しかしながら、全体的に考えると残業は少なめであるため、家庭と仕事の両立もしやすいと言えます。

自分の子どもが病気になった時、看病をしながら仕事が出来る。

これは子育て中の方に限りますが、大きなおススメポイントです。

病児保育所で働いている人は自分の子どもが病気になった際、自分が働いている病児保育所に子どもを預ければ、仕事をしながら看病をすることが出来ます。

もちろん定員オーバーしている時等、毎回は利用出来ないかもしれません。

しかし、仕事として自分の子どもの看病が出来るというのは病児保育所ならではのメリットでしょう。

法人によっては福利厚生のひとつとして、病児保育代を負担してくれるところもあるようです。

まとめ

病児保育の仕事内容や働いていて感じたこと、病児保育で働くことをおススメする7個の理由について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

病児保育は働くパパ、ママに優しい制度ですが、実は職員にとっても働きやすい職場なのです。

ワークライフバランスが保たれている病児保育の仕事。

仕事も家庭も充実させて素敵な人生を送りましょう!

実際に病児保育の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!


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