葬儀屋の仕事内容12個の業務・キツいと言われる理由・向き不向き・向いている人の特徴を経験者が解説します
葬儀屋年収事情をここで詳しくお教えしちゃいます。
葬儀会社の年収を知る機会なんてなかなかないかと思います。
人の死に触れる職業なのでマイナスイメージを抱かれやすいですが、社会になくてはならない職業なのでとてもやりがいのある仕事です。
そんな葬儀屋の給料や年収についてを経験者が今回は詳しくご紹介させていただきます。
少しでも皆さんに興味を持っていただけたら幸いです。
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目次
閉じる葬儀屋の年収の相場はどのくらい?
実際に葬儀屋の方々は、どれぐらいの年収でお仕事をされているのでしょうか?
葬儀屋では、様々な雇用形態で働かれている方が多いことが特徴です。
また雇用形態というよりも、業界の経験年数によって報酬が変わることも多く、一概に雇用形態で給与が異なると言えません。
ではそれぞれの雇用形態の年収相場を解説します。
正社員で新卒入社した場合
大手の葬儀会社に就職するか、中・小規模の葬儀屋に就職するかによって違いはありますが、平均月収は新卒で19~21万前後となります。
賞与なども含めると、平均年収は290~310万前後となるでしょう。
しかし、新卒1年目は研修期間があるため、半年ほどは研修月給での支給とするケースも多い為、初年度は上記の金額より少し低くなることもあります。
最初から好待遇の給与ではないといえるでしょう。
正社員で転職した場合
同業界から転職となると、手取りで25~30万前後もらえることは少なくありません。
平均年収350~440万前後となるでしょう。
経験者が優遇される業界でもありますし、経験者の場合は即葬儀のディレクションを任せられることも多く、給与とは別に〇〇手当がつきます。
この手当は、支給される給与とは別にもらえる金額となるため、収入が上がるケースは非常に多いです。
しかし、業界未経験での転職組は、やはり研修期間というものが存在しますので、最初の給与は決して高くありません。
月給で23万前後が相場となるため、平均年収はやはり300万前後になるでしょう。
パート・アルバイト
パートさんやアルバイトさんに関しては、どの業務を担当するかによって、時給単価は大きく変わります。
献茶さんは1会場で日当12000円前後が平均で、経験によっては15000円になる方もいます。
運転手や警備関連のアルバイトだと日当8000円前後となりますし、葬祭ディレクターのアシスタント業務の場合は、1400~1700円前後の時給計算となります。
その他で遺体のホルマリン漬け(ホルマリンという液体に遺体を沈めて浮き上がってくる遺体を沈めるということを繰り返す)だと、時間にしては3~5時間という短時間で2~3万円という高待遇バイトもあります。
年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?
賞与
大きい葬儀会社は、通常の会社同様に、会社の業績に応じて賞与支給の有無が決まります。
支給される場合は、個人の業務への取り組み姿勢や資格所持の有無、任せられる業務の範囲などで大きく異なります。
同じ業界年数でも、任せられる式の規模や、資格の有無で、月給や賞与などは全て変わるといえるでしょう。
昇給
昇給も勿論、通常の会社と同様にあります。
一番昇給しやすいのは、やはり資格の習得や、大規模の葬儀を執り行うことができる・できないで判断されます。
大きい規模というのは、個人葬でも300名以上の葬儀のことで、法人葬儀なども対応できるようになると、確実に昇給はあります。
また、経験値によって昇給をするようになるため、長く勤めれば勤めるだけ昇給はされるという仕組みです。
各種手当
一番、収入を左右するのがこの手当関連です。
大きい式を執り行うたびに、〇〇手当が付くようになります。
身体は少しハードになり、責任も大きくなりますが、ひと月に大きい式を2本執り行えば、翌月の給与の額は圧倒的に高くなります。
また、夜勤手当などもあるため、日中完結型の葬儀でない限り、夜勤・深夜手当が付くようになります。
通常の仕事も夜勤・深夜は高待遇になるのと同様だといえるでしょう。
給与が高い人は何が違うの?
先程お伝えしたように、同じ経験年数でもできる・できないことの差で給与や賞与が大きく変わると言いましたが、給与が高い人と給与が低い人との違いは一体なんでしょうか。
詳しく解説します。
スキル
葬祭ディレクターなど、葬儀全体を指揮する役割を担っている方の中でも、葬儀全体の運営を遂行するのが上手な方もいれば、後手後手になる方もいます。
段取りを組むのが上手・下手などで、遺族の方からの満足度は大きく異なります。
また、突発的に起きたことへの対応力や機転の回し方など、目に見えないスキルが非常に重要です。
そして目に見えないスキルだからこそ、一緒に動く献茶さんや運転手、警備、葬儀関係スタッフからの意見や動き方などで評価されるのも特徴の一つです。
役職
大手であれば、家族葬・法人など、様々な葬儀の規模で部署を分けているケースもあります。
部署を分けるとその分、部署をまとめる役職者が必要となります。
基本的に役職が付くと、現場仕事に出ることはほぼ、ありません。
イレギュラーな対応などに備えることや、段取り通りに全ての葬儀が進んでいるかを確認する監督者となるため、相応の手当はもらえます。
臨機応変な対応能力と、マネジメントがあると評価された方だからこその職位であり、お給料も高くなります。
勤続年数
勤続年数は非常に大事となるのがこの業界です。
勤続年数が長い=経験値が高くなっていきます。
必然的に携わる葬儀が多くなるため、対応能力も身に付き、任せてもらえる葬儀の規模から宗派まで、幅広く対応できるようになるからです。
また、「この業界で勤続年数が長い方は重宝される」という傾向もあるため、会社の経営状態が悪くなければ、右肩上がりで給与は高くなると思っても間違いではありません。
地域
地域によって多少の金額の差はあります。
もちろん東京が高くなり、地方になればなるほど、千差万別となるでしょう。
葬儀屋の年収の決まり方
担当する葬儀の幅を広くする
先程でもお伝えしたように、葬儀はそれぞれのご家庭の宗派によって、進行の仕方や準備するもの・作法まで違いがあります。
宗派問わず対応できるようにすることは、年収をUPさせるのにとても大切です。
更に葬儀の規模も大事です。
家族葬のように少人数制の葬儀から、数百人レベルの大きい葬儀まで対応できるようになると、任せられる範囲が純粋に広くなるため年収が上がりやすいです。
資格を取る
葬祭ディレクター1級の資格を習得すると、必然と資格手当がもらえるようになるため、年収ベースでUPしていきます。
ただし、葬祭ディレクターは実務経験5年以上が必要となるため、5年後に年収を上げるための動きを早くから準備し、勉強を重ねて資格を取る必要があります。
実務経験を重ねながら2級を習得するなど、少しずつ勉強の範囲を広げる事をおススメします。
仕事を選ばない
葬儀会社によっては、ご遺体の体を拭く作業や霊安室を完備している葬儀会社ですと夜勤の勤務があり、線香を絶やさないように1時間置きぐらいにご遺族に代わって線香を付ける作業を担う会社もあります。
こうした仕事も請け負っている会社の場合は、給与が通常の葬儀会社に比べて年収が高いケースがあります。
もちろん、ご遺体に触れることになるため、最初は抵抗があるかと思いますが、自分自身の中でその仕事をする意味を見出し、仕事を選ばず遂行するという信念を持つことができれば、スタートの年収も高くなるいえます。
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葬儀屋で年収をあげるためにやるべき3個のこと
では実際に現在、葬儀会社でお勤めの場合、何をしたら収入を上げることができるのでしょうか。
自己努力でまずできることを解説します。
今の勤務先でできること
給料アップの交渉をしてみる
給料UPの交渉をするには、今できる範囲がどこからどこまでなのかということを自分自身が把握し、「プラスαで〇〇の業務も行うので給料をUPさせてほしい」と交渉するのが一番、効果的です。
どの会社でもそうですが、今以上の働きをしてくれるというメリットが会社側にないと、なかなか会社は動いてくれません。
何をどこまでできて、これからどこまでの仕事をする気持ちや意気込みがあるのかを説明し、納得して給料をUPしようと思ってもらえるかという事が大事です。
スキルアップを図る
現在の勤務年数や会社の方針にもよりますが、現時点で家族葬しかできないということであれば、大きい葬儀も担当させてもらうように話をして、確実にスキルが身に付いた時点で給料UPの交渉に入ると効果的です。
会社として「家族葬のみしか受けない」という方針なら、家族葬の中でも抵抗を持たれる葬儀、例えば子供の葬儀など率先して自分が担当するようにすると、成人の方の葬儀と子供の葬儀の違いが分かり、対応能力や配慮する部分も把握できるようになります。
会社で今できる事がどこまであるのかを考え、その会社で出来ないことはないと言えるぐらいの経験をまずは積み、スキルを身に付け、交渉するといいでしょう。
思い切って転職する
家族葬しかしないという会社の方針であれば、大きい規模の葬儀を担当するためには、思い切って転職するという選択も視野に入れるといいでしょう。
もちろん、その場合は年収はスライドになるケースが多いですが、大きい規模の葬儀を担当できるようになれば、年収は確実に上がっていきます。
転職の際に、その葬儀会社がどういう葬儀を受けているかという点を、しっかりと聞いて判断するといいでしょう。
転職先の選び方1:葬儀規模の確認
どういう規模の葬儀の仕事を受けているのかは非常に重要です。
幅広く受けていて、それ相応の従業員の数が在籍していれば、確実にスキルアップできる道は見えてきます。
求人で細かく記載していないケースもあるため、面接時にヒアリングしてみることをおススメします。
転職先の選び方2:キャリアステップがしっかりあるか確認
ずっと現場で葬儀に携わる事を目指していないなら尚更、どこからスタートしてどの位置(職位)まで目指すことができるのか、ということを確認しましょう。
また、職位に応じての年収が幾らで、何を基準に査定されるのかも確認しておくと、明確にキャリアップの道が描きやすくなります。
会社によっては、資格習得者じゃないと〇〇という職位につけない、というケースもあるので事前に把握することはとても大切です。
年収をアップさせるための求人の選び方
実際に年収をUPさせるために、求人内容はどういうところを見て確認するといいのでしょうか。
求人内容だけでは判断できませんが、無数にある求人の中から精査する必要があります。
どの部分で精査を行うのか、解説します。
給与相場が今よりも高いところを探そう
今の総支給額と年収をまずは算出しましょう。
今よりも収入を下げることは、誰もが避けたい現実ですよね。
現状の年収や月給がスライド、UPすることがベストだと思います。
年収をUPさせたいなら、いくらぐらいUPさせたいかも明確にしましょう。
そうすることで、求人をグッと絞り込むことができます。
賞与や昇給制度をチェック
賞与が年に何回支給されているのかや、昇給制度がしっかりあるのかなどチェックしましょう。
求人内容に昇給制度のことが詳しく書かれている企業は、自社で自信を持っているポイントになりますので、会社としての考え方を自分自身が受け入れられるかなども、見ておくといいでしょう。
残業代はちゃんと出る?
近年増えているのが、月給に「〇〇時間の残業代込み」で掲載されている求人です。
所謂、みなし残業です。
このみなし残業も、会社毎に設定している時間が異なります。
よく見るものでは、30時間、40時間、45時間、60時間という記載があります。
どれぐらいの残業時間があるのか、何時間以上から残業代として支給されるのかも、しっかりとチェックしてください。
交通費や福利厚生は?
交通費は全額支給なのか、上限金額が設定されているのかも見ておきましょう。
有給休暇の取得のタイミングや、保険関係、配偶者手当など、あると嬉しい福利厚生が備わっているかもチェックしてくださいね。
経験者が教える、実際に年収がアップしたのはこんなとき
資格取得のタイミングで交渉する
私の在籍していた葬儀会社は、家族葬が多く、霊安室も完備している葬儀会社でした。
実務経験が5年以上必要な葬祭ディレクターの資格いきなり取得するのは難しいと思い、一番最初にエンゼルメイクの資格を取りました。
俗にいう「死化粧師」と言われるものです。
当時は会社の中でエンゼルメイクができる方がおらず、湯灌などされない方にも納棺師を呼ばざる負えない状況でした。
そこで、私がエンゼルメイクができるようになると、葬式のメニューにオプションとして追加し、ご遺族の方が選ぶことができるようになると考え、資格を取ったら給与を上げてほしいと交渉しました。
もちろん、メニューにオプションが増えるという「会社としてもメリットがあります」という事を説明した上で給与交渉をしました。
エンゼルメイクの予約が月10件入ったら、資格手当とエンゼルメイク施術料としてそれぞれで手当を出してほしいと明確に伝え、結果、見事、資格手当10000円/月・エンゼルメイク施術料5000円/回とUPすることができました。
複数業務をできるようになる
例えば、理教・仏教では大きく式の流れが変わります。
この宗派の違いで覚える内容が多くなるのですが、どの宗派にも対応できるようになると交渉しやすくなります。
「こういうこともできるので、〇〇円UPさせてほしい」と明確に金額の提示をするといいでしょう。
他にも生前予約する方々向けに葬儀会場の案内を行い、予約してもらえるようにする窓口の担当業務ができるようになるなど、少し営業寄りではありますが、会社に貢献できる部分を増やすことで、目に見える数字で根拠を持って交渉するというのも、理に適っていておススメです。
雇用形態ごとに違いは出てくる?
月給や年収
雇用形態によって月給や年収の違いは、もちろんあります。
そもそも、時給制と月給制で金額、業務範囲、責任範囲なども違うので、年収にも違いが出てきます。
年収以外における良い点と悪い点
年収以外にも、雇用形態別の良い点と悪い点が存在します。
それぞれの雇用形態別に解説します。
正社員
良い点
福利厚生、賞与や昇給を受けることができます。
特に賞与や昇給の部分では、正社員の方が利点は大いにあります。
明確に昇給時期があり、会社の経営が安定していれば、必然的に賞与も手にすることができます。
悪い点
賞与や昇給がある=責務が当然重くなります。
プレッシャーに感じる事も出てくるでしょう。
「これをやっていればOK」という考え方よりも、様々な事が出来る人材に、会社は多くの給与や賞与を渡します。
上を見続けなければ、収入は上がらないと言えるでしょう。
契約社員
良い点
保険関係や有休など、福利厚生の一部を受けることができます。
また人によっては正社員の道も残されているため、自分の努力次第ではポジションを確立することができます。
悪い点
有期雇用(契約期間が定められている雇用)となるため、契約更新をされないリスクはあります。
会社の経営状態悪化で人員整理となった際に、対象になるケースがあるため、自己努力をしなければ雇用の安定は見込めません。
アルバイト
良い点
責任の所在を求められることが少ないでしょう。
アルバイトが何かミスをしても、上司が後片付けをしてくれます。
そうした面ではプレッシャーは感じにくいでしょう。
また、お休みなどは正社員さんよりも取得しやすいというのも利点一つです。
悪い点
時給制の為、病欠や大型連休時のある月の給料は下がってしまいます。
時給制は残業した分も100%支給される分は良いのですが、自動的に給与が少なくなる月も年に何度か発生します。
収入の安定がしにくい雇用形態です。
派遣
良い点
限られた範囲の仕事をきっちり行うのが、派遣社員さんが求められることです。
契約上で定められている業務以外はしなくて良い、というのは気軽でもあり、困ったことがあれば派遣会社の担当者に相談すればいいので、自ら直接、何か言わなくても良いというのは気分的に楽だと思います。
悪い点
契約社員以上に雇用の安定が見込めません。
基本的に3ヶ月に1回の契約更新となるので、働き方や能力が企業の求めているレベルより劣ってしまうと、必然的に契約終了となります。
この働き方は、こんな人におすすめ!
それぞれの雇用形態に良い点・悪い点があるのはお分かり頂けたと思います。
では、どういう人がどういう雇用形態が合っているのでしょうか。
解説します。
正社員
様々な事にチャレンジしたい方や、年収ベースで給与を上げていきたい方におススメです。
責任が伴いますが、自己成長や自分自身の業務の幅を持つことができる為、成長したい・安定したい・収入を上げたいなど、明確に目標を定めている方におススメです。
また、世間体からしても、正社員だと周りに与える安心感があります。
所帯を持たれている方なら尚更、世間体は切っても切り離せないものとなるでしょう。
契約社員
少しずつレベルを上げたい方におススメです。
複数タスクを処理するよりも、一つのことができたら次の事、というように、着実に実績を積むには非常にオススメな雇用形態です。
また、自分自身の働き方や考え方などが会社の方針・組織の方針にマッチしていれば、そのまま正社員雇用の道を切り開くケースは少なくありません。
自分自身の能力とマッチしているか見極めたい方におススメです。
アルバイト
半年・1年というように、短期的な仕事期間で考える方にはオススメです。
特に「稼ぎたい」という明確なものがあれば尚更です。
残業したらした分だけ、お給料に反映されるので、自分自身の体調管理をきっちり行い、稼げる時期に稼ぐことをスケジュールで組むと、比較的、お金が溜まりやすいです。
派遣
自分に合っているか、職種や職場を確かめたい方におススメです。
また、様々な仕事を派遣社員で経験することで、スキルを上げることも出来ます。
スキルだけじゃなく、自分自身の向き不向きを知ることもできます。
自分自身に合っている仕事を探したい方は、まずは派遣社員でお仕事をしてみてから転職活動をするのも、近年多くなっています。
1年~2年の短期的な期間で経験を積むには、非常に良い雇用形態です。
まとめ
ご紹介したように、年収の上げ方は色々あります。
特に葬儀関連はある意味、職人仕事に似ています。
資格を取ることや、長くこの業界に在籍していれば、必然と経験値が上がり、同時に年収も増えていくものです。
お仕事としては忌み嫌われる仕事ですが、世の中から無くなってしまうと困る職業でもあるのです。
自身の利益だけを考えず、葬儀屋の仕事の意義を考えてお仕事をされると、きっとやりがいや達成感を持つことができるでしょう。
私は自分自身が経験して、素晴らしい仕事だと今でも言えます。
是非、年収や考え方など参考にしてください!
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