日々、人の死に触れる葬儀屋のお仕事。

この仕事でやりがいを感じるポイントが、今一つ想像できない方も多いのではないでしょうか。

そもそも人の死に触れる仕事なのに、やりがいを持つこと自体が後ろめたい気持ちになる方も多いと思います。

実際に、私も最初はやりがいを持つことは、気が引けるような思いでした。

果たして、本当にやりがいを持ってはいけないのでしょうか?

どんな仕事にもやりがいは存在します。

葬儀屋のお仕事でやりがいを感じた私の経験をご紹介します。

葬儀屋ってどんな仕事?

葬儀屋の仕事は、お亡くなりになった方の遺体を管理したり、葬式の始めから終わりまでを執り行う監督者のような存在です。

ご遺族の方々の要望を汲み取り、式全体の進捗度合いや火葬場の手配、花屋さんや時にはお坊さんの手配、貸し衣装屋の手配もすることもあります。

式全体を監督するだけではなく、遺族に寄り添い、未練が残らないようにするために、式全体のレールを敷いてあげ、レールから脱線しないように正すことも、葬儀屋のお仕事といえます。

また、葬式自体が年に何度も行うことがないため、いざという時に作法が分からない状態になったり、何をどれだけ準備していればいいのか、案外分からないものです。

特に近年は家族葬が増えてきているため、親戚同士で借り合う、助け合うということも減少しています。

このように遺族が困るであろうことや、故人が未練が残ることがないように、最大限時間を使い、様々な事に対して配慮することが重要となります。

葬儀屋の方がしっかりした対応ができないと、式全体がグダグダになってしまうことも少なくありません。

葬儀依頼のお電話を受けてから、無事に葬儀を執り行い、納骨され、葬儀代金をお支払いいただくまでが、葬儀会社のお仕事です。

最初から最後まで失敗が許されない仕事であり、緊張感をもって仕事をしなければなりません。

葬儀屋でやりがいを感じる5個のポイント

では、なかなか想像しにくい「葬儀屋でやりがいを感じるポイント」はどこにあるのでしょうか。

実際に私がやりがいを感じていたポイントをお伝えします。

遺族からの言葉

「良い葬儀ができました」「貴方が担当してくれて、〇〇(亡くなった方のお名前)も喜んでると思う」「サポートして下さってありがとうございます」など、遺族から丁寧なごあいさつと共に、御礼を仰って頂けることがあります。

そうしたときに、この仕事のやりがいを感じます。

勿論、毎回言われることはないですが、世間からあまり良い印象を持ってもらえない職業だけに、感謝されることが嬉しく、やって良かったなと感じるようになります。

お礼を言われるという事は、少しは遺族の気持ちに寄り添えたということだと感じます。

無事に送り出しができた時

お亡くなりになってから、火葬場でお骨になるまでの間は、基本的に近くでお世話にすることになるのが葬儀屋の仕事です。

腐敗しないようにドライアイスを脇に挟んだり、鼻に綿球を詰めたりなど、可能な限り綺麗な状態で送り出しをしなければなりません。

全員が病死ということもないので、事故死もあれば殺人、孤独死という悲惨な状態で死亡確認をされるケースも、比較的多いものです。

その際にご遺族としては、変わり果てた姿を見せたくないと真っ先に思い、そうした要望を受ける事があります。

お顔の損傷があれば、見せないようにするのか、化粧(エンゼルメイク)で誤魔化せるものなのか、ということを判断します。

このように、通常のご遺体以上に気を付けなければならない葬儀を無事に終え、送り出しができた時は、達成感と同時にやりがいを感じる瞬間となります。

阿吽の呼吸で仕事ができたとき

葬儀屋は様々な業者と連携して、一つの式を完成させなければなりません。

業者の方とも、一緒に葬儀を担当する機会が多くなればなるほど、クセややり方、進め方などが分かるようになります。

会社や仕事内容は違いますが、一つ一つ千差万別の式を作るために集まった「チーム」として、お互い協力する必要があります。

その協力体制があって、何も言わずとも全員が阿吽の呼吸で仕事を進めることができた時に、今日のメンバーと仕事をすることに対して、やりがいを感じます。

葬儀は、自分一人では上手く進行することができません。

チームで一丸となることで初めて進行するものだ、と実感する瞬間でもあります。

できない事ができるようになった

これはどの仕事でも一緒だと思いますが、できる事を増やすことで、都度やりがいを感じます。

私は電話受付から献茶の仕事を覚え、司会進行、エンゼルメイク師というように、自分自身ができる範囲を広げていきました。

そうすると、それぞれの業務で覚えなければならないことや、技が全て異なります。

だからこそ、できない業務が多いよりかは少ない事に越したことないので、できることが増えるとその分、やりがいは感じるようにもなりますし、自分自身のスキルアップにも繋がるため、一石二鳥となります。

また同時に達成感もあり、自分が思っている以上に、仕事に対しての満足度は高まるといえるでしょう。

頼られることでやりがいを感じる

葬儀屋の仕事は「未経験だと何もできない」という印象を持たれますが、実は違います。

未経験でも頼りにされることが非常に多い業界です。

祭壇を作ったり、椅子を並べたり、香典返しを運んだりなど、思っている以上に体力を消耗する仕事が多いです。

男性の未経験の方は、こうした部分は指示さえもらえればできることなので、ドンドン指示がきます。

それを真面目に遂行するだけで感謝されます。

女性の場合は、献茶です。

遺族や親族の方々に対して、料理や飲み物の提供などを行う人のことです。

未経験でも活躍できるフィールドがあるだけではなく、頼ってもらえるのは、やりがいを感じやすいのではないでしょうか。

やりがいを持って働くために必要なこととは?

葬儀屋のお仕事は、やりがいなどが見えにくく、やりがいを感じられるまでに時間がかかることもある職種です。

だからこそ、お仕事スタート前に「どういう目的、気持ちで葬儀屋の仕事をしようとしたのか」ということを明確にすることで、やりがいを感じるまでのモチベーションも保つことができます。

では、どういうことを明確にしておくべきなのでしょうか。

葬儀屋の仕事をしようと思った動機

どんな仕事でも必ず「なぜ、これをしようと思ったのか」という動機があります。

特に葬儀屋のお仕事は専門職でもあり、人から敬遠される職種になります。

自分自身がなぜ、葬儀屋という仕事をしようと決心したのか、葬儀屋の仕事をしようと思ったきっかけ(動機)は何かということは、案外フワっと理解していて、明確に決めている人の方が少ないものです。

しかし、このきっかけ(動機)の部分を明確にしておくことで、落ち込んでしまったりめげそうになった際に、自身の動機がモチベーションに代わることもあります。

このきっかけ(動機)に関しては、入社前と入社後で変化することもあるでしょう。

仕事がある程度できるようになれば、モチベーションも考え方も変化するかと思います。

その時々に応じて、目的を明確にするようにしておきましょう。

どういう葬儀屋になりたいのか

お仕事をする前に、自分自身がどういう葬儀屋のスタッフになりたいと考えているのかなど、目指すべき「葬儀屋スタッフ像」を明確にしておきましょう。

この目指すべき理想の自分を明確にできれば、自分のスキルアップを目指す際に、どこを極めていけば良いのかという事も、自分で把握できるようになります。

自分自身のことは意外と抜け漏れが出てくるものです。

ズレていたら軌道修正を自分で行うようにしなければなりません。

それができた時にやりがいを感じるようになるでしょう。

知識の蓄積を行う

宗派ごとの式の進め方や準備を一通り覚えるだけで、遺族へ説明する仕事が増えたり、質問されても受け答えがスグにできたりと、スムーズに物事を進めることができます。

知識を深めれば深めるほど、自分自身でご案内できる範囲が広がり、直接お礼を言われる機会も増えます。

そうすることで、やりがいを感じやすくなり、更に高みを目指すこともできます。

資格取得をすることを視野に入れた動きもできます。

自分がどこまでの知識を蓄積したいかにもよりますが、自己成長し続けることができるため、やりがいも感じやすいでしょう。

どういう気持ちで葬儀屋の仕事をするかを明確に

目的をどこに持つか、で大きく異なる部分があります。

遺族や故人を気持ちよく送り出したいという気持ちが1番なのか、とにかくお金を稼ぎたいなのかによって、刺さるダメージも異なります。

葬儀屋は基本的に、人間の感情を示す「喜怒哀楽」なら、「哀」の部分になります。

時には「怒」が加わるかもしれません。

どちらにしても、気分が良いものではないことは明らかです。

ただですら、暗い気持ちになる仕事に対して、どういう気持ちで日々の仕事を行えばいいのかということが不明瞭ですと、仕事がうまくいかなくなってしまいます。

だからこそ、「どういう気持ちでこの仕事をするのか」ということを自問自答しなければなりません。

故人や遺族を気持ちよく送り出すには、知識のみならず、気配りや配慮という部分を磨く必要があります。

お金を稼ぎたいなら、より多くの仕事を覚え、自分自身に任せていただける内容を増やす必要が出てきます。

どちらにしても、マニュアルや教科書にはない部分を意識しなければ、叶えることができません。

どいう気持ちで葬儀屋で仕事をしようとしているかを明確にし、すべきことに的を絞り、見失わないようにしましょう。

スタッフ同士のコミュニケーションを活発に取る

葬儀屋のお仕事は、自分一人では成立しません。

その式を担当するチーム全員で一丸となって初めて、遺族から感謝を言われる葬儀にすることができます。

このコミュニケーションがしっかりと取れているチームは、イレギュラーが起きたときでも臨機応変に対応をすることができます。

逆に、コミュニケーションが不足しているチームでは、後手に回る可能性が非常に高いです。

コミュニケーションといっても、仲良しこよしで仕事をするではなく、「お互い任された仕事を遂行しよう」とする共通目的を持つことで、任せられた責任範囲は違っても、最終的に目指している方向性は一緒になるという事です。

お互いを信頼し合える環境や、空気感を作り上げる事が大事であるといえるでしょう。

このスタッフ同士の連携がうまくいくと、結果、故人や遺族のために繋がるという事になると言えるでしょう。

自分の仕事に誇りをもつことができるか

どんな仕事にも該当しますが、「自らがしている仕事に誇りを持つことができるかどうか」というのは非常に重要です。

どれだけお金を稼ぐことができても、人はやりがいを感じたいと感じるからです。

実際にやりたくない事も、きっとこれからたくさん出てきます。

自分の仕事を自分自身が誇れなければ、その職種では長続きしません。

何故なら、惨めに感じる瞬間や、悲しい気持ちになることがあるからです。

しかし、自分の仕事に誇りを持つことができれば、多少辛くてもしんどくても、人は踏ん張ることができます。

自分自身が葬儀屋の仕事を肯定しなければ、やりがいを持つ前にギブアップしてしまうでしょう。

まずは自分自身がしている仕事に誇りを持つようにしましょう。

まとめ

葬儀屋の仕事でやりがいを得ようとすると、必然的に、自分自身が葬儀屋という仕事を肯定しなければなりません。

なぜ、人から忌み嫌われる仕事を選んでいるのか、どういう目的で葬儀屋の仕事をしようと思ったかを、見失わないようにしなければなりません。

冠婚葬祭の冠婚はみんなが自然と笑顔になる仕事ですが、葬祭は暗い悲しい気持ちを持ちながらも、前を向いて走り出せるようにする仕事です。

どちらが難しいかといえば、一目瞭然ですよね。

そうした難しい仕事を、自ら選んで仕事をするという道に進むからこそ、自分自身の軸をブラさないようにする必要があります。

やりがいを感じるポイントは、人によって様々です。

今回は、私のやりがいを感じたポイントや、やりがいを感じるためにどういう心構えが必要か、という部分をお伝えしましたが、貴方自身のやりがいを感じるポイントがきっとあるはずです。

決して楽ではない仕事ですが、どんな仕事でも「やってて良かった」と感じる瞬間があるのです。

そういう部分を探してもらえるきっかけになれば幸いです。


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