2020年7月6日

「広告制作」という職種について気になっている方は必見です。

テレビCMや雑誌広告などアートワークの制作で華やかなイメージがある広告制作ですが、実際にはどのような業務が行われ、どんな世界なのでしょうか。

広告制作のようにクリエイティブな仕事に向いている人の特徴や、向いていない人の特徴までお話させていただきますので、将来はCMを作る仕事に就きたい方や新聞・雑誌の広告に関わる職業を目指したい方は是非ご覧いただければと思います。

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広告制作とはどんな仕事?

「広告制作」とは、その名の通り「広告を作る」仕事になりますが、現在の日本においては、一言で広告と言っても様々な種類の広告が存在しています。

広告の代表的なものと言えば、テレビやラジオ、映画などのCMや雑誌や新聞などに掲載される広告などが挙げられます。

更に、現在広告の主流となっているのが各種インターネットサイトなどに表示されるWeb広告です。

いずれも、企業やサービス、商品などを世の中の人に対して告知することを目的とした販売促進ツールというのが広告の役割になります。

この広告を製作するのが主な仕事になります。

広告制作の大まかな仕事内容

広告を作る過程は幾つかの作業に分かれており、作業ごとに担当する人や仕事内容が変わります。

広告制作に関する大まかな流れは、まず広告制作の依頼主であるクライアントから広告の目的や意図、ターゲットなどを確認し、広告全体の概要を決定します。

この概要を決めて制作全体を指揮する人を「ディレクター」と呼びます。

クライアントとディレクターが広告全体の方向性やスケジュールを打ち合わせで決定すると、実際の広告制作に入ります。

どのようなメディアを使用した広告にするかによって変わってきますが、広告制作に関わるスタッフには以下のような人達がいます。

  • コピーライター:キャッチコピーや宣伝文など文章作成を行う人
  • アートディレクター:広告全体に関わるビジュアル面での内容を考える人
  • グラフィックデザイナー:実際の広告に関するビジュアル制作を行う人
  • CMプランナー:テレビやラジオのCMに関する企画を立案する人
  • カメラマン:映像制作に関する撮影を行う人

など、各種クリエイターにディレクターが全体の流れを指示し、広告を作り上げていきます。

これら全体を総合して「広告制作」という仕事が成り立っています。

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広告制作が向いている人の6つの特徴とは?

クリエイティブな仕事が好きな人

広告というものは、基本的にゼロから作り上げていく作業になります。

広告制作を依頼するクライアントは、目的やターゲットなどについてはある程度明確なものを提示してきますが、それをどのような形で広告にしていくかについては、ほとんどの場合具体的な指示やイメージはありません。

クライアントでさえもイメージし切れていないものを想像して形にしていく作業が必要となるため、クリエイティブな発想が求められます。

ハードワーカー・仕事熱心なタイプ

広告制作という仕事は、非常にハードな仕事として知られています。

その一番の理由は納期があるからです。

決められた期限内に広告を作り上げて納品しなければならず、如何なる理由があろうとも納期遅れは許されません。

また、制作については定められた予算があり資材や人材を無制限に投入することができないので、予算を管理しつつ厳しい納期を守りながら質の高い広告を作り上げるという非常に厳しい条件が広告制作には加えられています。

限られた予算と人員で定められた納期を遵守しようとすれば、制作スタッフにかかる負荷は当然大きくなり、そのため非常にハードな仕事にならざるを得ません。

このような厳しい状況に対しても挫けることなく前向きに取り組める情熱を持ったタイプが、広告制作に向いている人材と言えます。

デザインやアートワークに関するセンスを持った人

広告制作を実際に行っていくスタッフの中には、グラフィックデザイナーやWebデザイナーなど映像やビジュアル関連のアート制作の担当者が必須になります。

もちろん、これらの作業を実際に行うには、デザイナーやアーティストとしての専門的知識やスキル、経験などが必須となりますが、全体を管理するディレクターのような立場の人間においても、これらの素養が豊富にないと制作されているものの良し悪しを判断することが難しくなってしまいます。

広告はある種のアート作品とも言えるものになるので、デザインやアートワークに対して興味とセンスがある人でないと務まりません。

全体調整を図ることが得意なタイプ

広告はデザイナーやプランナーが単独ワークで作成していくイメージがあるかもしれませんが、実際には分業された業務の集合体となるので、各種作業を行うスタッフ同士の調整などを行うことがディレクターにとっては最重要任務となります。

誰かの作業が滞ってしまうと全体の制作スケジュールが止まってしまうことになるので、あらゆる方面に支障を来たすことになります。

また、プランナーやデザイナーなどのメンバー同士よる意思疎通などが上手くいかない場合も意図する作品を作り上げることが困難になってしまうので、メンバー間のコミュニケーションを円滑に進める役割も重要になります。

このように、広告制作では一つのプロジェクトや作品において様々なプロフェッショナル達が同時進行で作業を進めていくチームワークが欠かせないため、全体調整を図ることができるまとめ役のようなタイプが強く求められることになります。

聞き上手なタイプ

広告制作において一番重要となるのが、クライアントが求めるニーズを如何に正確に引き出せるかということです。

前述の通り、広告の依頼主であるクライアントは広告で求める「成果」については具体的な数字やイメージを示してきますが、それを実現するために必要となる広告そのものについては大まかなイメージでさえ持っていないことが多々あります。

それをクライアントが求める広告に仕上げていくためには、打ち合わせなどから少しでも多くの情報を引き出していくことが重要になります。

クライアント自身も気がついていない潜在的ニーズというものを、打ち合わせを通じて具体的なイメージや言葉に落とし込んでいく作業が、広告の概要を形成していく道標になっていくのです。

このような潜在的ニーズを如何に上手に引き出せるかは、相手が話したいことを話せるように聞き役に徹することができる、謂わば一種のヒアリング能力にかかってきます。

広告制作とはどちらかと言えば自己発信型の仕事で、聞き役というよりはどれだけ多くの自己アピールができるのかが求められるように思われがちですが、実際はクライアントが発信したい情報の代弁者となれるよう聞き役としてのスキルが非常に重要となります。

ポジティブで、ストレス耐性に優れた人

広告制作という仕事は、非常にストレスの大きな作業です。

ディレクターであれば、クライアントからは広告制作状況の進捗確認や内容に対する批判、コスト削減の要望などが日頃から訴えられ、制作サイドのデザイナーなどからは予算アップや納期の延長など、相反する要求が突き付けられる状況が日常茶飯事となるため、精神的にタフでないととても務まりません。

こうした状況でも常にポジティブに受け止めて、あまり気にし過ぎないようなストレス耐性に優れたタイプが求められます。

広告制作が向いていない人の3つの特徴とは?

何事も大雑把で、ルーズなタイプ

広告業界は一見すると華やかな世界で、派手なタイプが多いイメージを持たれるかもしれません。

確かにメディアとの関連が強く芸能やアートワークなどにも関わる案件もあるために、華やかで派手な側面があることも否めません。

しかし、広告制作の裏側を垣間見ると分かりますが、常にタイトなスケジュールで管理され細かな調整などにも気を配らなければならないのが現実で、大雑把で派手に仕事を進めることは不可能な世界です。

むしろ、一つの小さなミスが致命傷となり兼ねない繊細な作品作りになる場合が多いので、些細なことにも気がつけるきめ細やかなタイプが求められます。

また、納期というスケジュールを遵守しなければならない仕事でもあるので、時間にルーズなタイプは到底向きません。

自己中心的なタイプ

デザイナーやプランナーなどは職人気質で自己中心的な人物像を思い描くかもしれませんが、こうしたタイプも現実には広告制作に向いていません。

そもそも、広告というものは自己表現としての作品ではなく、あくまでもクライアントの意向を実現するための販促ツールであるため、常にクライアントの意向というものが最優先される仕事になります。

また、自分一人でのソロワークではなくディレクターや他のデザイナー、ライターなどとのチームワークとなるため、マイペースに業務進行をすることはあり得ません。

常にチーム全体での業務進行に気を配り、それに合わせる心遣いが必要になります。

そうした意味からも、所謂アーティストによるアートワークとは異なるのです。

トレンドに対して意識が低い

そもそもこうしたタイプは広告業界などにあまり興味を持たないかもしれませんが、広告というものは世の中のトレンドの影響を強く反映するものです。

そのため、何が流行っているのか、社会全体の意識などがどのように変化しているのか、そうしたトレンドに対する意識が低いと、仕事を進めていく上での障害になってしまいます。

時代の意識を反映する広告が世の中のトレンドを生み出してきたというトレンドリーダーとしての側面があることからも、流行に対しては敏感であることが求められます。

広告制作の仕事経験は、その後どんな職種・仕事に活かせる?

イベント企画業務

広告制作のディレクションに似た業務としては、イベント企画などにおけるディレクション業務が挙げられます。

アートワークや芸能などに関連する業務という点でも、広告業界でのコネクションやネットワークなどが活かせるという点でその経験が直結する仕事と言えます。

Webサイト制作

広告制作の中でもWeb広告に従事していた人であれば、Webサイト制作の仕事がおすすめになります。

Webサイト自体が広告としての側面を持っているため、広告制作とサイト構築に関する基本的な流れやポイントなど共通する部分が多くあります。

Webデザイナーやプログラマーなどとのコネクションもそのまま活用することができるために、経験を活かすというより広告制作の延長線上にサイト制作があると考えた方が近いかもしれません。

企業における広報部門での仕事

広告制作に関してクライアントとなっていた広告依頼主である企業担当者は、大半は所属企業の広報部門の担当者です。

企業において、企業ブランドの向上や自社商品のPR活動などを企画・運営していくことが主な仕事なので、基本的には広告制作のディレクターやCMプランナー業務と共通している仕事と言えるでしょう。

長年広報部門の担当者と折衝をしていれば、大体どのような仕事を行っているかは理解できているでしょうし、何よりも自社広告を制作プロジェクトが進行していれば、これまでの経験をフルに活用することができます。

企業における企画・マーケティング業務

広報部門よりは、どちらかというと企業内での発信が主な役割となる業務ですが、企画やマーケティング部門での仕事も広告制作の経験を活かすことができる企業内部門と言えます。

これらの部門は社内において横断的な立ち回りを期待されている部門と言えるので、広告制作において様々な立場のメンバーを取りまとめてプロジェクト進行をこなしてきた経験を活かすことができます。

また広告についてはマーケティングが重要となるので、マーケティング部門の業務にもこれまでの経験を活用することができます。

企画やマーケティングは同一部門で担うことが多いため、このような部門の業務においては、広告制作のノウハウを活かすことが大いに可能です。

これから広告制作の仕事を始めるには、どうしたら良い?

広告制作の仕事に従事するためには、どのようなことが必要となるのでしょうか?

広告制作を行う会社に就職する

広告制作を行う会社へ就職することで、広告制作の仕事に従事することができます。

広告制作会社には、主にクライアントから広告を受注する営業活動から制作のディレクションまでを執り行う「広告代理店」と、実際の広告を制作する「制作会社」の二つに分かれます。

自分自身が広告制作のどの部分に関わりたいかによって、就職する企業を選択しましょう。

資格は必要?

特に必要はありません。

ただし、デザイナーやカメラマンなどについてはそれ自体立派な職業としても成り立つ専門職なので、専門学校などで知識や技術を学んでしっかりと身につけなければなりません。

まとめ

これまで、広告制作に関する解説を行ってきました。

広告業界と言えば華やかで派手な印象の世界に思われがちですが、制作現場においては、な作業の積み重ねによって作り上げていく地道な世界になります。

広告を作ることに情熱を持っていて、そのためのハードワークを厭わないタイプに適した仕事になると思いますので、改めて自分自身に適性があるかをよく考えてエントリーしましょう。

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